<注意>
 2018ランキング「予想」記事です。また、あくまで傾向からの分析ですのでご理解下さい。 あと、私個人の趣向というよりは「ランキングに選ばれそうな作品」を挙げています。また、本記事では「オトコ編」について取り上げます。


 (ちなみに昨年のランキング予想記事はこちら

 まず、『このマンガがすごい!』年間ランキングの基礎知識についておさらい。


 「大学の漫画研究会、書店員、ライター、イラストレーター、編集者、評論家、俳優、声優、放送作家、お笑い芸人、ミュージシャン、スポーツ選手、アイドル、小中学生、マンガ系の専門学校生など、有名無名問わず、70〜200名前後のアンケート参加者が、前年10月1日から発行年9月30日までに単行本が発売されたタイトルの中から、最もお薦めしたい5作品をランク付けし、1位10点、2位9点、3位8点、4位7点、5位6点として計算し、総合順位を決定する(2009年版までは6作品を選び、6位作品を5点としていたが、2010年版より5位作品までに変更)。
ただし、小中学生やマンガ系の専門学校生に関しては、1票1点もしくは0.5点で集計。」(2017.10.22 Wikipediaより引用)


 『このマンガがすごい!』年間ランキングに関しては、業界関係者や書店員なども評価者の中に多数含まれており「面白い漫画ではなく話題性重視で「売りたい」漫画が選ばれている」などの批判も一部にはある。ただ、上述の批評の裏を返せば「キャッチ―な魅力があり、一般受けしなくても独創性のある作品」が選ばれやすいランキングと言えるだろう。
 次に、私がランキング予想する上で重要と思う4つの項目について解説する。


1)月間ランキング選出
 『このマンガがすごい!WEB』にて2014年6月より発表されている月間ランキングは、年間ランキングと同様の評価者の投票により選ばれた10作品が公開されている。月間ランキング開始後の2015年以降、年間ランキングの大多数は月間ランキングに名前が出た作品で構成されており、年間ランキングを予想する上では最も重要な情報となる。
 このマン2018の選考期間内に該当する月間ランキング(2016年12月~2017年11月)一覧は以下の通り。

表1  『このマンガがすごい!』月間ランキング(オトコ編)一覧 (2016年12月~2017年11月)(クリックして拡大)
2017月間ランキング一覧

2)メディアミックス
 アニメ化や実写化などメディアミックスは普段漫画を読まない層にも大きな影響力があり、「売りたい」作品として選出されやすい傾向にある。ただ、昨年はランキング発表前にアニメ化直前だった『亜人ちゃんは語りたい』が20位選外だったりと、あんまり信用し過ぎてもいけない要素のようにも思う。


3)選考期間内1巻発売
 意外と重要な要素。連載が長期化した作品は安定して面白いが読んでいる方は慣れていってしまう。これまでのランキングを見ても、長期連載作品が上位に居座り続ける例は稀である。対して、連載が始まって間もない作品は使われているアイディアが新鮮で目新しさがある。「売りたい」目線からも新規読者に手を出してもらいやすい巻数の少ない作品は本ランキングに選ばれやすい。


4)バズり
 定義があいまいで恐縮だが、SNSやネットニュース等で話題になった作品を「バズった」と本記事では呼ぶことにする。1話試し読みが話題になったり、ツイッターで張られた画像が反響を呼んだり、いくつかパターンはあるが、共通するのはキャッチ―なこと。インパクト重視の作品が選ばれやすいこのマンランキングにおいて外せない要素となる。


 以上の4要素について、昨年の20位以内ランキング入り作品を対象に考えてみたのが下表となっている。特に「1)月間ランキング」は相関性が高く大きな影響力があることがわかる。「2)メディアミックス」は参考程度だが、メディアミックス後のアニメや実写が話題になった場合はランキング入りしやすい傾向。「3)選考期間内1巻発売」も昨年は20作品中14作品が該当しており、かなり重要。「4)バズり」は完全な私の主観による評価となっているが、上位作品は何かしらの理由でバズっている印象。

表2 『このマンガがすごい!2017 オトコ編』(昨年度)ランキング考察(クリックして拡大)
2017年間ランキング考察

 前置きが長くなったが、取り上げた4要素と私の独断と偏見で予想した『このマンガがすごい!2018 オトコ編』ランキング予想は下記の通り。昨年は20作品中、9作品的中。今年の目標は10作品以上。発表は例年通りなら12月10日前後。答え合わせが楽しみ。




1位 『月曜日の友達』(阿部共実)

月刊ランキング:2017年10月 1位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇

センセーショナルな画面表現で新たな漫画の境地を進む阿部共実の最新作。
阿部先生は『ちーちゃんはちょっと足りない』で2015年の1位を獲得しており、大本命。


2位 『映画大好きポンポさん』(杉谷庄吾)

月刊ランキング:2017年10月 3位(単巻)
選考期間内1巻発売:〇
メディアミックス:アニメ化計画進行中
バズり:pixiv閲覧数が約70万回(2017年10月22日現在)

作者がpixivで公開していた読み切り作品が爆発的にバズりそのまま単行本化。
アニメ化企画も進行中。大衆受けしやすい作品で売りやすい。


月間ランキング:2017年1月 1位(1、2巻)、2017年6月 5位(3巻)
選考期間内1巻発売:〇

原作と作画が異色のコンビということで話題性がある。
両作者の良い部分が上手く混じり合って作品となっており完成度高い。


4位 『青野くんに触りたいから死にたい』(椎名うみ)

