
まだまだ暑い日が続きますね皆さん、無理のない範囲で漫画を読みましょう。
9/1『ゆうやけトリップ(2)』(ともひ)
新聞部のちっこい少女とミステリアスな長身美少女が放課後に心霊スポットを巡る物語。
淡い輪郭で描かれる水彩画のような独特の画面が魅力的。背景にも強い拘りを感じる。
9/1『大丈夫倶楽部(5)』(井上まい)
精神的に安定した「大丈夫」を目指す会社員女性と周囲の人々を描く物語。
シビアな状況に対してもメンタルを制御して上手く生きていくキャラ達のしなやかさが素敵。
9/4『逃げ上手の若君(12)』(松井優征)
生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
強敵との戦を本作らしい演出で切り抜けて物語の節目にたどり着けたのは感慨深い。
9/4『ココロのプログラム(3)』(中村ひなた)
父親を亡くした少年と心を学習するために居候するロボットの少女との交流を描く物語。
瑞々しい絵柄にピュアなキャラ達、甘酸っぱいストーリーなど、爽やかな雰囲気が魅力的。
9/4『氷の城壁(4)』(阿賀沢紅茶)
人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
空間の中での閉じた人間関係や授業、放課後の活動など、高校という舞台の演出が巧み。
9/4『人造人間100(3)』(江ノ島だいすけ)
優れた肉体を奪い取ろうとする人造人間達を憎む少年と彼と旅する女性を描く物語。
人間と決して分かり合えない人造人間という存在の異質さがユニーク。
9/4『桃太郎殺し太郎(3)(完)』(成瀬乙彦)
鬼の軍勢に対して人間軍の指揮をとる桃太郎達との戦いを描いた物語。
一枚岩ではない味方側勢力など、桃太郎の物語に独自解釈が合わさって面白い世界観。
9/5『ヒッツ(6)』(柴田ヨクサル/沢真)
殺し屋の少年と彼の前に現れた「もう一人の自分」の二人が主人公のアクション物。
変な方向に対して異常に拘りが強いキャラクタ達の言動などオンリーワンな魅力たっぷり。
9/8『散歩する女の子(2)』(スマ見)
道端の標識から妄想を膨らませるなど散歩しながら色んな遊びをする女子二人を描いた作品。
実写の写真を交えながら自分達でも実践できそうな散歩遊びが紹介されており面白い。
9/8『ミステリと言う勿れ(13)』(田村由美著)
天然パーマの大学生男子が誰彼構わずズケズケ「語り」事件を解決していく物語。
裏がありそうに思わせる人間関係の描き方などミステリ作品としてお話作りが丁寧。
9/8『美人すぎる女装刑事 藤堂さん(1)』(藤珠こと)
女装すると完璧な美少女になる刑事と彼に振り回される同僚達を描いたコメディ。
アホな設定を活かしたギャグのインパクトの強さと軽快な掛け合いが楽しい。
9/8『うどんの女(2)』(えすとえむ)
大学食堂で働くバツイチ女性と大学生男子との歳の差恋模様を描くラブコメディ。
1巻発売から約12年経ってまさかの2巻発売。こういう単巻っぽい作品では珍しいパターン。
9/12『付き合ってあげてもいいかな(11)』(たみふる)
勢いで付き合い始めた大学生二人のすんなりいかない関係を描く百合恋愛物。
気心知れた元恋人同士という関係性が上手く描かれている。
9/12『これ描いて死ね(4)』(とよ田みのる)
漫画を読むのが大好きな少女とその仲間達を描く漫研部が舞台の物語。
漫画創作に対する情熱やキャラクタ達の友情を真っすぐ誠実に描いてくれており爽快。
9/12『きょうのさんぽんた(7)』(田岡りき)
ややアホな女子とちょっと生意気な柴犬との散歩風景を描く一人と一匹コメディ。
シンプルな構成の作品ながら細々したネタのバリエーションが豊か。
