画像1

 2022年の読んだ漫画まとめ記事、その2。縛りなしのオススメ作品50選。

※ランキングのレギュレーション
 2022年内に紙の書籍が発売されたコミック

 私が2022年に読んだ漫画は772冊。2021年が791冊だったので微減。

 その中から特に面白かったものを50作品ピックアップしました。ランキング形式にしたので下に行くほどオススメです。皆さんの漫画選びの参考にして頂けますと幸いです。


50位『緑の歌-収集群風-上下』(高妍)

台湾を舞台に細野晴臣など日本のカルチャーを通して交流を持った二人の男女を描く物語。
甘く切ない恋と自分の将来に悩む若者の姿が合わさり上質な青春物語に仕上がっている。


49位『違国日記(9)』(ヤマシタトモコ)

両親を亡くした少女とその娘を引き取った小説家の叔母との共同生活を描く物語。
主人公二人がお互いに影響を与え合い変化してきたことが明確に感じ取れて感慨深い。


48位『ビターエンドロール(2)(3)(完)』(佐倉旬)

社会福祉の立場から後遺症などに悩む患者達を支援する医療ソーシャルワーカーを描く物語。
身近な日本の社会問題をシビアに描きつつ強度の高い人間ドラマに仕上がっていた。


47位『税金で買った本(2)~(5)』(ずいの/系山冏)

ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
いつの間にやら主人公が図書館という場所やそこで働く同僚達を大切に思っているのが素敵。


46位『東京ヒゴロ(2)』(松本大洋)

出版社を早期退職した漫画編集者の男と周囲の人々を描く物語。
少ないセリフと情緒的な画面表現で登場人物の感情を読ませるスタイルは松本大洋の真骨頂。


45位『好きな子がめがねを忘れた(9)』(藤近小梅)

眼鏡忘れてしかめっ面な少女とその娘が好きな純情男子との掛け合いを描くラブコメディ。
まだ付き合っていない相思相愛状態の二人という状態を活かしたシチュエーション強い。


44位『ローズ ローズィ ローズフル バッド(2)』(いくえみ綾)

ゆるキャラ漫画が代表作の40歳女性漫画家が少女漫画を描くために奮闘する物語。
アラフォーにして主人公に仕事と恋愛両方に大きな転機が来るストーリー展開が面白い。


43位『ハイパーインフレーション(4)(5)』(住吉九)

贋金を出す能力を持つ少年の姉を助けるための奮闘を描く物語。
テクノロジーに関する描写や知能戦における論理展開にハッタリ含めて説得力がある。


42位『河畔の街のセリーヌ(1)』(日之下あかめ)

19世紀のパリを舞台に情動の薄い少女がお針子や女中など様々な職業を体験していく物語。
近代化していくパリの中での一般市民の営みや生活が臨場感を持って丁寧に描かれている。


41位『カオスゲーム(1)』(山嵜大輝)

週刊誌記者の女性が奇妙な殺人鬼と自身の不思議な記憶の謎に迫るサスペンス。
男女バディ物として上手く機能しそう。大風呂敷を広げたストーリーにも期待が高まる。


40位『姫様"拷問"の時間です(8)~(10)』(ひらけい/春原ロビンソン)

焼き立てのお煎餅や揚げたて春巻きなど様々な拷問を受ける囚われの姫を描いたコメディ。
もはや囚われてもいない姫による屈し芸はバリエーション豊かでマンネリ知らず。


39位『アレンとドラン(7)(完)』(麻生みこと)

ちょっと変わったイケメン男子に恋をした映画好きサブカル女子大生を主人公とした物語。
恋愛経験に大きな隔たりがある主人公カップルの行きついた先の関係性がユニークだった。


38位『フールナイト(3)~(5)』(安田佳澄)

死が迫る人々を植物に変える「転花」が普及した世界を舞台にした物語。
掠れた特徴的な絵柄や多様なコマ割り、構図など、画面に対する並々ならぬ拘りを感じる。


37位『トリリオンゲーム(3)~(5)』(稲垣理一郎/池上遼一)

世界一ワガママな男とPCオタク、二人の青年が1兆ドル稼ぐことを目指す物語。
敵の妨害や困難な局面も乗り越えてステップアップしていくストーリーには爽快感がある。


36位『ブスなんて言わないで(1)(2)』(とあるアラ子)

自身の容姿に自信のない女性と美容研究家の女性がルッキズムについて考える作品。
人によってルッキズムの主張にグラデーションがあることが慎重かつ丁寧に描かれている。


35位『妖精のおきゃくさま(2)』(脇田茜)

