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 2021年1月読んだ漫画をまとめます。 

 12月に読んだ漫画は65冊。今年も頑張っていきましょう。

 読んだ中のオススメ作品をピックアップします。まずは、1月発売だった作品から。


『チェンソーマン(10)』(藤本タツキ)

チェンソーの悪魔と同化した欲望に素直な男と悪魔達との戦いを描いたダークファンタジー。
息つく間もなくショッキングな展開と物語を根底から覆すような世界観の開示が続く。


『シネマこんぷれっくす!(6)(完)』(ビリー)

曲者ぞろいの高校シネマ部を舞台に映画オタク達の激しい掛け合いを描いたコメディ。
ストーリーを畳みつつ、各キャラクタのエピソードをきっちり消化して綺麗に大団円。


『BEASTARS(22)(完)』(板垣巴留)

草食と肉食動物の獣人達が共生する世界を舞台にしたアニマルサスペンス。
捕食者と被捕食者が共生する世界観と異種族恋愛というテーマに決着をつけて完結。


『こっち向いてよ向井くん(1)』(ねむようこ)

25歳で恋人にフラれてから10年間恋愛していない会社員男性が恋をしようと奮起する物語。
勘違いしがちな男性読者の共感性羞恥心を刺激する上手いストーリー構成。


『進撃の巨人(33)』(諫山創)

巨人と人類の生存戦争を描いていた巨編ダークファンタジー。
残り1冊でどのようにこの物語が幕を閉じるのか、この段階でも全く予想できない。


『レミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015』(鶴谷香央理)

『メタモルフォーゼの縁側』の作者の短編集。
子供の妄想と現実が曖昧な感覚や子供らしい視点の鋭さが画面上で幻想的に表現されている。


『メタモルフォーゼの縁側(5)(完)』(鶴谷香央理)

75歳にしてBL漫画にハマった老婦人とBL好き女子高生との交流を描いた作品。
等身大のキャラクタ達が生きている様子は現実感溢れる。全5巻のストーリー構成もお見事。


『最果てのソルテ(1)』(水上悟志)

奴隷商人に売られた少女の壮大な冒険の旅を描くハイファンタジー。
メタ構造ありそうなストーリーなど水上悟志ファンタジー要素がたっぷり盛り込まれている。


『バクちゃん(2)(完)』(増村十七)

夢が枯渇したバクの星から移民として地球にやってきた子供バクを主人公にした物語。
外国人移民を異星人に置き換えて描くという挑戦的な試みはユニークだった。


『あつもりくんのお嫁さん(←未定)(6)(完)』(タアモ)

御曹司に恋をして彼と恋仲になるために単身上京した田舎娘を描いた作品。
全6巻で少女漫画のお手本にすべき綺麗なストーリー構成で完結。良い漫画でした。


『おとなになっても(4)』(志村貴子)

バーで偶然出会ってお互い惹かれ合う30代女性二人の恋と葛藤を描く百合作品。
主人公の行動原理のロジカルでない部分が非常に人間くさくて良い。恋愛の衝動から始まった出来事が人生の転機まで波及していくストーリーの流れが実にスムースでお見事。


『カノジョも彼女(4)』(ヒロユキ)

二股かけると宣言した真面目男子とそれを受け入れた女子二人を描くラブコメディ。
ベースは引き続きコメディだが、恋愛面も着実に動きがあって面白い。


『北北西に曇と往け(5)』(入江亜季)

アイスランドを舞台に、物の気持ちがわかる探偵の青年と周囲の人々を描く物語。
雄大な自然描写に強い人格を持った美しいキャラクタ達などが組み合わさり重厚な読み味。


『スーパーベイビー(3)』(丸顔めめ)

ピュアで一途な黒ギャルと押しの弱い地味メンとの違和感アリアリなカップルを描いた物語。
主人公二人だけでなく他も含めて、キャラクタ間のやり取りが漏れなく可愛くって癒される。


