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 4月読んだ漫画をまとめます。 先に投稿した『2019.4_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。新人に限らず読んだ漫画のまとめ。

 4月に読んだ漫画は97冊。ちょっと読み過ぎなくらい読めました。漫画充
 読んだ中でも特に面白かった作品をいくつかピックアップします。まずは、4月発売だった作品から。


『青のフラッグ(6)』KAITO

高校生男女4人組の複雑な関係を中心に繰り広げられる青春物語。
すれ違ってきた個々人の悩みが遂に交わり始めた。物語の運用が非常に難しい段階。


『Dr.STONE(10)』稲垣理一郎/Boichi

全人類が石化した3000年後の世界を科学の力で復興しようとする少年と仲間達を描いた物語。
科学技術の超進化に加え通貨の概念まで自然な形でストーリーに交えてきた構成力に感服。


『働かないふたり(16)』吉田覚

要領のいい兄とどんくさい妹、働かないニートな二人とその周りの人々を描くコメディ。
キャラクタ皆仲良く贅沢な暇つぶしに興じており作中に入って仲間に入れてもらいたくなる。


『BEASTARS(13)』板垣巴留

草食と肉食動物の獣人達が共生する世界を舞台にしたアニマルサスペンス。
陸上動物とは生態や死生観まで異なる海洋生物が初登場し作品の裾野が更に広がった。


『AIの遺電子 RED QUEEN(4)』山田胡瓜

コピーされた母親の人格を回収するための旅をする青年を主人公にした近未来SFサスペンス。
超AIに「安全に」管理される人類に警鐘を鳴らすダイナミックなストーリーが素晴らしい。


『イチゴーイチハチ!(7)(完)』(相田裕

夢断たれた少年が新しく楽しい事を見つけていく姿を描いた高校生徒会物語の完結巻。
主人公達の成長を見守ってきた読者としては万感の思い。密度の濃い素晴らしいラスト。


『ダンジョン飯(7)』九井諒子

魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
深いファンタジー世界への解釈と魅力的なキャラクタ達の掛け合いは今回も素晴らしい。


『純とかおる(1)』二駅ずい

片方が男、もう片方が女の幼馴染高校生二人が0時に性別が入れ替わるという設定の作品。
衣類の共有などの日常に加え淡い恋心が芽生えつつある二人の関係の描写素晴らしい。


『恋煮込み愛つゆだく大盛り』にくまん子

セフレ男女の話など、ただれた性の雰囲気が漂うにくまん子先生の商業デビュー短編集。
恋愛における独占欲や優越感など通常なら秘めるべき感情が描写されておりガツンとくる。


『泥の女通信』にくまん子

元カノの思い出話をする彼氏に不満を持つ女性の話など、恋愛に悩む女性を描く短編集。
十人十色な恋愛に対するスタンスを性的な事項も隠さず描写されておりユニーク。


『の、ような。(2)』麻生海

二人の少年を引き取ることになった小説家の30代女性と同居男性との生活を描いた物語。
先入観にとらわれずに物事を考える主人公が子供達にもそれを教える構図が素晴らしい。


『虚構推理(10)』片瀬茶柴/城平京

怪異たちから「知恵の神」として慕われる義眼義足の少女を主人公にした怪奇ミステリ。
美しい作画、コミカルな掛け合い、文章的な面白さなどクオリティ安定。長編も期待。


『ここは今から倫理です。(3)』雨瀬シオリ

問題を抱える生徒と対話しながら倫理を説く高校教師を描いた物語。
セリフと画面、ストーリーから凄まじい熱量が伝わってくる。題材の料理の仕方が巧み。


『児玉まりあ文学集成(1)』三島芳治

文学的な少女と彼女に陶酔する少年との言葉遊びのような掛け合いを描いた物語。
版画のような擦れた描線にかけ網を多用する影表現など特徴的な画面が面白い。


『異世界おじさん(2)』殆ど死んでいる

17年間の異世界生活から現代に帰還した30代中盤のSEGA狂い男性を描いたコメディ。
ワンパターンなネタであってもボケとツッコミの破壊力が高く強引に笑わせる腕力がある。


