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※ランキングのレギュレーション
 2017年内に紙の書籍が発売されたコミック

2017年に読んだ漫画をまとめました。
私が2017年に読んだ漫画は769冊。その中で2016年に発売された漫画は664冊。過去最高数。漫画を本気で楽しんだ1年。
読んだ漫画の中で特に面白かったものを50作品ピックアップしました。ランキング形式にしたので下に行くほどオススメです。皆さんの漫画選びの参考にして頂けますと幸い。


50位 『シャボンと猫売り(1)』(高津マコト)

猫にされてしまった同級生女子を救うため剣道女子が奮闘するアクション物。
躍動感溢れる画面作りが素晴らしい。ノスタルジックな絵柄と世界観も素敵。


49位 『弟の夫(4)(完)』(田亀源五郎)

主人公とその娘、主人公の弟と結婚したカナダ人男性との交流を描いたLGBT物の完結巻。
LGBTの枠を超え、家族とは何か、幸せとは何かを考えさせてくれる素晴らしい作品。


48位 『黒き淀みのヘドロさん(1)』(模造クリスタル)

鬼才、模造クリスタルが描く、善良であるように作られた人工生物が主人公の物語。
絵柄、キャラクタ、ストーリー、コマ割り、どれをとっても特異な漫画家さん。


47位 『メイドインアビス(6)』(つくしあきひと)

謎の大穴アビスの底を目指して冒険する少年少女を描いたファンタジーアドベンチャー。
山場を越えた6巻でも勢い衰えず。世界観や設定の素晴らしさを再認識させられた。


46位 『保安官エヴァンスの嘘(1)(2)』(栗山ミヅキ)

モテるために保安官になったけど硬派ぶってチャンスを逃す男が主人公の西部劇コメディ。
行動と思考が合っていない主人公が滑稽。モノローグでの演出もいい仕事している。


45位 『官能先生(1)』(吉田基已)

たった一度会っただけの女性に恋をした小説家の男の悶々とした葛藤を描く恋愛物語。
主人公のキャラクタが良い具合に滑稽。そして女性キャラの造形が美しい。


44位 『あしあと探偵(1)(2)(完)』(園田ゆり)

人捜しを専門にする探偵事務所を舞台にした物語の完結巻。
キャラクタとストーリー、演出がかっちり噛み合った作品。


43位 『レイリ(3)(4)』(室井大資/岩明均)

末期の武田家を舞台に死にたがりの少女を描く歴史アクション。
岩明節も勿論健在だが、室井先生の描くキャラクタの含みのある深い表情も見どころ。


42位 『甘木唯子のツノと愛』(久野遥子)

ツノの生えた少女とその兄の物語など、4作を収録する短編集。
アニメーターである作者らしい映像的な画面表現と情緒的なストーリーがユニーク。


41位 『寿司 虚空編』(小林銅蟲)

ただ数を大きくするだけが目的の「巨大数」をテーマにしたシュール数学コメディ。
シュールギャグと巨大数解説、難解な2要素が折り重なるカオスな世界。


40位 『魔法少女おまつ(1)』(吉元ますめ)

江戸時代で魔法少女を探す哀れなマスコットキャラクタを描いたコメディ。
『くまみこ』から絵柄もきっちり変えてきて、吉元先生の懐の深さが伺える作品。


39位 『天地創造デザイン部(1)』(蛇蔵/鈴木ツタ/たら子)

キリンやコアラなど、珍しい生態の生き物をデザインする天使達を描く生物コメディ。
試行錯誤を繰り返しながら珍妙な生き物が出来上がっていく様子が楽しい。


38位 『はねバド!(11)』(濱田浩輔)

性格の歪んだ少女が主人公の熱血バドミントン物。
駆け引きや心理戦に重きを置く競技描写が巧み。以前の勢いが戻ってきた。


37位 『岡崎に捧ぐ(3)』(山本さほ)

90年代から00年代にかけて思春期を過ごした作者による自伝エッセイ漫画。
のんびりした作品かと思いきや重めのモラトリアムをぶつけてきて侮れない。


36位 『4分間のマリーゴールド(1)(2)』(キリエ)

触った人の死の瞬間が見える救急救命士と義理の兄弟達との家族の在り方を描く物語。
主人公の能力を活かした物語の組み立て良い。静かな画面も切ないストーリーにマッチ。


35位 『衛府の七忍(4)』(山口貴由)

