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『映画大好きポンポさん』(人間プラモ)より引用


漫画の媒体が移り変わっているんだから、
それに合わせていきませんか、という提案。


私は高校生の思春期を『月刊アフタヌーン』を読みながら過ごしたアフタっ子だ。
アフタヌーンと言えば、沙村広明や黒田硫黄、弐瓶勉など数々の漫画家を輩出した
新人賞『アフタヌーン四季賞』を主宰していることでも有名である。
四季賞受賞作品はアフタ本誌に掲載されたり小冊子として収録されたりするので、
私はその尖った新人読み切り漫画を読みながら青春時代を過ごした。
市川春子の『虫と歌』を読んだあの日から、
私の漫画読み人生が始まったといっても過言ではない。
話は逸れたが、私は漫画家を志す人の情熱がギュッと詰まった
新人読み切り漫画というものが大好きだ。
新人の定義には諸説あるが、ここでは「商業誌で連載したことがない漫画家」としよう。


そんな新人読み切り漫画好きの私が久々にビビッときた作品が、
 『映画大好きポンポさん』(人間プラモ)だ。
内容については割愛させて頂くが(というかタダだから皆読んで欲しい)、
公開後12日で閲覧数が40万回を超えるなど(2017年4月16日現在)、
ツイッターを中心に爆発的に話題になった。


ポンポさんと同じようにWEBで話題になる新人読み切り漫画はここ数年多い。
例えば、昨年の話題作、『兎が二匹』(山うた)などは、
ポンポさんと同様にpixivで作者が公開した読み切りが話題になり、
読み切り版をプロトタイプに 月刊コミック@バンチにて連載が開始した経緯がある。
また、同じく『春の呪い』が昨年大ヒットした小西明日翔先生も、
pixivで個人公開していた『来世は他人がいい』が大ブレイクし、
コミックZERO-SUMにて『春の呪い』の連載に至る。
以上の2例はpixivで個人公開していた読み切り作品が話題になり、
雑誌での連載、そのままヒットした例である。


そこで提案したいのが、
「新人の読み切り漫画はWEBで公開しよう」というものである。


新人読み切り作品をWEB公開する動きは、既に大手出版社でも行われている。
各社、WEB漫画誌や専用アプリなどで連載や読み切り作品を公開している。
ジャンプ+の『悪魔のメムメムちゃん』(四谷啓太郎)
読み切り版が話題になり、連載まで漕ぎつけた。
講談社の、モーニング・アフタヌーン・イブニングの合同WEBサイト『モアイ』では
ちばてつや賞をはじめ、いくつかの新人賞の受賞作品を公開している。
ただ、上述した四季賞などは、まだ以前の慣例のまま、アフタ本誌での掲載となっている。
まだまだWEB未公開の新人賞も多い。


WEBでの公開の利点は何といってもSNSでの拡散である。
話題になった作品は爆発的に広がっていき、その人数は雑誌購買層の比ではなくなる。
インパクトが重視される読み切りという分野はSNSにぴったりのように思う。
読者に直接評価を投げかけられるWEB公開の利点は計り知れない。
雑誌の売り上げが減る、などのデメリットもあるだろうがメリットに比べれば小さい。
電子書籍が普及し、読み手が画面上で漫画を読むことに慣れてきた今こそ、
新人読み切り漫画のWEB公開を積極的に進めていくチャンスだろう。
出版社には、自分達だけでなく漫画家にも読み手にも最適な形態を模索していってほしい。