
2023年下半期まとめ記事、全3つ中の3つ目。好きだった表紙まとめ。
本記事では2023年下半期に私が読んだ約450冊の漫画の中で、特に表紙デザインが好きだったものを20作品ピックアップしました(順番はだいたい発売月順)。漫画選びの参考にして頂けますと幸い。漫画デザイン、細部まで凝ったものが多いので、皆さんも手元にある漫画表紙デザインを見直してみましょう。
『発達障害なわたしたち(1)』(町田粥)

ADHDの特徴がある漫画家と編集者が様々な発達障害の方々にインタビューするレポ漫画。
画面のあちこちに散らかったアイコンが発達障害の方々の特性を表していて面白い。
『ネコと海の彼方』(星期一回收日/陳巧蓉(巧ミャオ))

台湾を舞台に二人の少女の出会いと交流、その後を描いた物語。
画面やタイトルロゴ、作者クレジットなど全て90度傾いた大胆なデザイン。
『東東京区区』(かつしかけいた)

多様なルーツやバックグラウンドを持った三人組が東東京を街歩きする作品。
文字と背景、キャラクタを段組みにした構図やアムハラ語を採用しているのがユニーク。
『チェンソーマン(15)』(藤本タツキ)

チェンソーの悪魔と同化した欲望に素直な男とある悪魔に憑りつかれた少女を描く物語。
元より独創性の高い落下の悪魔のキャラデザインをさらにアーティスティックにした表紙。
『ヤニねこ(1)』(にゃんにゃんファクトリー )

チェインスモーカーで私生活が色々終わっている獣人女子の日常を描いた作品。
タバコの吸い殻が散らばり焦げた跡も見受けられる本作のだらしなさを表現した画面。
『セーフセックス(1)』(岩浪れんじ/森もり子)

初対面でホテルに行った社会人男女の恋模様を描く物語。
歓楽街のギラギラした電飾の雰囲気がタイトルロゴなどで上手く表現されている。
『叡智なビデオは好きですか?(2)(完)』(後藤羽矢子/玖珂ツニヤ)

レンタルビデオ屋の美人店員が男子大学生にヘンテコ企画のAVを紹介する作品。
作中に登場するAVのネタを詰め込んだ結果、カオスな画面に仕上がっている。
『冥天レストラン(1)』(鈴野スケ)

不慮の事故で死んだ御曹司が生き返るために冥界のレストランで働くことになる物語。
遺影の中に入れ込むことでキャラクタの独特のキャラデザインが更に引き立っている。
『フツーと化け物(1)』(篠月しのぶ/羽流木はない)

普通のグループに属したい少女とある秘密を抱えたクラスメイトとの関係を描いた物語。
上から見下ろすような独特の構図。歪んだローマ字ロゴもアクセントとして面白い。
『バットゥータ先生のグルメアンナイト(1)』(亀)

14世紀に中東やインドなどを旅した実在の人物をモデルにした物語。
『地球の歩き方』シリーズをオマージュした大胆なデザイン。
『この部屋から東京タワーは永遠に見えない 上』(麻布競馬場/川野倫)

現代日本の格差や嫉妬、生きづらさを描くタワマン文学と分類される小説のコミカライズ。
高層マンションの窓から東京の街を見下ろしたような画面表現がユニーク。
『人造人間100(4)(5)(完)』(江ノ島だいすけ)

優れた肉体を奪い取ろうとする人造人間達を憎む少年と彼と旅する人造人間を描く物語。
作中ラストでNo.100が見た景色を暗喩するような画面構成が面白い。
『吹部やめたい萩野さん(1)』(桃原)

陰キャでも青春がしたい主人公含む高校吹奏楽部の面々を描いたコメディ。
下部に余白を作る大胆なデザイン。音符を使ったタイトルロゴデザインも可愛い。
『インターネット・ラヴ!』(売野機子)

面識もない一般人の韓国人男性をSNSで追いかける青年が主人公の物語。
90度回転した画面や解像度の低いタイトルロゴのデザインなどユニーク。
『令和のダラさん(3)』(ともつか治臣)

山に住まう異形の妖怪と彼女と仲良くなった人間の姉弟との交流を描くコメディ。
神妙な顔をしたキャラクタが持っているのが遊び道具なのが本作の雰囲気を表していて良い。
『君と宇宙を歩くために(1)』(泥ノ田犬彦)

ヤンキーの少年と転校生のもう一人の少年、「普通」ができない二人を描く物語。
教室で宇宙遊泳しているような二人が作品のコンセプトを表していて素敵。
『裏バイト:逃亡禁止(11)』(田口翔太郎)

超常現象による命の危険がある裏バイトに勤しむ女子二人が主人公のホラー漫画。
これまでもホラー表現が強い表紙が多かった本作だがその中でもショッキングなデザイン。
『開花アパートメント(1)』(飴石)

大正末期を舞台にあるアパートに住む秘密を抱えた変わり者を描く物語。
陰影のない絵柄やロゴデザインなど大正っぽい雰囲気が演出されていて素晴らしい。
『一二三四キョンシーちゃん(1)』(つのさめ)

最新技術で作られたキョンシー少女と彼女と同居する小学生女子が主人公のコメディ。
吹き出しのついたタイトルロゴやシュールなキャラクタ達の動作など滑稽で可愛い。
『おじくんとめいちゃん(2)』(ナキエイドー)

半年前に連載が終了した仕事のない漫画家男性と彼を慕う姪っ子との交流を描く物語。
笑顔のキャラクタの顔だけを配置した大胆でインパクトのあるデザイン。