2023年の読んだ漫画まとめ記事、その2。縛りなしのオススメ作品50選。
※ランキングのレギュレーション
2023年内に紙の書籍が発売されたコミック
私が2023年に読んだ漫画は933冊。2019年が910冊を超えて自己ベストを更新しましたが1000冊には届かず…年間1000冊以上読める人は本当に尊敬する。
その中から特に面白かったものを50作品ピックアップしました。ランキング形式にしたので下に行くほどオススメです。皆さんの漫画選びの参考にして頂けますと幸いです。
50位『フールナイト(6)(7)』(安田佳澄)
死が迫る人々を植物に変える「転花」が普及した世界を舞台にした物語。
食い物にされる下流の人々の悲惨な人生や怒りの感情が真に迫っており素晴らしい。
49位『サチ録~サチの黙示録~(1)』(茶んた)
日々の行いに対する採点結果に人類滅亡の命運が託されたクソガキが主人公のコメディ。
メインキャラ3人の個性が上手くかみ合った賑やかなコメディはおバカな雰囲気で楽しい。
48位『セーフセックス(1)』(岩浪れんじ/森もり子)
初対面でホテルに行った社会人男女の恋模様を描く物語。
フィーリングの部分で好意を向け合っている二人の関係性が可愛らしい。
47位『私の百合はお仕事です!(12)』(未幡)
お嬢様学園のコンセプトカフェで働く少女達の人間模様を描く百合物語。
こじれていたキャラ関係に恋愛至上主義モンスターが投入されたことで混乱はより深まる。
46位『涙子さまの言う通り(1)(2)』(山本ルンルン)
カルト的な魅力を持ち人々を惑わす少女が主人公のホラーサスペンス。
新興宗教教祖の少女と彼女の謎を追う警察という対立構図が上手く働いており緊迫感がある。
45位『天狗の台所(2)(3)』(田中相)
14歳の1年間、隠遁生活を送る少年とその兄、天狗の末裔二人のスローライフを描いた作品。
食事を通したキャラ達の温かい交流が丁寧かつ誠実に描かれており読んでいて心地がいい。
44位『税金で買った本(6)~(9)』(ずいの/系山冏)
ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
主人公の素直な感性や知的好奇心が周囲に良い影響を与えていくストーリーが素晴らしい。
43位『SAN値直葬!闇バイト(1)』(ムクロメ)
金にがめつい貧乏少女が怪物のぬいぐるみを仕入れる怪しいバイトに勤しむコメディ。
クトゥルフ神話ベース設定の不穏さにパワフルなコメディのノリが負けていない。
42位『発達障害なわたしたち(1)』(町田粥)
ADHDの特徴がある漫画家と編集者が様々な発達障害の方々にインタビューするレポ漫画。
症例エピソードの言語化能力が高い。発達障害への理解を深める本としてよくできている。
41位『あかねさす柘榴の都(3)(完)』(福浪優子)
母親と死別し叔母のいるスペインのグラナダに移住した少年の日常を描いた作品。
少年と叔母、互いに影響し合いながら自分の居場所を見つけるストーリー構成が美しかった。
40位『すずめくんの声(1)』(路田行)
元恋人のことが忘れられない女性のもとに彼そっくりの声を持つ男性が現れる物語。
衝動的であったり流されがちな主人公の行動が危なっかしくてスリリングな読み味。
39位『Artiste(9)』(さもえど太郎)
腕はピカイチだけど気弱な料理人を中心に様々な職人達を描くパリが舞台の物語。
本巻のメインのエピソードは登場人物と作中作のキャラクタをリンクさせる構成が巧み。
38位『ビバリウムで朝食を(2)』(道満晴明)
街の七不思議の秘密を探る仲良し小学生3人組の少し不思議な冒険を描いた作品。
切ないながらも悲壮感はないストーリーなど、道満晴明作品らしい魅力たっぷり。
37位『天幕のジャードゥーガル(3)』(トマトスープ)
モンゴル帝国が猛威を振るう12世紀を舞台に奴隷の少女の数奇な運命を描く物語。
各キャラクタの思惑が複雑に絡み合うストーリーは重厚な読み味で素晴らしい。
36位『高校生家族(8)~(11)(完)』(仲間りょう)
両親と妹、ペットの猫と一緒に高校生活を過ごす少年の受難な日々を描いたギャグ漫画。
描き下ろしエピソード含め、スタイルの違う最終回が3種類準備された丁寧なエピローグ。
35位『ながたんと青と ―いちかの料理帖―(10)(11)』(磯谷友紀)
客足の遠のいた料亭の跡取り女性とそこに婿養子に来た口の悪い青年が主人公の料亭物語。