9/12『犬とサンドバッグ 下』(尾崎かおり)
故郷の小さな島に帰ってきた女性とある秘密を抱えた島の少年との交流を描いた作品。
キャラクタ達が抱える事象はヘビーでありながらライトな雰囲気でストレスなく読める。
9/12『冥天レストラン(1)』(鈴野スケ)
不慮の事故で死んだ御曹司が生き返るために冥界のレストランで働くことになる物語。
パワフルなキャラクタ達がお話をグイグイ引っ張っていく構成にはスピード感がある。
9/12『フツーと化け物(1)』(篠月しのぶ/羽流木はない)
普通のグループに属したい少女がある秘密を抱えたクラスメイトと友達になる物語。
危ういバランスの二人が奇妙な関係性を育んでいくストーリーがユニーク。
9/12『黄泉のツガイ(5)』(荒川弘)
ある村で生まれた双子の兄妹を中心に繰り広げられるファンタジー作品。
物語の背景や設定を徐々に明らかにしていく堅実で着実なストーリー構成は流石。
9/13『ダーウィンクラブ(6)』(赤戸アオ)
世界を牛耳る大企業を標的にしたテロリスト集団の謎に迫る刑事が主人公のサスペンス。
相対する組織のカルト的側面が次々明らかになるスピード感のある展開が素晴らしい。
9/13『誰何Suika(3)』(つばな)
とある理由からアイドル部として活動することになった美少女とその仲間達を描く物語。
各人の役割をもってステージを作り上げていく構成はアイドル物として力強い。
9/14『天幕のジャードゥーガル(3)』(トマトスープ)
モンゴル帝国が猛威を振るう12世紀を舞台に奴隷の少女の数奇な運命を描く物語。
各人の思惑が交錯するドラマティックなストーリーは丁寧に作り込まれている。
9/14『しあわせは食べて寝て待て(4)』(水凪トリ)
持病持ちで人生に閉塞感を感じている女性が薬膳を通して生活を豊かにする物語。
人間関係や恋愛、周囲の評価に疲弊しないよう丁寧に物事を選択する主人公の生き方が素敵。
9/14『あなたはだんだん好きになる(2)(完)』(芦垣丁)
オカルト好き少女と彼女に振り回される男子、二人きりのオカルト研の活動を描くコメディ。
挙動も含めて表情豊かなキャラクタ達を描く作画の安定感が高い。
9/15『葬送のフリーレン(11)』(山田鐘人/アベ ツカサ)
魔王を倒した勇者パーティの一人であるエルフが魔王なき世界のその後を辿るファンタジー。
黄金郷編、本作独自の魔族や魔法の設定を存分に活かした素晴らしいストーリー。
9/15『ウスズミの果て(2)』(岩宗治生)
人類がほぼ死滅した世界で生存者を探して旅をする女性と謎の生物を描く物語。
退廃した世界の背景描写は緻密でキャラ設定などにも拘りを感じる。
9/15『ホテル・メッツァペウラへようこそ(4)』(福田星良)
フィンランドのホテルで働くことになった訳あり日本人青年が主人公の物語。
荒んでいた若者が温かい大人達と過ごしながら更生していくストーリー展開が素敵。
9/15『恋の絶望行進曲』(富沢未知果)
恋人同士になったけど恋愛に対する認識に齟齬がある二人の女子を描いた作品。
キュートな絵柄とキャラクタの感情を画面全体で表現する心理描写が特徴的。
9/19『少年のアビス(14)』(峰浪りょう)
閉塞的な田舎町に囚われる少年と彼を慕う周りの女性達との関係を描く物語。
主要キャラ全員が深い地獄に囚われており抜け出すのは容易ではない。
9/19『国家心中 枝田作品集』(枝田)
傍若無人な名家の令嬢と自死から歪な形で蘇った使用人を描くお話を含む短編集。
ゆがんだ深い愛情が切ないストーリーで描かれている。複雑な感情を表現した表情も印象的。
9/20『ビバリウムで朝食を(2)』(道満晴明)
街の七不思議の秘密を探る仲良し小学生3人組の少し不思議な冒険を描いた作品。