山口先生ファンにはたまらない過去作オマージュが多数登場するトンデモ江戸バトル物。
ネタにされがちな作品だが、しっかり締めるところは締めていおり熱い展開も多い。


34位 『北極百貨店のコンシェルジュさん(1)』(西村ツチカ)

西村ツチカの最新作は、様々な動物達が訪れる百貨店を舞台にした物語。
西村先生らしい唯一無二の画面表現はそのままにエンタメ性もアップしており読みやすい。


33位 『山本アットホーム』(山本アットホーム)

全てのコマでボケとツッコミ、不条理が成立している超ハイスピードギャグ漫画。
不条理なボケを抑え込むツッコミも鋭い。ギャグ漫画界のニューウェーブ。


32位 『リウーを待ちながら(1)(2)』(朱戸アオ)

自衛隊が駐屯する地方都市を舞台に描かれるパニック医療サスペンス。
徐々に恐怖が広がっていく人々の混乱をリアリティたっぷりに描いている。


31位 『Artiste(1)(2)』(さもえど太郎)

フランスを舞台とした、気弱な天才料理人の成長物語。
ストーリー構成とコマ割りの上手さでキャラクタの魅力が存分に描かれている。


30位 『スペクトラルウィザード』(模造クリスタル)

迫害された魔術師達の孤独と虚無な日々を描くファンタジー。
アンニュイで無気力な雰囲気が模造クリスタル作品らしい。


29位 『LIMBO THE KING(1)(2)』(田中相)

謎の奇病「眠り病」の治癒のために患者の意識に潜り込む二人の男を描いたSFサスペンス。
何かを企む巨大組織と戦うヒーロー二人、という構図が熱い。


28位 『とんかつDJ1 アゲ太郎(10)(11)(完)』(イーピャオ/小山ゆうじろう)

とんかつもクラブの客もアゲる!とんかつDJを描いたクラブカルチャー作品、完結。
最後まで友情・努力・勝利を貫き通したお手本のような少年漫画だった。


27位 『ムシヌユン(4)(5)』(都留泰作)

様々な要素が濃密過ぎて胸焼けするレベルの熱帯昆虫SF。
SF要素が大風呂敷広げる一方で主人公がますますキモくなっていく。大問題作。


26位 『ダンジョン飯(4)(5)』(九井諒子)

ダンジョンのモンスターを調理しながら冒険をする一団を描いたグルメファンタジー。
作者が独特の解釈をしているファンタジー設定は健在。物語も転がり始めて目が離せない。


25位 『《完全版》サイコ工場 A』(谷口トモオ)

やり過ぎな展開と写実的な絵柄が特徴のホラー短編集。
かなりどぎつめなグロ描写なのに何故か軽やかな読み味が不思議。


24位 『明日ちゃんのセーラー服(1)(2)』(博)

中学に入学した天真爛漫な主人公が 同級生と交流していく姿を描いた作品。
美少女の一挙手一投足をフェチズムたっぷりに描くことに特化した作画は職人芸。


23位 『ライアーバード(3)』(脇田茜)

不器用な少年少女が音楽を通して居場所を見つけていく物語。
3巻ラストシーンのライブシーンは圧巻。感情の爆発が視覚的に表現されている。


22位 『Dr.STONE(1)~(3)』(稲垣理一郎/Boichi)

突如全人類が石化して3000年が過ぎた世界を科学の力で復興するというテーマのSF作品。
科学の見つける楽しさ、実践する楽しさを少年漫画の枠内で上手に描いている。


21位 『ロッタレイン(1)~(3)(完)』(松本剛)

血の繋がらない妹に魅かれてしまった哀れな男の物語。
男性から見ると悲劇だし女性から見ると喜劇、という多面性のある作品。


20位 『血の轍(1)(2)』(押見修造)

息子に対して異常な愛情を向ける母親を描いたサスペンス。
押見先生の画力を活かした人物描写が極まっており、キャラクタの表情が真に迫っている。


19位 『バンデット(1)~(5)』(河部真道)

鎌倉時代末期を舞台に世を乱す悪党どもを描いた歴史物。
キャラクタ、ストーリー、絵柄と全てダイナミックで骨太な作品。


18位 『ファイアパンチ(4)~(7)』(藤本タツキ)

とんでもないスピードで物語が四方八方飛び回る異色のダークファンタジー。
毎巻、全く違った景色が広がる中、過去の伏線も綺麗に回収したりと芸が細かい。


17位 『上野さんは不器用(2)(3)』(tugeneko)

