2019下半期新人

 2019年下半期まとめ記事、全3つ中の2つ目。新人漫画家編。


※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2019年1月1日~2019年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家(Amazon調べ)」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

 上述したレギュレーションの「新人漫画家」の中で私がコミックを読んだのは計31人。上半期が66人だったので半減してしまいました。もう少し意識して読むよう努めれば良かったなぁ。

 その中で特にオススメの漫画家さんを20人ピックアップします(31人しか読んでない中で20人取り上げるの心苦しいですが、上半期に合わせます…)。わかりやすくランキング形式で。漫画好きの皆さん、将来への投資と思って新人漫画家のコミックをどんどん買いましょう。


20位『プラネットガール(1)』(大石日々)

行方不明になった宇宙船の一部から出てきた謎の少女を中心として物語。
描きたい物語に向けてストーリーを練り込んだ雰囲気が漂っており好感が持てる。


19位『ツーリンガール!(1)』(凪水そう)

お気に入りのバイクでツーリングを楽しむ女性とその周囲の人々を描いた作品。
バイク搭乗時だけでなく、旅先での活動も含めてツーリングの魅力が描かれる。


18位『ギャル医者あやっぺ』(長イキアキヒコ)

「うぇ~い」が口癖で、ノリと勢いで医療行為を行うギャル医者が主人公のギャグ4コマ。
フィクションによくあるギャル像とお堅くあるべき医者という職業の組み合わせがユニーク。


17位『咲宮センパイの弓日(1)』(天野茶玖)

食い意地張ってて天然だけど裏で殺し屋のバイトに勤しむ弓道少女を主人公にした物語。
主人公のキャラクタがユニークでそれを盛り立てる周りの人々との掛け合いも楽しい。


16位『東独にいた(1)』(宮下暁)

冷戦時代の東ドイツを舞台に互いに秘密を抱えたある男女を描く物語。
対立組織に属する男女の恋愛を軸としたドラマティックなストーリー構成は魅力的。


15位『CONFUSED!』(サヌキナオヤ/福富優樹)

アメリカの片田舎を舞台に繰り広げられる連作オムニバス。
絵柄やキャラクタ達の何気ない掛け合いなどアメリカっぽい雰囲気が漂っておりユニーク。


14位『腸よ鼻よ(1)(2)』(島袋全優)

潰瘍性大腸炎という難病にかかった作者の闘病生活を描くエッセイ漫画。
ヘビーな体験がコメディ強めに描かれており悲惨さを感じさせないポジティブ雰囲気。


13位『ワンナイト・モーニング』(奥山ケニチ)

朝ごはんが絡むちょっと色っぽい男女の恋愛エピソードが8編収録された短編集。
各話の登場人物達がそれぞれ違った個性で魅力的。キャラクタデザインも良い。


12位『プリンセスお母さん』(並庭マチコ)

貴族ごっこをしたり奇行多めの母親(アラカン)を娘である作者が描くエッセイ漫画。
突拍子もない母親の行動は面白いし、彼女と家族の温かい雰囲気が伝わってきて癒される。


11位『筆とあいつがいればいい。』(中田アミノ)

美術な苦手なオシャレ女子と彼女に取りついた葛飾北斎の亡霊とのコンビを描いた物語。
迫力ある絵画描写に加えて、やわらかい印象の人物作画もユニークで画面が大変魅力的。


10位『空飛ぶくじら スズキスズヒロ作品集』(スズキスズヒロ)

娘から「空飛ぶくじら」をリクエストされた大学教授を描く表題作含む6作品収録の短編集。
いい具合に気の抜けた絵柄とじんわり心に染みるストーリーが素敵。


9位『ようかい居酒屋 のんべれケ。(1)(2)』(nonco)

河童や牛鬼など様々な妖怪が訪れる居酒屋を舞台にしたドタバタコメディ。
各種妖怪達は個性豊かな美少女キャラに変換されており、お色気強めな作画は丁寧。


8位『純情戦隊ヴァージニアス(1)』(福岡太朗)

純潔であることで力を発揮できるヒーロー戦隊の中に混じった30代男性が主人公のコメディ。
年齢を偽るアラサー女性隊員など、ユニークな設定を活かしたストーリーが滑稽で楽しい。


7位『サイクリーマン(1)(2)』(原田尚)

怪我で自転車競技を引退した会社員男性とその上司が休日サイクリングを楽しむ物語。
人間関係やストレスを仕事と切り分ける社会人らしい趣味の姿が描かれている。


6位『極東事変(1)』(大上明久利)

戦時中に日本軍によって作られた半不死身の人間兵器達とGHQとの争いを描くアクション物。
ハードボイルドの画面にシニカルなキャラクタの掛け合いなど雰囲気素晴らしい。


5位『さちおくん(1)』(キャットタング鈴原)

純真無垢なさちおくんとその周りの変な生き物達との交流を描いた作品。
様々な要素が混在したカオスな雰囲気は大変ユニーク。画面の圧も強い。


4位『幸福ごっこ 上下』(岬千皓)

父親を亡くした少女とその父親と交流があった風俗嬢、二人の奇妙な関係を描いた作品。
ドラマティックな展開とキャラクタ描写がばっちり噛み合った上下巻の構成お見事。


3位『可愛そうにね、元気くん(1)(2)』(古宮海)

同級生女子への想いに悩む陵辱に興奮を覚える少年を描いた物語。
業の深い題材をエンタメ重視なストーリーに乗っけた危ういバランスがたまんない。


2位『夢中さ、きみに。』(和山やま)

ツイッターで話題となった『うしろの二階堂』を含む作者のデビュー短編集。
メイン二人が大変魅力的。レトロな雰囲気の画風もユニークで他では味わえない読み味。


1位『水曜日のトリップランチ(1)(2)』(たじまこと)

VR研究をする不摂生な女性と彼女のランチ係を任される男性が主人公のグルメ物。
VR演出も含めた華やかな画面作りが素敵。表情豊かなキャラクタも良い。