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 2022年8月読んだ漫画をまとめます。

 8月に読んだ漫画は67冊。そこそこ読めました。
 今年入っての積読は0冊は引き続き0冊。頑張っている。

 読んだ中のオススメ作品をピックアップします。


『Thisコミュニケーション(7)』(六内円栄)

残酷非道な軍人の男と特殊な特性を持つ6人の少女達が人類の敵である怪物と戦う物語。
主人公の残虐行為にまだ引き出しがあるのかと変に感心させられる。


『ダンダダン(6)』(龍幸伸)

宇宙人を信じない少女と幽霊を信じない少年が怪異と戦うオカルトホラー作品。
戦闘シーンや精緻な見開き演出は今まで以上にダイナミックで作画の強さ凄まじい。


『マリッジトキシン(1)』(静脈/依田瑞稀)

毒使いの殺し屋と結婚詐欺師の女性がひょんなことからコンビを組んで婚活をする物語。
普通は相容れなさそうな殺し屋と婚活という要素を掛け合わせた設定が面白い。


『逃げ上手の若君(7)』(松井優征)

生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
敵味方ともに役者が出揃い、主人公達の反撃が始まる雰囲気で否応なしに盛り上がる。


『オオカミくんは早川さんに勝てない(2)(完)』(はれやまはれぞう)

オオカミの姿に変身できる少年と普段は彼を小馬鹿にする動物好き少女を描くラブコメディ。
違和感と愛情、背徳感と友好の間で揺れ動く主人公達の心理を上手く描いていた。


『イジめてごっこ。(3)』(南文夏)

重度の被虐願望がある女性と特にSっ気のない男性のカップルがSM関係を始める物語。
シュールギャグのような描写も挟みつつ健全なSM関係のあり方を丁寧に描いている。


『僕の心のヤバイやつ(7)』(桜井のりお)

クラスの中心女子と陰キャラ男子との恋愛を描いたスクールカーストラブコメディ。
様々なエピソードを積み上げながら二人の関係の進展を丁寧に描いてくれている。


『鍋に弾丸を受けながら(2)』(青木潤太朗/森山慎)

「治安の悪い場所の飯は上手い」をコンセプトに世界中を旅する美少女(?)を描く作品。
外国における未知の食べ物に対する食レポが語彙力豊かで非常にイメージしやすい。


『ダンジョン飯(12)』(九井諒子)

魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
世界観やキャラクタなど、全ての要素ががっちり噛み合って素晴らしい最終盤の展開。


『極東事変(4)』(大上明久利)

戦後日本を舞台に半不死身の人間兵器達とGHQとの争いを描くアクション物。
旧知の仲の敵味方が一時休戦して束の間の日常を楽しみ再び敵対関係に戻る展開良い。


『ジーンブライド(2)』(高野ひと深)

容姿や性別に対する社会の偏見に悩む女性と極度に神経質な男性が主人公の物語。
巻末収録の作者とヤマシタトモコ先生の対談は創作秘話も含めて読み応えがある内容。


『惰性67パーセント(9)(完)』(紙魚丸)

勉学へのやる気も金もない大学生男女が集まって部屋でダベる様子を描いたコメディ。
生産的でなく関係性も大きく発展しない大学生のダベリの雰囲気は最後まで楽しかった。


『白山と三田さん(3)』(くさかべゆうへい)

田舎に住む地味な高校生カップルのちょっと変な交際の様子を描いた作品。
キャラクタのポーズや行動、表情などが本作独特の雰囲気でありシュールで面白い。


『天幕のジャードゥーガル(1)』(トマトスープ)

モンゴル帝国が猛威を振るう12世紀を舞台に奴隷の少女の数奇な運命を描く物語。
強い意思と信念をもって過酷な境遇に立ち向かう主人公の姿が大変に魅力的。


『付き合ってあげてもいいかな(9)』(たみふる)

勢いで付き合い始めた大学生二人のすんなりいかない関係を描く百合恋愛物。
元恋人ならではの距離感や気の置けない関係性にリアリティがある。


『ようきなやつら』(岡田索雲)

