
2023年12月読んだ漫画をまとめます。
12月に読んだ漫画は74冊。ぼちぼち読めました。
以下で読んだ中のオススメ作品をピックアップします。
『ラーメン赤猫(6)』(アンギャマン)
個性的な猫達と1人の人間が働くラーメン屋さんを舞台にした物語。
人間以上にプロとしての意識高くラーメン屋の仕事に取り組む猫達が人間臭くて面白い。
『Thisコミュニケーション(11)』(六内円栄)
残酷非道な軍人の男と特殊な特性を持つ6人の少女達が人類の敵である怪物と戦う物語。
綿密に練り込まれたロジックとそれをひっくり返す外乱のバランスが相変わらず絶妙。
『オープンクロゼット(3)』(谷和野)
母親に捨てられた少年と貴族の少女を描くお話などを収録した読み切り集。
ふんわりとしていながらも芯のあるストーリーなどが組み合わさって上質。
『最果てのソルテ(3)』(水上悟志)
奴隷商人に売られた少女の壮大な冒険の旅を描くハイファンタジー。
シビアでロジカルなキャラ心理とそれを打ち崩す情熱など水上作品らしさが詰まっている。
『氷の城壁(7)』(阿賀沢紅茶)
人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
いよいよメイン4人の物語が本格的に始まっていきそうな雰囲気。
『チェンソーマン(16)』(藤本タツキ)
チェンソーの悪魔と同化した欲望に素直な男とある悪魔に憑りつかれた少女を描く物語。
欲望に任せたキャラクタの暴走や予測不能なストーリー展開など本作らしい。
『ノス&ザクロ』(ラリアット)
物静かな母親と天真爛漫な娘、二人の吸血鬼親子と周囲の人外達の交流を描く物語。
キュートな造形のキャラクタ達は大変魅力的で作者が好きなものを描いている雰囲気。
『贋 まがいもの(1)』(黒川裕美)
昭和を舞台に幽霊ばかりを描く売れない画家と二人の少女が贋作作りに手を染める物語。
主役3人の関係性を中心に温かくかつ切ないエモーショナルなストーリーが展開されている。
『開花アパートメント(1)』(飴石)
大正末期を舞台にあるアパートに住む秘密を抱えた変わり者を描く物語。
当時の人々のファッションや生活習慣などが作品内でしっかり描写されている。
『ダンジョン飯(13)(14)(完)』(九井諒子)
魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
独自の魅力を十二分に発揮し本作のラストとしてこれ以上ない見事な物語の畳み方。
『鍋に弾丸を受けながら(4)』(青木潤太朗/森山慎)
「治安の悪い場所の飯は上手い」をコンセプトに世界中を旅する美少女(?)を描く作品。
ロジカルで聡明な作者の思想をベースとした文章には安定感がある。
『ながたんと青と いちかの料理帖―(11)』(磯谷友紀)
客足の遠のいた料亭の跡取り女性とそこに婿養子に来た口の悪い青年が主人公の料亭物語。
困難に直面しながらも夫婦が協力し合って障害を乗り越えていくストーリー構成が素敵。
『葬送のフリーレン(12)』(山田鐘人/アベツカサ)
魔王を倒した勇者パーティの一人であるエルフが魔王なき世界のその後を辿るファンタジー。
主人公の勇者パーティへの想いを再認識させるトリッキーで面白いストーリー展開。
『ダブル(5)』(野田彩子)
天才肌の男性と彼をサポートする男性、協力して役作りをする俳優二人を描く物語。
活き活きと真に迫ったキャラクタの表情や感情表現の豊かさには目を見張るものがある。
『百姓貴族(8)』(荒川弘)
実家が北海道の農家で畜産高校出身である荒川弘先生による赤裸々農業エッセイ。
実体験や農業関係のトレンドをブレンドして面白おかしいエッセイに仕上がっている。
『焼いてるふたり(13)』(ハナツカシオリ)
BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。
