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 2022年下半期まとめ記事、全3つ中の2つ目。読んだ漫画全部のまとめ。

 2022年下半期に読んだ漫画は404冊。月60冊ペースを超過して、そこそこ読めました。

 その中でオススメの作品をランキング形式で50作品紹介します。皆さんの漫画探しの参考にして頂けると幸いです。


50位『宝石の国(12)』(市川春子)

身体が宝石で出来た生き物達と月から飛来する月人達を描いていたファンタジー作品。
ダイナミックに動いていく周囲の環境に振り回され続ける主人公が不憫でならない。


49位『おつれあい(2)』(安堂ミキオ)

無愛想で思考が読めない夫と彼の妻を中心とした人間模様を描いた作品。
人と人が出会うことで思考や価値観が変化していく姿が丁寧に描かれている。


48位『令和のダラさん(1)』(ともつか治臣)

山に住まう異形の妖怪と彼女と仲良くなった人間の姉弟との交流を描くコメディ。
シリアスな怪異や超常現象と緊張感のない主人公と姉弟との掛け合いのギャップが面白い。


47位『AIの遺電子 Blue Age(4)(5)』(山田胡瓜)

ヒューマノイドが人間に交じって生活する近未来の医療現場を描くSF。
巨大テックに支配される街が近未来SFの着眼点と現実感のある設定で描かれている。


46位『まじめな会社員(4)(完)』(冬野梅子)

地味でモテない30代会社員女性の恋人探しを中心とした日常を描く物語。
現代日本における様々な格差が等身大のキャラクタを通してリアルに描かれていた。


45位『平家物語夜異聞(1)(2)』(黒崎冬子)

平安時代にタイムスリップした高校生男女が平徳子と源義経に成り代わり対立する物語。
荒唐無稽なコメディの中で大真面目な歴史イベントが繰り広げられる雰囲気は非常に独特。


44位『ブレス(1)(2)』(園山ゆきの)

メイクアップアーティストの夢を諦めていた少年とある少女の出会いから始まる物語。
ボーイミーツガールの化学反応、抑圧からの解放を描くストーリーに爽快感がある。


43位『好き好きだいちゅきつよつよソード(1)』(ノッツ)

好意を寄せられると強くなる剣を持つ勇者と彼を慕う女性達とのいざこざを描いたコメディ。
個性豊かな変態達が私欲のために足を引っ張り合う姿が滑稽で楽しい。


42位『女の園の星(3)』(和山やま)

生徒達に少々なめられている男性教員が主人公の女子高コメディ。
キャラクタ達が淡々と素っ頓狂なボケをかましていくシュールな雰囲気は唯一無二。


41位『とくにある日々(2)』(なか憲人)

女子高生二人とその周囲の人々のちょっとヘンテコなやり取りを描いた日常コメディ。
斜め上の発想をロジカルな思考で読み解くヘンテコな掛け合いはオンリーワンの雰囲気。


40位『逃げ上手の若君(7)(8)』(松井優征)

生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
敵味方ともに役者が出揃い、主人公達の反撃が始まる雰囲気で否応なしに盛り上がる。


39位『チェンソーマン(12)』(藤本タツキ)

チェンソーの悪魔と同化した欲望に素直な男と悪魔達との戦いを描いたダークファンタジー。
第一部で上がっていたハードルを飛び越えるインパクトの強い第二部の導入だった。


38位『焼いてるふたり(8)(9)』(ハナツカシオリ)

交際0日で結婚したBBQ好きの男性とその妻のクールっぽい女性との生活を描く物語。
主人公二人のお互いの個性を認め合う関係性やイチャイチャ含む仲良しな様子が微笑ましい。


37位『トリリオンゲーム(4)(5)』(稲垣理一郎/池上遼一)

世界一ワガママな男とPCオタク、二人の青年が1兆ドル稼ぐことを目指す物語。
敵の妨害や困難な局面も乗り越えてステップアップしていくストーリーには爽快感がある。


36位『さよなら絵梨』(藤本タツキ)

母を亡くした少年と謎の少女の映画撮影を通じた奇妙な交流を描いた物語。
読後に感情をどこに置いたらいいか困惑するのも含めての読書体験。


35位『くらげと珊瑚(1)』(仲藤ぬい)

