絵本のような漫画作品だなぁと思いながら読んでたけど、
そもそも絵本と漫画の違いってなんだろうと考えてみた。
絵本方面に明るくないから的外れな意見かもしれないけどご容赦下さい。 



本作は白ご飯に合うおかずが題材のグルメ物となっている。
料理をキーアイテムとして登場人物のハートフルなエピソードが描かれる。
キャラクタは個性豊かで愛らしいし、話の構成も過不足なくまとまっている。
物語への料理の絡ませ方もバリエーションがある。
そんなストーリー面もクオリティの高い作品だが、
それ以上に目立つのがフルカラーで画面一杯鮮やかに展開される画面作りだ。


p40,41

2巻 p. 40, 41より引用。コマをはみ出し画面一杯鮮やかなページ模様。


可愛らしい絵柄とフルカラーの画面はまるで絵本のよう。
ここで考えたいのが、絵本と漫画の違いについて。
漫画の大きな特徴として、「吹き出し」と「コマ割り」があげられる。
「吹き出し」は各キャラクタのセリフや心理を描写するのに用いられる。
「コマ割り」は一般的には物語の時系列での流れを表現する技法だ。

漫画技法である「吹き出し」を活かしているページの一例を示す。
下のページでは1コマ目の途中から過去に時系列がシフトする。
人物の色が消えると同時に、吹き出しに色が付くことで時系列の境目がより明瞭となる。
人物ごとに色を変えるのもセリフの識別に一役買っている。
フルカラーならではのユニークな漫画技法だ。


p90
2巻p. 90より引用。フルカラーならではの「吹き出し」を使った漫画技法。


「コマ割り」についても同様にフルカラーを活かした表現が各所に確認される。
下のページではキャラクタの感情とコマの色がリンクしている。
吹き出しの色も強調のために使われていたりと、
カラーをこれでもかと利用した表現で非常に読みやすい。


p63
1巻p. 63より引用。コマが色鮮やか。キャラクタの感情が表現されている。


「コマ割り」に関しては、色以外のユニークな表現もされている。
下のページでは段ボール箱がそのままコマ割りのような役割を果たしている。
そこから剥がれる付箋がそのまま次のコマまで続いているのも面白い。
ベーシックなコマ割りに囚われない自由な表現だ。


p26
1巻p. 26より引用。段ボール箱がそのままコマ割りに。


下のページは、絵本っぽさと漫画っぽさの融合の最たるものだろう。
画面全体は明確にコマ割りはされておらず一枚絵のようで絵本っぽい。
実際には上から下に時系列が進むような演出で石畳の色の表現が美しい。
周囲の人々が石畳で区切られるのは漫画のコマ割りに近い。
吹き出しも時系列の流れにうまく割り込んでおり、
視線誘導も意識した表現技法を凝らしたページと言えるだろう。


p48
2巻p. 48より引用。上から下への時間の流れと周囲のセリフがミックスした演出。


絵本っぽい漫画っぽい、媒体の枠に縛られない自由自在な表現が目立った作品。
漫画を普段読まない人でも読みやすいと思うのでオススメしたい。




ごはんのおとも 2
たな
実業之日本社
2016-11-18