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 5月読んだ漫画をまとめます。 先に投稿した『2019.5_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。新人に限らず読んだ漫画のまとめ。

 5月に読んだ漫画は72冊。新刊もそれ以外もバランス良くそこそこ読めました。
 読んだ中でも特に面白かった作品をいくつかピックアップします。まずは、5月発売だった作品から。


『呪術廻戦(5)』(芥見下々)

社会に潜む呪いを祓う呪術師達と呪霊との戦いを描く物語。
キャラクタが増えてきてその関係性が楽しい。スピード感あるアクションも良かった。


『チェンソーマン(2)』(藤本タツキ)

普通の暮らしに憧れるデビルハンターの男と悪魔との戦いを描いたダークファンタジー。
バイオレンス描写と灰汁の強い雰囲気はジャンプ連載とは思えない。キャラクタも魅力的。


『私の少年(6)』(高野ひと深)

美しい少年と一回り以上年上の女性、好意を向け合いながらすれ違う二人の関係を描く作品。
想いが移り変わってもなお交わらない二人の好意。切なく苦しいストーリーラインは続く。


『アスペル・カノジョ(4)』(萩本創八/森田蓮次)

同人描きの男のもとに突然転がり込んできたアスペルガー症候群の女性を描いた作品。
人と同じでなくても生きていけるというメッセージが力強い。多様性の肯定の一種。


『レイリ(6)(完)』(岩明均/室井大資)

末期の武田家を舞台に死にたがりの少女と武田家の人々を描いた歴史アクションの完結巻。
各キャラクタが死も含めたそれぞれの役割をキッチリ全うしてストーリーに乗り綺麗に完結。


『シネマこんぷれっくす!(3)』(ビリー)

曲者ぞろいの高校シネマ部を舞台に映画オタク達の激しい掛け合いを描いた映画コメディ。
掛け合いがハイテンションで気持ちいい。素人にも玄人にもウケる映画チョイスも良い。


『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(15)』谷川ニコ)

陰気で口の悪い女子高生とその周りのクラスメイト達を描いた青春コメディ。
智子が今江先輩を思い返しながら自分も良い先輩であろうとするエピソードが素晴らしい。


『水は海に向かって流れる(1)』(田島列島)

叔父の家に居候する男子高校生とそこで出会った女性との複雑な関係を描くホームドラマ。
ライトな絵柄とノリにも関わらず練り込まれたストーリーと人間描写は圧巻のクオリティ。


『映像研には手を出すな!(4)』(大童澄瞳)

尖った能力を活かしてアニメーション制作に勤しむ女子高生3人組を描いた作品。
3人が意見をぶつけ合いその科学反応で作品が組みあがっていく過程は相変わらず爽快。


『平太郎に怖いものはない 後編』(スケラッコ)

毎日怪異に襲われる胆が据わっており全く動じない少年が主人公の物語の完結巻。
ほんわかした絵柄とおおらかな主人公、掴みどころのない怪奇描写がマッチした雰囲気良い。


『彼女と彼氏の明るい未来(1)』(谷口菜津子)

タイムマシンを使って恋人の過去を探り「初めての相手」になろうとする男性を描いた作品。
自己肯定感の低い男性の卑屈さやネガティブな感情を共感させる演出が巧み。


『ロロッロ!(1)~(4)』(桜井のりお)

人間そっくりのロボットと彼女をロボットと信じない娘との交流を描いたコメディ。
軽快なテンポの下ネタギャグは滑稽。シチュエーションの腕力で笑わせにくるスタイル。


『あゝ我らがミャオ将軍(1)』(まつだこうた/もりちか)

北の方にありそうな社会主義国家の最高指導者を務める幼女を描いたコメディ。
権力を活かして好き放題やろうとする少女を周りの大人達がなだめる構図が面白おかしい。


『青野くんに触りたいから死にたい(5)』(椎名うみ)

死んで幽霊になった恋人を一途に愛し続ける女子高生を描いた純愛ホラー。
歪んだキャラクタ達の想いとミステリアスな演出が合わさり不気味の舞台は深化していく。


『ハヴ・ア・グレイト・サンデー(3)』(オノ・ナツメ)

初老男性とその息子、義理の息子という男3人が贅沢な日曜日を過ごす様子を描いた作品。
活動的で充実した休日の様子が描かれる。生き方に余裕がある大人達がカッコいい。


『ハコヅメ~交番女子の逆襲~(7)』(秦三子)

元警察勤務の作者が描く、街の交番に務める女性警察官の勤務の様子を描いたコメディ。
バリエーション豊かな交番ネタはどれもリアリティがあって興味深い。


『来世は他人がいい(3)』(小西明日翔)

負けん気の強い極道の娘とその婚約者の異常な青年との奇妙な関係を描いた恋愛物語。
設定はすさまじいハイカロリーながら会話劇の上手さと整然とした画面でするりと読める。


『バジーノイズ(3)』(むつき潤)

音楽さえあれば孤独も厭わない青年と彼に目を付けた破天荒な女性から始まったバンド物。
シンプルでスタイリッシュな画面の雰囲気。登場人物を雑に扱わず描き分けてるの良い。


『おやすみシェヘラザード(3)』(篠房六郎)

要領を得ない先輩の映画話に付き合わされる後輩女子とその周りの人々を描く映画コメディ。
登場人物をふやしながら出オチ設定から脱却し話の展開にバリエーションが出てきた。


『美少年倶楽部の秘密(1)』(かまぼこRED)

少年小学生4人組が羽目を外してアホみたいなことができる憩いの場を描くギャグ漫画。
不条理に片足突っ込んだハイテンションなギャグはジェットコースターのようで楽しい。


『メイドインアビス(8)』(つくしあきひと)

謎に満ちた大穴「アビス」の底を目指す少女達の冒険を描いたファンタジー。
新たな地獄の誕生。キャラクタおよび読者を奈落に突き落とす創意工夫に感心させられる。


 以上が5月発売の作品で面白かったもの。
 一番のオススメは『水は海に向かって流れる(1)』(田島列島)。4年半ぶりの新刊という高いハードルを軽々超えてくる素晴らしいクオリティでした。プロットのすさまじい練り込み具合が感じ取れる密度の濃い1巻。次巻以降も楽しみ。
 続いては5月発売じゃないけど面白かった作品。


『付き合ってあげてもいいなか(1)』(たみふる)

お互い恋愛対象が同性なことを知り勢いで付き合い始めた大学生二人の恋愛を描いた百合物。
打算と妥協の上でのお付き合いで、それゆえのすれ違いや悩みが描かれておりユニーク。


『クズとメガネと文学少女(偽)(1)(2)(完)』(谷川ニコ)

文学少女を演じようとする少女と彼女に一目ぼれした少年含む男女4人を描いたコメディ。
キャラクタのバランスが良く、文学ネタ中心の掛け合いが心地よかった。


『ライドンキング(1)(2)』(馬場康誌)

とある国家の指導者が転生先の異世界にて未知の騎乗感を求めて冒険するハイファンタジー。
実在の大統領っぽい無敵キャラクタが異世界を物ともせず暴れまわるという設定が強い。


『ファンタジウム(1)』(杉本亜未)

天才的なマジックの才能を持つ難読症の少年がプロのマジシャンを目指す物語。
主人公とその相方の青年のコンビが良い。華やかなマジックシーンも素晴らしい。


『みつどもえ(1)~(3)』(桜井のりお)

バラバラ個性の小学生三つ子とそのクラスメイトが繰り広げる騒動を描くドタバタコメディ。
周りのキャラクタとの絡みで三姉妹のキャラクタが掘り下げらる構成巧み。