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 2021年6月読んだ漫画をまとめます。 


 6月に読んだ漫画は60冊。2021年上半期は合計390冊。年間750冊目指して頑張ります。

 読んだ中のオススメ作品をピックアップします。まずは、6月発売だった作品から。


『虎鶫 とらつぐみ -TSUGUMI PROJECT-(1)』(ippatu)

廃墟と化した日本を舞台に秘密兵器の謎を調査する死刑囚達と異形の少女を描く物語。
退廃的な世界観が緻密な描き込みの背景で演出されており読み応えがある。


『Dr.STONE(21)』(稲垣理一郎/Boichi)

全人類が石化した3000年後の世界を科学の力で復興しようとする人々を描いた物語。
少年漫画的わかりやすさとロマン溢れる壮大なストーリなどの要素がどれも高次元。


『高校生家族(2)』(仲間りょう)

両親と妹、ペットの猫と一緒に高校生活を過ごすことになった少年を描いたギャグ漫画。
クラスの中における主人公家族の拭い去れない異物感から騒動を巻き起こす様子が滑稽。


『悪魔のメムメムちゃん(12)(完)』(四谷啓太郎)

全然仕事できないところがダメ可愛いポンコツ悪魔を中心に繰り広げられるコメディ。
キャラクタ同士の関係が構築されていく様子が楽しかった。最終話も実に本作らしい大団円。


『ヒッツ(2)』(柴田ヨクサル/沢真)

殺し屋の少年と彼の前に現れた「もう一人の自分」の二人が主人公のアクション物。
柴田ヨクサルワールド全開どころか今作はいつも以上にやりたい放題な印象。見開き芸強い。


『木曜日のフルット(9)』(石黒正数)

無職の女性と半飼い猫を主人公に周囲の人々や猫達との交流を描くショートコメディ。
作者のヒネた物の考え方がお話に反映されている。ライフワーク的に続けて欲しい。


『アルスラーン戦記(15)』(荒川弘/田中芳樹)

国を追われた王子とその仲間達の祖国奪還の戦いを描いた大作小説のコミカライズ。
主人公勢力が削がれる良い展開。各勢力の思惑も交錯し情勢が混沌としてきており面白い。


『図書館の大魔術師(5)』(泉光)

司書となる夢を持った少年と仲間達を描いたハイファンタジー。
細部まで作り込まれた世界観と緻密な作画を土台に魅力的なキャラクタ達が躍動する。


『進撃の巨人(34)(完)』(諫山創)

巨人と人類の生存戦争を描いていた巨編ダークファンタジー。
これ以上ない注目を集め作者にかかるプレッシャーは計り知れない中での見事な完結巻。


『午後9時15分の演劇論(2)』(横山旬)

美術大学の夜間学部に通う曲者揃いの人々による学生演劇を描く物語。
観客の雰囲気に役者や舞台そのものが飲まれたりなど描かれる演劇家の苦悩と空回りが滑稽。


『Artiste(7)』(さもえど太郎)

腕はピカイチだけど気弱な料理人を中心に様々な職人達を描くパリを舞台にした物語。
今巻収録のお話も粒ぞろい。個性豊かなキャラクタ達を魅力的に描くお話作りが上手い。


『双亡亭壊すべし(24)』(藤田和日郎)

空爆でも壊れない謎の幽霊屋敷を舞台にしたアクションホラー。
作中における絶対的な強者と何の特殊な能力も持たない人物が戦う最終決戦の構図は熱い。


『鬼ゴロシ(3)』(河部真道)

謎の暴漢集団に家族を殺され自身も頭部を損傷した男の復讐劇を描く物語。
復讐鬼と謎の犯罪者集団との争いに巨大財閥の利権争いも加わり混沌とした様相。


『シネこんの告知のマンガのまとめ』(ビリー)

『シネマこんぷれっくす!』の作者がツイッターにあげていた漫画などを収録した作品。
描きおろしは主人公と各ヒロインの分岐ストーリーが描かれておりファンは必見。


『怒りのロードショー(3)(完)』(マクレーン)

