
2019年の読んだ漫画まとめ記事、その4。2019年に完結巻が出た作品紹介。
2019年に完結巻が出た作品で(単巻完結のものは除く)私は読んだ作品は全部で93作品、綺麗なラストもあれば打ち切りっぽい幕切れの作品もありましたが、分け隔てなく全作を紹介します。そして作者さんの次回作への応援にもなりますし、気になった作品は是非買いましょう。
(紹介はだいたい発売日順)
『プリンセスメゾン』(全6巻)(池辺葵)
一人で暮らすことを選んだ女性たちの十人十色な「住み方」を描いた作品。
女性もとい全ての個人とそれぞれの意思が尊重される平等な雰囲気が素晴らしい作品。
『十二人の死にたい子どもたち』(全3巻)(冲方丁/熊倉隆敏)
集団安楽死のために集まった12人の子供達が正体不明の「13人目」の謎に迫るミステリ。
細かいトリックに執着し過ぎた嫌いはあるがラストの疾走感は気持ちいい。
『時を超える影 ラヴクラフト傑作集』(全2巻)(田辺剛)
コズミックホラーというジャンルを創った小説家ラブクラフト後期作品のコミカライズ。
クトゥルフ神話の世界において為す術のない人類の閉塞感が見事に表現されていた。
『彼女はお義父さん』(全2巻)(川田大智)
事故の影響で彼氏が触れている間だけ娘が父親の姿になるという設定のコメディ。
飛び道具な設定を活かしたネタ作りは色々工夫してて良かった。
『アニマルハラスメント』(全2巻)(日夜カモ)
動物が人間と同等の知性を持つ世界で動物差別の相談を請け負う組織を描いたコメディ。
ユニークなストーリー作りやキャラクタの灰汁の強さなど光るものがあった。
『うたかたダイアログ』(全3巻)(稲井カオル)
同じバイト先で働く高校生男女の軽快な会話劇を描いたコメディ。
センス溢れる掛け合いは最後まで安定。2種類のラストが用意された物語構成もお見事。
『剥き出しの白鳥』(全4巻)(鳩胸つるん)
学校内で露出を繰り返す変態男子と露出狂集団との戦いを描いたギャグ漫画。
シュールとメタを足したような絶妙なギャグスタイルが特徴的な作品だった。
『角の男』(全2巻)(山うた)
角の生えた人類が存在し彼らが鬼として家畜のように扱われる国を舞台にしたファンタジー。
全2巻で過不足なく収まった美しいストーリー構成。読後感素晴らしい。
『世界は寒い』(全2巻)(高野雀)
5発の銃弾と拳銃を手に入れた6人の女子高生が殺したい相手について思いを馳せる物語。
終盤は駆け足ながらシンプルかつ力強い設定と個性的なキャラクタ達の魅力が十分楽しめた。
『甘々と稲妻』(全12巻)(雨隠ギド)
父と娘の親子と、女子高生との料理を通した絆を描いた家庭料理ホームドラマ。
スタイルの違う最終回を何度も味わうような丁寧なエピローグで大満足。素晴らしい完結巻。
『佐土原和葉は完璧ですか?』(全2巻)(おおのいも)
外面は完璧だけど実際には玉の輿のことしか考えていないゲス女子高生が主人公のコメディ。
ユニークな設定で上手く回せば面白くなる感覚もあったが、消化不良のまま閉幕。
『ハロー ジュピター 好きっていって。』(全2巻)(藤井なお)
恋愛ではなく健康管理チップの入ったAI彼氏を振り向かせようと奮闘する女性を描いた物語。
ユニークな世界観やさりげないテクノロジー描写に拘りが垣間見える作品だった。
『こいいじ』(全10巻)(志村貴子)
10年以上の片思いをこじらせ続ける30代女性を中心にこじらせ恋愛を描いた作品の完結巻。
各キャラクタの気持ちに整理がついて長期連載はすっきり幕引き。
『死人の声をきくがよい』(全12巻)(ひよどり祥子)
影のある繊細な絵柄で描かれる美少女が特徴的なホラーの完結巻。
各キャラクタのエピソードを消化していく構成かと思いきや最後はぶん投げエンドで残念。
『ソフトメタルヴァンパイア』(全6巻)(遠藤浩輝)
