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 2022年10月に読んだ新人漫画家作品をまとめます。



※この記事中で扱う新人漫画家の定義は、「2022年1月1日~2022年12月31日の間に初商業コミックが発売になった漫画家」としています。また、二人以上で描いている場合は、どちらか一方が上記のレギュレーションに合致すればOKとしています。

 10月読んだ新人漫画家作品は9人分。結構読めました。

 以下には、読んだ作品の表紙と感想を羅列していきます。個人的なオススメ順に並べていますので参考にして頂ければ幸いです。


『スカライティ(1)』(日々曜)

滅んだ世界の中で生き残った人々の願いを叶えるために旅をするロボットが主人公の物語。
晴れやかな表情で逝く人々と彼らを優しく見送るロボットとの関係性が独特で面白い。


『ルリドラゴン(1)』(眞藤雅興)

ある日突然角が生えてきた人間と龍のハーフ少女が主人公の物語。
落ち着いた画面の雰囲気やゆるいキャラクタなど作品にゆったりした空気が流れている。


『異類の友 空木帆子よみきり集』(空木帆子)

人間と吸血鬼の混血の少女など、人類以外の生物と人間との交流を描く短編集。
人間とは違う価値観で生きる異類たちに人間っぽさが垣間見えるストーリー構成が素敵。


『リバイアサン(1)』(黒井白)

隕石がぶつかり救援も来ない宇宙船に乗った修学旅行生達を描くSFサバイバル物語。
陰影を強調した絵柄や次々事件が起こるストーリー展開で緊迫感が演出されている。


『タイのひとびと』(小林眞理子)

タイに頻繁に訪れる作者が現地の生活や人々の魅力をたっぷり描いたルポ漫画。
ちょっとヘンテコな文化まで面白おかしく描かれており作者のタイ愛が伝わってくる。


『てるてる建設(株)(1)』(安藤コウヘイ)

建設会社に入社した新卒女子が現場監督として働きながら仕事を学んでいく物語。
業務や管理体制などテーマである建築現場を分かりやすく描こうという姿勢は感じ取れる。


『月出づる街の人々(1)』(酢豚ゆうき)

メデューサや狼男など、全ての人間に人外の性質が備わっている世界を舞台にした日常物。
人外達の変わった特徴が多様性として自然に受け入れられている雰囲気が面白い。


『スクールオブトレード(1)』(海野ぴるん)

学習指導要領として資産運用が浸透した日本で女子高生達が投資を学んでいく物語。
投資活動が高校生の青春の一場面のように描かれているのはアンバランスでユニーク。


『OLと人魚』(司馬舞)

吸血鬼や雪女など、昔話に登場する人外達が現代に生きる様子を描いた短編集。
ハッピーなだけじゃない余韻の残るオチのつけかたには拘りを感じる。