天真爛漫すぎる双子の妹を疎ましく思う少女と想い人の男子との交流を描いた作品。
妹へのコンプレックスの描き方とそれがきっかけで恋愛が進展していくストーリーが巧み。


34位『ビターエンドロール(3)(完)』(佐倉旬)

社会福祉の立場から後遺症などに悩む患者達を支援する医療ソーシャルワーカーを描く物語。
身近な日本の社会問題をシビアに描きつつ強度の高い人間ドラマに仕上がっていた。


33位『税金で買った本(4)(5)』(ずいの/系山冏)

ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
いつの間にやら主人公が図書館という場所やそこで働く同僚達を大切に思っているのが素敵。


32位『東京ヒゴロ(2)』(松本大洋)

出版社を早期退職した漫画編集者の男と周囲の人々を描く物語。
少ないセリフと情緒的な画面表現で登場人物の感情を読ませるスタイルは松本大洋の真骨頂。


31位『河畔の街のセリーヌ(1)』(日之下あかめ)

19世紀のパリを舞台に情動の薄い少女がお針子や女中など様々な職業を体験していく物語。
近代化していくパリの中での一般市民の営みや生活が臨場感を持って丁寧に描かれている。


30位『カオスゲーム(1)』(山嵜大輝)

週刊誌記者の女性が奇妙な殺人鬼と自身の不思議な記憶の謎に迫るサスペンス。
男女バディ物として上手く機能しそう。大風呂敷を広げたストーリーにも期待が高まる。


29位『姫様"拷問"の時間です(10)』(ひらけい/春原ロビンソン)

焼き立てのお煎餅や揚げたて春巻きなど様々な拷問を受ける囚われの姫を描いたコメディ。
もはや囚われてもいない姫による屈し芸はバリエーション豊かでマンネリ知らず。


28位『アレンとドラン(7)(完)』(麻生みこと)

ちょっと変わったイケメン男子に恋をした映画好きサブカル女子大生を主人公とした物語。
恋愛経験に大きな隔たりがある主人公カップルの行きついた先の関係性がユニークだった。


27位『フールナイト(5)』(安田佳澄)

死が迫る人々を植物に変える「転花」が普及した世界を舞台にした物語。
掠れた特徴的な絵柄や多様なコマ割り、構図など、画面に対する並々ならぬ拘りを感じる。


26位『鍋に弾丸を受けながら(2)』(青木潤太朗/森山慎)

「治安の悪い場所の飯は上手い」をコンセプトに世界中を旅する美少女(?)を描く作品。
外国における未知の食べ物に対する食レポが語彙力豊かで非常にイメージしやすい。


25位『ブスなんて言わないで(2)』(とあるアラ子)

自身の容姿に自信のない女性と美容研究家の女性がルッキズムについて考える作品。
人によってルッキズムの主張にグラデーションがあることが慎重かつ丁寧に描かれている。


24位『妖精のおきゃくさま(2)』(脇田茜)

洋裁業を営む女性と彼女の前に現れた小さな妖精との服飾を通した交流を描く物語。
妖精という不思議な存在を触媒として人間同士の交流が進むストーリー構成がお見事。


23位『あした死ぬには、(4)(完)』(雁須磨子)

加齢に伴う心身の変化に戸惑う42歳の主人公を中心にアラフォー女性達を描いた物語。
親の介護や病気など40代の人々に訪れるライフイベントをリアリティたっぷりに描いている。


22位『僕の妻は感情がない(05)』(杉浦次郎)

料理用の家事ロボットと彼女を妻として扱う会社員男性との交流を描く物語。
ロボットが日常に溶け込んだ世界における彼らの在り方について広く問う内容が興味深い。


21位『Dr.STONE(26)(完)』(稲垣理一郎/Boichi)

全人類が石化した3000年後の世界を科学の力で復興しようとする人々を描いた物語。
少年漫画のハッタリと科学のロジカルさをミックスしてきた本作らしいラスト。


20位『三拍子の娘(2)』(町田メロメ)

母親と死別し父親に捨てられたけど今を楽しく生きる三人姉妹の日常を描いた物語。
シンプルで軽やかな絵柄とテンポの良い掛け合いがガッチリ噛み合っている。


19位『ベイビーブルーパー(1)』(はるにわかえる)

青春恋愛映画を撮りたい男子とホラー映画を撮りたい女子が主人公の高校映画部コメディ。
キュートな外見に反して突拍子もない行動を取るキャラクタ達がパワフルで面白い。


18位『星のラブドール(1)』(ぴのきみまる)