月間ランキング:2017年8月 5位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇
バズり:第1話の閲覧回数が30万PV以上

狂気の純愛に溺れる少女の姿が話題となり第1話の試し読みが拡散された。
大衆に向けてのキャッチ―さと漫画通受けのバランスが良い。


5位 『とんがり帽子のアトリエ』(白浜鴎)

月刊ランキング:2017年3月 2位(1巻)、2017年10月 8位(2巻)
選考期間内1巻発売:〇
バズり:第1話の独創的なコマ割りがツイッターで拡散

繊細で美しい絵柄とキャラクタの動きに合わせたコマ割りが話題に。
物語も王道ファンタジーということで売りやすそう。


月間ランキング:2017年3月 1位(1巻)、2017年5月 3位(2巻)、2017年8月 4位(3巻)
選考期間内1巻発売:〇

月間ランキングに3回登場で安定した人気。
作家としても『聲の形』で2014年の1位を獲得しており鉄板枠。


7位 『Dr. STONE』(稲垣理一郎/Boichi)

月刊ランキング:2017年9月 1位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇

ユニークな題材と週刊少年ジャンプ連載という話題性の高さが特徴。
ジャンプ作品だと『約束のネバーランド』もあるが、売り時としてはこちらか。


8位 『ダンジョン飯』(九井諒子)

月刊ランキング:2015年3月 1位(1巻)、2015年10月 1位(2巻)、2016年10月 1位(3巻)、2017年4月 2位(4巻)、2017年10月 4位(5巻)
年間ランキング:2016 1位、2017 4位
選考期間内1巻発売:×

連載期間が長くなるとランクインしにくくなる月間ランキングで高順位をキープ。
期間中発売の4、5巻も新展開の連続で飽きさせない魅力がある。


月刊ランキング:2017年6月 3位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇
バズり:コマ切り抜き画像が拡散

フェチ描写に特化した作品。作者ツイッターも頻繁にバズる。
1巻が発売前重版という出来事もあり注目度高い。


10位 『映像研には手を出すな!』(大童澄瞳)

月間ランキング:2017年3月 3位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇
バズり:パースを取り入れた吹き出しが話題に

独創的な表現技法と詳細な設定図面が注目された。
ものづくり物であり創作者からの評価を得やすい。


11位 『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(絵本奈央/岡田麿里)

月刊ランキング:2017年6月 4位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇
バズり:ラストシーンの引きが衝撃的な第1話が話題に

強烈な題材と驚くべきラストの一言でうまくバズった第1話が印象的。
『花咲くいろは』や『あの花』のアニメ脚本家が原作というのも評価ポイントか。


月間ランキング:2017年3月 5位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇

獣人が共生する世界観の中での草食動物と肉食動物の恋愛物語。
独特の設定を丁寧に調理してあり評価者からも票を集めそう。


13位 『人魚姫のごめんねごはん』(若松卓宏/野田宏)

月間ランキング:2017年7月 7位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇
バズり:設定のユニークさから第1話が話題に

魚料理の味の虜になった哀れな人魚姫を描いたグルメコメディ。
出オチのようなネタだがインパクト重視の『このマン』は票を集めそう。


14位 『バイオレンスアクション』(浅井蓮次/沢田新)

月間ランキング:2017年5月 1位(1巻)、2017年9月 8位(2巻)
選考期間内1巻発売:〇

ゆるふわ女子な殺し屋という突拍子もないがキャッチ―な題材。
エンタメ性も高く売りやすそうな作品。


15位 『好奇心は女子高生を殺す』(高橋聖一)

月刊ランキング:2017年9月 3位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇

独特の絵柄と斬新なアイディアが詰め込まれている。
大衆受けはしないが漫画通からは高い評価を得ている。


16位 『甘木唯子のツノと愛』(久野遥子)

月刊ランキング:2017年9月 5位(単巻)
選考期間内1巻発売:〇

アニメーターとしても活躍する作者による短編集。
少々難解だが印象的で美しい表題作が評価者にウケそう。


17位 『メイドインアビス』(つくしあきひと)

月間ランキング:選外
年間ランキング:選外
選考期間内1巻発売:×
メディアミックス:アニメ(2017年7月)

アニメ化枠。アニメの評判も上々のようで。
ただ、連載開始から4年経過しての初ランキング入りは正直厳しい。大穴。


18位 『狭い世界のアイデンティティー』(押切蓮介)


月刊ランキング:2017年6月 1位(1巻)
選考期間内1巻発売:〇
バズり:コマ切り抜き画像が拡散

漫画業界を皮肉ったネタがたびたびSNSで拡散された。
昨年ランキング入り出来なかった押切先生のリベンジなるか。


月間ランキング:2015年7月 1位(1巻)、2016年3月 9位(2巻)、2016年12月 4位(3巻)、2017年9月 2位(4巻)
年間ランキング:2016 11位
選考期間内1巻発売:×

LGBTの苦悩を真っ向から描いた作品が完結。
2017年のランキング入っていないのが苦しいが、最終巻の評判が良いため可能性ある。


20位 『ウムヴェルト 五十嵐大介作品集』(五十嵐大介)

月間ランキング:2017年5月 4位(単巻)
選考期間内1巻発売:〇

毎作品年間ランキングに入っている安定の五十嵐先生人気に期待。
『ディザインズ』は昨年年間ランキング入りしたので今年はこちらか。