洋裁業を営む女性と彼女の前に現れた小さな妖精との服飾を通した交流を描く物語。
妖精という不思議な存在を触媒として人間同士の交流が進むストーリー構成がお見事。


34位『最果てのソルテ(2)』(水上悟志)

奴隷商人に売られた少女の壮大な冒険の旅を描くハイファンタジー。
ユニークな世界観に細部まで作り込まれた設定など水上悟志ファンタジーの楽しさたっぷり。


33位『あした死ぬには、(4)(完)』(雁須磨子)

加齢に伴う心身の変化に戸惑う42歳の主人公を中心にアラフォー女性達を描いた物語。
親の介護や病気など40代の人々に訪れるライフイベントをリアリティたっぷりに描いている。


32位『僕の妻は感情がない(05)』(杉浦次郎)

料理用の家事ロボットと彼女を妻として扱う会社員男性との交流を描く物語。
ロボットが日常に溶け込んだ世界における彼らの在り方について広く問う内容が興味深い。


31位『Dr.STONE(24)~(26)(完)』(稲垣理一郎/Boichi)

全人類が石化した3000年後の世界を科学の力で復興しようとする人々を描いた物語。
少年漫画のハッタリと科学のロジカルさをミックスしてきた本作らしいラスト。


30位『三拍子の娘(2)』(町田メロメ)

母親と死別し父親に捨てられたけど今を楽しく生きる三人姉妹の日常を描いた物語。
シンプルで軽やかな絵柄とテンポの良い掛け合いがガッチリ噛み合っている。


29位『ベイビーブルーパー(1)』(はるにわかえる)

青春恋愛映画を撮りたい男子とホラー映画を撮りたい女子が主人公の高校映画部コメディ。
キュートな外見に反して突拍子もない行動を取るキャラクタ達がパワフルで面白い。


28位『草野と希♨(2)(完)』(岩国ひろひと)

とある理由から二人で温泉地巡りレポをする女子高生と雑誌編集者の男を描く物語。
魅力的な温泉レポやグルメ、主人公の更生含む温かい人情劇などがギュッと詰まっていた。


27位『タコピーの原罪 上下』(タイザン5)

不幸な少女と彼女を幸せにするために奮闘する宇宙人を描いた作品。
ショッキングな展開数珠つなぎやトリッキーなストーリーが綺麗にまとまっていた。


26位『星のラブドール(1)』(ぴのきみまる)

性知識が全くない小学生高学年男子と心を持ったラブドールとの交流を描く物語。
主人公がピュアな感性で崇高なものとして性知識を身につけていくストーリー構成は強烈。


25位『劇光仮面(1)(2)』(山口貴由)

大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
ヒーローになり切るキャラクタ達には狂気と怪しい魅力が混在しており惹き込まれる。


24位『ダンジョン飯(12)』(九井諒子)

魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
世界観やキャラクタなど、全ての要素ががっちり噛み合って素晴らしい最終盤の展開。


23位『転がる姉弟(3)(4)』(森つぶみ)

親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる物語。
様々な要素を高いレベルで詰め込みつつ、ストレスなく読める日常物に仕上がっている。


22位『生活保護特区を出よ。(1)(2)』(まどめクレテック)

能力不振や病気障害を持つ人間が集められる生活保護特区に送られた少女を描く物語。
劣悪な環境ながらそこで生きる人々に悲壮感がない作中世界は独特の雰囲気。


21位『正反対な君と僕(1)(2)』(阿賀沢紅茶)

素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
各登場人物の性格や思考の描き分けがしっかりできておりキャラクタが皆個性的かつ魅力的。


20位『月曜日が待ち遠しくて(1)(2)(完)』(旗谷澄生)

クラスの人気者の親友に惚れた女子の話など、初々しい恋愛話が詰め込まれた短編集。
登場するキャラクタ達が男女ともに何事にも一生懸命で可愛くて彼らの恋を応援したくなる。


19位『そのへんのアクタ(3)(完)』(稲井カオル)

エイリアンとの戦いが日常化する世界で自身の役目を見失った元英雄の男を描く物語。
作中を通した主人公の成長と周囲の人々の関係性の構築を綺麗に描き切っていた。


18位『ヴィンランド・サガ(26)』(幸村誠)

戦いのない楽園を目指す元ヴァイキングの男を描いた物語。
本作全体を通しても重要であろうラストの展開には涙腺が緩んだ。


17位『僕の心のヤバイやつ(6)(7)』(桜井のりお)

