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 2023年9月読んだ漫画をまとめます。

 9月に読んだ漫画は77冊。ぼちぼち読めました。

 読んだ中のオススメ作品をピックアップします。


『大丈夫俱楽部(5)』(井上まい)

精神的に安定した「大丈夫」を目指す会社員女性と周囲の人々を描く物語。
表情やリアクションがでかくて感情表現が豊かな主人公がコミカルで可愛らしい。


『ゆうやけトリップ(2)』(ともひ)
新聞部のちっこい少女とミステリアスな長身美少女が放課後に心霊スポットを巡る物語。
輪郭のぼやけた水彩画のような絵柄が非常に特徴的で陰影の強い独特の画面が魅力的。


『散歩する女の子(2)』(スマ見)

道端の標識から妄想を膨らませるなど散歩しながら色んな遊びをする女子二人を描いた作品。
散歩中に街中で見かけるちょっとした違和感に対して妄想を膨らませる着眼点がユニーク。


『氷の城壁(4)』(阿賀沢紅茶)

人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
高校生らしい悩みの描き方に現実感がある。等身大のキャラクタ達は皆愛おしい。


『逃げ上手の若君(12)』(松井優征)

生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
変則的な悪のカリスマの描き方は松井優征作品らしくて素晴らしい。


『今日のさんぽんた(7)』(田岡りき)

ややアホな女子とちょっと生意気な柴犬との散歩風景を描く一人と一匹コメディ。
女子側の言動がちょっと心配になるくらい抜けていてアホ可愛いし犬との掛け合いも良い。


『犬とサンドバッグ 下』(尾崎かおり)

故郷の小さな島に帰ってきた女性とある秘密を抱えた島の少年との交流を描いた作品。
人生を諦めていた二人が新たな道を歩み始めるまでのストーリーが綺麗にまとまっていた。


『しあわせは食べて寝て待て(4)』(水凪トリ)

持病持ちで人生に閉塞感を感じている女性が薬膳を通して生活を豊かにする物語。
周囲の人々の助けもあり少しずつ希望を見出していく主人公の姿はポジティブに映る。


『付き合ってあげてもいいかな(11)』(たみふる)

勢いで付き合い始めた大学生二人のすんなりいかない関係を描く百合恋愛物。
カップルにおける性行為への認識の違いを丁寧に描いてくれている。


『誰何Suika(3)』(つばな)

とある理由からアイドル部として活動することになった美少女とその仲間達を描く物語。
トリッキーな設定が原因で深刻さが増す主人公達の置かれている状況に妙な緊迫感がある。


『ホテル・メッツァペウラへようこそ(4)』(福田星良)

フィンランドのホテルで働くことになった訳あり日本人青年が主人公の物語。
最初は孤独だった主人公が自分の居場所を見つた姿は感慨深い。


『ダーウィンクラブ(6)(完)』(赤戸アオ)

世界を牛耳る大企業を標的にしたテロリスト集団の謎に迫る刑事が主人公のサスペンス。
主人公の復讐劇とカルト組織の活動が上手くリンクしたストーリーだった。


『フツーと化け物(1)』(篠月しのぶ/羽流木はない)

普通のグループに属したい少女とある秘密を抱えたクラスメイトとの関係を描いた物語。
捕食者と被食者の二人が奇妙な交換条件のもとに共存関係になる構成がトリッキーで面白い。


『冥天レストラン(1)』(鈴野スケ)

不慮の事故で死んだ御曹司が生き返るために冥界のレストランで働くことになる物語。
高飛車だった主人公が死者達との交流を通して人の温かさを学ぶストーリー構成が素敵。


『ラーメン赤猫(1)~(5)』(アンギャマン)

個性的な猫達と1人の人間が働くラーメン屋さんを舞台にした物語。
猫達が自分の適性を活かして仕事をこなす姿に職人っぽいプロ意識が感じられて素敵。


『みょーちゃん先生はかく語りき(1)(2)』(無敵ソーダ/鹿成トクサク)

生徒達からの下ネタ相談に本気で答えようと努力する養護教諭女性が主人公の作品。
人妻かつ世話焼きかつ母性溢れるという属性盛り盛りの主人公のキャラクタが強烈。


『バットゥータ先生のグルメアンナイト(1)』(亀)

14世紀に中東やインドなどを旅した実在の人物をモデルにした物語。
当時の食文化や人々の価値観をしっかり描こうとしている雰囲気が感じ取れて好感が持てる。


『これ描いて死ね(4)』(とよ田みのる)

漫画を読むのが大好きな少女とその仲間達を描く漫研部が舞台の物語。
プロを意識し始めた主人公が出した結論が漫画という媒体の多様性を肯定している。


『天幕のジャードゥーガル(3)』(トマトスープ)

モンゴル帝国が猛威を振るう12世紀を舞台に奴隷の少女の数奇な運命を描く物語。
各キャラクタの思惑が複雑に絡み合うストーリーは重厚な読み味で素晴らしい。


『葬送のフリーレン(11)』(山田鐘人/アベツカサ)

