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 8月読んだ漫画をまとめましょう。 先に投稿した『2018.8_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。新人に限らず、読んだ漫画のまとめ。

 8月に読んだ漫画は93冊。かなり沢山読めました。いつも新刊中心の私だけど、お盆休みを利用して『戦国妖狐』と『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』を一気読みしていたのが冊数増加の主要因。

 読んだ中でも面白かった作品をいくつかピックアップ。まずは、8月発売だった作品から。


『ようことよしなに(3)(完)』(町田翠)

自由奔放なワガママ少女とその娘に振り回される友人との関係を描く青春物語の完結巻。
主人公にイライラさせられてきたけど物語通しての撒き餌であった。ラスト展開美しい。


『双亡亭壊すべし(9)』(藤田和日郎)

謎だらけの幽霊屋敷「双亡亭」を舞台にした壮大なスケールのアクションホラー作品。
前巻から引き続いて敵側である坂巻泥努の存在感が凄い。完全に主人公サイドを喰う勢い。


『極主夫道(1)』(おおのこうすけ)

ヤクザあがりの強面主夫が大真面目に家事に勤しむ様子を描いたコメディ。
パンチの効いた迫力満点の画面を活かしたギャグスタイルが素晴らしい。


『ロジカとラッカセイ(1)』(紀ノ目)

とある惑星を舞台に、ヘンテコな生き物と人間の子供、二人の日々を描いた物語。
コミカルな掛け合いの一方でダークな作品背景が見え隠れするのがたまらない。


『蟲籠奇譚(1)』(西塚em)

猟奇的な生物部部長に目を付けられた少女の受難な日々を描いた作品。
おぞましいモチーフも耽美な絵柄で美しく。コミカルなキャラクタの掛け合いも楽しい。


『時を超える影(1)ラヴクラフト傑作集』(田辺剛)

コズミックホラーというジャンルを創った小説家ラブクラフト後期作品のコミカライズ。
身体を乗っ取られていた男の奇怪な行動の謎が解き明かされていく物語構成が面白い。


『アレンとドラン(1)』(麻生みこと)

リア充のイケメン男子に恋をしたぼっちサブカル女子大生の迷走と奮闘を描いた物語。
主役二人のキャラクタの噛み合い方とすれ違い方が上手く制御されており素晴らしい。


『金剛寺さんは面倒臭い(2)』(とよ田みのる)

曖昧なものを一切許さず理屈で考え過ぎる面倒臭い女子の初恋を描いたラブコメディ。
トリッキー過ぎる漫画表現に負けない金剛寺さんの可愛さが作品を彩っている。


『バスルームのペペン(4)』(川西ノブヒロ)

ゆるキャラのような癒し系妖怪達と人間との交流を描いたハートフルコメディ。
絵柄が可愛く、コミカルなギャグや心温まるストーリーとマッチしている。


『ハコヅメ~交番女子の逆襲~(3)』(秦三子)

元警察勤務の作者が描く、街の交番に務める女性警察官の勤務の様子を描いたコメディ。
作者の体験を活かして描かれる警察の人々の心理は一般人には想像し難いもので興味深い。


『ブルーピリオド(3)』(山口つばさ)

美術に関心がなかった主人公が絵を描く楽しさに目覚め高校2年生から芸大を目指す物語。
トライアンドエラーに驕りが混じる今巻の流れ、成長の過程って感じで素晴らしい。


『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』(服部昇太)

邦画好きな女子高生が賛否両論ある邦画を取り上げて紹介する映画紹介物。
題材となる映画のネタ要素の誇張の仕方が上手く読者も思わずツッコミ入れたくなる。


『銀河の死なない子供たちへ(下)』(施川ユウキ)

二人の不死の姉弟と人間の少女との出会いと別れ、そして旅立ちを描いた作品。
素晴らしい舞台設定とストーリー構成により描かれた簡潔かつ濃密で美しい物語だった。


『マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~(2)』(町田粥)

公式からの情報供給が途絶えて久しい衰退ジャンルオタの女性2人を描いたコメディ。
衰退ジャンルに限らず、オタクなら共感できるネタがチョイスされており素晴らしい。


『二人は底辺』(小西明日翔)

極道の娘、吉乃とヤクザに拾われた少年、翔真との出会いを描いた短編作品(電書限定)。
『来世は他人がいい』の前日譚で、作品の雰囲気は本作や作者pixivが源流。


『怒りのロードショー(2)』(マクレーン)

映画好きの人々のダベりをエンターテイメント化した映画コメディ。
演出に重点を置いた話の構成がユニーク。ノイズだらけの展開運びもなんだかクセになる。


 以上が、8月発売の作品で面白かったもの。
 一番良かったのは『銀河の死なない子供たちへ(下)』(施川ユウキ)。作者自身も「こんな漫画はもう二度と描けない。」と評すくらい、渾身の力を込めて描かれた全2巻。蛇足なく流れるように展開が進む美しい作品でした。

 続いては、8月発売じゃないけど面白かった作品。


『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1)~(13)』(谷川ニコ)

陰気で口の悪い女子高生とその周りのクラスメイト達を描いたコメディ。
ぼっちだった主人公の周りに人が増えていき彼女自身も変わってく過程が素晴らしい。


『戦国妖狐(1)~(17)(完)』(水上悟志)

人と化物が共存する世界を舞台に壮大なスケールで繰り広げられた戦国ファンタジー。
全てのキャラクタを立てた美しい物語。水上先生らしい少年バトル漫画へのアプローチ。