クラスの中心女子と陰キャラ男子との恋愛を描いたスクールカーストラブコメディ。
市川の劣等感という本作の大きな課題を彼自身が乗り越えて前に踏み出した展開素晴らしい。


16位『ややこしい蜜柑たち(1)』(雁須磨子)

親友の彼氏に不義理な行いをしてしまった女性が主人公の物語。
ショッキングな導入から思いもよらない方向に進む起伏の激しいストーリーが強烈。


15位『鍋に弾丸を受けながら(1)(2)』(青木潤太朗/森山慎)

「治安の悪い場所の飯は上手い」をコンセプトに世界中を旅する美少女(?)を描く作品。
外国における未知の食べ物に対する食レポが語彙力豊かで非常にイメージしやすい。


14位『隣のお姉さんが好き(1)(2)』(藤近小梅)

中学二年生の男子と彼が好意を寄せる女子高生を描く片想いラブコメ。
主人公側がヒロインの気持ちを理解していく過程などキャラクタの心理描写が丁寧。


13位『ゴールデンカムイ(29)~(31)(完)』(野田サトル)

北海道に隠された金塊を求めて旧日本軍やアイヌ、新選組の残党などが争う物語。
超大作のラストにふさわしい堂々の完結巻。最後まで骨太で力強い素晴らしい作品だった。


12位『高校生家族(5)~(7)』(仲間りょう)

両親と妹、ペットの猫と一緒に高校生活を過ごす少年の受難な日々を描いたギャグ漫画。
基本的にはおバカなギャグなのにきっちり感動させてくる緩急のつけ方素晴らしい。


11位『往生際の意味を知れ!(5)(6)』(米代恭)

元カノに執着する男性と彼に奇妙な依頼をするその女性との関係を描く物語。
周りも巻き込みながら激しく主導権争いをする主人公二人の駆け引きがスリリング。


10位『これ描いて死ね(1)(2)』(とよ田みのる)

漫画を読むのが大好きな少女とその仲間達が漫画創作に勤しむ物語。
産みの苦しみや完成した際の感動など漫画創作のエッセンスが力強く作中で表現されている。


9位『スナックバス江(10)~(12)』(フォビドゥン澁川)

老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
ネタのチョイスや切れ味するどいツッコミなど、どの要素もコメディとして高クオリティ。


8位『天狗の台所(1)』(田中相)

14歳の1年間、隠遁生活を送る少年とその兄、天狗の末裔二人のスローライフを描いた作品。
賑やかな弟と物静かな兄の掛け合わないようで意外と息が合うやり取りが楽しい。


7位『スキップとローファー(7)』(高松美咲)

自信家だけどちょっと抜けてる少女とクラスメイト達との交流を描いた学園青春群像劇。
新しい人間関係の難しさなど、繊細な高校生達の心理に対する解像度の高さに感服。


6位『BADDUCKS(1)~(4)(完)』(武田登竜門)

改造人間の男性と少数種族の女性、巻き込まれた赤ん坊という3人の逃避行を描く物語。
家族ではない3人が絆を育みながら生活してきたことが感じ取れるラストが気持ちいい。


5位『私の百合はお仕事です!(10)(11)』(未幡)

お嬢様学園のコンセプトカフェで働く少女達の人間模様を描く百合物語。
キャラクタ達のヘビーな人間関係とその進展を上手く制御したストーリー構成が秀逸。


4位『ここは今から倫理です。(7)』(雨瀬シオリ)

問題を抱える生徒達と対話しながら倫理を説く高校教師を描いた物語。
ディベート授業の話は圧巻のクオリティ。ストーリー構成力と演出力が秀逸。


3位『メダリスト(5)~(7)』(つるまいかだ)

気弱な少女と熱血男性コーチのコンビがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
二人の努力が実を結んでステップアップしていく姿は見守ってきた読者として感慨深い。


2位『天幕のジャードゥーガル(1)』(トマトスープ)

モンゴル帝国が猛威を振るう12世紀を舞台に奴隷の少女の数奇な運命を描く物語。
強い意思と信念をもって過酷な境遇に立ち向かう主人公の姿が大変に魅力的。


1位『夏目アラタの結婚(7)~(9)』(乃木坂太郎)

児童相談所勤めの男性が死刑囚女性に獄中結婚を持ち掛けるラブサスペンス。
衝撃の事実が次々発覚しこれまでの伏線が過不足なく回収されていく展開は痛快。