様々な妖怪を主人公に人間社会を比喩的に表現したお話が収録された岡田索雲先生の短編集。
どこかコミカルながらもずしりと重いお話揃い。収録作では『忍耐サトリくん』がお気入り。


『ブレス(1)』(園山ゆきの)

メイクアップアーティストの夢を諦めていた少年とある少女の出会いから始まる物語。
ボーイミーツガールの化学反応、抑圧からの解放を描くストーリーに爽快感がある。


『大丈夫倶楽部(2)』(井上まい)

精神的に安定した「大丈夫」を目指す会社員女性ともう一人の活動を描く物語。
日常生活を送る上で精神的に「大丈夫」であることの重要性が描かれている。


『ヒラエスは旅路の果て(3)(完)』(鎌谷悠希)

自殺願望のあるポジティブ少女と神さまを名乗る男、不死の男との黄泉への旅を描いた物語。
死と人々の中に残る記憶という普遍的かつ難解なテーマについてしっかり描き切っていた。


『山口つばさ短編集 ヌードモデル』(山口つばさ)

不良少年が同級生女子のヌードモデルをする表題作含む3作を収録した短編集。
人物の細かい描き分けや静かで迫力のある画面など、どの短編も作者らしさに溢れていた。


『地元最高!(1)』(usagi)

イリーガルなアングラ世界を生きる女の子達のすさんだ日常を描く物語。
可愛らしいキャラクタと暴力や麻薬など脱法行為が横行する荒んだ世界とのギャップが強烈。


『とくにある日々(2)』(なか憲人)

女子高生二人とその周囲の人々のちょっとヘンテコなやり取りを描いた日常コメディ。
斜め上の発想をロジカルな思考で読み解くヘンテコな掛け合いはオンリーワンの雰囲気。


ここまでが8月発売の作品。ここからはそれ以外。


『フォビア(2)』(原克玄/ゴトウユキコ)

拒絶や孤独など、様々な恐怖症に過剰に怯える人々を描いたホラーオムニバス。
1巻と比較してお話のバリエーションが増えており毎回驚きがある。


『カラフルグレー(1)』(躯咲マドロミ)

自分の住むお城の爆発を阻止するために亡き父の死体を集める不死の少女を描いた作品。
絵柄やキャラデザインがユニークでキュートで血みどろな世界観にマッチしている。


『あかね噺(1)(2)』(末永裕樹/馬上鷹将)

落語家だった父親の無念を晴らすため自身も落語家になり真打を目指す少女を描く物語。
キャラクタの表情や動きによる表現力が豊かで落語の面白さが漫画で上手く表現されている。


『Cold apartment』(財賀アカネ)

怪しい肉を住人に振舞う大家の話などアパートを舞台にしたスプラッタホラー短編集。
可愛らしい絵柄とはミスマッチな血生臭いホラーや狂気に関する描写がインパクト強い。


『アルスラーン戦記(17)』(荒川弘/田中芳樹)

国を追われた王子とその仲間達の祖国奪還の戦いを描いた大作小説のコミカライズ。
各勢力の思惑が交錯するストーリーをわかりやすく伝える構成力が素晴らしい。


『税金で買った本(1)~(3)』(ずいの/系山冏)

ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
粗暴ながら学ぶことに対して真摯な主人公のキャラクタはギャップがあって良い。


『ふたりエスケープ(1)~(3)』(田口囁一)

締切に追われる漫画家と無職の同居人、二人の女性の現実逃避の様子を描いた百合コメディ。
全力でバカなことに取り組む主人公達の楽しそうな様子が微笑ましい。


『シェアーズ(1)』(つゆきゆるこ)

触れることで相手の記憶を共有する男性と人との接触が苦手な小説家男性を描いた作品。
主人公二人の関係の構築とトラウマ克服が上手くリンクしていくストーリー構成が鮮やか。


『緑の歌-収集群風-上下』(高妍)

台湾を舞台に細野晴臣など日本のカルチャーを通して交流を持った二人の男女を描く物語。
甘く切ない恋と自分の将来に悩む若者の姿が合わさり上質な青春物語に仕上がっている。