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 2023年の読んだ漫画まとめ記事、その4。2023年に完結巻が出た作品紹介。

 2023年に完結巻が出た作品で(単巻完結のものは除く)私は読んだ作品は全部で66作品。完結作品にも目を向けて貰えればいいなぁと思ってまとめております。皆さんも、新規開拓に疲れてきたら、たまには完結作品にも目を向けてみましょう。
(紹介はだいたい発売日順)


『アクロトリップ』(全5巻)(佐和田米)

魔法少女と悪の組織、悪の組織の参謀として働く女子を主人公としたコメディ。
可愛らしい絵柄がドタバタと暴れまわるネタ密度の高いコメディスタイルが楽しかった。


『東京ふたり暮らし』(全2巻)(井上まち)

就職を期に徳島から上京してきたカップルの同居生活を描いた作品。
タイプが違うようで相性バッチリな二人の気の置けない関係性には可愛くって癒された。


『ミムムとシララ ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~』(全3巻)(佐藤夕子/端)

魔法学校の優等生少女二人が変身魔法の課題などのために様々な生物の性器を見に行く物語。
ファンタジー生物の生殖器のアイディアがバリエーション豊かだった。


『ふたりエスケープ』(全4巻)(田口囁一)

締切に追われる漫画家と無職の同居人、二人の女性の現実逃避の様子を描いた百合コメディ。
キュートな絵柄と愛らしいキャラクタがマッチしておりのんびりした心地よい雰囲気だった。


『君の戦争、僕の蛇』(全3巻)(中野でいち)

パートナーの血を吸い異形の姿で怪物と戦う少年と彼の相方の女性との関係を描く物語。
愛を証明するためにはどうすればいいかをトリッキーな形で問う構成はユニークだった。


『亜人ちゃんは語りたい』(全11巻)(ペトス)

吸血鬼などの亜人が集まる高校のクラスを舞台に亜人達の社会生活を描いた作品。
キャラエピソードや本作のコンセプトを丁寧に回収した贅沢なエピローグのような最終巻。


『地球から来たエイリアン』(全3巻)(有馬慎太郎)

地球とは別の惑星の居住環境を整えるため原生生物に手を加える人々を描く物語。
コンセプトはユニークな作品で各生物の生態もバリエーションに富んでいた。


『オカルト研は存在しない!!』(全3巻)(河原井優貴)

オカルトの復権を願う少女が部長のオカルト研の活動を描くコメディ。
パワフルなキャラが暴れまわるカオスな雰囲気のドタバタコメディを最後まで貫いていた。


『ミューズの真髄』(全3巻)(文野紋)

美大受験に落ちて失意の中で生きる女性が主人公の物語。
少女漫画と少年漫画のテンプレに乗っかりながらワザと外したストーリーがユニークだった。


『わたしは壁になりたい』(全3巻)(白野ほなみ)

恋愛感情がわからない腐女子と一途な片想いゲイの偽装結婚夫婦の生活を描く物語。
周囲の人々からの偏見をシビアに描きながら主人公二人らしい家族の形が提示されてた。


『とりま、風呂いかね?』(全3巻)(イシイ渡)

家業を嫌う銭湯を営む家庭の娘と大手スーパー銭湯チェーンの令嬢が主人公の風呂コメディ。
ぶっ飛んだSF設定など最後までヘンテコなテンションが維持されたまま走り切った。


『てるてる建設(株)』(全3巻)(安藤コウヘイ/馬渕朝子)

建設会社に入社した新卒女子が現場監督として働きながら仕事を学んでいく物語。
建設現場監督の仕事というニッチな題材を少年漫画らしいキャラクタや演出で描いていた。


『ベイビーブルーパー』(全3巻)(はるにわかえる)

青春恋愛映画を撮りたい男子とホラー映画を撮りたい女子が主人公の高校映画部コメディ。
個性豊かな可愛らしいキャラ達やナンセンス気味なギャグセンスなど最後まで楽しかった。


『殺し屋はスマートウォッチに逆らえない』(全2巻)(T長)

圧倒的な実力を持つがスマートウォッチの指示に振り回される殺し屋が主人公のコメディ。
バカバカしいことにも全力なキャラクタがパワフルに暴れまわる雰囲気が楽しい作品だった。


『リバイアサン』(全3巻)(黒井白)

隕石がぶつかり救援も来ない宇宙船に乗った修学旅行生達を描くSFサバイバル。
作者の描きたかったであろう要素を組み込みながら全3巻で綺麗に物語がまとまっていた。


『ハイパーインフレーション』(全6巻)(住吉九)

