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2018年上半期まとめ記事、全3つ中の2つ目。新人漫画家編。

※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2018年1月1日~2018年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家(Amazon調べ)」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

上述したレギュレーションの「新人漫画家」の中で私がコミックを読んだのは計65人。昨年の86人から減りましたが、それでも十分読めてる方かと。年間120人を目標に頑張ります。

その中で特にオススメの漫画家さんを20人ピックアップします。わかりやすくランキング形式で。ただ、どの方も今後の活躍に注目したい漫画家さん。漫画業界の今後を担っているのは新人です。新人の作品が売れずお金が回らなければ、若い才能は漫画業界から離れていってしまいます。漫画好きの皆さん、将来への投資と思って新人漫画家のコミックをどんどん買いましょう。


20位 『アンドロイドタイプワン(1)』(YASHIMA)

汎用人型アンドロイド「タイプワン」が一般家庭に普及した近未来を描くSF作品。
味のある絵柄と土台がしっかりした世界観が魅力的。


18世紀のチベットを舞台に、薬草好きな少年と彼の婚約者の少女との日常を描いた作品。
拘りと情熱が伝わってきて好感が持てる。自然の薬草などを調合する描写も興味深い。


18位 『ヴラド・ドラクラ(1)』(大窪晶与)

小国の君主が貴族によって腐敗した政治を立て直す姿を描いた歴史ロマン。
知略謀略が入り混じる骨太なストーリーと重厚感ある絵柄がマッチしていて良い


17位 『アクロトリップ(1)』(佐和田米)

魔法少女を適度に活躍させるために悪の組織の参謀として働く主人公を描いたコメディ。
キュートで間抜けなキャラクタ達の掛け合いが楽しい。


16位 『アニマルハラスメント(1)』(日夜カモ)

動物達が人間と同等の知性を持つ世界で動物差別の相談を請け負う組織を描いたコメディ。
世界観ユニークでそれを活かした物語の作り方も上手くキャラの掛け合いもテンポいい。


15位 『今日のちょーか!(1)』(戎島実里)

釣りが大好きな元気いっぱい小学生女子と彼女に振り回される周りの人々を描いた作品。
釣りよりも破天荒な主人公の描写が中心でテンション高めなギャグ漫画という感じ。


無職の青年とその前に突然現れた正体不明の天真爛漫少女との交流を描いた作品。
ミステリアスなストーリー展開がユニーク。動静のメリハリの利いた絵柄も好み。


13位 『実況!!泉くんの恋模様(1)』(大箕すず/原田重光)

他人の「実況」ばかりしている男子高校生が恋をして自分を変えようと努力する物語。
確立されているスクールカーストが徐々に変わっていく様子が丁寧に描かれていて良い。


12位 『OLD WEST』(前田千明)
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1900年代のアメリカを舞台に様々な男達の生き様を描いた西部劇5編収録の短編集。
どの収録作も構成がよく練られ短いページできっちりキャラクタの魅力が表現されている。


11位 『ぶっきんぐ!!(1)』(美代マチ子)

廃業しかけの個人書店で働くことになった突っ走り気味な熱血少女を描いた本屋物語。
一人のキャラクタの影響で周りの人々に血が巡っていく展開好きだなぁ。


周りには内緒で付き合っている高校生女子二人のささやかな交流を描いた百合漫画。
秘密を共有する関係という恋愛作品の王道設定を百合作品で上手に展開している。


9位 『ニコラのおゆるり魔界紀行(1)』(宮永麻也)

魔族が住む魔界に迷い込んだ人間の少女の呑気な冒険を描いたファンタジー作品。
メルヘンでキュートな絵柄と題材がマッチしている。キャラクタ達の設定や造形も可愛い。


8位 『ヒトの食事は難しい。(1)』(日下幹之)

バンパイアの男が初めての人間の食事にチャレンジする様子を描いたコメディ。
食事や味覚という未知の行為や感覚に対してナナメ上の感想を抱く主人公が滑稽。


7位 『ギャル☆クリ!(1)』(ラムネ村シュワ太)

片付けができないギャルとその娘と同居する同級生男子が主人公の掃除ラブコメ。
掃除の実用テクなど飛び道具は備えるが、全体を見れば王道ラブコメでクオリティ高い。


6位 『ハコヅメ~交番女子の逆襲~(1)(2)』(泰三子)

元警察勤務の作者が描く、街の交番に務める女性警察官の勤務の様子を描いたコメディ。
抜けたキャラ同士の掛け合いも挟みながら交番エピソードを面白おかしく描いている。


5位 『無限大の日々』(八木ナガハル)

作者がコミティアで発表していた作品を集めたハードSF短編集。
魅力的なSFワードに作者独自の解釈を加えて描かれる物語はオンリーワンの世界観。


4位 『いそあそび(1)』(佐藤宏海)

プライドは捨ててない没落社長令嬢を主人公に海辺の田舎町の魅力を描いた作品。
出てくる女の子のキャラが立っていて良い。キャラ造形にもマニアックな拘りを感じる。


3位 『サザンと彗星の少女 上下』(赤瀬由里子)

地球人の青年と巨大なパワーを溜め込んだ少女との冒険を描くスペース・スペクタクル。
水彩絵の具で描かれる画面は配色センスがユニークで鮮やか。物語の密度も素晴らしい。


2位 『神クズ☆アイドル(1)』(いそふらぼん肘樹)

やる気ゼロな男性アイドルと女性トップアイドルの幽霊とのコンビを描いたコメディ。
掛け合いが軽快で楽しい。ちょっとレトロな絵柄やワチャワチャした画面の雰囲気も好み。


1位 『メタモルフォーゼの縁側(1)』(鶴谷香央理)

75歳にしてBL漫画にハマった老婦人とBL好き女子高生との交流を描いた作品。
複数のテーマが奇抜な設定の中にかっちり納まっている。素晴らしい物語の構成力。