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 9月読んだ漫画をまとめます。 先に投稿した『2019.9_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。新人に限らず読んだ漫画のまとめ。

 9月に読んだ漫画は71冊。前月までと比べると少な目ですが、それでも沢山読めました。
 読んだ中のオススメ作品をピックアップします。まずは、9月発売だった作品から。


『潮が舞い子が舞い(1)』(阿部共実)

ある高校のクラスを舞台にした阿部共実先生新作コメディ。
哲学的な屁理屈の応酬は阿部ワールド全開。キャラクタ描写の深さも光る。


『僕の心のヤバイやつ(2)』(桜井のりお)

ややアホなクラスの中心女子と陰キャラ男子を描いたスクールカーストラブコメディ。
2巻ではヒロイン側の変化が丁寧に描写されている。各シチュエーションも破壊力も抜群。


『腸よ鼻よ(1)』(島袋全優)

潰瘍性大腸炎という難病にかかった作者の闘病生活を描くエッセイ漫画。
ヘビーな体験がコメディ強めに描かれており悲惨さを感じさせないポジティブ雰囲気。


『君は放課後インソムニア(1)』(オジロマコト)

不眠症という共通の悩みを持つ高校生男女を主人公とした物語。
オジロ先生らしい人間味溢れるキャラクタ描写が光る。背景の作画の美しさも流石。


『昴とスーさん(3)』(高橋那津子)

突然身体が縮んでしまった青年とその恋人の女性との日々を描いた作品。
引き続き繊細な描線による作画は美しい。本巻終盤の展開は意表を突かれた。


『欅姉妹の四季(3)』(大槻一翔)

天真爛漫や才女などなど、バラバラの個性を持った4姉妹の賑やかな日常を描いた作品。
描き込み細かい美麗な画面と一挙手一投足まで逃さないという気概が感じられる。


『ダンジョン飯(8)』(九井諒子)

魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
和気あいあいとした主人公パーティ話と緊迫感ある大筋ストーリー、どちらも楽しい。


『幸福ごっこ 上下』(岬千皓)

父親を亡くした少女とその父親と交流があった風俗嬢、二人の奇妙な関係を描いた作品。
ドラマティックな展開とキャラクタ描写がばっちり噛み合った上下巻の構成お見事。


『ミステリと言う勿れ(5)』(田村由美)

天然パーマの大学生男子が誰彼構わずズケズケ「語り」事件を解決していく物語。
メリハリ付けた会話内容とコマ割りの妙でサクサクと読ませてくれる。


『五等分の花嫁(11)』(春場ねぎ)

バラバラ個性の五つ子姉妹と彼女らの家庭教師を務める同級生男子を描くラブコメディ。
恋愛模様は更に混迷を深めてきており、今後の展開に予想がつかず大変楽しい。


『バビロンまでは何光年?』(道満晴明)

最後の地球人とその仲間達が地球崩壊の原因調査のため広大な宇宙を旅するSFコメディ。
道満先生の常人離れした発想力がSF世界観にマッチしていて肌馴染みが大変良い。


『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(16)』(赤坂アカ)

好き合ってるけど自分からは言い出せなかった男女を主人公とした生徒会ラブコメディ。
重要なシリアス展開の合間にアホギャグぶち込んでくるスタイル本作らしくで大好き。


『ゴールデンカムイ(19)』(野田サトル)

北海道に隠された金塊を求めて旧日本軍やアイヌ、新選組の残党などが争う物語。
やや落ち着いた話の流れだったここ数巻のフラストレーションを払拭する怒涛の展開。


『LIMBO THE KING(6)(完)』(田中相)

謎の奇病「眠り病」の治癒のために患者の意識に潜り込む二人の男を描くSFサスペンス。
黒幕に立ち向かう主人公達や丁度良い塩梅のエピローグなど、綺麗な構成の完結巻。


『サイクリーマン(1)』(原田尚)

怪我で自転車競技を引退した会社員男性とその上司が休日サイクリングを楽しむ物語。
人間関係やストレスを仕事と切り分ける社会人らしい趣味の姿が描かれている。


『ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々(3)』(増田こうすけ)

ギリシャ神話の登場人物達を題材とした増田こうすけギャグ。
5ページ1話という短さが『日和』と異なる点で投げっぱなしオチなどに繋がっている。


 以上が9月発売の作品で面白かったもの。
 一番面白かったのは『潮が舞い子が舞い(1)』(阿部共実)。長編のため、従来コメディ作品では記号的だったキャラクタの深掘りが進んで人間性が見えてくる構成大変心地よい。背景に拘った静かな画面も美しい。個別感想記事も書きました。ご興味あれば。

 続いては9月発売じゃないけど面白かった作品。


『ぶんぶくたぬきのティーパーティ(1)~(5)(完)』(森長あやみ)
『ぶんぶくティーポット+(1)』(森長あやみ)

人間に化けて生活するタヌキやキツネなどの動物達の日常を描いたギャグ漫画。
メルヘンで可愛らしい絵柄と世界観がマッチしている。ギャグもパンチある。


『グルタ島日記 大麦畑のジョディー』(だいらくまさひこ)

イメージを立体で表現する電光画家の少女が主人公の表題作含む3編収録の作品集。
膨大な描線で表現される活力溢れるキャラクタ達や幻想的な背景など画面が大変魅力的。


『見かけの二重星 完全版』(つばな)

自分と瓜二つのコピーと生活することになった少女が主人公の作品。
つばな先生らしい少し不思議世界が単巻完結の中身ぎっしりな物語で味わえる良作。


『ライト姉妹(1)(2)(完)』(谷川ニコ)

無職の姉が引きこもりの中学生妹をライトノベル作家に育成しようと試みるコメディ。
ダメ過ぎる妹とサイコパス気味な姉の掛け合いが楽しい。黒歴史ネタも切れ味鋭い。