2022年の読んだ漫画まとめ記事、その3。表紙デザイン編。
2022年に私が読んだ750冊強の漫画の中で、特に表紙デザインが好きだったものを20作品ピックアップしました(順番はだいたい発売月順)。漫画選びの参考にして頂けますと幸いです。
『ゴゴゴゴーゴーゴースト(1)』(蛭塚都)
社内不倫で人生どん底の女性と彼女に取りついたオネエ幽霊が祟りで復讐を試みる物語。
遺影のような枠組みの中で悪い笑顔を浮かべる主人公二人が強烈。
『破談から宜しくお願い致します(1)』(水島ライカ)
ジムを営む男性と彼を一途に慕う財閥令嬢との関係を描くラブコメディ。
主人公カップルの体格差を活かした構図がシンプルにインパクトが強い。
『山田金鉄短編集 全軍奮闘!』(山田金鉄)
治安最悪の町での付き合いたてカップルの下校の様子を描く物語など収録の短編集。
収録される短編のキャラクタ達が集合した表紙は賑やかな雰囲気で楽しい。
『とりま、風呂いかね?(1)』(イシイ渡)
家業を嫌う銭湯を営む家庭の娘と大手スーパー銭湯チェーンの令嬢が主人公の風呂コメディ。
主人公二人のポーズや乱れ飛ぶ小道具、遊び心のあるロゴと擬音などポップで統一感がある。
『タコピーの原罪 上下』(タイザン5)
不幸な少女と彼女を幸せにするために奮闘する宇宙人を描いた作品。
主人公二人の強烈な表情のアップを上下巻それぞれに持ってくる大胆さ。
『光が死んだ夏(1)』(モクモクれん)
姿形そのままに何者かと入れ替わった友人と今まで通りの生活を続ける少年を描く物語。
夏を感じさせるシンプルな構図ながらキャラクタの目やロゴで不穏な空気が演出されている。
『クジマ歌えば家ほろろ(1)』(紺野アキラ)
ロシアから来た鳥人間っぽい変な生物と彼と同居することになった家族を描く物語。
シンプルな構図によって謎の生物の異様かつ可愛らしいデザインが引き立っている。
『白山と三田さん(1)』(くさかべゆうへい)
田舎に住む地味な高校生カップルのちょっと変な交際の様子を描いた作品。
元より存在感の強い主人公二人をさらに強調するようなインパクトの強いユニークな構図。
『空っぽの少女と虹のかけら(1)』(紀ノ目)
感情のない無欲な少女が迷い込んだ異世界で謎の青年と旅をするファンタジー作品。
赤い現世からほの暗い異世界に少女が迷い込んでいく本編の内容をを暗示する表紙。
『音盤紀行(1)』(毛塚了一郎)
祖父の遺品のレコードの謎を追う女性二人の話などレコードをテーマにした短編集。
所狭しと商品が並べられるレコード店の雰囲気を上手く表した構図がスマート。
『誰何Suika(1)』(つばな)
とある理由からアイドル部として活動することになった美少女とその仲間達を描く物語。
CDジャケットのようなデザインが面白い。ポップでキュートなキャラクタも可愛い。
『さよなら絵梨』(藤本タツキ)
母を亡くした少年と謎の少女の映画撮影を通じた奇妙な交流を描いた物語。
映画撮影やファインダー越しの視点など作中の仕掛けを暗示させるデザイン。
『鍋に弾丸を受けながら(2)』(青木潤太朗/森山慎)
「治安の悪い場所の飯は上手い」をコンセプトに世界中を旅する美少女(?)を描く作品。
鮮やかな色合いの果実で画面全体を三分割にした画面構成がユニーク。
『山口つばさ短編集 ヌードモデル』(山口つばさ)
不良少年が同級生女子のヌードモデルをする表題作含む3作を収録した短編集。
シンプルながら大胆な構図。作品タイトルと作者名をここまで目立たせない表紙も珍しい。
『地元最高!(1)』(usagi)
イリーガルなアングラ世界を生きる女の子達のすさんだ日常を描く物語。
路上でよくわからないものを売る貧相な少女の無邪気な笑顔が本作の雰囲気を物語っている。
『ここは鴨川ゲーム製作所(1)』(スケラッコ)
会社を辞めた美大出の女性を中心に人々が集まりゲームを作る様子を描いた作品。
ゲーム製作者達がレトロゲームの中に入り込んだような画面構成が面白い。
『タイのひとびと(1)』(小林眞理子)
タイに頻繁に訪れる作者が現地の生活や人々の魅力をたっぷり描いたルポ漫画。
ビビッドな色使いでタイの屋台の幻想的な雰囲気が上手く演出されている。
『ふみちゃんの楽園(1)』(さとまるまみ)
スランプ中の小説家の女性と同居する男性との性行為含む生活を描いた作品。
本作の雰囲気を端的に表したストレートなデザイン。キャッチコピー的な一文も良い。
『令和のダラさん(1)』(ともつか治臣)
山に住まう異形の妖怪と彼女と仲良くなった人間の姉弟との交流を描くコメディ。
不気味なホラーと緊張感のないコメディが入り交じる本作らしい対比構造が面白い。
『雨宮さん(1)』(あらゐけいいち)
日常の中の言語化できない「何となく好き」を求める少女が主人公のコメディ。
曼荼羅のような構図に日常的な物品が並ぶ独特のデザインセンスはあらゐ先生らしい。