機知に富んだ掛け合いや独特のキャラ造形など道満晴明作品の魅力たっぷり。
9/20『放課後ていぼう日誌(11)』(小坂泰之)
「ていぼう部」に入部した手芸好きな少女と個性的な部員たちを描く女子高生釣り物。
釣りの仕掛け準備や調理シーンの詳細な描写は趣味物として非常に丁寧。
9/20『花四段といっしょ(3)』(増村十七)
対局の途中でも余計なことを考えがちなプロ棋士が主人公の物語。
コメディ話が楽しい一方で、プロの厳しさを世界を描いたお話はずしりと重い読み味。
9/22『ワンダンス(11)』(珈琲)
吃音症の少年と言語以外での表現力が豊かな少女を主人公にした高校ダンス部物。
キャラクタ達それぞれの考え方の違いがダンスへの姿勢に現れているのが面白い。
9/22『カオスゲーム(3)』(山嵜大輝)
週刊誌記者の女性が奇妙な殺人鬼と自身の不思議な記憶の謎に迫るサスペンス。
二人の神の争いにキャラクタ達が振り回されるという全体の構成がユニーク。
9/22『天狗の台所(3)』(田中相)
14歳の1年間、隠遁生活を送る少年とその兄、天狗の末裔二人のスローライフを描いた作品。
食事を通したキャラクタ達の温かい交流が誠実な雰囲気で描かれており心地いい。
9/22『焼いてるふたり(12)』(ハナツカシオリ)
BBQ好きの男性とその妻のクールビューティっぽい女性との生活を描くグルメ物。
お互いに相手の弱い面もちゃんと認識した上でそれを許容している様子が伺えるのが素敵。
9/22『異世界おじさん(10)』(殆ど死んでいる)
異世界生活から現代に帰還した30代中盤のSEGA狂い男性を描いたコメディ。
ファンタジー本編で異世界に微妙に馴染めないおじさんの奇行が面白い。
9/25『その着せ替え人形は恋をする(12)』(福田晋一)
人形職人を目指す少年と彼にコスプレ衣装作成を依頼するオタクギャルを描くラブコメディ。
コスプレに限らずオタク趣味全般で普遍的なネタを共感性高く描いてくれている。
9/26『青春リビドー山』(位置原光Z)
性に対する認識が明後日の方向にずれた女子の登場する会話劇を描いた下ネタギャグ集。
位置原光Z先生の下ネタ漫画からしか摂取できない栄養があるので刊行ありがたい。
9/28『フールナイト(7)』(安田佳澄)
死が迫る人々を植物に変える「転花」が普及した世界を舞台にした物語。
敵味方の両陣営が知略智謀を駆使して争うヒリヒリした知能戦には緊張感がある。
9/28『血の轍(17)』(押見修造)
息子に対して異常な愛情を向ける母親と彼女に縛られる息子を描いたサイコサスペンス。
ロスタイムのような第二章かと思いきや新たなテーマで話が進む。
9/28『夏目アラタの結婚(11)』(乃木坂太郎)
児童相談所勤めの男性が死刑囚女性に獄中結婚を持ち掛けるラブサスペンス。
次々と衝撃の事実が明らかになるストーリーから作品全体の練りこみの深さが感じ取れる。
9/28『どく・どく・もり・もり(1)』(背川昇)
真っ赤な食用キノコが擬人化した少女が両親の仇である毒キノコへの復讐を試みる物語。
『海辺のキュー』背川昇先生の新作。ユニークな世界観がどのように広がっていくか楽しみ。
9/28『転がる姉弟(5)』(森つぶみ)
親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる物語。
子供の視点での世界の姿や子供を見守る大人達、人間関係の構築がしっかり描かれている。
9/29『ベルセルク(42)』(三浦建太郎/スタジオ我画/森恒二)
巨大な剣を携えた義手の剣士がある目的のために旅をするダークファンタジー。
三浦先生の逝去がありながら作品世界の続きが読めることに感謝。