3組の夫婦の違った関係性と顛末は幸せと悲しみ、困惑が入り交じる複雑な様相。
34位『これ描いて死ね(3)(4)』(とよ田みのる)
漫画を読むのが大好きな少女とその仲間達を描く漫研部が舞台の物語。
プロを意識し始めた主人公が出した結論が漫画という媒体の多様性を肯定している。
33位『往生際の意味を知れ!((7)8)(完)』(米代恭)
7年前に振られた元カノに執着する男性と彼に奇妙な依頼をするその女性との関係を描く物語。
目まぐるしくキャラクタ達の攻守が入れ替わる展開が綺麗にまとまり大団円。
32位『映像研には手を出すな!(8)』(大童澄瞳)
それぞれ尖った能力を活かしてアニメーション制作に勤しむ女子高生達を描いた作品。
仲間達の結束とアニメーションのクオリティで表現規制を押しのけるストーリーは爽快。
31位『転がる姉弟(5)』(森つぶみ)
親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる物語。
姉弟や家族、友人達との温かい交流が美しく描かれており、皆たまらなく愛おしい。
30位『東京ヒゴロ(3)(完)』(松本大洋)
出版社を早期退職した漫画編集者の男と周囲の人々を描く物語。
各々の思想を持って漫画に対して誠実なキャラクタ達など、上質で美しい作品だった。
29位『レッドブルー(5)~(8)』(波切敦)
いじめられっ子だった少年がある理由から総合格闘技を始める物語。
度々周囲をドン引きさせる主人公の異常な思考回路が特異で面白い。
28位『ONE PIECE(105)~(107)』(尾田栄一郎)
「ひとつなぎの大秘宝」を求めて大海原を旅する麦わら海賊団の冒険を描く物語。
ダイナミックにお話が動く構成は物語が重厚に積み上げられた本作ならではの盤石な面白さ。
27位『葬送のフリーレン(10)~(12)』(山田鐘人/アベツカサ)
魔王を倒した勇者パーティの一人であるエルフが魔王なき世界のその後を辿るファンタジー。
主人公の勇者パーティへの想いを再認識させるトリッキーで面白いストーリー展開。
26位『トリリオンゲーム(6)~(8)』(稲垣理一郎/池上遼一)
世界一ワガママな男とPCオタク、二人の青年が1兆ドル稼ぐことを目指す物語。
リアリティとハッタリのバランスが絶妙なストーリーはエンタメとして最高峰。
25位『ローズ ローズィ ローズフル バッド(3)(4)』(いくえみ綾)
ゆるキャラ漫画が代表作のアラフォー女性漫画家が少女漫画を描くために奮闘する物語。
恋愛よりも仕事を優先してしまう主人公の心情にリアリティがある。心理描写も巧み。
24位『隣のお姉さんが好き(3)(4)(完)』(藤近小梅)
中学二年生の男子と彼が好意を寄せる女子高生を描くラブコメディ。
少女側の考え方が少しずつ変化していき想いが通じ合うまで至る過程が丁寧に描かれていた。
23位『米蔵夫婦のレシピ帳(1)(2)』(片山ユキヲ)
妻に先立たれた堅物な小説家の男性が妻の残したレシピ本を元に料理を作り記憶を辿る物語。
故人の思い出を通した交流の中での温かさと寂しさが入り混じる複雑な感情表現が見事。
22位『僕が恋するコズミックスター(1)』(縁山)
宇宙からやってきた少女とともにヒーロー活動をすることになった少年が主人公の物語。
主人公のヒーローとしての成長と少女の恋が並行するストーリー構成が素敵。
21位『いやはや熱海くん(1)(2)』(田沼朝)
顔が綺麗で男の人が好きで惚れっぽい男子高校生の日常を描く物語。
キャラクタ達の性格の描き分けが抜群に上手く実在する人間のようなリアリティがある。
20位『この復讐にギャルはいらない(1)(2)』(まの瀬)
人間不信の元殺し屋の少年と彼を慕う同じクラスのギャルとの交流を描いた作品。
絶妙にかみ合わない主要キャラ三人の思考や策略のチグハグ具合が上手く制御されている。
19位『夏目アラタの結婚(10)(11)』(乃木坂太郎)
児童相談所勤めの男性が死刑囚女性に獄中結婚を持ち掛けるラブサスペンス。
初期からここまでの物語が構想されていたことが感じ取れるよく練り込まれたストーリー。
18位『違国日記(10)(11)(完)』(ヤマシタトモコ)
両親を亡くした少女とその娘を引き取った小説家の叔母との共同生活を描く物語。
作品を通した主人公達の心理的な変化や交流の中で築かれた関係性が素晴らしかった。