贋金を出す能力を持つ少年の姉を助けるための奮闘を描く物語。
終盤の展開は本作らしいロジックとハッタリの応酬が繰り広げられており秀逸。


『たたセン~からめる先生の奇妙な課外授業~』(全4巻)(広瀬べろせ)

EDに悩む教師カップルと彼らに巻き込まれた新任教師の奮闘を描くコメディ。
高い画力とバカバカしい展開で畳みかけるスタイルのアホエロコメディが貫かれていた。


『好き好きだいちゅきつよつよソード』(全2巻)(ノッツ)

好意を寄せられると強くなる剣を持つ勇者と彼を慕う女性達とのいざこざを描いたコメディ。
灰汁が強すぎる変態達が好き放題暴れまわるコメディはこの上なく濃密で楽しい。


『きつねとたぬきといいなずけ』(全3巻)(トキワセイイチ)

会社員男性と親の約束で彼と許嫁になったキツネとタヌキのコンビとの交流を描く物語。
ゆるふわコメディからのヘビーでダークな世界観が明らかになる終盤は強烈だった。


『河畔の街のセリーヌ』(全3巻)(日之下あかめ)

19世紀のパリを舞台に情動の薄い少女がお針子や女中など様々な職業を体験していく物語。
当時の人々の生活や思考などまで作中で描こうとしており題材に対して誠実。


『リトルホーン~異世界勇者と村娘~』(全2巻)(額縁あいこ)

勇者に憧れる少女と彼女の親友のもう一人の少女との冒険を描く異世界物。
転生者 vs 異世界民の構図やグロテスクな設定など、オリジナリティが高い作品だった。


『おとなりに銀河』(全6巻)(雨隠ギド)

漫画家男性とミステリアスなアシスタント女性との不思議な関係を描く契約ラブコメディ。
ハッピーエンドを迎えた後の各人の動向を1巻描けて描いてくれるのは誠実な印象。


『高校生家族』(全11巻)(仲間りょう)

両親と妹、ペットの猫と一緒に高校生活を過ごす少年の受難な日々を描いたギャグ漫画。
描き下ろしエピソード含め、スタイルの違う最終回が3種類準備された丁寧なエピローグ。


『ふきよせレジデンス』(全2巻)(谷口菜津子)

生きづらさを抱えた3人とコンビニ店員の女性との同じアパート内の交流を描いた物語。
ポップな絵柄や現代日本を生きる人々の姿など、谷口菜津子作品らしい魅力たっぷり。


『雑貨店とある』(全5巻)(上村五十鈴)

イートインスペースにて旬の食材を使ったスイーツが楽しめる雑貨店を舞台にした群像劇。
主人公が雑貨店のバイトと店長との出会いから人間的に成長していく構成が綺麗だった。


『平家物語夜異聞』(全3巻)(黒崎冬子)

平安時代にタイムスリップした高校生男女が平徳子と源義経に成り代わり対立する物語。
荒唐無稽なコメディ中心に実際の歴史が進む雰囲気はかなりカオスであった。


『GLITCH - グリッチ -』(全4巻)(シマ・シンヤ)

とある街に引っ越してきた姉妹とその友人達が街に潜む奇妙な影の正体を探る物語。
ミステリアスな世界観の謎を残したまま幕が閉じたのは想像の余地が残っており良い感じ。


『あかねさす柘榴の都』(全3巻)(福浪優子)

母親と死別し叔母のいるスペインのグラナダに移住した少年の日常を描いた作品。
少年と叔母、互いに影響し合いながら自分の居場所を見つけるストーリー構成が美しかった。


『デンタルクエスト』(全5巻)(箸井地図/セキ アトム)

「日本の歯科医療を変える」と豪語する歯科衛生士の女性を主人公にした歯科物語。
医院の経営などシビアな面も描いていく姿勢は最後まで貫かれており好感が持てた。


『おとなのずかん改訂版』(全3巻)(イトイ圭)

友人の子供を譲り受けた男性とその子供、なりゆきで彼と結婚した女性との生活を描く物語。
家族の形を模索していくストーリーには強いメッセージ性が込められていた。


『空っぽの少女と虹のかけら』(全3巻)(紀ノ目)

感情のない無欲な少女が迷い込んだ異世界で謎の青年と旅をするファンタジー作品。
主人公の変化と美しいエピローグまで、全3巻で綺麗にまとまっていた。


『重版出来!』(全20巻)(松田奈緒子)

出版社の漫画編集を中心に漫画に携わるプロフェッショナルを描くお仕事漫画。
心配だった中田先生が最終話の心境に至れたことは見守ってきた読者としては万感の思い。


『潮が舞い子が舞い』(全10巻)(阿部共実)