元素を操る不死身のヴァンパイアに全人類が支配された世界を描くファンタジーバトル物。
元素の性質を活かしたバトルや遠藤先生らしい世界観はユニークだった。
『わたしが強くしたい神』(全2巻)(厘のミキ)
小説家の男性が彼のファンである女子高生に促されながら筋トレに勤しむ筋トレラブコメ。
奇天烈ぎみなキャラクタの掛け合いと女性キャラクタの可愛さが楽しい作品だった。
『あかまつ』(全2巻)(作井ルビ)
会津を舞台に、ペットとして飼われているあかべこと女子高生3人との交流を描いた日常物。
ほのぼのした可愛い掛け合いや緻密な背景、特徴のあるキャラ造形がユニークな作品だった。
『ギャル☆クリ!』(全2巻)(ラムネ村シュワ太)
ゴミ屋敷に住むギャルとその家に同居する同級生男子を描いていたはずの掃除ラブコメ。
2巻収録話から作品テーマは崩壊し過激目なエロ展開だけが詰め込まれていた。ひどい幕引き。
『銃座のウルナ』(全7巻)(伊図透)
雪原に建てられた拠点基地にて異形の怪物と戦っていた女銃撃手を描いた物語の完結巻。
作品全体通してドラマティックでユニークなストーリーであった。
『蟲籠奇譚』(全3巻)(西塚em)
虫が好き過ぎる生物部部長に目を付けられて入部した少女とその周りの人々を描いた物語。
3巻ではかなり特殊な性対象にまで突っ込んでいた。ユニークな作品でした。
『ロマンスの騎士』(全3巻)(武富智)
中世イタリア騎士の魂を憑依した現代日本の男子中学生を描いたフェンシング物語。
特異なライバルキャラとの関係性や競技の目新しさなどポテンシャルの高い作品ではあった。
『メランコリア』(全2巻)(道満晴明)
小惑星の衝突を目前に控えた地球で思い思いの日々を過ごす人々を描く連作SF短編集。
ポップなのにシニカルな雰囲気、伏線満載のストーリー構成など道満晴明ワールドを堪能。
『バスルームのペペン』(全6巻)(川西ノブヒロ)
ゆるキャラのような癒し系妖怪達と人間との交流を描いたハートフルコメディの完結巻。
可愛くて優しいキャラクタ達で満たされたハッピーな作品。ラストも上手くまとめて大団円。
『飼育少女』(全3巻)(仲川麻子)
好意を寄せる生物教師と共に、珍妙な海洋生物を飼育、観察する女子高生が主人公の作品。
ユニークな海洋生物の生態やそれに対する主人公の愉快なリアクションなど魅力的でした。
『シャボンと猫売り』(全3巻)(高津マコト)
猫に変えられてしまった親友を助けるために奮闘する少女が主人公の冒険譚の完結巻。
躍動感溢れる描写力と尖った舞台設定が魅力的な作品だった。
『ハイスコアガール』(全10巻)(押切蓮介)
ゲームバカな少年と無口なゲーマ―少女との絆を描いた90年代レトロゲームラブコメディ。
山あり谷ありだった本作、無事完結を迎えられたことがめでたい。
『ガイコツ書店員 本田さん』(全4巻)(本田)
書店を飛び出し出版業界の内情をぶっちゃける実録レポ漫画。
電書企業へのインタビューや台湾の漫画事情を調査する取材旅行など興味深い内容。
『培養肉くん』(全2巻)(宮崎夏次系)
荒廃した世界を舞台に小説家の男性と食べられたがりな培養肉を描いた少し不思議物語完結。
宮崎夏次系ワールドが炸裂し、難解な描写とストーリーはシュールギャグの領域。
『さぐりちゃん探検隊』(全4巻)(あきやま陽光)
病弱だった少女が健康になり、公園や工場など様々な場所に探検に行くお出かけ物。
見開きカラーも交えながら実在の観光スポットの魅力を上手く伝えた作品だった。
『イチゴーイチハチ!』(全7巻)(相田裕)
夢断たれた少年が新しく楽しい事を見つけていく姿を描いた高校生徒会物語。
主人公達の成長を見守ってきた読者としては万感の思い。密度の濃い素晴らしい完結巻。
『好奇心は女子高生を殺す』(全2巻)(高橋聖一)
