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 7月読んだ漫画をまとめましょう。 先に投稿した『2018.7_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。新人に限らず、読んだ漫画のまとめ。

 7月に読んだ漫画は81冊。紙の本は2冊のみ。7月も沢山読めました。しかしプライムデーのセールで大人買いしたり、積読も増えてしまった...時間を作って消化していきたい。

読んだ中でも面白かった作品をいくつかピックアップ。まずは、7月発売だった作品から。


『Dr.STONE(6)』(稲垣理一郎/Boichi)

石器時代まで文明が後退した世界を科学知識で立て直そうとする少年が主人公のSF作品。
現実味ある科学描写と勢いのあるハッタリが合わさりながら展開される物語は爽快。


『甘々と稲妻(11)』(雨隠ギド)

父と娘の親子と、近所の女子高生との料理を通した絆を描いた家庭料理ホームドラマ。
主要なキャラクタ達の関係性にはきっちりした答えを出し、文句なしの終盤の展開運び。


草食と肉食の獣人達が共存すり学園を舞台にしたアニマルサスペンス。
スピード感のある柔軟なストーリーの動かし方で毎巻違った顔を見せてくれる。


『ママダ引力説』(トミイマサコ)

トミイマサコが描く幻想的でコミカルかつのんびりした雰囲気が特徴的な短編集。
ワンアイディアのショートショートなどが詰め込まれていて楽しい。
社会に潜む呪いを祓う呪術師達を育成する学校を舞台にしたバトル物。
魅力的なキャラクタ達やスピード感のある展開などバトル漫画のツボを押さえていて良い。
教会から聖人認定されることが確実視される修道女の秘められた過去を描いた作品。
ドラマティックなストーリーが読み切りならではのスピード感で展開されており良い。


『たったひとつのことしか知らない』(本田)

小学生で以来20年間、非通知の通話だけで交流する男2人の奇妙な関係を描いた作品。
ユニークな設定の土台に謎めいたストーリー、しっかりした全体のテーマと丁寧な構成。


『働かないふたり(14)』(吉田覚)

要領のいい兄とどんくさい妹、働かないニートな二人とその周りの人々を描くコメディ。
ゆったりと贅沢な無駄な時間を過ごすキャラクタ達が楽しそうで良い。
耳年魔でひねくれてる男子とその男子が気になる女子、高校生男女を描いた恋愛漫画。
性格や容姿、ファッションも含めて男女問わずどのキャラクタも可愛い。


『忍ぶな!チヨちゃん(2)』(設楽清人)

好きな人の前では身を隠してしまう恥ずかしがり屋なくノ一少女が主人公のラブコメディ。
抜群に絵が上手くコメディとは思えない躍動感溢れる画面が特徴的。


『アスペル・カノジョ(1)』(萩本創八/森田蓮次)

同人描きの男のもとに突然転がり込んできたアスペルガー症候群の女性を描いた作品。
主人公の行動はショッキングな場面も多いがリアリティがあり引き込まれる。


『おじさんと猫と少女(2)』(遊佐ハルカ)

独身の男性と使用人の少女、無口な人間二人の仲を取り持つ黒猫の奮闘を描いた物語。
世話焼きな人間好きの黒猫を主人公に据えたアイディアが面白い。ヒロインの造形好み。


『モブ子の恋(3)』(田村茜)

自分のことを脇役だと思っている内気な女性と同じく内気な男性との淡い恋愛を描く物語。
もどかしく感じるスローペースだが過剰な丁寧さこそが本作の持ち味。


『それはただの先輩のチンコ』(阿部洋一)

ちょん切れたチンコが自立する世界観の下、チンコを愛する少女達を描いた作品。
概念と化したチンコをキーアイテムにした物語が大真面目が展開されており大変シュール。


『しまなみ誰そ彼(4)(完)』(鎌谷悠希)

LGBTの人々が集まる「談話室」を舞台にした物語の完結巻。
年代も性自認も様々な人々の苦悩と願いを力強いメッセージと共に描き切った。


『第三惑星用心棒(1)』(野村亮馬)

かつて人類が紛争に使っていた野良ロボットを駆除する女性型ロボットを描いたSF作品。
作りこまれた独自のSF世界観。重厚かつ生活感ある雰囲気が楽しい。


『ハヴ・ア・グレイト・サンデー(2)』(オノ・ナツメ)

小説家の初老男性とその息子、義理の息子の3人が贅沢な日曜日を過ごす様子を描く物語。
何でもない1日でもハッピーな休日として捉えれる余裕たっぷりなキャラクタ達が素敵。


『あの人の胃には僕が足りない(1)』(チョモラン)

怪物を呼び寄せる性質の少年とある秘密を抱えた先輩女子との交流を描くラブコメディ。
可愛いキャラクタ造形と不気味なクリーチャーの落差を使った画面演出が巧み。
「天国」を探して崩壊した日本を旅する少年少女と箱庭に隔離された子供達を描く物語。
冒険譚としてもワクワクするし石黒作品だから細かな描写にも気が抜けない緊張感が良い。
無職の女性と半飼い猫を主人公に周囲の人々や猫達との交流を描く2ページコメディ。
石黒正数先生独特のちょっとひねくれていて理屈っぽい物事の捉え方が面白い。


『ながたんと青と-いちかの料理帖-(1)』(磯谷友紀)

客足の遠のいた料亭の跡取り女性とそこに婿養子に来た口の悪い青年を描いた物語。
反りが合わない歳の差夫婦の関係と料亭を立て直す物語、どちらの面でも楽しめる良作。


『来世は他人がいい(2)』(小西明日翔)

負けん気の強い極道の娘とその婚約者の異常な青年とを描いた極道ラブストーリー。
クセの強すぎるキャラクタ達の個性をうまくストーリーに乗せており演出巧み。


『僕らはみんな河合荘(11)(完)』(宮原るり)

変人ばかりが住むアパートを舞台に繰り広げられるラブコメディの完結巻。
最終巻でもいつも通りのノリは維持したまま、きっちり区切りをつけて綺麗な幕引き。


『プラネット・ウィズ(1)』(水上悟志)

記憶喪失の少年と、謎の侵略者と戦う7人のヒーローを描いたファンタジー作品。
キャラクタも世界観も展開運びもテンションも、安心安定の水上ワールド。


 以上が、7月発売の作品で面白かったもの。
 一番良かったのは『それはただの先輩のチンコ』(阿部洋一)。バカ設定を大真面目に描き、シュールやシリアスな笑いとかに走り過ぎずちゃんとストーリーをまとめてきたことに脱帽。バカ漫画好きの血が騒ぐ作品だった。

 続いては、7月発売じゃないけど面白かった作品。


『錦田警部はどろぼうがお好き(1)(2)』(かんばまゆこ)

とある怪盗を愛する警部と部下として忍び込む怪盗の少年との掛け合いを描くコメディ。
二人の関係性とキャラクタだけで展開されるギャグは純度が高い。


『乙女怪獣キャラメリゼ(1)』(蒼木スピカ)

恋愛感情を抱くと徐々に身体が怪獣へと変化してしまう少女の困難な恋を描いた作品。
キラキラな絵柄や徐々に恋に落ちる主人公や王子様キャラと怪獣以外は完全に少女漫画。