男子高校生4人組を中心に映画好きの人々の交流を描いた映画コメディ。
本作らしい悪ふざけとお祭り的な雰囲気は最後まで楽しかった。


『たそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集』(赤井さしみ)

人間や獣耳、ヘンテコクリーチャーの気の抜けた掛け合いを描いた作品集。
相手の意図を煙に巻いておちょくり合うような会話劇はシュールな雰囲気で面白い。


『RAIDEN-18』(荒川弘)

死体を繋ぎ合わせ造られた人造人間と彼を造ったマッドサイエンティストを描いたコメディ。
出版しても大丈夫か心配になるネタもあり非常にスリリングな読み味。


『思えば遠くにオブスクラ 上』(靴下ぬぎ子)

ワーホリでベルリンに滞在するビデオグラファーの女性の生活を描く物語。
主人公の海外生活で出会った人や物、感じたことが解像度高く描かれており非常に興味深い。


『少年のアビス(5)』(峰浪りょう)

閉塞的な田舎町に囚われる少年と彼を慕う周りの女性達との関係を描く物語。
主人公を引き入れようとする女達の争いが本格化してきてカオスが加速する。


『阪急タイムマシン』(切畑水葉)

雑貨屋で働く引っ込み思案な女性と偶然再会した幼馴染の女性との交流を描く作品。
二人の過去の因縁が現在の確執と未来の関係に繋がるストーリーが上手くまとまっている。


『塩田先生と雨井ちゃん(4)』(なかとかくみこ)

ずぼらな男性教員と秘密の交際をする女子高生の一途な恋の日々を描いたラブコメディ。
猛アタックをする女子と彼女をそっけなくも優しく扱う先生のやり取りは微笑ましい。


『焼いてるふたり(3)』(ハナツカシオリ)

交際0日で結婚したBBQ好きの男性とその妻であるクールビューティな女性を描く物語。
実質付き合いたてカップルである二人の初々しいやり取りが可愛らしい。


『ここは今から倫理です。(6)』(雨瀬シオリ)

問題を抱える生徒達と対話しながら倫理を説く高校教師を描いた物語。
生徒の悩みに直接正しい道を説くのでなく考えて行動することを促すスタンス素晴らしい。


『僕の妻は感情がない(03)』(杉浦次郎)

料理用の家事ロボットと彼女を妻として扱う会社員男性との交流を描く物語。
トリッキーな形でぶち込まれた「子供」が新しい家族として上手く馴染んでいる。


『1日2回(2)』(いくえみ綾)

中学生の娘がいる未亡人と婿養子先からの出戻り男性、幼馴染のアラフォー二人を描く物語。
過去と現在を交互に描写する構成がキャラクタを掘り下げる上で上手く機能している。


『紛争でしたら八田まで(6)』(田素弘)

世界中の紛争地に赴き問題を解決する地政学コンサルタントの女性を描いた作品。
最新の世界各国における政治経済トレンドを踏まえたストーリーはためになる。


『教室の片隅で青春がはじまる』(谷口菜津子)

異星からの留学生がいる高校のクラスを舞台にした群像劇。
高校生らしい悩みを抱えながらそれに対して折り合いをつけていくストーリー構成が綺麗。


『メダリスト(3)』(つるまいかだ)

気弱な少女と熱血男性コーチのコンビがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
選手とコーチのダブル主人公スポーツ漫画として最高峰。面白さ天井知らず。


『竜女戦記(3)』(都留泰作)

江戸日本のような戦乱の世を舞台に勝気な主婦が天下を取るまでを描く物語。
ダイナミックなストーリーと人間ドラマが組み合わさり重厚な読み味。


以上が6月発売の漫画。これより先はそれ以外の作品。


『ぶんぶくティーポット+(4)』(森長あやみ)

人間に化けて生活するタヌキやキツネなどの動物達の日常を描いたコメディ。
キャラクタ達がキュートだし画面もストレスなく読めるよう工夫がされている。


『ロジックツリー 上下』(雁須磨子)

8人兄弟の5番目少女を中心に個性豊かな大家族を描いた群像劇。
雁須磨子先生らしい直接的でなく匂わせるような演出でキャラクタの感情が描写されている。