『ブランクスペース(1)』(熊倉献)

ちょっと抜けている少女と透明な物体を創り出せるエスパー少女を主人公とした物語。
日常物と思わせといて、漂い始めた不穏な空気から急転直下のストーリー構成が強烈。


『転がる姉弟(1)』(森つぶみ)

親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる日常物。
人と人が関わり合いお互いを理解し親密になっていく様子が丁寧に描かれている。


『双亡亭壊すべし(20)』(藤田和日郎)

空爆でも壊れない謎の幽霊屋敷を舞台にしたアクションホラー。
敵対していたキャラクタとの共闘などストーリーの先が読めない面白い流れになってきた。


『姉のおなかをふくらませるのは僕 おかわり!(1)(2)(完)』(坂井音太/内藤らぶか)

血の繋がらない姉弟とその周りの人々の交流が描かれる創作家庭料理日常漫画。
キャラクタの個性を活かすお話作りやグルメ描写の丁寧さは無印から継続して魅力的。


『自転車屋さんの高橋くん(3)』(松虫あられ)

頼みごとを断れない会社員女性とヤンキーっぽい自転車屋の男性との恋愛を描いた物語。
主人公二人の考え方をお互いに知る上で、今回の喧嘩話はわかりやすくて良い構成だった。


『天地創造デザイン部(6)』(蛇蔵/鈴木ツタ/たら子)

深海魚や食虫植物など、特徴的な生き物をデザインする天使達を描く生物コメディ。
生物の生態や身体の仕組みについて興味深い内容だしそれをお話に落とし込む技量もお見事。


『凪のお暇(8)』(コナリミサト)

空気を読み過ぎる自分に嫌気がさして仕事を辞めたアラサー女性の無職生活を描いた作品。
田舎社会の閉塞感や学生時代のヒエラルキー継続などの描写が生々しく切れ味鋭い。


『ブルーピリオド(9)』(山口つばさ)

高校2年時に絵を描く楽しさに目覚めた少年が芸術に打ち込む物語。
今まで断片的にしか見えていなかった世田介に関する深掘りエピソードが続きハラハラ。


『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~(2)』(江島絵理)

ゲーム禁止のお嬢様学校を舞台に少女達の格ゲーを通した交流を描く物語。
華美な絵柄に相反するぶっ飛んだキャラクタ達と強烈な演出のミスマッチ感が非常に楽しい。


『ふたり明日もそれなりに(4)』(すずゆき)

付き合って1年半、同棲始めたて社会人カップルの仲睦まじい様子を描く物語。
大きな転機に二人とも気づきながらも口には出せず探り合う過程にドキドキさせられた。


『栄一(1)』(町田翠)

近代日本経済の父と称される渋沢栄一の人生を幼少期から描く物語。
創作も取り入れながら史実の人物の人となりが魅力的に漫画という媒体で表現されている。


『本田鹿の子の本棚 鳳凰の帰還篇』(佐藤将)

クレイジーな読書趣味の娘の本棚を盗み見る父親とぶっ飛んだ設定の作中作を描くコメディ。
シリーズ5作目となるが作中作のアイディアは枯渇知らず。


『あんじゅう(1)』(幾花にいろ)

しっかり者とがさつ、タイプの違う二人の社会人女性のルームシェア生活を描いた作品。
いがみ合うけど一緒にいると何となく居心地のいい二人の関係性が良い。


『スポットライト(1)』(三浦風)

大学で同じクラスの女子に密かに想いを寄せるカメラ好きの陰キャ男子を主人公にした物語。
主人公への共感性羞恥が強いし、他キャラクタの思考も丁寧に描かれている。


以上が1月発売の漫画。これより先はそれ以外の作品。


『らーめん再遊記(1)(2)』(久部緑郎/河合単/石神秀幸)

かつてはラーメン界のカリスマと呼ばれた男の人生の次のステージを描く物語。
主人公が一線を退きつつも新しい役割を模索していく展開が熱い。