宇宙人や地底人など、超常現象に巻き込まれがちな女子高生二人組を描いた少し不思議物語。
バリエーション豊かなアイディアにちょっとビターなストーリーがマッチしていた。
『金のひつじ』(全3巻)(尾崎かおり)
小学生以来数年ぶりに再会した高校生男女4人組の変化と友情を描いた青春物語の完結巻。
負の感情を乗り越えて力強く前に進んでいく青春の美しさを簡潔に描いた良作。
『神クズ☆アイドル』(全2巻)(いそふらぼん肘樹)
やる気ゼロな男性アイドルと女性トップアイドルの幽霊とのコンビを描いたコメディ。
アイドルネタもうまくハマっているしリアクションでかめ表情豊かなコメディ表現も大好き。
『ふたりモノローグ』(全6巻)(ツナミノユウ)
同級生に好意を寄せるギャルとその娘に憧れる想われ人の地味女子を描く百合ラブコメ。
終盤の展開はスムーズに進み晴れやかに完結。リアクション芸も最後までやりたい放題。
『あの娘にキスと白百合を』(全10巻)(缶乃)
天才少女とその娘にライバル心を抱く少女を中心にした女学院舞台の百合オムニバス。
多種多様なカップルを描くオムニバスとメイン二人の関係性を描く長編、両輪で楽しめた。
『レイリ』(全6巻)(岩明均/室井大資)
末期の武田家を舞台に死にたがりの少女と武田家の人々を描いた歴史アクションの完結巻。
各キャラクタが死も含めたそれぞれの役割をキッチリ全うしてストーリーに乗り綺麗に完結。
『丹沢すだちが此処にイル!』(全2巻)(額縁あいこ)
高校デビューのコミュ障ラッパー少女と友人達との交流を描いたコメディ。
個性豊かな登場人物の掛け合いが楽しい作品でした。ラストも綺麗にハッピーエンド。
『ハピネス』(全10巻)(押見修造)
吸血鬼になった少年と彼を助けたい少女を中心に描かれる吸血鬼パニックホラーの完結巻。
押見先生の挑戦的な画面表現は随所に光っていたが間延びしたストーリーはちょっと残念。
『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』(全12巻)(おおひなたごう)
十人十色の「食べ方」をテーマにしたグルメコメディ。
パンチの効いたナンセンスギャグスタイルは最終巻でも安定。
『なんで生きてるかわからない人 和泉澄25歳』(全2巻)(あぬ)
タイトル通りの不安を抱えながらフリーターとして働く女性を描いた作品。
ネガティブ思考に陥りやすい人間の現代社会における生きにくさがリアリティたっぷり。
『起きてください、草壁さん』(全2巻)(秋★枝)
休日は寝て過ごしたい女性と一緒に出掛けたい彼氏とのやり取り描いたラブコメディ。
秋★枝先生の描く恋人達はお互い尊重し合い不思議と馬が合う関係性が素敵。
『平太郎に怖いものはない』(全2巻)(スケラッコ)
毎日怪異に襲われる胆が据わっており全く動じない少年が主人公の物語の完結巻。
ほんわかした絵柄とおおらかな主人公、掴みどころのない怪奇描写がマッチした雰囲気良い。
『いそあそび』(全3巻)(佐藤宏海)
海沿いの田舎町に移り住んだ没落貴族の少女が磯で取れる食料で半自給自足生活をする物語。
キャラクタの関係性やストーリーにしっかり区切りをつけて綺麗にフィナーレ。良いラスト。
『人魚姫のごめんねごはん』(全7巻)(野田宏/若松卓宏)
自分の身内である魚達を使った料理の味に取りつかれた人魚姫を描くグルメコメディ最終巻。
ほぼ1冊まるまる使ってのシリアス展開。コメディ面が好きな作品だったのでびっくり。
『ものするひと』(全3巻)(オカヤイヅミ)
文学新人賞受賞歴後、アルバイトを続けながら小説を書き続ける青年を主人公にした作品。
創作に対する物書きの意識がキャラクタに上手く落とし込まれていた。
『花待ついばら めぐる春』(全4巻)(スガワラエスコ)
