※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、
「2017年1月1日~2017年6月30日の間に
初商業コミックが発売になった漫画家(Amazon調べ)」
としています。
また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が
上記のレギュレーションに合致すればOKとします。
自分で各漫画家さんに過去作がないかチェックはしていますが、
間違いがありましたらコメント等でご指摘頂けますと嬉しいです。

2017上半期も終わりましたので、読んだ漫画まとめ記事第一弾。
昨年末からせこせこやっている新人漫画家まとめをまとめました。
上述したレギュレーションの「新人漫画家」の中で私がコミックを読んだのは計86人。
1月 17人2月 17人3月 12人4月 17人5月 8人6月 15人
毎日新刊をチェックして新人漫画家っぽい人の作品を手あたり次第
買っていった結果がこの数字です。やり過ぎた感はある。

その中で特にオススメの漫画家さんを20人をランキング形式で発表します。
今後も注目していきたい漫画家さん達。
試し読みURLも貼っておきますので、皆さんも気になったらコミックを買って下さい。
若い芽に投資して漫画業界を盛り上げましょう。


20位 有馬慎太郎 (『四ツ谷十三式新世界遭難実験(1)』)

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『四ツ谷十三式新世界遭難実験 』は、地球と違う生態系が形成された人類未踏の惑星から、
人を困らせるのが好きな天才科学者とその被害者4人が脱出を計るサバイバルSFコメディ。
絵柄や設定、キャラクタの掛け合いのノリなど若干既視感があるが、
それらの要素をきっちり自分の物として新しい作品として昇華しており素晴らしい。


19位  タカキツヨシ (『BLACK TORCH(1)』)

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忍者の末裔である主人公がある事件を境に妖怪と同化し物ノ怪退治を専門にする
隠密部隊に配属されることになるバトル物、『BLACK TORCH』を連載中。
コマ送り演出など、凝った表現技法を使用したスタイリッシュなアクションシーンが特徴。
設定のベタっぷりも含めて、少年漫画の王道的部分を押さえていてワクワクさせてくれる。


18位  グレゴリウス山田 (『竜と勇者と配達人(1)』)

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連載中の『竜と勇者と配達人』は、中世ヨーロッパ風のファンタジー世界を舞台に、
知名度と共に金と人の集まる勇者パーティの冒険の姿などを描いたメタファンタジー物。
メタファンタジー作品は『ダンジョン飯』以降流行していて他にも色々あるが、
本作はファンタジー設定の裏側を作者の独特な感性で読み解いてセンスが光る。


17位  稲空穂 (『おとぎ話バトルロワイヤル(1)』)

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奇妙なおとぎ話の世界にアリスに憧れる少女が迷い込む『おとぎ話バトルロワイヤル』は
作者がpixivに投稿していたイラストを題材に漫画として連載となった珍しいパターン。
魅力的な世界観がゆっくりと丁寧に描かれていて、今後の展開が楽しみ。
キャラクタを強調した画面作りも読みやすいし綺麗。


16位  長門知大 (『将来的に死んでくれ(1)』)

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連載中の『将来的に死んでくれ』は、金を払ってでも同級生の女子と関係を持ちたいゲスと
そのアプローチを塩対応でいなすクール女子が主人公のコメディ。
アホらしい設定でハイテンポな掛け合いが繰り広げられるの楽しい。
女子同士だからこそ出来るアクションも上手くギャグとして利用していて工夫が見られる。


15位  tMnR( 『たとえとどかぬ糸だとしても(1)』)

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兄の結婚相手の女性に恋をしてしまった女子高生の報われない恋を描いた
百合作品である『たとえとどかぬ糸だとしても』を連載中。
手が届く場所に想い人がいるのに絶対に想いが伝わらない、
伝えることもできない主人公の悲愛を真正面から描いている。


14位  柴(『おおきなのっぽの、(1)』)

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『おおきなのっぽの、』は、小学4年生なのに身長が170センチもあることが
コンプレックスな少女が主人公のホームドラマ4コマ。
テンポの良い起承転結と情報量を絞った見やすい画面作り、
キャラクタを活かす話作り、と丁寧な作風で好感が持てる。


13位 カメントツ(『カメントツの漫画ならず道(1)』)

試し読み

WEBサイト『オモコロ』で突撃レポを中心に行っていた作者が、
漫画に関連する人物をレポする『カメントツの漫画ならず道』を連載中。
大御所漫画家にも遠慮なしにずけずけアプローチするスタイルと
それを現実感溢れる演出でレポ漫画に落とし込む手腕が見事。


12位  墨佳遼 (『人馬(1)(2)』)

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戦国武将に戦の道具として使われるケンタウロスのような生き物「人馬」の
生活と反乱、交流を描いた『人馬』を連載中。
イラストレーターとして活躍する作者が描く架空の生き物が画面の中を駆け回る様は
躍動感に溢れており、まるで実在の生物のようなリアリティ。


