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 2022年7月読んだ漫画をまとめます。

 7月に読んだ漫画は69冊。そこそこ読めました。
 今年入っての積読は0冊は引き続き0冊。頑張っている。

 読んだ中のオススメ作品をピックアップします。


『トリリオンゲーム(4)』(稲垣理一郎/池上遼一)

世界一ワガママな男とPCオタク、二人の青年が1兆ドル稼ぐことを目標に会社を興す物語。
ハッタリとリアリティを絶妙なバランスで混在させた稲垣先生のネームの力が光る。


『Artiste(8)』(さもえど太郎)

腕はピカイチだけど気弱な料理人を中心に様々な職人達を描くパリを舞台にした物語。
キャラクタの魅力を十二分に引き出すストーリーの作り方が巧み。


『Dr.STONE(26)(完)』(稲垣理一郎/Boichi)

全人類が石化した3000年後の世界を科学の力で復興しようとする人々を描いた物語。
少年漫画のハッタリと科学のロジカルさをミックスしてきた本作らしいラスト。


『さよなら絵梨』(藤本タツキ)

母を亡くした少年と謎の少女の映画撮影を通じた奇妙な交流を描いた物語。
読後に感情をどこに置いたらいいか困惑するのも含めての読書体験。


『正反対な君と僕(1)』(阿賀沢紅茶)

素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
男女交際における認知の差など、キャラ心理が丁寧に描かれている。


『AIの遺電子 Blue Age(4)』(山田胡瓜)

ヒューマノイドが人間に交じって生活する近未来の医療現場を描くSF。
現代技術からでも想像しやすい近未来テクノロジーを使った現実感のあるお話作りが巧み。


『カナカナ(4)』(西森博之)

他人の心が読める少女とピュアな心を持った強面男性との生活を描く物語。
間の抜けた素っ頓狂な掛け合いと温かな人間関係はまごうことなき西森博之ワールド。


『海が走るエンドロール(3)』(たらちねジョン)

65歳の女性がある青年との出会いをきっかけに映画製作を志す物語。
人生の残り時間を意識しながらも新しいことにチャレンジしていく主人公の姿勢が素敵。


『映像研には手を出すな!(7)』(大童澄瞳)

それぞれ尖った能力を活かしてアニメーション制作に勤しむ女子高生達を描いた作品。
これまでの創作を見直して新たなスタンスを模索していくストーリー構成良い。


『R15+じゃダメですか?(1)』(裏谷なぎ/岸谷轟)

家庭で娯楽を禁止されていた少女が映画研究会で様々なR15映画を観る物語。
コンプレックスを克服するために刺激的な映画にチャレンジするという設定が面白い。


『まじめな会社員(4)(完)』(冬野梅子)

地味でモテない30代会社員女性の恋人探しを中心とした日常を描く物語。
現代日本における様々な格差が等身大のキャラクタを通してリアルに描かれていた。


『黄泉比良坂レジデンス(3)(完)』(川西ノブヒロ)

冥土を舞台に鬼達の住むタワーマンションで働く人間のメイド3人組を描く物語。
人間と鬼、現世と地獄の複雑に絡み合った関係性の設定がユニークな作品だった。


『ビバリウムで朝食を(1)』(道満晴明)

街の七不思議の秘密を探る仲良し小学生3人組の少し不思議な冒険を描いた作品。
機知に富んだ掛け合いや独特のキャラ造形など道満晴明作品の魅力たっぷり。


『天地創造デザイン部(8)』(蛇蔵/鈴木ツタ/たら子)

特徴的な実在の生き物を天使達がデザインする過程を描く生物コメディ。
生物の身体的特徴や生態に関する合理性が上手くお話の中で紹介されている。


『望郷太郎(7)』(山田芳裕)

500年のコールドスリープから目覚めた男がイランから日本へ荒廃した世界を旅する物語。
文明レベルが落ちた人類が過去の人類と同じ道を辿っていくストーリーがよくできている。


『三拍子の娘(2)』(町田メロメ)

母親と死別し父親に捨てられたけど今を楽しく生きる三人姉妹の日常を描いた物語。
シンプルで軽やかな絵柄とテンポの良い掛け合いがガッチリ噛み合っている。


『ゴールデンカムイ(31)(完)』(野田サトル)