17位『正反対な君と僕(3)~(5)』(阿賀沢紅茶)
素直になれない陽キャ女子と彼女が想いをよせる物静かな男子との交流を描いた作品。
周囲の評価に対する過剰な自意識や他人との距離感の悩みやなど若者の思考描写が巧み。
16位『スナックバス江(13)』(フォビドゥン澁川)
老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
絶妙なネタのチョイスやテンポの良い掛け合いなど、各要素全てのクオリティが高い。
15位『かわいすぎる人よ!(1)』(綿野マイコ)
容姿に自信がない少女と容姿端麗なおじ、同居する二人の生活を描く物語。
主人公二人の交流がたまらなく愛おしいし良い雰囲気が周囲に伝播する構成もハッピー。
14位『フラジャイル(25)(26)』(恵三朗/草水敏)
性格と口と人相が極めて悪い、病気の原因過程を診断する病理医が主人公の病院ドラマ。
医療ドラマや人情劇のクオリティは高く、それを支えるキャラクタ達も皆魅力的。
13位『好き好きだいちゅきつよつよソード(2)(完)』(ノッツ)
好意を寄せられると強くなる剣を持つ勇者と彼を慕う女性達とのいざこざを描いたコメディ。
灰汁が強すぎる変態達が好き放題暴れまわるコメディはこの上なく濃密で楽しい。
12位『アタックシンドローム類(3)(4)(完)』(吉沢潤一)
強迫性障害などを抱えた主人公が自身の破壊衝動に従い悪を打つ物語。
壮絶なラストに向かって物語が加速していった最終巻の構成がすさまじかった。
11位『放課後ブルーモーメント(1)(2)』(旗谷澄生)
真面目だけど要領の悪い女子と補習授業で一緒になった男子との交流を描いた作品。
少年少女のピュアな恋心やシチュエーション演出など少女漫画としてどの要素も高水準。
10位『劇光仮面(3)(4)』(山口貴由)
大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
本気で特撮に取り組んでいた主人公達が非現実と向き合うストーリーには緊迫感がある。
9位『ずっと青春ぽいですよ(1)』(矢寺圭太)
アイドル研究部のオタク男子達が陰キャながらも青春を謳歌するために奮闘する物語。
空回りしているようで自覚なく青春ど真ん中にいるキャラクタ達がキラキラ眩しい。
8位『放課後ひみつクラブ(1)~(3)』(福島鉄平)
エキセントリックな少女と冷静な少年が学園の秘密を探るコメディ。
漫画的表現を駆使したキャラクタ達の掛け合いはハイテンポで非常に楽しい。
7位『ダイヤモンドの功罪(1)~(4)』(平井大橋)
規格外の才能ゆえに野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
無垢だった主人公が周囲の意図を感じ取り自身を押し殺すようになった姿は身につまされる。
6位『ハイパーインフレーション(6)(完)』(住吉九)
贋金を出す能力を持つ少年の姉を助けるための奮闘を描く物語。
終盤の展開は本作らしいロジックとハッタリの応酬が繰り広げられており秀逸。
5位『国家心中 枝田作品集』(枝田)
傍若無人な名家の令嬢と自死から蘇った使用人を描くお話を含む作品集。
表題作が秀逸で二転三転するストーリー構成と主人公二人の関係性が素晴らしい。
4位『君と宇宙を歩くために(1)』(泥ノ田犬彦)
ヤンキーの少年と転校生のもう一人の少年、「普通」ができない二人を描く物語。
タイプは違うが類似の悩みを持ち、互いを尊重し合う二人の関係性がたまらなく愛おしい。
3位『スキップとローファー(8)(9)』(高松美咲)
自信家だけどちょっと抜けてる少女とクラスメイト達との交流を描いた物語。
高校生達が持つ繊細な心理の描き分けや交流の中に生まれる歪みの描写が秀逸。
2位『メダリスト(8)(9)』(つるまいかだ)
気弱な少女と熱血男性コーチのコンビがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
競技シーンの没入感、感情を揺さぶるストーリー構成など、どの要素をとっても圧巻。
1位『ダンジョン飯(13)(14)(完)』(九井諒子)
魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
独自の魅力を十二分に発揮し本作のラストとしてこれ以上ない見事な物語の畳み方。