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 2023年11月読んだ漫画をまとめます。

 11月に読んだ漫画は61冊。60冊のノルマギリギリ。

 以下で読んだ中のオススメ作品をピックアップします。


『氷の城壁(6)』(阿賀沢紅茶)

人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
キャラクタの心理的な変化や個々人の性格の描き分けが上手くリアリティがある。


『人造人間100(4)(5)(完)』(江ノ島だいすけ)

優れた肉体を奪い取ろうとする人造人間達を憎む少年と彼と旅する人造人間を描く物語。
人類と人造人間という二つの種が絶対に分かり合えないというテーマが一貫していた。


『BEAT&MOTION(2)』(藤田直樹)

かつてアニメ制作の夢を諦めていた青年がある女性との出会いから再び夢と向き合う物語。
自己表現と大衆への迎合という創作者における普遍的なテーマに真正面から向き合っている。


『正反対な君と僕(5)』(阿賀沢紅茶)

素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
周囲の評価に対する過剰な自意識や他人との距離感の悩みやなど若者の思考描写が巧み。


『サチ録~サチの黙示録~(1)』(茶んた)

日々の行いに対する採点結果に人類滅亡の命運が託されたクソガキが主人公のコメディ。
メインキャラ3人の個性が上手くかみ合った賑やかなコメディはおバカな雰囲気で楽しい。


『税金で買った本(9)』(ずいの/系山冏)

ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
個性豊かなキャラクタ達は皆可愛らしくって魅力的。お仕事物としても興味深い内容。


『スイカ(3)』(森とんかつ)

オカルト的存在の少女と彼女に気に入られた不運な高校教師コンビを描くホラーギャグ。
荒唐無稽でシュールなストーリーや妙に勢いのあるホラー描写などはオリジナリティ高い。


『僕の心のヤバイやつ(9)』(桜井のりお)

クラスの中心女子と陰キャラ男子との恋愛を描いたスクールカーストラブコメディ。
次のステップに入った主人公二人の関係について着実な進展を丁寧に描いてくれている。


『秋葉原はユーサネイジアの夢を見るか?(1)』(春野ユキト)

メイド喫茶の謎めいた女性に恋をした社会的地位の低い男性を描く物語。
優しく導いてくれるようで時より不可解な言動を取るヒロインには妖しい魅力がある。


『バーサス(2)』(ONE/あずま京太郎/bose)

47体の魔王に支配される世界を救うために立ち上がった47人の勇者達を描くファンタジー。
美麗な作画で描かれるキャラクタ達やダイナミックな戦闘シーンは非常に魅力的。


『愛しの彼女は隠れオタク(2)』(タアモ)

彼氏をBLネタとして見ているBL漫画家女性と彼女の仕事を知らない彼氏を描くコメディ。
世の中をBLフィルタを通してしか見れない主人公のぶっ飛んだ言動が楽しい。


『クジマ歌えば家ほろろ(4)』(紺野アキラ)

ロシアから来た鳥人間っぽい変な生物と彼と同居することになった家族を描く物語。
自己中で無神経な主人公の言動が意図せぬところで他キャラクタ達を救っていく構成が素敵。


『ニックとレバー(3)(完)』(ミヤタキョウゴロウ)

陽気でポジティブな外国人男性二人組が様々な騒動を巻き起こすショートギャグ漫画。
ナンセンスなショートギャグを畳みかけるように繰り出すスタイルはスピード感があった。


『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(24)』(谷川ニコ)

陰気で口の悪い女子高生とその周りのクラスメイト達を描いた青春コメディ。
癖の強すぎるキャラクタ達の個性をごった煮にした闇鍋のような作品になってきた。


『部長は少女漫画家(1)』(古都かねる/西村マリコ)

堅物そうに見えて実は会社に内緒で商業少女漫画を連載する男性会社員が主人公のコメディ。
わかりやすい設定に個性豊かなキャラ達などが合わさってコメディとして総合力が高い。


『ややこしい蜜柑たち(2)』(雁須磨子)

親友の彼氏に不義理な行いをしてしまった女性が主人公の物語。
生きた人間のようなキャラクタ達の繊細な心理を丁寧に描写していく表現力素晴らしい。


『僕が恋するコズミックスター(1)』(縁山)

宇宙からやってきた少女とともにヒーロー活動をすることになった少年が主人公の物語。
主人公のヒーローとしての成長と少女の恋が並行するストーリー構成が素敵。


『ずっと青春ぽいですよ(1)』(矢寺圭太)

アイドル研究部のオタク男子達が陰キャながらも青春を謳歌するために奮闘する物語。
空回りしているようで自覚なく青春ど真ん中にいるキャラクタ達がキラキラ眩しい。


『おとなになっても(10)(完)』(志村貴子)

バーで偶然出会ってお互い惹かれ合う30代女性二人の恋と葛藤を描く百合作品。
各キャラクタ達の心理面や社会的な立場も収まるところに収まって綺麗に大団円。


『コーポ・ア・コーポ(6)』(岩浪れんじ)

安アパートを舞台に日雇い労働者の男やヒモの男性など下層で生きる人々を描いた物語。
夜の仕事の従業員など多様な立場の人々の言動や心理に実在の人間のような生々しさがある。


『涙子さまの言う通り(2)』(山本ルンルン)

