ニューウェーブ漫画相談室

マニアック目な漫画紹介ブログです。 どういうジャンルを取り扱っているかは、『カテゴリー』の『年間漫画まとめ』を参照頂くとわかりやすいかと。

2015_11読んだ漫画感想まとめ



11月に読んだ漫画感想まとめ。

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恋に落ちる過程と百合の必然性、『やがて君になる』(仲谷鳰)



BLや百合などの性的マイノリティを題材とした作品を読む際にいつも私が気にしているのが「同性である必然性」についてだ。勿論、純粋に男同士、女同士の恋愛が好きという意見もあるだろうが、そこには例えば自分がマイノリティであることに対する葛藤や同性同士ならではの性的な問題点等がなければ、「そのネタなら異性カップルネタでもできるよね」と感じてしまう。わざわざマイノリティを描くなら、それ相応の物語が欲しくなる。
今回紹介のは百合漫画だ。そして大きく扱っているテーマは普遍的な恋愛の要素である。では、百合の居場所はどこか。

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2015_12買いたい新刊漫画

今年も終わりですね。
皆さん漫画読みましょう。
年末はたくさん漫画出るなぁ。


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アホウのアホウによるアホウのための物語『或るアホウの一生』(トウテムポール)



物語を動かすのはキャラクタである。設定や世界観を中心に形成される物語もあるかもしれないが、大半の作品の中心にはキャラクタが置かれるはずである。設定や世界観、もしくはモブキャラクターなどはメインキャラクターを活かすための舞台装置であり、如何にしてキャラクターの魅力を表現するかが物語のキモとなる。

本作の主人公は、将棋の養成機関である奨励会に所属してプロを目指している高校生、高以良瞬だ。 日夜、将棋の勉強に励む高以良だが、壁にぶつかりなかなかプロに成れずにいる。そんな高以良が思い悩みながらプロを目指していく物語なのだが、この高以良がかなりの「アホウ」なのである。

p25
p25より引用。主人公高以良は将棋のプロを目指している。

なかなか将棋で勝てない高以良は、将棋の師匠であるプロ棋士に相談にいくが「将棋で強くなる方法なんて教えられない。自分で考えろ。」と突っ返されてしまう。そして、自分で考えた結果、退路を断つ、という選択肢を取ろうとする。奇抜な恰好をして社会的評価を下げ、将棋プロ以外の選択肢をなくそうというのである。

p32
p32より引用。ある日、突然メイクしてピアスを空けた高以良。

p36
p36より引用。将棋のプロになるために退路を断つという選択。

1話目からこのような展開で高以良のアホウさが演出されている。それ以降も様々なエピソードで高以良のアホウさ、というより純粋でうつろいやすい人格が描写される。彼は物語の主人公であり、この物語は主人公のための物語だからだ。

他の登場人物についても、それぞれのエピソードはあるがあくまで主人公の魅力を引き出すための舞台装置として配置されている。
特に印象的なのはライバルキャラの夏目の存在である。1巻後半で高以良がとある理由で泣きじゃくりながら自分の心中を叫ぶ。高以良の考え方は青くてまっすぐで、読者の共感を得られるような演出がされる。ただ、その場にいた夏目は、完全に高以良の主張をスルーする。読んでいて違和感を覚えるほどに、高以良と夏目の温度差が激しい。

p146
p146より引用。高以良と夏目の温度差をよく表した1ページ。

この演出は色々な捉え方ができるが私の意見として、あくまで夏目がライバルキャラであることを演出するため高以良の意見に共感させないものと捉える。高以良のための物語の中では、夏目は明確な敵であるべきだ。

将棋描写も毎回違う演出がされてユニークである。あの手この手で主人公の心情が描かれる。

p166
p166より引用。将棋のシーンの演出。冷静な高以良と直情的な高以良。

以上のように、エピソード、周りのキャラクタ、演出と物語の総てが高以良の魅力を演出するために用意されている。勿論、前提として魅力的な高以良のキャラクタがあってこそである。純粋で素直でアホウな高以良がこれからどのように悩みながらプロを目指すか、そしてそれがどのように演出されるか、今後のアホウの一生が楽しみである。
 

2015_10読んだ漫画感想まとめ

10月読んだ漫画の感想まとめ。

今月読んだ漫画は41冊。2015年最低記録。
まぁそれでも十分読んでる。年間700冊は無理そう。

今月一番面白かった漫画は『或るアホウの一生』
将棋のプロ養成機関、奨励会にてプロを目指しながら、
自分は何がしたいんだと苦悩するアホウの物語。
主人公のキャラが素晴らしい。それを活かす演出も上手。
あの手この手で主人公の心理が描写されてて飽きない。
あんまり話題にならないけど、いい漫画。オススメです。

お次は連載作品。
『逃げるは恥だが役に立つ』はクライマックスに向けて大きく展開が動いて今後が楽しみ。
『ちはやふる』はいつま経っても勢い衰えない。部活漫画の模範。
『3月のライオン』こちらも息切れ知らず。前巻はどきっとしたけど今巻は安定。
『先生の白い嘘』はホントに怖い。早藤がいる限り暗い未来しか見えないがどうなるか。
『町田君の世界』はkindle化遅くて今更読んだけど、名作になる予感。
『秋津』は好きなギャグのノリだったなぁ。続編期待。

次は単巻作品。
『アヒルのバレエ』は丁寧で読みやすいバレエ漫画だった。
『花に問ひたまへ』はさそうあきらの盲目の人が主人公のあったかストーリー。

今月はあんまり古い漫画読めなかったので、来月はもっと心がけて読んでいきたい。

あと、今月は初めて関西コミティアに参加。
クリエイターだらけの空間は非常に独特の空気で楽しかった。
また行きたいけど、次は5月かぁ。気長に待とう。














































 
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