2019年間新人

 2019年の読んだ漫画まとめ記事、その2。新人漫画家編。

※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2019年1月1日~2019年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家(Amazon調べ)」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

 上述したレギュレーションの「新人漫画家」の中で私がコミックを読んだのは計97人。100人には届きませんでした。来年はもう少し意識して読みたい。

 その中で特にオススメの漫画家さんを20人ピックアップします。新刊点数が多すぎて埋もれていく作家さんも多い昨今の漫画業界、有望な新人さんを繋ぎ止めるためにも皆さん、若い漫画家さんをどんどん開拓していきましょう。その参考にして頂けますと幸いです。


20位『プリズムの咲く庭 海島千本短編集』(海鳥千本)

イラストレーター兼漫画家の著者による爽やかな読み味の話が多めのデビュー短編集。
美麗な一枚絵も素晴らしいし、デフォルメによる情報整理やコマ割りも上手く読みやすい。


19位『筆とあいつがいればいい。』(中田アミノ)

美術な苦手なオシャレ女子と彼女に取りついた葛飾北斎の亡霊とのコンビを描いた物語。
迫力ある絵画描写に加えて、やわらかい印象の人物作画もユニークで画面が大変魅力的。


18位『空飛ぶくじら スズキスズヒロ作品集』(スズキスズヒロ)

娘から「空飛ぶくじら」をリクエストされた大学教授を描く表題作含む6作品収録の短編集。
いい具合に気の抜けた絵柄とじんわり心に染みるストーリーが素敵。


17位『ようかい居酒屋 のんべれケ。(1)(2)』(nonco)

河童や牛鬼など様々な妖怪が訪れる居酒屋を舞台にしたドタバタコメディ。
各種妖怪達は個性豊かな美少女キャラに変換されており、お色気強めな作画は丁寧。


16位『純情戦隊ヴァージニアス(1)』(福岡太朗)

純潔であることで力を発揮できるヒーロー戦隊の中に混じった30代男性が主人公のコメディ。
年齢を偽るアラサー女性隊員など、ユニークな設定を活かしたストーリーが滑稽で楽しい。


15位『サイクリーマン(1)(2)』(原田尚)

怪我で自転車競技を引退した会社員男性とその上司が休日サイクリングを楽しむ物語。
人間関係やストレスを仕事と切り分ける社会人らしい趣味の姿が描かれている。


14位『極東事変(1)』(大上明久利)

戦時中に日本軍によって作られた半不死身の人間兵器達とGHQとの争いを描くアクション物。
ハードボイルドの画面にシニカルなキャラクタの掛け合いなど雰囲気素晴らしい。


13位『さちおくん(1)』(キャットタング鈴原)

純真無垢なさちおくんとその周りの変な生き物達との交流を描いた作品。
様々な要素が混在したカオスな雰囲気は大変ユニーク。画面の圧も強い。


12位『有害無罪玩具』(詩野うら)

自分以外の時間が止まった地球で何億年も暇つぶしを続ける女性の話などを収録した短編集。
思考実験を拡張させたようなアイディアが面白い。トリッキーな表現もユニーク。


11位『レキヨミ(1)』(柴田康平)

エキセントリックな姉としっかり者の妹の獣人姉妹を中心に繰り広げられるコメディ。
ファンタジーな出来事の中にお下劣なネタが入り混じるコメディスタイルは独特な雰囲気。


10位『幸福ごっこ 上下』(岬千皓)

父親を亡くした少女とその父親と交流があった風俗嬢、二人の奇妙な関係を描いた作品。
ドラマティックな展開とキャラクタ描写がばっちり噛み合った上下巻の構成お見事。


9位『王様ランキング(1)~(6)』(十日草輔)

耳が聞こえず非力な王子が立派な王様を目指して奮闘する姿を描いたファンタジー作品。
拙いながらもデフォルメが効いた絵柄はユニーク。ストーリーも良く練り込まれている。


8位『あーとかうーしか言えない(1)(2)』(近藤笑真)

言語のアウトプットが苦手な新人エロ漫画家の女性と担当編集者のコンビを描く漫画業界物。
漫画家や編集者が拘りを持ってエロ漫画を作り上げる様が臨場感を持って描写されている。


7位『恋煮込み愛つゆだく大盛り』(にくまん子)

セフレ男女の話など、ただれた性の雰囲気が漂うにくまん子先生の商業デビュー短編集。
恋愛における独占欲や優越感など通常なら秘めるべき感情が描写されておりガツンとくる。


6位『一日三食絶対食べたい(1)(2)』(久野田ショウ)

氷河期に突入した地球を舞台に過去の遺産を氷の中から掘り出して生活する人々を描く物語。
世界観もユニークだが、何よりキャラクタの駆け足が素っ頓狂で面白い。


5位『可愛そうにね、元気くん(1)(2)』(古宮海)

同級生女子への想いに悩む陵辱に興奮を覚える少年を描いた物語。
業の深い題材をエンタメ重視なストーリーに乗っけた危ういバランスがたまんない。


4位『夢中さ、きみに。』(和山やま)

ツイッターで話題となった『うしろの二階堂』を含む作者のデビュー短編集。
メイン二人が大変魅力的。レトロな雰囲気の画風もユニークで他では味わえない読み味。


3位『水曜日のトリップランチ(1)(2)』(たじまこと)

VR研究をする不摂生な女性と彼女のランチ係を任される男性が主人公のグルメ物。
VR演出も含めた華やかな画面作りが素敵。表情豊かなキャラクタも良い。


2位『踊るリスポーン(1)(2)』(三ヶ嶋犬太朗)

死んでも生き返る不死身の少年と彼を病的に愛する少女との恋愛を描くラブコメディ。
ぶっ飛んだ設定と破天荒なキャラクタを飼い慣らす言葉選びと掛け合いのセンスが光る。


1位『銛ガール(1)(2)(完)』(岩国ひろひと)

素潜りで魚を銛で突いて捕まえる「魚突き」に興じる少女達を描いた作品。
初心者が魅力に気づく様子など題材の活かし方が巧み。少女達の関係性の描き方も良い。