カルト的な魅力を持ち人々を惑わす少女が主人公のホラーサスペンス。
新興宗教教祖の少女と彼女の謎を追う警察という対立構図が上手く働いており緊迫感がある。


『虚構推理(20)』(片瀬茶柴/城平京)

怪異たちから知恵の神として慕われる義眼義足の少女を主人公にした怪奇ミステリ。
物理現象を超越した存在が起こす事件に合理的な解釈をつける論理展開がお見事。


『生徒会にも穴はある!(5)』(むちまろ)

曲者揃いの生徒会の過激でちょっとエッチな日常を描いた下ネタコメディ。
性癖まる出しのエッチな描写とキャラの関係性が深まる青春描写のバランスが絶妙。


『シェアーズ(2)』(つゆきゆるこ)

触れることで相手の記憶を共有する少年と気持ちを口に出すのが苦手な男性を描いた作品。
主役二人が交流を重ねていきそれぞれの人生が好転していくストーリー構成が爽やかで素敵。


『よふかしのうた(18)』(コトヤマ)

不眠症の少年と吸血鬼の少女との夜の街を舞台にした不思議な交流を描く物語。
主人公二人の気持ちがかみ合わないのが面白いし少女側のリアクションも可愛い。


『白山と三田さん(8)』(くさかべゆうへい)

田舎に住む地味な高校生カップルのちょっと変な交際の様子を描いた作品。
すっかり恋人同士が板についてお互いに尊重し合う主人公二人の関係性が素敵。


『恋愛代行(1)』(赤坂アカ/西沢5ミリ)

恋愛をリアルタイムでアドバイスしてくれるサービスに頼る男女の関係を描く物語。
存外親しみやすいキャラや暴走しがちなコメディ描写など赤坂アカ原作らしさたっぷり。


『令和のダラさん(3)』(ともつか治臣)

山に住まう異形の妖怪と彼女と仲良くなった人間の姉弟との交流を描くコメディ。
恐ろしい怪異や呪いの存在と能天気で気の抜けた掛け合いがアンバランスでユニーク。


『青野くんに触りたいから死にたい(11)』(椎名うみ)

死んで幽霊になった恋人を一途に愛し続ける女子高生を描いた純愛ホラー。
未熟な母親と無力な子供達の悲惨なやり取りが生々しく描かれており身につまされる。


『ダーウィン事変(6)』(うめさわしゅん)

人間とチンパンジーの間に生まれた「ヒューマンジー」の少年が主人公の物語。
主人公達の秘密やテロリスト集団の躍進など複数のお話が上手く制御されている。


『ひとりでしにたい(7)』(カレー沢薫/ドネリー美咲)

孤独死した叔母と同じ道を辿りたくない35歳の独身女性を描く物語。
本作のテーマである現代社会の生きにくさがストーリーを通して上手く描かれている。


『なおりはしないが、ましになる(3)』(カレー沢薫)

発達障害の検査やその特性と折り合いをつけながらの社会生活を描く体当たりレポ漫画。
発達障がいの当事者の生きにくさがひねくれた論理展開で面白おかしく言語化されている。


『脳梁ドッグファイト(1)』(常盤魚)

思わせぶりな幼なじみ女子に対して理性と本能がせめぎ合う男子の葛藤を描いたコメディ。
意地っ張りで見栄を張るけど内心は不安でいっぱいな主人公カップルがどちらも可愛らしい。


『街道あるくんです(1)』(竹本真/猪乙くろ)

江戸時代の幽霊女性を成仏させるために東海道を歩いて旅する会社員二人を描く作品。
ぶっ飛んでいる先輩キャラの個性が強烈でそれに振り回される主人公の姿が滑稽で楽しい。


『いろんな私が本当の私』(長嶋有、他)

小説家、長嶋有の短編などを6人の漫画家がコミカライズした作品集。
各漫画家が自身の個性をしっかり発揮して原作を漫画に落とし込んでいた。


『8月31日のロングサマー(2)』(伊藤一角)

ループする8月31日を抜け出すために関係を深めようとする男女を描いたラブコメディ。
コメディを中心に据えつつ初々しい恋愛描写もしっかり描いておりバランスが良い。


『ローズ ローズィ ローズフル バッド(4)』(いくえみ綾)

ゆるキャラ漫画が代表作のアラフォー女性漫画家が少女漫画を描くために奮闘する物語。
恋愛よりも仕事を優先してしまう主人公の心情にリアリティがある。心理描写も巧み。


『君と宇宙を歩くために(1)』(泥ノ田犬彦)

ヤンキーの少年と転校生のもう一人の少年、「普通」ができない二人を描く物語。
タイプは違うが類似の悩みを持ち、互いを尊重し合う二人の関係性がたまらなく愛おしい。


以上が11月発売の作品。以下はそれ以外。


『ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話(1)』(さとうはるみ)

仕事人間のアラフォー男性がビスクドール沼にどっぷりハマっていく物語。
美しいものに出会い新しい価値観に目覚めていく主人公の新鮮なリアクションが素敵。


『インターネット・ラヴ!』(売野機子)

面識もない一般人の韓国人男性をSNSで追いかける青年が主人公の物語。
恋の始まりからラストまで、ドラマティックなストーリーが単巻で綺麗にまとまっていた。