好きな男子を誘惑するも照れてしまい上手くいかない残念女子が主人公のコメディ。
キャラクタの強さが際立つ丁寧な作品作り。出てくる超科学道具のアイディアも面白い。


16位 『僕らはみんな河合荘(9)』(宮原るり)

一癖も二癖もある住人達が暮らすアパート「河合荘」を舞台にしたラブコメディ。
ピュアな恋愛描写も素晴らしいし、軽快な下ネタギャグも含めて読みやすい良いラブコメ。


15位 『鉄腕アダム(2)』(吾嬬竜孝)

心を持ったヒューマノイドが宇宙から飛来する人類の敵と戦う近未来ハードSF。
リアリティのあるテクノロジー描写にワクワク。科学好きにはたまらない作品。


14位 『ブルーピリオド(1)』(山口つばさ)

初心者の高校生が絵を描く楽しさに目覚めて芸大を目指す物語。
王道の成長物語としてのストーリーが見事。それでいてスパイスも利いてる。


13位 『崖際のワルツ 椎名うみ作品集』(椎名うみ)

『青野くんに触りたいから死にたい』の作者のデビュー読み切り含む短編集。
とにかく表題作が尋常でない熱量。理性と感情の綱引きの構図がシンプルで美しい。


12位 『BEASTARS(1)~(6)』(板垣巴留)

様々な動物の獣人達が共存する学園を舞台にしたアニマルサスペンス。
人間が主人公では成り立たない世界が描かれており素晴らしいオリジナリティ。


11位 『宝石の国(7)(8)』(市川春子)

身体が宝石で出来た人型の生き物達の日常と戦いを描いたファンタジー。
今までの土台をひっくり返すような大きな物語の転換。市川春子の真骨頂。


10位 『うたかたダイアログ(1)』(稲井カオル)

バイト先が同じ高校生男女の何気ない掛け合いを描いたコメディ。
すっきりした画面とテンポの良い掛け合いが心地よくスラスラ読める。


9位 『オッドマン11』(道満晴明)

人間のようで人間でない 「オッドマン」達と普通の少女の交流を描いたコメディ。
道満節全開のハイテンポな下ネタの応酬が存分に楽しめる。


8位 『映画大好きポンポさん』(杉谷庄吾【人間プラモ】)

映画作りに携わる人々の情熱と苦悩を描くエンターテイメント作品。
140ページ弱でキャラクタの魅力を出し切って綺麗にまとまっている。


7位 『青野くんに触りたいから死にたい(1)(2)』(椎名うみ)

死んで幽霊になった恋人を一途に愛し続ける女子高生を描いた純愛ホラー。
恋愛とホラーとコメディ、三つの要素のバランスが絶妙。


6位 『ここは今から倫理です。(1)』(雨瀬シオリ)

問題を抱えた生徒と「対話」する高校の倫理教師を描いた作品。
キャラクタ、物語、画面、という漫画の主要構成要素それぞれで「倫理」が彩られている。


5位 『それでも町は廻っている(16)(完)』(石黒正数)

探偵小説が好きで好奇心旺盛な女子高生とその周りの人々が織りなす群像劇、完結。
物語の舞台に入りたくなるような気持ちにさせてくれる傑作。


4位 『映像研には手を出すな!(1)(2)』(大童澄瞳)

個性豊かな女子高生3人組がアニメ制作に奮闘する創作物。
楽しいことを自分達で作り上げていく主人公達の姿が眩しい。


3位 『我らコンタクティ』(森田るい)

自作ロケットの宇宙までの打ち上げを目指す凸凹コンビの奮闘を描く物語。
絵柄もストーリーもキャラクタも何もかもユニークで新鮮な驚きに溢れている。


2位 『イチゴーイチハチ!(4)』(相田裕)

夢破れた男子高校生の「その後」を描く、生徒会を舞台にした青春物。
今までの価値観とは違う世界を受け入れた主人公の晴れやかな表情が美しい。


1位 『月曜日の友達(1)』(阿部共実)

中学に入りたての男子女子が主人公のボーイミーツガール青春物。
印象的な画面と文学的な言葉の掛け合いは漫画表現の新境地を切り開いている。


以上、2017年オススメ漫画50作品でした。
今年も良い漫画がたくさん読めました。来年も素敵な漫画との出会いがありますように。