北海道に隠された金塊を求めて旧日本軍やアイヌ、新選組の残党などが争う物語。
超大作のラストにふさわしい堂々の完結巻。最後まで骨太で力強い素晴らしい作品だった。


『スナックバス江(11)』(フォビドゥン澁川)

老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
掛け合いのテンポや言葉選びなど、会話劇中心のギャグ漫画として非常にクオリティ高い。


『河畔の街のセリーヌ(1)』(日之下あかめ)

19世紀のパリを舞台に情動の薄い少女がお針子や女中など様々な職業を体験していく物語。
近代化していくパリの中での一般市民の営みや生活が臨場感を持って丁寧に描かれている。


『僕の妻は感情がない(05)』(杉浦次郎)

料理用の家事ロボットと彼女を妻として扱う会社員男性との交流を描く物語。
ロボットが日常に溶け込んだ世界における彼らの在り方について広く問う内容が興味深い。


『メダリスト(6)』(つるまいかだ)

気弱な少女と熱血男性コーチのコンビがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
主人公二人で演技を作り上げていく描写や未経験からの下克上という構図が改めて示された。


『神クズ☆アイドル(6)』(いそふらぼん肘樹)

やる気ゼロな男性アイドルと女性トップアイドルの幽霊とのコンビを描いたコメディ。
特装版収録のアニメ化に関するレポ漫画が制作の舞台裏を面白おかしく描いていた。


『レッツゴー怪奇組(3)』(ビュー)

人々を驚かすことを生業にする少女と常人の六倍怖がりの少年が主人公のホラーコメディ。
毎回ヘンテコな怪奇現象に巻き込まれる主人公達のリアクションがコミカルで楽しい。


『ぷにるはかわいいスライム(1)』(まえだくん)

命が宿ったスライム少女と彼女を作った少年との交流を描いたコメディ。
個性豊かなキャラクタにわかりやすいギャグなど、コメディとして高水準。


『好き好きだいちゅきつよつよソード(1)』(ノッツ)

好意を寄せられると強くなる剣を持つ勇者と彼を慕う女性達とのいざこざを描いたコメディ。
個性豊かな変態達が私欲のために足を引っ張り合う姿が滑稽で楽しい。


『生活保護特区を出よ。(1)(2)』(まどめクレテック)

能力不振や病気障害を持つ人間が集められる生活保護特区に送られた少女を描く物語。
劣悪な環境ながらそこで生きる人々に悲壮感がない作中世界は独特の雰囲気。


『オッドタクシー(5)(完)』(此元和津也P.I.C.S./肋家竹一)

セイウチのタクシードライバーを主人公に謎の女子高生失踪事件が描かれる物語。
物語全体の大仕掛けや謎であった部分もきっちり消化して全5巻で綺麗に完結。


『なおりはしないが、ましになる(2)』(カレー沢薫)

発達障害の検査やその特性と折り合いをつけながらの社会生活を描く体当たりレポ漫画。
作者自身の思考を言語化したり客観視する能力が高くレポ漫画としてクオリティ高い。


『おとなのずかん改訂版(2)』(イトイ圭)

友人の子供を譲り受けた男性とその子供、なりゆきで彼と結婚した女性との生活を描く物語。
社会の中の多様性として受け入れるべき、というメッセージを感じる。


『1年1組 うちのクラスの女子がヤバい』(衿沢世衣子)

思春期の女子だけに現れる役に立たない超能力「無用力」を題材にした学園青春物群像劇。
キャラクタ達が自分の意志で行動していくストーリーの作り方が巧みで惹き込まれる。


『2年1組 うちのクラスの女子がヤバい(1)』(衿沢世衣子)

思春期の女子だけに現れる役に立たない超能力「無用力」を題材にした学園青春物群像劇。
無用力を中心としつつキャラクタの感情の機微が丁寧に描かれている。


ここまでが7月発売の作品。以下はそれ以外。


『月曜日が待ち遠しくて(1)』(旗谷澄生)

昼休みだけ裏庭で会う男女など、初々しい恋愛話が詰め込まれた短編集。
収録されている4編、関係性の表現が豊かでお話の中での起承転結も上手くまとまっている。


『よみがえる子猫たち(1)』(山うた)

違法な技術で蘇生した人々を駆除する組織に所属する少年少女が主人公の物語。
キャラクタを多方面から追い込んでいくストーリー展開が巧みで読んでいて身につまされる。