親族や友人など夫婦周辺含めて温かな人間関係が形成されており読んでいてほっこりする。
『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(6)』(ナガノ)
マスコット的な可愛い生き物達の日常を描いた作品。
メルヘンながら食レポには妙なリアリティがありアンバランスで楽しい。
『レッドブルー(8)』(波切敦)
いじめられっ子だった少年がある理由から総合格闘技を始める物語。
格上に対して主人公がひねくれた思考回路で善戦している試合展開に説得力がある。
『一二三四キョンシーちゃん(1)』(つのさめ)
最新技術で作られたキョンシー少女と彼女と同居する小学生女子が主人公のコメディ。
可愛らしいキャラデザインと妙に冷静な掛け合いが独特の雰囲気。
『ただの飯フレです(2)』(さのさくら)
マッチングアプリで出会ったご飯を食べるためだけに集まる男女を描く物語。
男女の友情というテーマだけではないステレオタイプな価値観への疑問符が描かれている。
『ようこそ!FACT(東京S区第2支部)へ(1)』(魚豊)
契約社員で働く青年が人生を成功に導くために恋をしようと奮闘する物語。
ハッタリを利かせつつ説得力もある魚豊先生の作風と今回の題材がマッチしている。
『隣のお姉さんが好き(4)(完)』(藤近小梅)
中学二年生の男子と彼が好意を寄せる女子高生を描くラブコメディ。
少女側の考え方が少しずつ変化していき想いが通じ合うまで至る過程が丁寧に描かれていた。
『放課後ブルーモーメント(2)』(旗谷澄生)
真面目だけど要領の悪い女子と補習授業で一緒になった男子との交流を描いた作品。
少年少女のピュアな恋心やシチュエーション演出など少女漫画としてどの要素も高水準。
『じゃあ、あんたが作ってみろよ(1)』(谷口菜津子)
婚約者にフラれたステレオタイプな思考の男性が自分の価値観を見つめ直す物語。
主人公が現代的な考え方へアップデートを試みていくストーリー構成が良い。
『ダイヤモンドの功罪(4)』(平井大橋)
規格外の才能ゆえに野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
無垢だった主人公が周囲の意図を感じ取り自身を押し殺すようになった姿は身につまされる。
『らーめん再遊記(9)』(久部緑郎/河合単)
かつてはラーメン界のカリスマと呼ばれた男の人生の次のステージを描く物語。
ラーメン評論も興味深いし老害に関する批判の様なお話もロジカルで納得感がある。
『勇気あるものより散れ(5)』(相田裕)
明治の東京を舞台に不死の少女と死に場所を求める武士がある目的のために共闘する物語。
不死の一族と眷属達との絆が深い分残酷無情なストーリーがより引き立っている。
『描くなるうえは(2)』(蒲夕二/高畑弓)
陰キャと陽キャ、クラスで対極にいる漫画家志望の男女が疑似恋愛を試みるラブコメディ。
根底の考え方は近しい主人公二人が漫画創作に真摯に取り組む様子は健気で応援したくなる。
『ファミレス行こ。上』(和山やま)
合唱部の男子中学生がヤクザの男にカラオケレッスンを頼まれる物語の続編。
お得意のシュールなコメディは軽快で楽しくヤクザを中心とした妙な人間模様も面白い。
『アタックシンドローム類(4)(完)』(吉沢潤一)
強迫性障害などを抱えた主人公が自身の破壊衝動に従い悪を打つ物語。
壮絶なラストに向かって物語が加速していった最終巻の構成がすさまじかった。
以上が12月発売の作品、以下はそれ以外。
『ONE PIECE(107)』(尾田栄一郎)
「ひとつなぎの大秘宝」を求めて大海原を旅する麦わら海賊団の冒険を描く物語。
ダイナミックにお話が動く構成は物語が重厚に積み上げられた本作ならではの盤石な面白さ。