本記事では2019年上半期に私が読んだ500冊弱の漫画の中で、特に表紙デザインが好きだったものを20作品ピックアップしました(順番はだいたい発売月順)。漫画選びの参考にして頂けますと幸い。皆さんも好きな表紙デザインについて一度考えてみましょう。
『金剛寺さんは面倒臭い(3)』(とよ田みのる)
理屈で考え過ぎる面倒臭い女子と鬼の男子との生涯を通した恋愛を描いたラブコメディ。
モノクロでも色合いを感じる光の漫画表現がカラーになって更にきらびやかに映える。
『スキップとローファー(1)』(高松美咲)
自信家だけどちょっと抜けてる田舎少女とクラスメイト達との交流を描いた作品。
キャラクタの配置や動き、ロゴデザインなどで何となく作品の雰囲気が感じ取れて良い。
『本田鹿の子の本棚 大乱戦クラッシュファミリーズ篇』(佐藤将)
クレイジーな読書趣味の娘の本棚を盗み見る父親とぶっ飛んだ設定の作中作を描くコメディ。
作中の狂ったパワーワードがデフォルメキャラの背景に並びカオスな雰囲気。
『GOHOマフィア!梶田くん(1)』(大川ぶくぶ /マフィア梶田/羽海野チカ)
ゲーム方面を中心に活躍する実在の強面フリーライターを「材料」にしたクソ4コマ漫画。
羽海野チカ先生本人に『はちみつとクローバー』パロディ表紙を描かせるという暴挙。
『有害無罪玩具』(詩野うら)
自分以外の時間が止まった地球で何億年も暇つぶしを続ける女性の話などを収録した短編集。
各短編のキーアイテムが散乱し混沌としながらも透過されたロゴが画面を引き締めている。
『好きな子がめがねを忘れた(1)』(藤近小梅)
眼鏡忘れてしかめっ面な少女とその娘が好きな純情男子との掛け合いを描くラブコメディ。
日本語ロゴの「めがね」にピントが合っていないのや英語ロゴの眼鏡が可愛い。
『チェンソーマン(1)』(藤本タツキ)
普通の暮らしに憧れるデビルハンターの男と悪魔との戦いを描いたダークファンタジー。
バイオレンスな場面にビビッドな色合いの配色など強烈なインパクト。
『KILLER APE(1)』(河部真道)
AIが戦争を担っていた時代から文明が退行し再び人類が戦場に駆り出される姿を描くSF。
キャラクタが身に着けている物やロゴの中に様々な武器が隠されているの小粋。
『毒百合乙女童話』(ヨシジマシウ)
魔女を恨む少女と魔女の同居生活など、独特の設定の百合3作品収録したフルカラー作品集。
絵本のような絵柄に毒々しい配色がマッチしている。各ロゴの配置もユニーク。
『ひとりぼっちで恋をしてみた(1)』(田川とまた)
北海道の田舎町にて、教師に恋する少女がどんくさい自分に嫌気が差して行動を起こす物語。
深々と降る雪に控えめな大きさのロゴなど静かな雪国田舎町の雰囲気が伝わってくる。
『ワンルームエンジェル』(はらだ)
人生に希望を持てない男性が臨死体験の際に出会った「天使」とワンルームで同居する物語。
斜めから透過された部屋というユニークな構図。画面下の大胆な余白も面白い。
『泥の女通信』『恋煮込み愛つゆだく大盛り』(にくまん子)


ただれた性の雰囲気が漂うにくまん子先生の商業デビュー短編集2冊。
ほぼ同時期に別出版社から出された2冊、違った面から作家性が表現されており興味深い。
『あーとかうーしか言えない(1)』(近藤笑真)

言語のアウトプットが苦手な新人エロ漫画家の女性と担当編集者のコンビを描く漫画業界物。
原稿用紙を模したユニークな演出。ロゴのフォントもキャラクタ性が出ている。
『呪術廻戦(5)』(芥見下々)

社会に潜む呪いを祓う呪術師達と呪霊との戦いを描くハードバトル物。
シリアスでカッコいい表紙が4巻まで続いてきて、いきなりこれは面白過ぎてズルいと思う。
『あゝ我らがミャオ将軍(1)』(まつだこうた/もりちか)

北の方にありそうな社会主義国家の最高指導者を務める幼女を描いたコメディ。
作品性が伝わってくる主人公の立ち振る舞いと周囲の人々の配置。ロゴフォントも可愛い。
『美少年倶楽部の秘密(1)』(かまぼこRED)

美少年小学生4人組が羽目を外してアホみたいなことができる憩いの場を描くギャグ漫画。
主人公達が持つ4者4様のクレイジーな性質が表現されたシュールな画面。
『ひゃくえむ。(1)』(魚豊)

足が速い「だけ」の小学生男子といじめられっ子の転校生の出会いから始まる100m走物語。
シンプルながらカッコいい構図。文字の存在感がここまで大きいの珍しい。
『ダブル(1)』(野田彩子)

天才肌の男性と彼をサポートするもう一人の男性、合わせて一人前の二人の俳優を描く物語。
主人公二人の立ち姿がセクシー。存在感の大きなタイトルロゴの配置も面白い。
『えんこうさん』(西野マルタ)
西野マルタ先生7年ぶりの新刊は「河童」と「相撲」という組み合わせの3編収録短編集。
相撲題材らしい凝ったロゴ。劇画調の力士の肉感も西野先生らしさが出ている。
『踊るリスポーン(1)』(三ヶ嶋犬太朗)
死んでも生き返る不死身の少年と彼を病的に愛する少女との恋愛を描くラブコメディ。
ネオンのようなタイトルロゴが面白い。主人公二人の関係性を表した小道具も良い。