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 2021年5月に読んだ新人漫画家作品をまとめます。

※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2021年1月1日~2021年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

 5月読んだ新人漫画家作品は9人分。それなりのペースを維持できている。

 以下には、読んだ作品の表紙と感想を羅列していきます。個人的なオススメ順に並べていますので参考にして頂ければ幸いです。


『ゆうやけトリップ(1)』(ともひ)

新聞部のちっこい少女とミステリアスな長身美少女が放課後に心霊スポットを巡る物語。
淡い輪郭で描かれる水彩画のような独特の画面が非常に魅力的。画面にも強い拘りを感じる。


『てづくりの魔法』(木村胡麻)

彼女と別れて無気力な男性と身の回りの物を何でも自分で作る女性が主人公のDIY物語。
物を作る楽しさや新しい事に触れた驚きなど主人公の純粋な感情が伝わってきて非常に良い。


『おやすみ前にひとつだけ』(Miyako Miiya)

悪魔の首を持ち帰った英雄の話など一風変わったおとぎ話を詰め込んだショートショート集。
バリエーション豊かで発想も面白い短編が多くセンスオブワンダーとユーモアに溢れていた。


『まれなひと』(白湯白かばん)

かなりずれた人々を描くコメディを詰め込んだシュールギャグ作品集。
キャラクタ達の行動は理解不能ではないが意味も分からない絶妙な不条理具合。


『急がなくてもよいことを』(ひうち棚)

作者の妻と子供二人との何気ない生活の一コマを描いた短編集。
日常のふとした瞬間が切り取られており、他人の人生を追体験するような臨場感がある。


『人類を滅亡させてはいけません(1)』(蒲夕二/高畑弓)

人類を抹殺しようとする宇宙人の少女と彼女を育てる青年が主人公の子育て物語。
キャラクタ達の表情が豊かでアクションも激しいため画面が賑やか。


『アンメット ーある脳外科医の日記ー(1)』(大槻閑人/子鹿ゆずる)

日本の総合病院にやってきたワーカーホリックな脳外科医が主人公の医療物。
脳内血腫など脳に関わる症例が人間ドラマの中に上手く織り込まれており興味深い。


『私立!星乙女学園バニーガール学科』(没)

バニーガール学科のある女子高を舞台に、女子高生3人の日常が描かれるコメディ。
バニーガールを描きたいという趣味全開な欲望が作品から伝わってきて良い。


『ドッペルさん(1)』(大海たび)

口下手女子の気持ちを代弁するドッペルゲンガーと彼女に憧れる少年を描くラブコメディ。
相手の心理が一方的にわかってしまうというのはラブコメディとしてトリッキーな設定。