11位  糸なつみ (『おとなとこども、あなたとわたし。(1)(2)』)

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『おとなとこども、あなたとわたし。』は、高校生と小学生、老人と若者、
アラサー女性と20代女性という3つの「年の差」関係をそれぞれ描いた連作短編集。
年齢という普遍のテーマへのアプローチの仕方が切り口するどい。
1巻で3つの話それぞれが1話ずつ進むという構成もユニーク。


10位  バナーイ(『CICADA(1)』 (山田玲司 共著))

試し読み

山田玲司原作、作画を担当する『CICADA』では、漫画の所有が禁止された世界で、
漫画に憧れる少年と不思議な少女の冒険を描くメタファンタジーを描く。
『うる星やつら』などの往年の名作が作中に登場するが、
その描写にもコピーを使わず、自分の線で描く作画への拘りが素晴らしい。


9位 マクレーン(『怒りのロードショー』)

試し読み個別漫画感想記事

映画オタクの高校生達が、持論をぶつけあいながら熱く議論する
映画コメディ『怒りのロードショー』は自身のブログ連載が単行本化。
量をこなしてきたオタクにありがちなビギナーへの嘲笑など、
映画オタに限らない普遍的なオタク行動をリアル感たっっぷりに描いている。


8位  河部真道 (『バンデット(1)(2)』)

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鎌倉時代末期、下人の身分ながら自分の国を作る夢を持つ少年を主人公に、
裏舞台から世の中をかき乱そうとする人々をダイナミックに描く『バンデット』を連載中。
不安定ながら荒々しくエネルギッシュな作画と野望に溢れる魅力的なキャラクタ、
グイグイ進んでいく展開運びはオンリーワンの才能で大変魅力的。


7位  熊倉献 (『春と盆暗』)

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荒唐無稽な嘘ばかりつく年上のお姉さんと男子中学生など、
変な女の子に振り回される平凡な男子、をテーマにした短編集『春と盆暗』を発表。
エキセントリックな可愛い女の子という局所的ニーズを突いた物語のチョイスと
現実と妄想がシームレスに繋がる画面表現が非常にユニーク。


6位  こうのとり昇 (『メダカくん、さよなら。』)

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メダカやタニシなど、水槽で飼われている生物が擬人化され、それらの生態を
活かしたシュールギャグが繰り広げられる『メダカくん、さよなら。』を連載中。
ほのぼのギャグが似合う題材と絵柄にも拘わらず、不穏な空気が漂う水生生物関係と
ダークな不条理ギャグが繰り広げられており楽しい。


5位  山本アットホーム (『山本アットホーム』)

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作者が自身のHPやコミティアで発表していたものが単行本化した『山本アットホーム』は
毎ページどころか毎コマにボケとツッコミと不条理が潜むギャグ漫画。
上述の通り、全てのコマでギャグとしてボケツッコミが完結しており、
今までにないハイスピードハイテンポな不条理ギャグ漫画に仕上がっている。


4位  板垣巴留 (『BEASTARS(1)(2)(3)』)

試し読み

初連載である『BEASTARS』では、草食動物と肉食動物の獣人が共存する学園を舞台に、
兎の少女に恋する狼の少年を描いたアニマルサスペンスラブストーリーを描く。
本来であれば捕食者と被捕食者である種々の動物達が同じ場所で生活するために設けられた
様々なルールや暗黙の了解に関する設定、世界観が作りこまれており素晴らしい。


3位  園田ゆり (『あしあと探偵(1)』)

試し読み個別漫画感想記事

人探しを専門に請け負う探偵事務所を舞台にした1話完結の物語、
『あしあと探偵』をアフタヌーンにて連載中。
起承転結のエッジが効いた物語構成、それを魅力的に画面に落とし込む演出力、
それらを彩るキャラクタ達の魅力、などそれぞれの要素が高次元にまとまっている。


2位  椎名うみ (『青野くんに触りたいから死にたい(1)』)

試し読み

WEB公開の1話がSNSで拡散されて話題になった『青野くんに触りたいから死にたい』は
恋人を亡くした少女と彼氏の幽霊との奇妙で滑稽な生活を描いたラブストーリー。
常軌を逸した少女の純愛と視覚的におどろおどろしいホラー要素、
間の抜けたギャグが混じり合って、読んだことのない雰囲気の作品に仕上がっている。


1位  大童澄瞳 (『映像研には手を出すな!(1)』)

試し読み個別漫画感想記事

アニメを製作するために集った個性豊かな女子高生3人組が
四苦八苦しながら映像作品を作り上げていく『映像研には手を出すな!』を連載中。
パースの効いた吹き出しや設定が現実と混じる作画表現も素晴らしいし、
何より、楽しむために努力して楽しくなっていく主人公達の姿が美しい。