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 2020年下半期まとめ記事、全3つ中の1つ目。新人漫画家編。

※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2020年1月1日~2020年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家(Amazon調べ)」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

 上述したレギュレーションの「新人漫画家」の中で2020年下半期に私がコミックを読んだのは計44人。上半期の39人から微増。

 その中で特にオススメの漫画家さんを10人ピックアップします。わかりやすくランキング形式で。漫画好きの皆さん、将来への投資と思って新人漫画家のコミックをどんどん買いましょう。


10位『オオカミくんは早川さんに勝てない(1)』(はれやまはれぞう)
オオカミの姿に変身できる少年と普段は彼を小馬鹿にする動物好き少女を描くラブコメディ。
主人公二人の関係が着実に変化していくストーリー構成素晴らしい。絵柄も非常にキュート。


9位『プリンタニア・ニッポン(1)』(迷子)
生体プリンタのエラーで出力された謎生物と飼い主の男性との日々を描く近未来日常物。
ゆるいようで人間達が上位存在に管理されるディストピアっぽい舞台設定がユニーク。


8位『あるはずさ、胸の奥に、心のパンが。』(コモンオム)
人間とパンを両親に持つ少年の話など、パンにまつわる5編を収録した短編集。
不条理も堂々としていれば不条理じゃないと言わんばかりのパン狂いっぷり。


7位『紛争でしたら八田まで(1)~(4)』(田素弘)
世界中の紛争地に赴き問題を解決する地政学コンサルタントの女性を描いた作品。
民族や文化、地理などの描写に綿密な調査が感じられ知的好奇心をくすぐる内容。


6位『Thisコミュニケーション(1)(2)』(六内円栄)
残酷非道な軍人の男と特殊な特性を持つ6人の少女達が人類の敵である怪物と戦う物語。
ユニークな設定とキャラクタ達の尖った個性が上手く噛み合って濃密な読み味。


5位『友達として大好き(1)』(ゆうち巳くみ)
動物的恋愛脳な女子が規則に厳格な堅物男子と「友達」になるため奮闘する物語。
主人公が男子とのやり取りを経て人間的に成長していくストーリー構成素晴らしい。


4位『スインギンドラゴンタイガーブギ(1)(2)』(灰田高鴻)
戦後の日本を舞台に、姉の想い人を探す少女と彼女が参加するジャズバンドを描く物語。
味のある絵柄と人情味溢れるキャラクタ達がマッチしており雰囲気素晴らしい。


3位『デーリィズ(1)』(めごちも)
ヘンテコ女子高生3人組の素っ頓狂なやり取りを描いたギャグ漫画。
3人の役割と個性がかっちり噛み合っており軽快な読み味。打率高めでセンスを感じる。


2位『ご飯は私を裏切らない』(heisoku)
社会に適合できずバイトで食いつなぐ極限アラサー女性の食事風景を描く物語。
食事という行為自体を人生の逃避のように捉える主人公の考え方が非常にユニーク。


1位『メダリスト(1)』(つるまいかだ)
気弱な少女と熱血男性コーチのコンビがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
主人公二人の競技に掛ける想いに圧倒される。素晴らしいストーリー構成と漫画表現力。