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 3月読んだ漫画をまとめます。 先に投稿した『2019.3_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。新人に限らず読んだ漫画のまとめ。
 
 3月に読んだ漫画は82冊。3月は沢山読めました。
 読んだ中でも特に面白かった作品をいくつかピックアップします。まずは、3月発売だった作品から。

『呪術廻戦(4)』(芥見下々)

社会に潜む呪いを祓う呪術師達と呪霊との戦いを描いたダークファンタジー。
「このキャラクタならこうするだろうな」と納得させる腕力があるストーリー展開。


『チェンソーマン(1)』(藤本タツキ)

普通の暮らしに憧れるデビルハンターの男の戦いを描いたダークファンタジー。
風変わりなキャラクタと噛み合わない掛け合い、ハードなアクションが混在してカオス。


『部長が堕ちるマンガ』(中村朝)

堅物部長が部下のオタク女性二人の手に堕ち乙女ゲーオタクとなっていくコメディ。
設定の時点で面白いしその設定をネタに広げる手腕素晴らしい。掛け合いのテンポも良い。


『錦糸町ナイトサバイブ(2)』(松田舞)

キャバ嬢になるため上京した女性がひょんなことから夜間診療歯科で働き始めるコメディ。
キャラクタの愛らしさや掛け合いのテンポ、言葉選びなどコメディとして各要素隙がない。


『蟲籠奇譚(3)(完)』(西塚em)

虫が好き過ぎる生物部部長に目を付けられて入部した少女とその周りの人々を描いた物語。
3巻ではかなり特殊な性対象にまで突っ込んでいた。ユニークな作品でした。


『アスペル・カノジョ(3)』(萩本創八/森田蓮次)

同人描きの男のもとに突然転がり込んできたアスペルガー症候群の女性を描いた作品。
症状を持つ彼女の考え方や認識が詳細に描写されており興味深い。


『淡島百景(3)』(志村貴子)

舞台女優を養成するための女学校を舞台に学生や親族などの想いが錯綜する青春群像劇。
特殊な環境で特殊な背景を持つ人々の思考を読者に共感させる漫画力素晴らしい。


『プリズムの咲く庭 海島千本短編集』(海鳥千本)

イラストレーター兼漫画家の著者による爽やかな読み味の話が多めのデビュー短編集。
美麗な一枚絵も素晴らしいし、デフォルメによる情報整理やコマ割りも上手く読みやすい。


『バスルームのペペン(6)(完)』(川西ノブヒロ)

ゆるキャラのような癒し系妖怪達と人間との交流を描いたハートフルコメディの完結巻。
可愛くて優しいキャラクタ達で満たされたハッピーな作品。ラストも上手くまとめて大団円。


『鬱ごはん(3)』(施川ユウキ)

無職フリーターで鬱気味の主人公がネガティブな持論を展開しながら1人で飯を食う作品。
豊かな想像力とネガティブな思考で食事という行為を「行う」主人公の姿が滑稽。


『メランコリア 下』(道満晴明)

小惑星の衝突を目前に控えた地球で思い思いの日々を過ごす人々を描く連作SF短編集。
ポップなのにシニカルな雰囲気、伏線満載のストーリー構成など道満晴明ワールドを堪能。


『ボクらは魔法少年(2)』(福島鉄平)

やんちゃなガキ大将が魔法「少年」に変身して町を守るヒーロー物語。
性別と衣装のミスマッチに過剰に触れないジェンダーフリー感がすごく新鮮。


『ゴールデンカムイ(17)』(野田サトル)

北海道に隠された金塊を求めてアイヌや旧日本軍などの3陣営が争う物語。
動きの大きなストーリーの中でもそれに負けないキャラクタの存在感があり読者を引き込む。


『めしにしましょう(7)』(小林銅蟲)

締め切り間際の漫画家の仕事場を舞台に「やり過ぎ」料理を作る様子を描いたグルメ漫画。
比較的味のイメージしやすい料理が多くて食欲湧いた。ストーリーは最終コーナー。


『飼育少女(3)(完)』(仲川麻子)

好意を寄せる生物教師と共に、珍妙な海洋生物を飼育、観察する女子高生が主人公の作品。
ユニークな海洋生物の生態やそれに対する主人公の愉快なリアクションなど魅力的でした。