女性の第二次性徴が恋によって促進されるという設定を描いた恋愛物語の完結巻。
ユニークな世界観がコンパクトにまとまって思ったより早い完結。
『いつもぼくをみてる』(全2巻)(山本さほ)
90年代を舞台に、小学生達だけに見える罪悪感の化身とそれをめぐる物語の完結巻。
ナイーブな展開も挟まり、小学生の無知さやそこからの成長がしっかり描かれ綺麗に完結。
『ふたり生徒会』(全7巻)(かとそん/ゆずチリ)
寡黙な会長と彼に好意を寄せる副会長、たった二人の中学生徒会の活動を描くコメディ。
生徒会メンバーが入れ替わりながら話が進む構成が成長物語として上手く機能していた。
『学校のこども』(全2巻)(下待迎子)
女学院の一室にて7年間住まう少年と彼を共通の「秘密」として囲う女学生達を描いた物語。
特異な舞台設定を上手く活かして各登場人物の心情を綴り綺麗に物語が閉じた。良作。
『ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画』(全3巻)(インカ帝国)
タイトル通り、ラッパーをゾンビみたいに扱っているパニックコメディ作品。
出オチ設定とクラブカルチャーっぽい付随要素でストーリーが組まれていたが全体的に雑。
『乙女文藝ハッカソン』(全3巻)(山田しいた)
最強の文芸部を決めるための制限時間付きリレー小説に挑む女子大生達を描いた作品。
物書き心理やそれを集団で練り上げていく過程など、終盤駆け足ながら充実の内容。
『錦糸町ナイトサバイブ』(全3巻)(松田舞)
キャバ嬢になるため上京した女性が何故だか夜間診療歯科で働き始めるコメディ。
コメディの各要素がどれをとっても高クオリティの素晴らしい作品でした。
『猫で人魚を釣る話』(全3巻)(菅原亮きん)
不愛想な医師とその患者である難病の女性との猫を通した交流を描いた恋愛物語の完結巻。
特徴的な絵柄とコマ割りで作り出されるコミカルな画面が面白い作品でした。
『はるみねーしょん』(全8巻)(大沖)
シンプルな絵柄がと駄洒落ネタが特徴的な\やべぇ/脱力系女子高生4コマギャグの完結巻。
最後までノリは変わらず良くも悪くも安定したまま終了。
『ご恩は一生忘れません』(全3巻)(北郷海)
ちゃらんぽらんな男とその男に義理があるイケメン犬人間を主人公にしたコメディ。
ハイテンポなドタバタ感と丁寧な展開運びが魅力的な良い作品でした。
『ロジカとラッカセイ』(全3巻)(紀ノ目)
ヘンテコな生き物と人間の子供、二人とその周囲の生き物達とを描いたファンタジー。
ほんわか物語に潜むダークな裏設定が素晴らしい作品でラストの展開もお見事。
『サーカスの娘オルガ』(全3巻)(山本ルンルン)
革命の機運高まる19世紀のロシアを舞台に、サーカス団の少女を描いた物語。
複雑な社会的背景を押さえつつ主人公の半生をドラマティックに描き切った。
『AIの遺電子 RED QUEEN』(全5巻)(山田胡瓜)
母親のコピー人格を回収するための旅をする青年を主人公にした近未来SFサスペンス。
壮大な対立構図を作り上げたSF構成力の高さ素晴らしい。骨太な作品でした。
『春のムショク』(全4巻)(井上まい)
人生に思い悩む無職青年と彼にアタックする不思議な少女を描くSFラブストーリー。
時空を飛び越えた壮大な恋愛劇はまるっとハッピーエンド。個性の強い良い作品でした。
『めしにしましょう』(全8巻)(小林銅蟲)
締め切り間際の漫画家の仕事場を舞台に「やり過ぎ」料理を作る様子を描いたグルメ漫画。
ストーリーをまとめつつ最終話までやりすぎ料理とシュールギャグは通常営業で完結。
『ロボ・サピエンス前史』(全2巻)(島田虎之介)
人間の命により長期間の任務に従事するロボット達を描いたSF連作オムニバス。
時間軸が凄まじい勢いで加速する壮大なストーリーはSF欲を満たしてくれる。
