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 2023年上半期まとめ記事、全3つ中の2つ目。読んだ漫画全部のまとめ。


 2023年上半期に読んだ漫画は488冊。月80冊ペースとかなり読めました。『ベルセルク』や『ONE PIECE』を全巻読んだ影響が大きいけど、それを除いてもかなり読めた方。

 その中でオススメの作品をランキング形式で50作品紹介します。皆さんの漫画探しの参考にして頂けると幸いです。


50位『青野くんに触りたいから死にたい(10)』(椎名うみ)

死んで幽霊になった恋人を一途に愛し続ける女子高生を描いた純愛ホラー。
得体の知れない不気味さから単純明快に心を抉る過去話へ、ヘビーな話の数珠繋ぎが強烈。


49位『かげきしょうじょ!!(13)』(斉木久美子)

女性だけで構成された名門歌劇団の養成機関である音楽学校を舞台にした物語。
連ドラ編、歌劇学校内と外の世界が自然に絡んでいきそうな上手いストーリー展開。


48位『リバイアサン(3)(完)』(黒井白)

隕石がぶつかり救援も来ない宇宙船に乗った修学旅行生達を描くSFサバイバル。
作者の描きたかったであろう要素を組み込みながら全3巻で綺麗に物語がまとまっていた。


47位『琥珀の夢で酔いましょう(6)』(村野真朱/依田温/杉村啓)

京都の客足の少ない小料理屋をクラフトビールで盛り上げようとする人々を描く物語。
クラフトビール同様に多様な人間模様がシビアな描写も踏まえて描かれており誠実。


46位『うらうらひかる 津々に満つ(1)』(高村秀路)

母を亡くした少年とその父親が彼女の臓器移植相手に会うために旅をする物語。
温かい話が主軸ながらその陰に見え隠れする残酷な現実がヘビーで感情を揺さぶってくる。


45位『透明人間そとに出る』(路田行)

透明人間になった男性がある女性とレストランで逢瀬を重ねる表題作含む短編集。
キュートでコミカルな作風と感情表現が豊かなキャラクタ達が詰まった1冊で満足度が高い。


44位『ワールドトリガー(26)』(葦原大介)

異次元からの侵略者である近界民と戦うボーダー達を描いた戦略バトル物。
とんでもない情報量。ヘビー読者とライト読者のどちらも楽しめる多層構造素晴らしい。


43位『1日2回(4)』(いくえみ綾)

中学生の娘がいる未亡人と婿養子からの出戻り男性、幼馴染のアラフォー二人を描いた物語。
中年男女の恋模様と並行して瑞々しい中学生の恋愛も描かれており巧みなストーリー構成。


42位『逃げ上手の若君(9)~(11)』(松井優征)

生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
強敵との戦を本作らしい演出で切り抜けて物語の節目にたどり着けたのは感慨深い。


41位『夏・ユートピアノ』(ほそやゆきの)

ピアノの調律師の女性とピアニストを親に持つもう一人の女性との交流を描く物語。
女性二人のユニークな関係性や繊細で複雑な感情が情緒的な表現も交えて描かれている。


40位『ダーウィン事変(5)』(うめざわしゅん)

人間とチンパンジーの間に生まれた「ヒューマンジー」の少年が主人公の物語。
精緻な作画やロジカルな掛け合いなどで高いリアリティが演出されている。


39位『ヘブンリーブルー(1)』(脇田茜)

落ちこぼれと天才、青と赤の髪を持つ双子の魔法使いが主人公のファンタジー。
表面はきらびやかながら根底にはどす黒いものが流れた独特の世界観が魅力的。


38位『大丈夫倶楽部(3)(4)』(井上まい)

精神的に安定した「大丈夫」を目指す会社員女性ともう一人の活動を描く物語。
日常の中の些細な嬉しい出来事に喜びを見出す主人公の生き方がポジティブで素敵。


37位『ローズ ローズィ ローズフル バッド(3)』(いくえみ綾)

ゆるキャラ漫画が代表作のアラフォー女性漫画家が少女漫画を描くために奮闘する物語。
様々なイベントに対してアタフタしながらも自分なりに頑張る主人公を応援したくなる。


36位『ラブらず 恋が分からない男女の話(1)』(梅里汐)

恋に憧れはあるけど恋愛感情がわいてこない似たもの同士男女の交流を描く物語。
キュンとするシチュエーションを冷静に分析する二人の掛け合いがユニーク。


35位『これ描いて死ね(3)』(とよ田みのる)