『天国大魔境(2)』(石黒正数)

天国を探して崩壊した日本を旅する少年少女と箱庭に隔離された子供達を並行して描く物語。
世界観が徐々に明らかになりつつ同時に新しい謎も増えていく、その魅せ方がたまんない。


『インハンド(1)』(朱戸アオ)

偏屈学者がパンデミックや違法治療などの事件に挑む医療サスペンスの新章。
安心感のある専門描写やドラマティックで起伏の激しいストーリー展開など素晴らしい。


『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(14)』(赤坂アカ)

お互い好き合ってるけど自分からは言い出せない男女を主人公とした生徒会ラブコメディ。
主人公達だけでなく読者も13巻分溜めてきたフラストレーションが一気に解放され爽快。


『波よ聞いてくれ(6)』(沙村広明)

北海道のラジオ局を舞台に繰り広げられるコメディ。
奇天烈なストーリーながら放送業界の問題を提起したり真面目にラジオ物もしている。


『ハイスコアガール(10)』(押切蓮介)

ゲームバカな少年と無口なゲーマ―少女との絆を描いた90年代レトロゲームラブコメディ。
山あり谷ありだった本作、無事完結を迎えられたことがめでたい。


『上野さんは不器用(6)』(tugeneko)

ヘンテコ超科学道具で意中の男子を誘惑するも空回りする女子を描くコメディ。
キャラクタが良いし超科学道具アイディアもまだまだ新鮮。限定版付属アンソロジーも豪華。


『培養肉くん(2)(完)』(宮崎夏次系)

荒廃した世界を舞台に小説家の男性と食べられたがりな培養肉を描いた少し不思議物語完結。
宮崎夏次系ワールドが炸裂し、難解な描写とストーリーはシュールギャグの領域。


『僕は君を太らせたい!(2)』(茸本朗/横山ひろと)

ゲテモノ揃いの自然の食材を使った「野食」に頼りながら旅をする三人組を描いたグルメ物。
実用的な野食描写が多くて興味深い。コミカルなキャラクタの掛け合いも安定感ある。


『先輩の顔も三度まで』(位置原光Z)

性に対する認識が明後日の方向にずれた女子達の掛け合いを描いた下ネタギャグオムニバス。
繰り広げられる異次元の会話劇は他の作品では味わえないオンリーワンな魅力。


『先輩が忍者だった件(1)』(クサダ)

忍の里を抜けて普通の生活を送る女性と忍者フェチの後輩とを中心に描かれるコメディ。
ドタバタ感溢れるコメディ描写が楽しい。画面作りも安定感あり良いフェチズム。


『賢者の学び舎 防衛医科大学校物語(3)』(山本亜季)

自衛隊で働く医師を養成するための特殊な大学にて学ぶ若者達を描いた物語。
防衛医大という特殊な環境とそこで学ぶことの意義についてのメッセージが強く響く。


 以上が3月発売の作品で面白かったもの。
 一番面白かったのは『チェンソーマン(1)』(藤本タツキ)
 『ファイアパンチ』の藤本タツキ先生がトリッキーな作風そのままに少年ジャンプ本誌に殴り込み。前作同様、読者の予想の斜め上を行くストーリー展開を期待したい。
 続いては3月発売じゃないけど面白かった作品。


『彼方のアストラ(1)~(5)(完)』(篠原健太)

遠宇宙に飛ばされた9人の少年少女が協力しながら故郷への帰還を目指す宇宙冒険SF。
コメディ、SF、ミステリ要素のバランス良く、全5巻での見事なストーリー構成。


『両国リヴァイアサン ―大相撲“心・技・体”伝説―』(西野マルタ)
『五大湖フルバースト ―大相撲“心・技・体”伝説2―(1)(2)』(西野マルタ)


それぞれの章において異形の力士と伝説の横綱との大一番を描くSF相撲物。
色物題材とインパクトの強い画面、ドラマティックなストーリーの見事な融合素晴らしい。


『王様ランキング(1)(2)』(十日草輔)

耳が聞こえず非力な王子が立派な王様を目指して奮闘する姿を描いたファンタジー作品。
拙いながらもデフォルメが効いた絵柄はユニーク。ストーリーも良く練り込まれている。