『水曜日のシネマ』(全5巻)(野原多央)
レンタルビデオ屋の中年店長とバイト女子大生との恋模様を描いた作品。
ヒロイン側目線というよりも、中年男性側の年齢の呪縛からの脱却を重視していた印象。
『みっちゃんとアルバート』(全2巻)(森長あやみ)
ゆるキャラのようなクマっぽい宇宙人と同居する女子大生を描いたコメディ4コマ。
可愛らしいキャラクタと辛辣なギャグスタイル。ネタ応酬のテンポが良い作品でした。
『水族カンパニー!』(全4巻)(イシイ渡)
新米トレーナーと海獣への行き過ぎた愛を見せる獣医のコンビが主人公の水族館物語。
実在の生き物である海獣の愛らしさを漫画に落とし込むために作画に力が入っていた印象。
『ブレードガール 片脚のランナー』(全3巻)(重松成美)
病気で片足を失った少女が専用の義足「ブレード」で短距離ランナーを目指す物語。
センシティブな題材の作品としてストーリーは小奇麗にまとまってはいた。
『LIMBO THE KING』(全6巻)(田中相)
謎の奇病「眠り病」の治癒のために患者の意識に潜り込む二人の男を描くSFサスペンス。
黒幕に立ち向かう主人公達や丁度良い塩梅のエピローグなど、綺麗な構成の完結巻。
『着たい服がある』(全5巻)(常喜寝太郎)
ロリータ服を着たことをきっかけに自分の生き方を見つめ直す女性を主人公にした物語。
自分と向き合うだけで精一杯だった主人公が他者に影響を与えるまでの成長が描かれていた。
『幸福ごっこ』(全2巻)(岬千皓)
父親を亡くした少女とその父親と交流があった風俗嬢、二人の奇妙な関係を描いた作品。
ドラマティックな展開とキャラクタ描写がばっちり噛み合った上下巻の構成お見事。
『ハナコ@ラバトリー 新装版』(全2巻)(施川ユウキ/秋★枝)
トイレから離れられない幽霊の少女と人間や他の幽霊との交流を描く連作オムニバス。
原作と作画、お互いの個性を活かして作品が作り上げられており良い。
『有害指定同級生』(全3巻)(くろは)
性欲が強過ぎる倫理観ガバガバ女子高生と彼女に振り回される同級生女子を描いたコメディ。
頭どうかしていると評したくなる下ネタギャグスタイルを貫いて全3巻を完走。
『白衣さんとロボ』(全3巻)(柴)
ずぼらで偏屈な天才科学者の少女と高性能お手伝いロボを描いたコメディ4コマ。
丁寧な作画と情報量が整理された画面、シンプルな構成で安心して読める作品でした。
『ひゃくえむ。』(全5巻)(魚豊)
様々な理由と信念の元に100m走に人生を燃やす人々を描いた物語。
強い言葉選びとそれを前面に押し出す演出にシンプルな競技が上手くマッチしていた印象。
『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(全8巻)(絵本奈央/岡田麿里)
「性」に対する意識に振り回される文学女子5人が主人公の学園青春物。
性を題材としているのだから踏み込んだ描写や展開が欲しかったのでやや消化不良。
『ベルリンは鐘』(全7巻)(ニャロメロン)
一癖あるキャラクタ達がシュールでナンセンスな掛け合いを繰り広げるギャグ漫画。
メタネタやシュールネタ、ネット時事ネタを適度に組み合わせたスタイルを貫き完走。
『ヤオチノ乱』(全3巻)(泉仁優一)
現代社会の中で暗躍する忍達を描いたサスペンスアクション。
洞察力と策略、先端テクノロジーが絡み合う知略戦が楽しい作品でした。
『未亡人登山』(全2巻)(板橋大祐)
亡くした夫の手記に沿って山に登って記憶を辿る女性と彼女を先導する男性を描いた登山物。
山に潜む死の危険、それでも人々を惹きつける魅力が綺麗にまとまっていた。
『めんけぇなぁ えみちゃん』(全2巻)(沼ちよ子)
秋田の田舎にて祖母と二人で暮らす少女の日常を描いた作品。
