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 10月読んだ漫画をまとめます。 先に投稿した『2019.10_読んだ新人漫画家まとめ』とは別物です。新人に限らず読んだ漫画のまとめ。

 10月に読んだ漫画は75冊。そこそこ読めました。今年は900冊届きそう。
 読んだ中のオススメ作品をピックアップします。まずは、10月発売だった作品から。


『呪術廻戦(7)』(芥見下々)

社会に潜んだ呪いを祓う呪術師達と呪霊との戦いを描いた物語。
個性的なキャラクタ達が本作の魅力の一つ。今回の伏黒と釘崎のエピソード素晴らしい。


『純情戦隊ヴァージニアス(1)』(福岡太朗)

純潔であることで力を発揮できるヒーロー戦隊の中に混じった30代男性が主人公のコメディ。
年齢を偽るアラサー女性隊員など、ユニークな設定を活かしたストーリーが滑稽で楽しい。


『SPY x FAMILY(2)』(遠藤達哉)

スパイの父と殺し屋の母と超能力者の娘、正体を隠す3人の擬似家族コメディ。
主人公3者3様の特性を上手く組み込んでスムースに展開が進む。メリハリ効いた作画も良い。


『鬼滅の刃(17)』(吾峠呼世晴)

鬼になってしまった妹を人間に戻す方法を探すため鬼を狩る心優しい少年が主人公の物語。
これまで積み上げてきたストーリーを礎とした重要な局面が畳みかけるように続く。


『吾峠呼世晴短編集』(吾峠呼世晴)

『鬼滅の刃』のベースとなった『過狩り狩り』など4短編含む短編集。
『鬼滅』へと通じる要素が垣間見えたりと、作りこまれた作品設定が伺える力作揃い。


『チェンソーマン(4)』(藤本タツキ)

チェンソーの悪魔と同化した楽天家な男と悪魔との戦いを描いたダークファンタジー。
読者の予想を裏切るストーリーやトリッキーなキャラクタの行動でぐいぐい引き込んでくる。


『かげきしょうじょ!!(8)』(斉木久美子)

女性だけで構成された名門歌劇団の養成機関である音楽学校を舞台にした物語。
リフレインされるメインテーマを通して少女達の強さと気高さが描かれている。


『シネマこんぷれっくす!(4)』(ビリー)

曲者ぞろいの高校シネマ部を舞台に映画オタク達の激しい掛け合いを描いたコメディ。
元ネタ映画を知らなくても楽しめるよう工夫されており上手いストーリー作り。


『ベルリンは鐘(6)(7)(完)』(ニャロメロン)

一癖あるキャラクタ達がシュールでナンセンスな掛け合いを繰り広げるギャグ漫画。
メタネタやシュールネタ、ネット時事ネタを適度に組み合わせたスタイルを貫き完走。


『極東事変(1)』(大上明久利)

戦時中に日本軍によって作られた半不死身の人間兵器達とGHQとの争いを描くアクション物。
ハードボイルドの画面にシニカルなキャラクタの掛け合いなど雰囲気素晴らしい。


『スナックバス江(5)』(フォビドゥン澁川)

老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたゲスギャグ漫画。
主に30代男性をターゲットにしていそうなピンポイントに共感性の高いネタ選びは鋭い。


『放課後ていぼう日誌(5)』(小坂泰之)

「ていぼう部」に入部した手芸好きな少女と個性的な部員たちを描く女子高生釣り物。
自然を相手するからこその発見や驚きが丁寧に描写されており趣味物としてクオリティ高い。


『亜獣譚(7)』(江野スミ)

異形の化け物へと身体が変化する害獣病が蔓延する世界を描くダークファンタジー。
これまでのエピソードが繋がってドス黒い背景が明らかになっていくの快感。


『虚構推理(11)』(片瀬茶柴/城平京)

怪異たちから知恵の神として慕われる義眼義足の少女を主人公にした怪奇ミステリ。
ミステリとして密度高い。本職の作家さんが原作ついてないとなかなかできない芸当。


『CONFUSED!』(サヌキナオヤ/福富優樹)