性知識が全くない小学生高学年男子と心を持ったラブドールとの交流を描く物語。
主人公がピュアな感性で崇高なものとして性知識を身につけていくストーリー構成は強烈。


17位『劇光仮面(2)』(山口貴由)

大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
ヒーローになり切るキャラクタ達には狂気と怪しい魅力が混在しており惹き込まれる。


16位『ダンジョン飯(12)』(九井諒子)

魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
世界観やキャラクタなど、全ての要素ががっちり噛み合って素晴らしい最終盤の展開。


15位『隣のお姉さんが好き(2)』(藤近小梅)

中学二年生の男子と彼が好意を寄せる女子高生を描く片想いラブコメ。
主人公側がヒロインの気持ちを理解していく過程などキャラクタの心理描写が丁寧。


14位『転がる姉弟(4)』(森つぶみ)

親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる物語。
様々な要素を高いレベルで詰め込みつつ、ストレスなく読める日常物に仕上がっている。


13位『生活保護特区を出よ。(1)(2)』(まどめクレテック)

能力不振や病気障害を持つ人間が集められる生活保護特区に送られた少女を描く物語。
劣悪な環境ながらそこで生きる人々に悲壮感がない作中世界は独特の雰囲気。


12位『正反対な君と僕(1)(2)』(阿賀沢紅茶)

素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
各登場人物の性格や思考の描き分けがしっかりできておりキャラクタが皆個性的かつ魅力的。


11位『これ描いて死ね(2)』(とよ田みのる)

漫画を読むのが大好きな少女とその仲間達が漫画創作に勤しむ物語。
産みの苦しみや完成した際の感動など漫画創作のエッセンスが力強く作中で表現されている。


10位『月曜日が待ち遠しくて(2)(完)』(旗谷澄生)

クラスの人気者の親友に惚れた女子の話など、初々しい恋愛話が詰め込まれた短編集。
登場するキャラクタ達が男女ともに何事にも一生懸命で可愛くて彼らの恋を応援したくなる。


9位『そのへんのアクタ(3)(完)』(稲井カオル)

エイリアンとの戦いが日常化する世界で自身の役目を見失った元英雄の男を描く物語。
作中を通した主人公の成長と周囲の人々の関係性の構築を綺麗に描き切っていた。


8位『ややこしい蜜柑たち(1)』(雁須磨子)

親友の彼氏に不義理な行いをしてしまった女性が主人公の物語。
ショッキングな導入から思いもよらない方向に進む起伏の激しいストーリーが強烈。


7位『ゴールデンカムイ(29)~(31)(完)』(野田サトル)

北海道に隠された金塊を求めて旧日本軍やアイヌ、新選組の残党などが争う物語。
超大作のラストにふさわしい堂々の完結巻。最後まで骨太で力強い素晴らしい作品だった。


6位『スナックバス江(11)(12)』(フォビドゥン澁川)

老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
ネタのチョイスや切れ味するどいツッコミなど、どの要素もコメディとして高クオリティ。


5位『天狗の台所(1)』(田中相)

14歳の1年間、隠遁生活を送る少年とその兄、天狗の末裔二人のスローライフを描いた作品。
賑やかな弟と物静かな兄の掛け合わないようで意外と息が合うやり取りが楽しい。


4位『私の百合はお仕事です!(11)』(未幡)

お嬢様学園のコンセプトカフェで働く少女達の人間模様を描く百合物語。
キャラクタ達のヘビーな人間関係とその進展を上手く制御したストーリー構成が秀逸。


3位『メダリスト(6)(7)』(つるまいかだ)

気弱な少女と熱血男性コーチのコンビがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
二人の努力が実を結んでステップアップしていく姿は見守ってきた読者として感慨深い。


2位『天幕のジャードゥーガル(1)』(トマトスープ)

モンゴル帝国が猛威を振るう12世紀を舞台に奴隷の少女の数奇な運命を描く物語。
強い意思と信念をもって過酷な境遇に立ち向かう主人公の姿が大変に魅力的。


1位『夏目アラタの結婚(9)』(乃木坂太郎)

児童相談所勤めの男性が死刑囚女性に獄中結婚を持ち掛けるラブサスペンス。
衝撃の事実が次々発覚しこれまでの伏線が過不足なく回収されていく展開は痛快。