2021通年新人

 2021年の読んだ漫画まとめ記事、その1。新人漫画家編。

※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2021年1月1日~2021年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家(Amazon調べ)」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

 上述したレギュレーションの「新人漫画家」の中で私がコミックを読んだのは計69人。2019年の97人、2020年の83人からどんどん減少していっている…来年は持ち直したい。

 その中で特にオススメの漫画家さんを20人ピックアップします。皆さんの青田買いの参考にして頂けますと幸いです。


20位『急がなくてもよいことを』(ひうち棚)

作者の妻と子供二人との何気ない生活の一コマを描いた短編集。
日常のふとした瞬間が切り取られており、他人の人生を追体験するような臨場感がある。


19位『まれなひと』(白湯白かばん)

かなりずれた人々を描くコメディを詰め込んだシュールギャグ作品集。
キャラクタ達の行動は理解不能ではないが意味も分からない絶妙な不条理具合。


18位『渚 〜河野別荘地短編集〜』(河野別荘地)

人間の足を移植する手術を控える人魚と人間男性の同居を描く表題作含む短編集。
落ち着いて地に足着いた画面やキャラクタが魅力。細かい情緒的な表現も豊か。


17位『三文小説集 瀬川環作品集』(瀬川環)

狂犬のような男性と謎めいた小説家女性との関係を描く物語を含む作品集。
灰汁の強いキャラクタとねじ曲がった関係性が合わさる独特な雰囲気。


16位『異刻メモワール(1)』(るん太)

現実世界に絶望する少年が迷い込んだ異世界でもう一人の少年と暮らし始める物語。
中央アジアをアレンジしたような異世界の雰囲気を上手く表す画面作りが素敵。


15位『おやすみ前にひとつだけ』(Miyako Miiya)

悪魔の首を持ち帰った英雄の話など一風変わったおとぎ話を詰め込んだショートショート集。
バリエーション豊かで発想も面白い短編が多くセンスオブワンダーとユーモアに溢れていた。


14位『黄昏星のスイとネリ(1)』(徳永パン)

衰退する地球を舞台に宿を営む少女と人語を喋るナマケモノが主人公の物語。
退廃途上の地球の描き方が面白い。建築物や小物類のレトロな雰囲気も素敵。


13位『イジめてごっこ。(1)』(南文夏)

重度の被虐願望がある女性と特にSっ気のない男性のカップルがSM関係を始める物語。
Sを演じる男性とハードなMの要求をする女性との噛み合わなさが滑稽かつ悲劇的。


12位『しあわせは食べて寝て待て(1)(2)』(水凪トリ)

持病持ちで人生に閉塞感を感じている女性が薬膳を通して健康と自信を取り戻す物語。
温かみのある絵柄と柔らかいキャラクタ、優しい題材が組み合わさって素敵な雰囲気。


11位『たそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集』(赤井さしみ)

人間や獣耳、ヘンテコクリーチャーの気の抜けた掛け合いを描いた作品集。
相手の意図を煙に巻いておちょくり合うような会話劇はシュールな雰囲気で面白い。


10位『矢野くんの普通の日々(1)』(田村結衣)

不幸体質でいつも怪我だらけの男子高校生と彼が気になる女子を描くラブコメディ。
耽美な絵柄が魅力的で怪我した姿さえセクシー。どこか間の抜けたコメディの雰囲気も好き。


9位『ライカの星』(吉田真百合)

人工衛星の中で亡くなった宇宙犬の人間に対する復讐劇を描いた表題作を含む短編集。
作者の豊かな感受性と発想力が鮮やかに漫画作品に落とし込まれている。


8位『くるくるくるま ミムラパン(1)』(関野葵)

移動式パン屋を営む男性と車屋勤めの女性コンビが街の困りごとを解決する物語。
描き込み激しい雑然とした背景と幻想的な漫画表現が合わさった画面の雰囲気が素敵。


7位『ビターエンドロール(1)』(佐倉旬)

社会福祉の立場から後遺症などに悩む患者達を支援する医療ソーシャルワーカーを描く物語。
現代日本に潜む社会問題が地に足着いたストーリーで描かれておりリアリティがある。


6位『てづくりの魔法』(木村胡麻)

彼女と別れて無気力な男性と身の回りの物を何でも自分で作る女性が主人公のDIY物語。
物を作る楽しさや新しい事に触れた驚きなど主人公の純粋な感情が伝わってきて非常に良い。


5位『死亡フラグに気をつけろ!(1)』(茶んた)

殺人鬼のいる洋館での一人行動、など死亡フラグをネタとして扱ったメタコメディ。
自身の置かれた状況を映画になぞらえ分析するアイディアとアホらしいストーリーが楽しい。


4位『にょろにょ~ろ』(こおにたびらこ)

下半身が蛇の少女と不思議な仲間達のヘンテコな交流を描いた作品。
ポップでキュートなデザインが可愛くてみっちり描き込まれた画面を眺めるだけで楽しい。


3位『スイカ(1)』(森とんかつ)

オカルト的存在の少女と彼女に気に入られた不運な高校教師コンビを描くホラーギャグ。
レトロな印象の絵柄に独特過ぎる漫画表現、脈絡のないストーリーが大変ユニーク。


2位『ゆうやけトリップ(1)』(ともひ)

新聞部のちっこい少女とミステリアスな長身美少女が放課後に心霊スポットを巡る物語。
淡い輪郭で描かれる水彩画のような独特の画面が非常に魅力的。画面にも強い拘りを感じる。


1位『三拍子の娘(1)』(町田メロメ)

母親と死別し父親に捨てられたけど今を楽しく生きる三人姉妹の日常を描いた物語。
二色カラーで描かれる画面は軽やか。コメディも軽快で読みやすい。家族の雰囲気も良い。