2018下期まとめ

 2018年下半期まとめ記事、全3つ中の1つ目。好きだった表紙まとめ。上半期のまとめはこちら
 2018年全体のまとめとは別物です。お間違いなく。

 漫画表紙についての私の意見は上半期と変わっていません。コピペですが下記の通り。

  私は4年ほど前から完全に電子書籍に移行しており、紙の漫画を手に取る機会も少なくなりました。装丁の美しさという点においては、電書は紙の本には絶対に叶わないのですが、漫画の表紙デザインは引き続き重要な要素となってくるかと思います。下に示す図はkindleのコミックストア(PC版)のスクリーンショットですが、漫画表紙がずらっと並びます。日々大量の漫画が発刊され、過去作も膨大な量がある中で、読者に手に取ってもらうためには印象的な表紙デザインが今後も必要になると考えています。

スクリーンショット (820)
kindleコミックストアのスクリーンショット(2018年12月24日現在)。漫画表紙が雑然と並ぶ。

 本記事では2018年下半期に私が読んだ400冊強の漫画の中で、特に表紙デザインが好きだったものを20作品ピックアップしました(順番はだいたい発売月順)。漫画選びの参考にして頂けますと幸い。皆さんも好きな表紙デザインについて一度考えてみましょう。


『ルーモア・ヒューモア』(さいとう林子)
スクリーンショット (181)

メリーさんや口裂け女など、都市伝説を可愛く現代風にアレンジした作品集。
恐ろしいはずの都市伝説達が闊歩する電車内はなんだかお祭りのようでコミカルな雰囲気。


『岸辺露伴は動かない(2)』(荒木飛呂彦)
スクリーンショット (187)

ジョジョ4部の人気キャラクターである岸辺露伴を主人公にしたオムニバス形式の作品。
絵具を顔に塗られながらも意に介さず視線を逸らさない様子が露伴先生らしくて良い。


『魔法が使えなくても』(紀伊カンナ)
スクリーンショット (192)

パッとしないアニメーターの青年を中心に人間関係が紡がれる連作短編集。
主人公3人の立ち絵と日本語英語のタイトルロゴ、セリフのバランスが取れた構図。


『おやすみシェヘラザード(1)』(篠房六郎)
スクリーンショット (278)

睡魔を誘う口調で映画紹介をする女子が主人公の映画レビュー寝落ちバ漫画。
作中で紹介されている映画の場面が詰め込まれた画面はカオスな様相。


『寄生獣リバーシ(1)』(太田モアレ)
スクリーンショット (297)

不朽の名作『寄生獣』本編のキャラクタも登場するオリジナルストーリーのスピンオフ。
これぞ『寄生獣』と見たものに感じさせる寄生生物のデザインが強烈。


『新九郎、奔る!(1)』(ゆうきまさみ)
スクリーンショット (314)

室町時代の都を舞台に「戦国大名のはしり」とされる伊勢新九郎を描く歴史物語。
躍動感のあるタイトルロゴが目を引く。着物に人物が写っているのもユニーク。


『マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~(2)』(町田粥)
スクリーンショット (409)

公式からの情報供給が途絶えて久しい衰退ジャンルオタの女性を主人公にしたコメディ。
気品溢れる雰囲気を漂わせながらオタ活している二人というギャップが良い。


『夫のちんぽが入らない(1)』(こだま/ゴトウユキコ)
スクリーンショット (440)

タイトル通りの問題を抱えたまま夫婦となった女性が書いたエッセイのコミカライズ。
コマ送りの各挙動が主人公の半生を表しており面白い。ロゴの改行が歪なのもユニーク。


『バジーノイズ(1)』(むつき潤)
スクリーンショット (477)

音楽さえあれば孤独も厭わない青年と彼に目を付けた破天荒な女性が主人公の音楽青春物。
シンプルな構図にワンポイントで背景が写り込む仕掛けがスタイリッシュ。


『培養肉くん(1)』(宮崎夏次系)
スクリーンショット (501)

荒廃した世界を舞台に、小説家男性とその周りのヘンテコな人々を描いた少し不思議物語。
大胆な空白やタイトルより大きい著者名ロゴなど本の中身と同様な妙ちくりんな表紙。


『うなじ保険』(平方イコルスン)
スクリーンショット (504)

ヘンテコな価値観と行動原理で動く女子達の掛け合いを描いたショートショート。
バーの看板のようなタイトルロゴデザインが可愛い。キャラクタも挙動不審でユニーク。


『ベランダは難攻不落のラ・フランス』(衿沢世衣子)
スクリーンショット (507)

イーストプレス社からの刊行は『おかえりピアニカ』以来13年ぶり衿沢世衣子短編集。
インパクトのあるタイトルを前面に押し出したトリッキーなデザイン。


『カムヤライド(1)』(久正人)
スクリーンショット (547)

2世紀の日本列島にて封印から復活した神と戦う変身ヒーローが主人公のファンタジー。
逆光の中、カッコよくポーズを決める主人公とその周りを囲う埴輪というアンバランスさ。


『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳(1)』(あぬ)
スクリーンショット (607)

タイトル通りの不安を抱えながらフリーターとして働く女性を描いた作品。
明るい外の世界と暗い部屋の中、その間に位置する主人公という比喩表現が秀逸。


『ヒダルとヒルダ』(鈴木小波)
スクリーンショット (611)

就職浪人女性と彼女に憑りついた腹ペコ神様との全国各地へのグルメ紀行を描いた作品。
食べ物を目いっぱい詰め込んだ上部と空白の目立つ下部という画面バランス素晴らしい。


『欅のまんが棚』(大槻一翔)
スクリーンショット (691)

『欅姉妹の四季』が話題の大槻先生による、読み切り16編を収録した短編集。
本棚と人物、その他の小物を大胆に配置した構図が面白い。


『世界の終わりに柴犬と』(石原雄)
スクリーンショット (707)

自分以外の人類がいなくなった世界を旅する少女と相棒の喋る柴犬を描く4コマ漫画。
荒廃した世界と澄み渡った青空、女子高生と柴犬という本作要素を詰め込んだ表紙。


『終末の惑星』(大家)
スクリーンショット (725)

間近に迫る小惑星の落下を待つばかりの惑星を舞台にした表題作を含むSF短編集。
モノクロの中で少女のワンピースだけが青く輝いている画面が印象的。


『私のおっとり旦那』(木崎アオコ)
スクリーンショット (806)

ネガティブな作者とおっとりな旦那、正反対な夫婦の生活を描いたフルカラーエッセイ。
夫婦二人の背景が夫の大きな顔というデザイン面白い。


『太陽の塔(1)』(森見登美彦/かしのこおり)
スクリーンショット (811)

自分のことを振った女性を観察する腐れ男子大学生が主人公の青春小説コミカライズ。
背景とロゴ、色使いまで昭和風味。白昼夢のような雰囲気が森見作品らしい。