とある高校の個性豊かなクラスメイト達の交流を描く群像劇。
阿部共実作品らしいセンスの掛け合いや人間味溢れるキャラクタ達は最後まで魅力的だった。


『違国日記』(全11巻)(ヤマシタトモコ)

両親を亡くした少女とその娘を引き取った小説家の叔母との共同生活を描く物語。
作品を通した主人公達の心理的な変化や交流の中で築かれた関係性は美しかった。


『わたしの武器を仕込んだら』(全2巻)(オガワサラ)

可愛い下着を身に着けるなど自身の気分を盛り上げて日々を乗り切る女性達を描いた作品。
下着ネタと自分の機嫌をとるアイテム、販売員のお仕事物などのモチーフがユニークだった。


『叡智なビデオは好きですか?』(全2巻)(後藤羽矢子/玖珂ツニヤ)

レンタルビデオ屋の美人店員が男子大学生にヘンテコ企画のAVを紹介する作品。
作品を紹介するプレゼン力や軽快な掛け合いなどコメディとして楽しい作品だった。


『往生際の意味を知れ!』(全8巻)(米代恭)

7年前に振られた元カノに執着する男性と彼に奇妙な依頼をするその女性との関係を描く物語。
目まぐるしくキャラクタ達の攻守が入れ替わる展開が綺麗にまとまり大団円。


『地元のもみぢ』(全2巻)(葉野宗介)

下町情緒あふれる商店街を舞台に小学生コンビが暴れまわる様子を描いた作品。
老若男女問わず、様々な立場の人々が交流する人情味溢れるコミュニティの描き方が素敵。


『桃太郎殺し太郎』(全3巻)(成瀬乙彦)

鬼の軍勢に対して人間軍の指揮をとる桃太郎達との戦いを描いた物語。
荒々しい作画とダイナミックな戦闘シーン、正義と悪の区別がつかない設定などユニーク。


『あなたはだんだん好きになる』(全2巻)(芦垣丁)

オカルト好き少女と彼女に振り回される男子、二人きりのオカルト研の活動を描くコメディ。
催眠というテーマに絞ってオカルト研活動を描くというアプローチは斬新だった。


『犬とサンドバッグ』(全2巻)(尾崎かおり)

故郷の小さな島に帰ってきた女性とある秘密を抱えた島の少年との交流を描いた作品。
人生を諦めていた二人が新たな道を歩み始めるまでのストーリーが綺麗にまとまっていた。


『ダーウィンクラブ』(全6巻)(赤戸アオ)

世界を牛耳る大企業を標的にしたテロリスト集団の謎に迫る刑事が主人公のサスペンス。
主人公の復讐劇とカルト組織の活動が上手くリンクしたストーリーだった。


『血の轍』(全17巻)(押見修造)

息子に対して異常な愛情を向ける母親と彼女に縛られる息子を描いたサイコサスペンス。
異様な親子二人の関係性を生涯に渡って描いてきた本作として美しい物語のまとめ方。


『ドランク・インベーダー』(全4巻)(吉田優希/Rootport)

酒の力で異世界征服を企む日本政府とそれを阻止しようとする酒好きの青年を描く物語。
アルコールという題材を活かしたストーリーやキャラクタ同士の駆け引きなど魅力的だった。


『メゾン・ド・レインボー』(全2巻)(榎屋克優/レインボー)

変な人々に絡まれがちな平凡な会社員男性の受難な日々を描いた作品。
エッジの立ったキャラクタ達の奇行はやりすぎな部分もあったが楽しかった。


『くらげと珊瑚』(全2巻)(仲藤ぬい)

天真爛漫すぎる双子の妹を疎ましく思う少女と想い人の男子との交流を描いた作品。
妹に対する姉のコンプレックスを上手く活かして男子側との恋愛も成就し綺麗に完結。


『君は放課後インソムニア』(全14巻)(オジロマコト)

高校の天文部を舞台に不眠症という共通の悩みを持つ男女を描く物語。
主人公二人がお互いの大切さを確認し合う会合のシーンは本作の集大成としてふさわしい。


『竜と勇者と配達人』(全9巻)(グレゴリウス山田)

中世ヨーロッパの社会制度が落とし込まれたファンタジー世界を描くコメディ作品。
魔術と近代化する社会の対立、ワチャワチャした雰囲気は最後まで本作らしかった。


『搾精病棟 全年齢版』(全4巻)(搾精研究所/あおむし)

