図1

 2020年上半期まとめ記事、全3つ中の1つ目。新人漫画家編。

※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2020年1月1日~2020年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家(Amazon調べ)」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

 上述したレギュレーションの「新人漫画家」の中で2020年上半期に私がコミックを読んだのは計39人。昨年66人からかなり減少。後半巻き返せるように頑張ります。

 その中で特にオススメの漫画家さんを10人ピックアップします。わかりやすくランキング形式で。漫画好きの皆さん、将来への投資と思って新人漫画家のコミックをどんどん買いましょう。


10位『イーハトーヴのふたりの先生(1)』(山口八三)

動物園を舞台に動物と痛覚を共有する獣医ともう一人の冷酷な獣医を描く物語。
タイプの違う二人の噛み合わないやり取りがシリアスながらちょっと滑稽で面白い。


9位『インモラルなやさしい彼』(野良おばけ)

私生活でも役を演じる役者の男とその隣人の性生活が乱れた男性との関係を描いたBL作品。
相手側からの影響を受けて自分自身を見つめ直す心理描写が巧み。ストーリー構成見事。


8位『人の息子(1)』(あのあやの)

漫画家の独身男性が彼を慕う施設住まいの少年を里親として引き取ろうとする物語。
里親制度に阻まれて簡単に家族になれないのは疑似家族物として上手いストーリー構成。


7位『綴れのレグホーン(1)』(五辻みどろ)

火山に囲まれた無法地帯の街を舞台に地質学者の女性と現地の少女が街の秘密を探る物語。
殺伐としながらもどこか呑気な雰囲気や階級を感じさせる社会構造などユニークな世界観。


6位『バクちゃん(1)』(増村十七)

夢が枯渇したバクの星から移民として地球にやってきた子供バクを主人公にした物語。
現実の移民の境遇や社会的扱いを他の星の生き物に置き換えて比喩的に描いておりユニーク。


5位『コーポ・ア・コーポ(1)』(岩浪れんじ)

大阪の安アパートを舞台に、日雇い労働者の男など下層で生きる人々を描いた作品。
貧しい生活に順応し普通の人々を羨む思考の余裕すらない住人達の様子が非常に生々しい。


4位『趣味のラブホテル(1)』(らぱ☆)

同人作家の女性とふたなり美少女天使が全国各地のユニークなラブホテルを巡っていく物語。
友達以上恋人未満のような主人公二人の関係性が大変尊い。等身低めの絵柄も可愛らしい。


3位『宙に参る(1)』(肋骨凹介)

夫(人間)を亡くした女性(人間)とその息子(ロボット)との宇宙旅行を描いたSF作品。
作り込まれたSF設定にはリアリティがある。シニカルなキャラクタの掛け合いも素敵。


2位『マイ・ブロークン・マリコ』(平庫ワカ)

両親から虐待されて自殺した親友の遺骨を奪い逃走する女性を描く物語。
画面表現が大変力強く心揺さぶられる。単巻で綺麗に収まったストーリーも素晴らしい構成。


1位『ワンコそばにいる(1)(2)』(路田行)

一人暮らし女性と眠る度に人間と犬の人格が入れ替わる青年との同居生活を描いたコメディ。
シンプルなわかりやすい設定を活かしたストーリー構成が上手くグイグイ読ませてくれる。