漫画を読むのが大好きな少女とその仲間達を描く漫研部が舞台の物語。
漫画創作に対するパッションを真っすぐ誠実に描いてくれており読んでいて気持ちいい。


34位『隣のお姉さんが好き(3)』(藤近小梅)

中学二年生の男子と彼が好意を寄せる女子高生を描く片想いラブコメ。
一途な男子と難しい気質の女子が交流の中で互いに影響し合う様子が上手く描かれている。


33位『鍋に弾丸を受けながら(3)』(青木潤太朗/森山慎)

「治安の悪い場所の飯は上手い」をコンセプトに世界中を旅する美少女(?)を描く作品。
現地の人々の気質や景色など、食以外の海外文化もしっかり紹介してくれている。


32位『バーサス(1)』(ONE/あずま京太郎/bose)

47体の魔王に支配される世界を救うために立ち上がった47人の勇者達を描くファンタジー。
とんでもない大風呂敷。上手く制御できればすごい作品になりそうで今後に期待が高まる。


31位『SAN値直葬!闇バイト(1)』(ムクロメ)

金にがめつい貧乏少女が怪物のぬいぐるみを仕入れる怪しいバイトに勤しむコメディ。
クトゥルフ神話ベース設定の不穏さにパワフルなコメディのノリが負けていない。


30位『税金で買った本(6)(7)』(ずいの/系山冏)

ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
普段の素行は悪いけど素直で人を思いやれる主人公のキャラクタが素晴らしい。


29位『虚構推理(19)』(片瀬茶柴/城平京)

怪異たちから知恵の神として慕われる義眼義足の少女を主人公にした怪奇ミステリ。
怪異という超常現象をミステリ中のロジックに落とし込む手法が鮮やか。


28位『天狗の台所(2)』(田中相)

14歳の1年間、隠遁生活を送る少年とその兄、天狗の末裔二人のスローライフを描いた作品。
食事を通したキャラ達の温かい交流が丁寧かつ誠実に描かれており読んでいて心地がいい。


27位『すずめくんの声(1)』(路田行)

元恋人のことが忘れられない女性のもとに彼そっくりの声を持つ男性が現れる物語。
衝動的であったり流されがちな主人公の行動が危なっかしくてスリリングな読み味。


26位『違国日記(10)』(ヤマシタトモコ)

両親を亡くした少女とその娘を引き取った小説家の叔母との共同生活を描く物語。
キャラクタの繊細な心理描写とそれを読者に伝える力には毎回感心させられる。


25位『かさねと昴(1)』(山田金鉄)

女装が趣味な会社員男性と彼の同僚の女性との交流を描く物語。
女装男子の造形やしぐさなどが丁寧に描かれており題材に対する並々ならぬ拘りを感じる。


24位『私の百合はお仕事です!(12)』(未幡)

お嬢様学園のコンセプトカフェで働く少女達の人間模様を描く百合物語。
こじれていたキャラ関係に恋愛至上主義モンスターが投入されたことで混乱はより深まる。


23位『涙子さまの言う通り(1)』(山本ルンルン)

カルト的な魅力を持ち人々を惑わす少女が主人公のホラーサスペンス。
無邪気な少女とサイコパスの二面性を持つ主人公に怪しい魅力がある。


22位『Artiste(9)』(さもえど太郎)

腕はピカイチだけど気弱な料理人を中心に様々な職人達を描くパリが舞台の物語。
本巻のメインのエピソードは登場人物と作中作のキャラクタをリンクさせる構成が巧み。


21位『いつか死ぬなら絵を売ってから(1)』(ぱらり)

ネカフェ暮らしの清掃員の男性と彼の才能を見抜いた美術商の男性が主人公の物語。
貧しい生い立ちの劣等感を抱えた主人公の絵に対する渇望の描き方が素敵。


20位『正反対な君と僕(3)』(阿賀沢紅茶)

素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
各キャラクタの感情の機微や他人とのやり取りの中でのその変化が丁寧に描かれている。


19位『米蔵夫婦のレシピ帳(1)』(片山ユキヲ)

妻に先立たれた堅物な小説家の男性が妻の残したレシピ本を元に料理を作り記憶を辿る物語。
主人公の深い絶望を読者に共感させる1冊を通したストーリー構成が見事。


18位『僕の妻は感情がない(06)』(杉浦次郎)

料理用の家事ロボットと彼女を妻として扱う会社員男性との交流を描く物語。
人間とロボット双方からの倫理を現実感を持って描いており近未来SFとしてレベルが高い。


17位『僕の心のヤバイやつ(8)』(桜井のりお)

