2023年7月読んだ漫画をまとめます。
7月に読んだ漫画は70冊。ぼちぼち読めました。
読んだ中のオススメ作品をピックアップします。
『姫様"拷問"の時間です(12)』(ひらけい/春原ロビンソン)
バーニャカウダやハヤシライスなど様々な拷問を受ける囚われの姫を描いたコメディ。
アホな設定にテンポの良い掛け合いでストレスなく読める良いコメディ。
『氷の城壁(1)(2)』(阿賀沢紅茶)
人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
空間の中での閉じた人間関係や授業、放課後の活動など、高校という舞台の演出が巧み。
『下足痕踏んじゃいました(3)』(麻生みこと)
誘拐などの凶悪事件を担当する新米刑事とパートナー先輩女性とのコンビを描いた作品。
お話の緩急の付け方が上手くキャラクタと一緒に振り回される感覚が味わえて楽しい。
『おとなりに銀河(6)(完)』(雨隠ギド)
漫画家男性とミステリアスなアシスタント女性との不思議な関係を描く契約ラブコメディ。
ハッピーエンドを迎えた後の各人の動向を1巻描けて描いてくれるのは誠実な印象。
『ニューヨークで考え中(4)』(近藤聡乃)
ニューヨーク在住のアーティストが日々の生活の細やかな気づきを綴ったエッセイ漫画。
日常エピソードには癒されるし海外在住の人間の視点で描かれる時事トピックも興味深い。
『高校生家族(11)(完)』(仲間りょう)
両親と妹、ペットの猫と一緒に高校生活を過ごす少年の受難な日々を描いたギャグ漫画。
描き下ろしエピソード含め、スタイルの違う最終回が3種類準備された丁寧なエピローグ。
『BEAT&MOTION(1)』(藤田直樹)
かつてアニメ制作の夢を諦めていた青年がある女性との出会いから再び夢と向き合う物語。
挫折から立ち上がり目標に向かって邁進していく主人公の姿が力強い。
『正反対な君と僕(4)』(阿賀沢紅茶)
素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
キャラクタごとの個性の描き分けや心理描写が非常に巧みで皆愛おしい。
『発達障害なわたしたち(1)』(町田粥)
ADHDの特徴がある漫画家と編集者が様々な発達障害の方々にインタビューするレポ漫画。
症例エピソードの言語化能力が高い。発達障害への理解を深める本としてよくできている。
『怪異と乙女と神隠し(6)』(ぬじま)
スランプに悩むアラサー小説家女性と謎の多い青年が怪異を解き明かしていく物語。
鼠浄土のエピソードは怪異の解釈がユニークだしオチのつけ方が綺麗でお気に入り。
『スクールバック(1)』(小野寺こころ)
高校に勤める用務員の女性と悩める生徒達との交流を描く物語。
適度な距離感の大人のサポートにより子供達が自力で立ち上がっていく構成はユニーク。
『スルーロマンス(1)』(冬野梅子)
恋愛脳で衝動的な女性と真面目で慎重派なもう一人の女性、対照的な二人を描く物語。
現代日本を生きる人々の生活や価値観に関する描写のリアリティが高い。
『スーパーベイビー(5)』(丸顔めめ)
ピュアで一途な黒ギャルと押しの弱い地味メンとの違和感アリアリなカップルを描く物語。
主人公達のラブラブ具合はハッピーだしその一方で暗い感情も隠さず描くのも本作らしい。
『トリリオンゲーム(7)』(稲垣理一郎/池上遼一)
世界一ワガママな男とPCオタク、二人の青年が1兆ドル稼ぐことを目指す物語。
味方陣営の面々が協力し合いダイナミックに邁進していくストーリーには爽快感がある。
『あかねさす柘榴の都(3)(完)』(福浪優子)
母親と死別し叔母のいるスペインのグラナダに移住した少年の日常を描いた作品。
少年と叔母、互いに影響し合いながら自分の居場所を見つけるストーリー構成が美しかった。
『映像研には手を出すな!(8)』(大童澄瞳)