魔王を倒した勇者パーティの一人であるエルフが魔王なき世界のその後を辿るファンタジー。
11巻の単行本巻末、カラー演出でこの展開、盛り上がらない訳はない。


『花四段といっしょ(3)』(増村十七)

対局の途中でも余計なことを考えがちなプロ棋士が主人公の物語。
新キャラ二人がどちらも物語を無茶苦茶に引っ掻き回す破天荒っぷりで面白かった。


『異世界おじさん(10)』(殆ど死んでいる)

異世界生活から現代に帰還した30代中盤のSEGA狂い男性を描いたコメディ。
久しぶりに主人公の異常なSEGA愛が炸裂し変顔連発しているエピソードが楽しかった。


『ワンダンス(11)』(珈琲)

吃音症の少年と言語以外での表現力が豊かな少女を主人公にした高校ダンス部物。
喋るのが苦手な主人公がダンスで周囲にも自身の感情を伝えられる展開素敵。


『カオスゲーム(3)』(山嵜大輝)

週刊誌記者の女性が奇妙な殺人鬼と自身の不思議な記憶の謎に迫るサスペンス。
得体の知れない恐怖を感じさせるオカルト描写が魅力的。


『天狗の台所(3)』(田中相)

14歳の1年間、隠遁生活を送る少年とその兄、天狗の末裔二人のスローライフを描いた作品。
都会育ちで現代っ子な主人公が不自由な田舎の生活に豊かさを覚えていくストーリーが良い。


『焼いてるふたり(12)』(ハナツカシオリ)

BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。
お互いのちょっと変なところも許容して尊重し合う主人公達の夫婦関係が素敵。


『ビバリウムで朝食を(2)』(道満晴明)

街の七不思議の秘密を探る仲良し小学生3人組の少し不思議な冒険を描いた作品。
切ないながらも悲壮感はないストーリーなど、道満晴明作品らしい魅力たっぷり。


『レッドブルー(1)~(7)』(波切敦)

いじめられっ子だった少年がある理由から総合格闘技を始める物語。
度々周囲をドン引きさせる主人公の異常な思考回路が特異で面白い。


『その着せ替え人形は恋をする(12)』(福田晋一)

人形職人を目指す少年と彼にコスプレ衣装作成を依頼するオタクギャルを描くラブコメディ。
主人公男子が悩み苦しみながらそれを乗り越えてコスプレ衣装を創作していく描写が力強い。


『青春リビドー山』(位置原光Z)

性に対する認識が明後日の方向にずれたキャラクタ達が繰り広げる下ネタギャグ集。
成人誌で掲載されていたということもありいつもの位置原作品よりもネタの幅が広かった。


『血の轍(17)(完)』(押見修造)

息子に対して異常な愛情を向ける母親と彼女に縛られる息子を描いたサイコサスペンス。
異様な親子二人の関係性を生涯に渡って描いてきた本作として美しい物語のまとめ方。


『ベルセルク(42)』(三浦建太郎/スタジオ我画/森恒二)

巨大な剣を携えた義手の剣士がある目的のために旅をするダークファンタジー。
作者が亡くなっても関係者の方々の力で唯一無二な本作を味わえることに感謝したい。


『夏目アラタの結婚(11)』(乃木坂太郎)

児童相談所勤めの男性が死刑囚女性に獄中結婚を持ち掛けるラブサスペンス。
騙し騙され互いの感情を疑いながらも歪な愛情を育んできた二人の関係性の結末やいかに。


『どく・どく・もり・もり(1)』(背川昇)

真っ赤な食用キノコの少女が両親の仇である毒キノコへの復讐を試みる物語。
キュートなキャラデザインにアンバランスなグロテスクな展開など、非常にユニーク。


『スターリングラードの凶賊(1)』(速水螺旋人)

1942年、独ソ戦中のソビエト領の都市を舞台に繰り広げられるガンアクション物。
史実の歴史をバックにハードな戦闘描写などの雰囲気が速水螺旋人作品らしい。


『フールナイト(7)』(安田佳澄)

死が迫る人々を植物に変える「転花」が普及した世界を舞台にした物語。
食い物にされる下流の人々の悲惨な人生や怒りの感情が真に迫っており素晴らしい。


『転がる姉弟(5)』(森つぶみ)

親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる物語。
姉弟や家族、友人達との温かい交流が美しく描かれており、皆たまらなく愛おしい。


以上が9月発売の作品。以下はそれ以外。


『8月31日のロングサマー(1)』(伊藤一角)

ループする8月31日を抜け出すために関係を深めようとする男女を描いたラブコメディ。
利害関係が一致しているだけだった二人の恋愛が着実に進展していくストーリー構成が良い。


『霧尾ファンクラブ(1)(2)』(地球のお魚ぽんちゃん)

クラスメイトの男子が好きすぎて奇行に走る女子二人を描いた片思いコメディ。
インパクトの強いシュールなネタや独特のボケツッコミなど、コメディとして強い。


『Bye-Bye アタシのお兄ちゃん』(竹内佐千子)

妹がコンセプトのメイドカフェのある秘密を描く物語。
ライトな設定なようで中年男性の悩みや救われなさが作品の中核にあり実態はヘビー。