クラスの中心女子と陰キャラ男子との恋愛を描いたスクールカーストラブコメディ。
二人の関係性と気持ちの変化をしっかり描いてきた本作ゆえに本巻ラストの展開は感慨深い。


16位『ダーウィンクラブ(4)(5)』(赤戸アオ)

世界を牛耳る大企業を標的にしたテロリスト集団の謎に迫る刑事が主人公のサスペンス。
相対する組織のカルト的側面が次々明らかになるスピード感のある展開が素晴らしい。


15位『いやはや熱海くん(1)』(田沼朝)

顔が綺麗で男の人が好きで惚れっぽい男子高校生の日常を描く物語。
人間味あふれるキャラクタ達の魅せ方や個性の描き分けが秀逸。関西弁の雰囲気も良い。


14位『この復讐にギャルはいらない(1)』(まの瀬)

人間不信の元殺し屋の少年と彼を慕う同じクラスのギャルとの交流を描いた作品。
卑屈過ぎる主人公の葛藤は滑稽で楽しいしヒロインも可愛くて魅力的。小ネタも楽しい。


13位『劇光仮面(3)』(山口貴由)

大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
キャラクタ達の狂気を感じるような特撮への拘りと執着は危ういながらも眩しく光る。


12位『夏目アラタの結婚(10)』(乃木坂太郎)

児童相談所勤めの男性が死刑囚女性に獄中結婚を持ち掛けるラブサスペンス。
初期からここまでの物語が構想されていたことが感じ取れるよく練り込まれたストーリー。


11位『ながたんと青と ―いちかの料理帖―(10)』(磯谷友紀)

客足の遠のいた料亭の跡取り女性とそこに婿養子に来た口の悪い青年が主人公の料亭物語。
3組の夫婦の違った関係性と顛末は幸せと悲しみ、困惑が入り交じる複雑な様相。


10位『ダイヤモンドの功罪(1)』(平井大橋)

規格外の才能ゆえに仲間と野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
純真無垢な主人公を徐々に追い込んでいく陰湿なストーリーには強烈なインパクトがある。


9位『放課後ひみつクラブ(1)(2)』(福島鉄平)

エキセントリックな少女と冷静な少年が学園の秘密を探るコメディ。
漫画表現を駆使した掛け合いはハイテンポかつストレスなく読めて素晴らしい。


8位『スナックバス江(13)』(フォビドゥン澁川)

老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
絶妙なネタのチョイスやテンポの良い掛け合いなど、各要素全てのクオリティが高い。


7位『かわいすぎる人よ!(1)』(綿野マイコ)

容姿に自信がない少女と容姿端麗なおじ、同居する二人の生活を描く物語。
主人公二人の交流がたまらなく愛おしいし良い雰囲気が周囲に伝播する構成もハッピー。


6位『好き好きだいちゅきつよつよソード(2)(完)』(ノッツ)

好意を寄せられると強くなる剣を持つ勇者と彼を慕う女性達とのいざこざを描いたコメディ。
灰汁が強すぎる変態達が好き放題暴れまわるコメディはこの上なく濃密で楽しい。


5位『葬送のフリーレン(10)』(山田鐘人/アベツカサ)

魔王を倒した勇者パーティの一人であるエルフが魔王なき世界のその後を辿るファンタジー。
黄金郷編、本作独自の魔族や魔法の設定を存分に活かした素晴らしいストーリー。


4位『ハイパーインフレーション(6)(完)』(住吉九)

贋金を出す能力を持つ少年の姉を助けるための奮闘を描く物語。
終盤の展開は本作らしいロジックとハッタリの応酬が繰り広げられており秀逸。


3位『トリリオンゲーム(6)』(稲垣理一郎/池上遼一)

世界一ワガママな男とPCオタク、二人の青年が1兆ドル稼ぐことを目指す物語。
リアリティとハッタリのバランスが絶妙なストーリーはエンタメとして最高峰。


2位『メダリスト(8)』(つるまいかだ)

気弱な少女と熱血男性コーチのコンビがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
他キャラのプライドを次々にへし折っていくライバルキャラの演技は演出も含めて圧巻。


1位『スキップとローファー(8)』(高松美咲)

自信家だけどちょっと抜けてる少女とクラスメイト達との交流を描いた学園青春群像劇。
自分なりに考えて社会の中での生き方を模索するキャラクタ達の姿がたまらなく愛おしい。