それぞれ尖った能力を活かしてアニメーション制作に勤しむ女子高生達を描いた作品。
仲間達の結束とアニメーションのクオリティで表現規制を押しのけるストーリーは爽快。
『ブスなんて言わないで(3)』(とあるアラ子)
自身の容姿に自信のない女性と美容研究家の女性がルッキズムについて考える作品。
ルッキズムに関する生きづらさを多角的に描こうとする挑戦的な姿勢に好感が持てる。
『ブルーピリオド(14)』(山口つばさ)
高校2年時に絵を描く楽しさに目覚めた少年が芸術に打ち込む物語。
本作らしいキャラクタの成長や多様性、他人に対する複雑な感情が描かれていた。
『兎山女子高校2年1組!!(1)』(清水幸)
女子高に勤める男性教員と生徒達との交流を描いたコメディ。
個性豊かで自由奔放ながら素直ですれていないキャラクタ達が可愛らしい。
『異世界ありがとう(4)』(荒井小豆/ジアナズ)
異世界転生した30代男性二人がRPG風のファンタジー世界を楽しむ物語。
お互いの個性を活かして助け合う主人公二人の役割分担が良いバランス。
『ダイヤモンドの功罪(2)』(平井大橋)
規格外の才能ゆえに仲間と野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
無自覚ながら罪深い主人公の言動が他の少年達の夢を蹂躙していく様子は残酷。
『放課後メタバース(1)』(秋★枝)
図書委員で一緒になった口下手陰キャ男子とコミュ強陽キャ女子とのやり取りを描く物語。
考えすぎる主人公の思考の論理展開や魅力的なヒロインなど秋★枝作品らしさたっぷり。
『ネコと海の彼方』(星期一回收日/陳巧蓉(巧ミャオ))
台湾を舞台に二人の少女の出会いと交流、その後を描いた物語。
単巻で一人の少女の半生が起承転結綺麗にまとまっており読後感が心地よい。
『エロチカの星(1)』(前野温泉)
冴えない漫画家志望の男性と謎の美少女がコンビを組んでエロ漫画のトップを目指す物語。
無表情で傍若無人ながら時折人間味溢れる表情をみせるヒロインが大変魅力的。
『神クズ☆アイドル(7)』(いそふらぼん肘樹)
やる気ゼロな男性アイドルと女性トップアイドルの幽霊とのコンビを描いたコメディ。
強烈な個性を持ったキャラ達が繰り広げるハイテンションな掛け合いが賑やか。
『東東京区区』(かつしかけいた)
多様なルーツやバックグラウンドを持った三人組が東東京を街歩きする作品。
現代的な建物から街の成り立ちや人々の営みの歴史を読み取っていく姿勢は興味深い。
『生きてるうちに推してくれ(3)』(丹羽庭)
霊が視えるアイドル女性と除霊を生業にする坊主とのコンビを描いたコメディ。
モブも含めて癖が強すぎるキャラ達が繰り広げるボケツッコミ激しい掛け合いが楽しい。
『らーめん再遊記(8)』(久部緑郎/河合単/石神秀幸)
かつてはラーメン界のカリスマと呼ばれた男の人生の次のステージを描く物語。
性格はひん曲がっていて、かつリアリストで自信家な主人公のキャラクタが強い。
『この復讐にギャルはいらない(2)』(まの瀬)
人間不信の元殺し屋の少年と彼を慕う同じクラスのギャルとの交流を描いた作品。
絶妙にかみ合わない主要キャラ三人の思考や策略のチグハグ具合が上手く制御されている。
『メイドインアビス(11)』(つくしあきひと)
謎に満ちた大穴「アビス」の底を目指す少女達の冒険を描いたファンタジー。
深界七層に向けた新たな冒険の準備が進んでく様子には心躍らされる。
以上が7月発売の作品。以下はそれ以外。
『イジめてごっこ。(5)』(南文夏)
重度の被虐願望がある女性と特にSっ気のない男性のカップルがSM関係を始める物語。
SM行為を愛情を交わし合う行動として尊重して描く姿勢が好ましい。
『みどりの台所(1)』(秋ヨシカ)
謎の寄生植物の影響で動物が死に絶えた世界を生きる姉妹を描く物語。
平和な日常描写と残酷な現実の描写との落差が激しくてインパクトが強い。