地元のことが大好きでおばあちゃんっ子、方言強めという主人公が可愛い作品でした。
『レンタル彼女 月田さん』(全2巻)(時田時雨)
女性が苦手な青年とレンタル彼女サービスで彼とデートする変な女子を描くラブコメディ。
変わり者のヒロインが滑稽で可愛くて魅力たっぷり。ストーリーも上手くまとまった。
『銛ガール』(全2巻)(岩国ひろひと)
素潜りで魚を銛で突いて捕まえる魚突きに興じる少女達を描いた作品。
趣味系の作品に欲しい要素を全て高水準で備えていた。早期完結ながら素晴らしい良作。
『銀 シロガネ』(全2巻)(水上あきら)
千の技を持つちゃんこ番、銀(シロガネ)が主人公のギャグ漫画。
ナンセンスなハイテンションとダジャレ多用のギャグが特徴的ではあった。
『やさしいヒカリ』(全3巻)(中村ひなた)
田舎の郵便局で働く青年と同居する女子高生との交流を描いた物語。
スローな画面が田舎町の雰囲気を演出していて素敵。綺麗にまとまったストーリーも爽やか。
『将来的に死んでくれ』(全7巻)(長門知大)
あらゆる手段で同級生女子にアタックするも空回りする女子高生が主人公の百合コメディ。
可愛らしい作画や奇行多めな主人公のキャラクタは最後まで安定。
『はねバド!』(全16巻)(濱田浩輔)
性格が捻くれた少女が主人公の女子バドミントン高校部活物の完結巻。
最終戦は連載6年間に培われた様々な漫画表現技法が駆使されており圧巻。
『アイドランク』(全4巻)(宮場弥二郎/さきしまえのき)
公称は未成年(実際は成年済み)のトップアイドルが飲酒を楽しむ様子を描いたコメディ。
醸造所併設のバーなど実際に試したくなるマニアックな酒の楽しみ方が最後まで満載でした。
『さめない街の喫茶店』(全2巻)(はしや)
夢の中の街に佇む喫茶店にて軽食やお菓子作りをする女性を描く物語。
ふんわりした雰囲気の画面などは魅力的だし、食欲をそそる料理描写も素晴らしい。
『やがて君になる』(全8巻)(仲谷鳰)
先輩から告白されるが恋愛感情を抱けなかった主人公とその先輩を描く百合恋愛物。
恋愛題材の作品として理想的なストーリー構成の丁寧なエピローグという雰囲気の最終巻。
『響~小説家になる方法~』(全13巻)(柳本光晴)
エキセントリックな天才文学少女を描くなんちゃって純文学エンターテイメント作品。
暴力中心に突拍子もない行動を取る天才とという話のスタイルは最後までぶれず。
『こわもてかわもて』(全2巻)(大豆小雨)
強面だけど温厚な老人と元気いっぱいで落ち着きのない孫娘を描くコメディ。
畳みかけるようなテンポのギャグと表情豊かで可愛らしいキャラクタ達が良い組み合わせ。
『小路花唄』(全4巻)(麻生みこと)
京都の職人長屋で働く靴職人の女性と男性二人の三角関係が描かれる物語。
揺れ動くアラサー女性の心理や恋愛模様が革靴の製作過程と並行して進む構成がユニーク。
『テンジュの国』(全5巻)(泉一聞)
18世紀のチベットを舞台に、薬草好きな少年と彼の婚約者の少女との日常を描いた作品。
人々の考え方や風習、食生活などの土地の文化に関する描写には強い拘りが感じられた。
『ブルーストライカー』(全4巻)(沢真/柴田ヨクサル)
くたびれた無職の中年男が謎のアプリを通したストリートファイトに巻き込まれる物語。
ズレたキャラクタ掛け合いなど魅力的な作品だったので早期完結残念。
『太陽の塔』(全3巻)(かしのこおり/森見登美彦)
自分のことを振った女性に執着する腐れ男子大学生を描いた小説のコミカライズ。
原作小説のテンポや雰囲気が漫画という媒体において十二分に再現されている。
『KILLER APE』(全5巻)(河部真道)
AIが戦争を担っていた時代から文明が退行し再び人類が戦場に駆り出される姿を描いたSF。
重厚に練り込まれた設定とキャラクタ達の持つ思想の熱量が素晴らしい作品ではあった。