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2月読んだ漫画をまとめましょう。 
先に投稿した『2018.2_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。
新人に限らず、読んだ漫画のまとめ。

2月に読んだ漫画は57冊。紙の本はゼロ。全部電書。
今月は冊数はいつも通りだけど、面白い作品が多かったなぁ。先月に引き続き、漫画充した一か月でした。

続いて、特に面白かった作品をいくつかピックアップ。
まずは、2月発売だった作品から。


『燐寸少女(6)(完)』(鈴木小波)

妄想が具現化する燐寸を手にした人々それぞれの顛末を描くダーク御伽話の完結巻。
レトロで幻想的な画面表現とズシリと重い物語を堪能できる作品だった。


『ファイアパンチ(8)(完)』(藤本タツキ)

読者どころか登場人物さえ急展開の連続に思考が追いつかないファンタジー、完結。
主人公が誰であるかを終始描いた作品だった。彼が最後に見せた穏やかな表情が喜ばしい。


『Dr. STONE(4)』(稲垣理一郎/Boichi)

文明が滅びた世界の中で、知識だけで科学を復興させようとする少年を描いたSF作品。
発見の楽しさや技術向上の喜びを少年漫画の土俵の上で描いている点が素晴らしい。


『一人交換日記(2)(完)』(永田カビ)

承認欲求や他人との距離感、自身の居場所について悩み精神を病んだ作者によるエッセイ。
彼女にとっての、そして現代人にとっての本質的な自己実現とはどこかと考えさせられる。


からかう女子とからかわれる男子、二人の(実質)イチャイチャを描いたラブコメディ。
高木さんのからかいはエスカレートし、西片も満更でもない雰囲気が良い。


肉食動物と草食動物の獣人が共存する学園を舞台としたアニマルサスペンス。
魅力的な新キャラや伏線を混じらせた演出、獣人作品らしいフェチズムが高次元。


草食と肉食動物の獣人達が入り混じる世界を描いた短編集。
短編ならではの思い切ったキャラクタ設定など、自由度が高いのが良い方向に働いている。


競技かるたに青春を燃やす高校生達を描いた少女漫画。
出てくる登場人物全てが魅力的で、キャラクタの魅力を余すことなく搾り取るような作品。


『乙嫁語り(10)』(森薫)

19世紀の中央アジアを舞台に、様々な立場のお嫁さん達を描いた物語。
異なる文化的背景による価値観、考え方の違いについても丁寧に描かれていて素晴らしい。


『中村くんの金パは柔らかい(2)』(熨斗目ナオ)

見た目はヤンキーだが趣味が料理と園芸の男子高校生の恋を描くラブコメディ。
作画が安定してヒロインの魅力がよく描けている。髪フェチの拘りも素晴らしい。


見習い魔法使いの少女を主人公に正統派ファンタジーの世界を描いた作品。
凄まじい画力。主人公の成長や悪の組織の登場など、ストーリーもまさに王道。


『モブ子の恋(2)』(田村茜)

自分のことを脇役だと思っている内気な女性の初めての恋を描くピュアラブストーリー。
男性側の視点も描くことで双方の視点から物語が見れるようになり大変良い。


『ゆう太のこと』(しまたけひと)

長年連れ添った犬の介護の日々と、安楽死という決断をするまでの苦悩を描いたエッセイ。
病気になりだんだんと弱っていく老犬の様子は目をつむりたくなる生々しさ。


15世紀初頭のフランスを舞台に、ある特別な女性を中心とした傭兵達の戦いを描いた作品。
力強い人物の目と表情に重点を置いた画面作りはエネルギーに溢れていて素晴らしい。


人間が怪物に変貌する「害獣病」が蔓延する世界を舞台にしたダークアンタジー。
オンリーワンの価値観、世界観が創り上げられる江野ワールドがいよいよ本領発揮。


以上が、2月発売の作品で面白かったもの。
一番良かったのは『モブ子の恋(2)』(田村茜)
双方の視点から物語が描かれるようになり、感情移入がグッとしやすくなった。
振り絞るように、勇気を出して一歩踏み出す二人の初心な恋の様子に思わず悶える。

続いては、2月発売じゃないけど面白かった作品。


歴史上の人物や出来事に無理矢理エロマンガを絡ませて描かれる非エロバカコメディ。
エロマンガやその使用方法が共通言語として語られる雰囲気のアホらしさが好き。


『飼育少女(1)』(仲川麻子)

珍妙な水生生物を飼育する女子高生とそれを観察して楽しむ教師を描いた作品。
読みやすい画面構成でユニークな水生生物の生態を楽しく描いている。絵柄も良い。


父親大好きな娘と娘大好きな父親、恥ずかしがって素直になれない親子を描いた作品。
テンパり過ぎてハイテンションに意味不明な行動に出るアホ親子可愛い。


『スローモーションをもう一度(6)』(加納梨衣)

80年代カルチャーという共通の趣味を持つ高校生男女を描いたピュアラブストーリー。
二人の決意と行動があり、それが結果へと繋がる展開運びお見事。


『あさひなぐ(25)』(こざき亜衣)

薙刀に青春を燃やす少女達を描いた高校部活物。
これまで見えなかったキャラクタ内面が今回の合宿編で上手く描けていた。


『ムシヌユン(6)(完)』(都留泰作)

キモい青年に命運を握られた人類とその顛末を描いた銀河規模のSF作品、完結。
壮大なスケールの展開とキモい主人公の描写が混じった物語は圧巻。近年稀に見る怪作。


『ミステリと言う勿れ(1)』(田村由美)

事件に巻き込まれがちな大学生が、独自の視点でズバズバ語る様子を描いた作品。
セリフの多い画面にも関わらず巧みなコマ構成でストレスなく読ませる作者の手腕お見事。