奇病に侵された少年と彼の射精を介助することになった看護師達を描く物語。
ヘンテコ個性の医療関係者達がハチャメチャに暴れまわるスタイルは面白かった。


『ラブらず 恋が分からない男女の話』(全2巻)(梅里汐)

恋に憧れはあるけど恋愛感情がわいてこない似たもの同士男女の交流を描く物語。
社会通念化した恋愛ベースの人間関係に対して疑問符を投げるコンセプトがユニーク。


『うみそらかぜに花』(全4巻)(大石まさる)

両親の再婚で兄妹となった中学生男女二人を主人公にした物語。
画面狭しと暴れまわるキャラクタ達にはエネルギッシュな魅力があった。


『東京ヒゴロ』(全3巻)(松本大洋)

出版社を早期退職した漫画編集者の男と周囲の人々を描く物語。
各々の思想を持って漫画に対して誠実なキャラクタ達など、上質で美しい作品だった。


『人造人間100』(全5巻)(江ノ島だいすけ)

優れた肉体を奪い取ろうとする人造人間達を憎む少年と彼と旅する人造人間を描く物語。
人類と人造人間という二つの種が絶対に分かり合えないというテーマが一貫していた。


『虎鶫 とらつぐみ TSUGUMI PROJECT―』(全7巻)(ippatu)

廃墟と化した日本を舞台に秘密兵器の謎を調査する死刑囚達と異形の少女を描く物語。
世界観やデザイン、緻密に描き込まれた背景などオリジナリティが高い作品だった。


『ザ・ファブル The second contact』(全9巻)(南勝久)

元「殺しの天才」の男とその周囲の裏社会の人々を描く物語。
殺さない誓いを立てた主人公達が裏社会を生きる上での不自由さの描き方はユニークだった。


『ニックとレバー』(全3巻)(ミヤタキョウゴロウ)

陽気でポジティブな外国人男性二人組が様々な騒動を巻き起こすショートギャグ漫画。
ナンセンスなショートギャグを畳みかけるように繰り出すスタイルはスピード感があった。


『宇宙の音楽』(全3巻)(山本誠志)

トランペット奏者を親に持つ喘息持ちの少年が高校の吹奏楽部で新たな夢を追いかける物語。
指揮者が個性的な面々を制御し一つの演奏を作り上げる、というコンセプトは描けていた。


『おとなになっても』(全10巻)(志村貴子)

バーで偶然出会ってお互い惹かれ合う30代女性二人の恋と葛藤を描く百合作品。
各キャラクタ達の心理面や社会的な立場も収まるところに収まって綺麗に大団円。


『おつれあい』(全3巻)(安堂ミキオ)

無愛想で思考が読めない夫と彼の妻を中心とした人間模様を描いた作品。
主人公夫婦が新たな家族の形を作っていくストーリー構成が綺麗にまとまっていた。


『願いを叶えてくれない魔人』(全2巻)(ナラボン)

持ち主の無茶な願い事に正論で返して願いを叶えてくれないランプの魔人を描いたコメディ。
主人公の成長と幼なじみ女子とのラブコメ、どちらのストーリーも上手くまとめで大団円。


『ココロのプログラム』(全4巻)(中村ひなた)

父親を亡くした少年と心を学習するために居候するロボットの少女との交流を描く物語。
人間とロボットの叶わない悲恋とそれに対する回答を最後まで描き切って綺麗に完結。


『兎山女子高校2年1組!!』(全3巻)(清水幸)

女子高に勤める男性教員と生徒達との交流を描いたコメディ。
女子高生達のリアリティのある言動やそれを見守る教員の矜持などは上手く描けていた。


『ダンジョン飯』(全14巻)(九井諒子)

魔物を調理して食べながらダンジョン深部を目指す冒険者一行を描いたファンタジー。
独自の魅力を十二分に発揮し本作のラストとしてこれ以上ない見事な物語の畳み方。


『ごくちゅう!』(全4巻)

お野菜所持で捕まった女性と同部屋の4人との塀の中生活を描く獄中コメディ。
外部との面会や処遇など、刑務所生活が入所から出所まで一通り描かれていた。


『隣のお姉さんが好き』(全4巻)(藤近小梅)

中学二年生の男子と彼が好意を寄せる女子高生を描くラブコメディ。
少女側の考え方が少しずつ変化していき想いが通じ合うまで至る過程が丁寧に描かれていた。


『アタックシンドローム類』(全4巻)(吉沢潤一)

強迫性障害などを抱えた主人公が自身の破壊衝動に従い悪を打つ物語。
壮絶なラストに向かって物語が加速していった最終巻の構成がすさまじかった。