アメリカの片田舎を舞台に繰り広げられる連作オムニバス。
絵柄やキャラクタ達の何気ない掛け合いなどアメリカっぽい雰囲気が漂っておりユニーク。


『おとなになっても(1)』(志村貴子)

バーで偶然出会ってお互い惹かれ合う30代女性二人の恋と葛藤を描く百合作品。
妙齢かつ社会的立場のある女性が思い切った行動に出てしまう様子は読んでてハラハラ。


『ほしとんで(2)』(本田)

芸術学部の俳句ゼミに配属された変人に好かれる青年とそのゼミ仲間達を描いたコメディ。
キャラクタ同士のコミカルな掛け合いの仲良し感溢れる様子が非常に微笑ましい。


『ディザインズ(4)』(五十嵐大介)

遺伝子操作により「人間化」したヒューマナイズドアニマルを描いたSF作品。
芸術的な画面描写と生命倫理に踏み込んだSF設定が見事に融合して緊迫感がたまんない。


『KILLER APE(4)』(河部真道)

AIが戦争を担っていた時代から文明が退行し再び人類が戦場に駆り出される姿を描くSF。
舞台の壮大な背景が次々と明らかになりその情報量に圧倒される。素晴らしい世界観。


『木曜日のフルット(8)』(石黒正数)

無職の女性と半飼い猫を主人公に周囲の人々や猫達との交流を描くショートコメディ。
日常の何気ない出来事に対するユニークな着眼点は読みながら毎回感心させられる。


『天国大魔境(3)』(石黒正数)

天国を探して崩壊した日本を旅する少年少女と箱庭に隔離された子供達を並行して描く物語。
キャッチーなキルコ編と意味深なトキオ編、どちらも違った魅力。二つがどう繋がるか。


『官能先生(3)』(吉田基已)

小説家兼編集者の中年男が偶然出会った美女に惹かれて男子中学生のような恋に落ちる物語。
近づいては離れて主人公を翻弄するヒロインが造形も含めて大変魅力的。


『レンタル彼女 月田さん(2)(完)』(時田時雨)

女性が苦手な青年とレンタル彼女サービスで彼とデートする変な女子を描くラブコメディ。
変わり者のヒロインが滑稽で可愛くて魅力たっぷり。ストーリーも上手くまとまった。


『銛ガール(2)(完)』(岩国ひろひと)

素潜りで魚を銛で突いて捕まえる魚突きに興じる少女達を描いた作品。
趣味系の作品に欲しい要素を全て高水準で備えていた。早期完結ながら素晴らしい良作。


『スペクトラルウィザード 最強の魔法をめぐる冒険』(模造クリスタル)

魔術師ギルドの残党魔法使い達と彼女らと敵対する騎士団との争いを描いたファンタジー。
ポップでメルヘンなキャラクタにも拘らず物憂げな空気漂う模造クリスタルワールド。


『花と頬』(イトイ圭)

ミュージシャンの父親を持つ少女とそのミュージシャンが好きな少年を描く物語。
いじらしいアプローチやネガティブな感情がさりげない描写で演出されており表現力豊か。


 以上が10月発売の作品で面白かったもの。
 一番面白かったのは『かげきしょうじょ!!(8)』(斉木久美子)。どのキャラクタも漏れなく魅力的に描かれており皆愛おしい。次巻以降に向けての強い引きもあり、今後ますます楽しみ。

 続いては10月発売じゃないけど面白かった作品。


『筆とあいつがいればいい。』(中田アミノ)

美術な苦手なオシャレ女子と彼女に取りついた葛飾北斎の亡霊とのコンビを描いた物語。
迫力ある絵画描写に加えて、やわらかい印象の人物作画もユニークで画面が大変魅力的。


『バジーノイズ(4)』(むつき潤)

音楽さえあれば孤独も厭わなかった青年とやや破天荒な女性を中心としたバンド物。
各キャラクタ達の信念が時に交わり、時にすれ違いながら進むストーリーは青臭くも眩い。


『まぼろしまたね(1)』(糸なつみ)

中学生の少女と彼女の前に現れた幼馴染男子の分身のような子供との交流を描いた作品。
未来と過去を繋いだりドッペルゲンガーの存在が作中で効果的に働いている。