『あせとせっけん(3)』山田金鉄

汗かきな女性とからその女性のにおいを必要とする男性との恋人関係を描いた物語。
二人の関係が段階を踏んで深まっていく過程が丁寧で素晴らしい。イチャラブ最前線。


『金のひつじ(3)(完)』尾崎かおり

小学生以来数年ぶりに再会した高校生男女4人組の変化と友情を描いた青春物語の完結巻。
負の感情を乗り越えて力強く前に進んでいく青春の美しさを簡潔に描いた良作。


『KILLER APE(2)』河部真道

AIが戦争を担っていた時代から文明が退行し再び人類が戦場に駆り出される姿を描くSF。
カオスなストーリーに河部漫画の過剰なほどの熱量が注ぎ込まれた結果、脳汁出る物語濃度。


『リボーンの棋士(3)』鍋倉夫

将棋のプロになれなず一度夢を諦めた青年が再び将棋に目覚める姿を描いた物語。
地味なストーリーにやや拙い絵柄ながらキャラクタが魅力的で引き込まれる。


『アクロトリップ(2)』佐和田米

魔法少女と悪の組織、そして悪の組織の参謀として働く一般人女子を描いたコメディ。
キュートな絵柄と間抜けでコミカルな掛け合いがマッチしており大変可愛い。


『神クズ☆アイドル(2)(完)』いそふらぼん肘樹

やる気ゼロな男性アイドルと女性トップアイドルの幽霊とのコンビを描いたコメディ。
アイドルネタもうまくハマっているしリアクションでかめ表情豊かなコメディ表現も大好き。


『ふたりモノローグ(6)(完)』ツナミノユウ

同級生に好意を寄せるギャルとその娘に憧れる想われ人の地味女子を描く百合ラブコメ。
終盤の展開はスムーズに進み晴れやかに完結。リアクション芸も最後までやりたい放題。


『違国日記(4)』ヤマシタトモコ

両親を亡くした少女とその娘を引き取った小説家の叔母との共同生活を描く物語。
個人の尊厳について、主人公二人を通して非常に深いところまで切り込んでいる。


『やがて君になる(5)~(7)』仲谷鳰

先輩から告白されたが恋愛感情を抱けない主人公とその先輩との関係を描く百合恋愛物。
前巻から引き続きキャラクタ心理を伝えるための作中劇が効果的に働いている。


 以上が4月発売の作品で面白かったもの。
 一番面白かったのは『イチゴーイチハチ!(7)(完)』(相田裕)。
 私が2年前に初めて出会ってからずっと大好きだった作品の完結巻。主人公が1年時点で物語を閉じるとした時に、これ以上ない完璧な最終巻でした。後世に残したい傑作。
 続いては4月発売じゃないけど面白かった作品。


『アメコヒメ』高松美咲

二人の男子高校生の前に突然現れた奇妙な少女との日々を描いた単巻完結物語。
二人の感情が暗い部分も含めて鮮烈に描かれており重く切ない読後感が素晴らしい。


『もういっぽん!(1)』村岡ユウ

柔道を辞めるつもりだった少女を含む4人の少女を中心に繰り広げられる高校柔道物語。
魅力的なキャラクタや興味を引き立てる競技描写など高校スポーツ物として高クオリティ。


『ワンルームエンジェル』はらだ

人生に希望を持てない男性が臨死体験の際に出会った「天使」とワンルームで同居する物語。
二人が徐々に絆を深めてお互いを愛しい存在として認識していくストーリーが素晴らしい。


『放課後ていぼう日誌(1)~(4)』小坂泰之

「ていぼう部」に入部した手芸好きな少女と個性的な部員たちを描く女子高生釣り物。
メイン4人の掛け合いが楽しいし趣味物としても釣りの楽しさがしっかり伝わってくる良作。


『三ツ星カラーズ(3)~(6)』カツヲ

上野周辺の平和のためにパトロールと称した遊びに励む女子小学生3人組を描いたコメディ。
アホ可愛い3人組の掛け合いは癒される。大人達も保護者的な目線で見ており安心感ある。


『あの娘にキスと白百合を(7)~(10)(完)』缶乃

天才少女とその娘にライバル心を抱く少女を中心にした女学院舞台の百合オムニバス。
多種多様なカップルを描くオムニバスとメイン二人の関係性を描く長編、両輪で楽しめた。