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 2024年1月読んだ漫画をまとめます。

 1月に読んだ漫画は57冊。昨年までの月最低60冊縛りはやめたので少し気が楽に。

 以下で読んだ中のオススメ作品をピックアップします。


『姫様"拷問"の時間です(13)』

バーニャカウダやハヤシライスなど様々な拷問を受ける囚われの姫を描いたコメディ。
「拷問」や「囚われの姫」という概念がねじれたネタは引き続きバリエーション豊かかつバカバカしくて楽しい。登場する料理も相変わらずどれも美味しそう。


『氷の城壁(8)』

人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
露呈した事実とすれ違う気持ちが原因で心地よかった4人の関係性が崩れていく様子は身につまされる。こじれてしまったキャラクタ達の関係性をどのようにまとめてくれるかハラハラドキドキ。


『悪役令嬢転生おじさん(6)』

乙女ゲームの主人公敵対お嬢様キャラに異世界転生したおじさんを描くコメディ。
主人公の気遣いが意図せぬ形とはいえ周囲に認められていく構図に安心感がある。メタ設定とファンタジー世界観の組み合わせたストーリーも良く練り込まれている。


『僕が恋するコズミックスター(2)』

宇宙からやってきた少女とともにヒーロー活動をすることになった少年が主人公の物語。
躍動感のあるキャラクタの動きやちょっと理屈っぽい掛け合いなどユニークな雰囲気。ヒーロー活動という主目的と恋の間で揺れ動くヒロインも可愛い。


『かさねと昴(3)』

女装が趣味な会社員男性と彼の同僚の女性との交流を描く物語。
現実感のある仕事の失敗シーンや恋人に対する本音と建て前など、キャラクタ達の言動にリアリティがある。女装男子というテーマは土台としてあるものの、それに限らず社会人恋愛物として丁寧な仕上がり。


『スルーロマンス(3)』

恋愛脳で衝動的な女性と真面目で慎重派なもう一人の女性、対照的な二人を描く物語。
恋人ではなくても同居する男女など現代における先端的な価値観も作中にありつつ、それでも恋愛にすがってしまうキャラクタを描くあたりバランスが取れており素晴らしい。


『アフターゴッド(6)』

「神」により日本列島の半分が占拠された日本を舞台に神に復讐を誓う少女を描く物語。
神同士の内紛や対抗する物の存在をほのめかすことにより作品初期では絶対的な存在だった神々に弱ささえも感じさせるようなストーリーの組み立て方が素晴らしい。


『推しが武道館いってくれたら死ぬ(10)』

熱狂的な地下アイドルオタと推しアイドル達との交流を描いたコメディ。
人気メンバーの引退というアイドル物の作品において重要なイベントが、当人とグループメンバー達、オタク達のそれぞれの立場で丁寧に描かれていた。


『ふみちゃんの楽園(2)(完)』

スランプ中の小説家の女性と同居する男性との性行為含む生活を描いた作品。
自身の人生や生き方に思い悩んでいた主人公が男性との幸せな生活の中で自分を見つめ直して新たな道を踏み出していくストーリー構成が全2巻で綺麗にまとまっていた。


『私の百合はお仕事です!(13)』

お嬢様学園のコンセプトカフェで働く少女達の人間模様を描く百合物語。
友人関係から一歩踏み出すことへの恐怖など普遍的な恋愛における思考回路が上手くストーリーに乗せられており濃密な読み味。こじれた人間関係がどこに向かっていくか楽しみ。


『エロチカの星(3)』

さえない漫画家志望の男性と謎の美少女がコンビを組んでエロ漫画家のトップを目指す物語。
仕事の上での相方だったはずの主人公に対して恋の意識が芽生えて慌てふためくヒロインがキュート。素っ頓狂でちょっと外したコメディの雰囲気も独特で楽しい。


『ドッグスレッド(1)』

夢が潰えたフィギュアスケータの少年がアイスホッケーに舞台を移して戦う物語。
エッジの利いたパワフルなキャラクタ達が魅力的で彼らがぶつかり合いながらもお互いを認め合っていくストーリーも熱い。競技シーンを盛り上げる画面やページ演出も巧み。


『スナックバス江(14)』

老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
本流の隙間を攻めるような独特の話題選びにゲスながら憎めないキャラクタ達、センス溢れるハイテンポな掛け合いなど、コメディとしてどの要素も一級品で素晴らしい。


『松かげに憩う(4)』

幕末の日本を舞台に、吉田松陰と彼の元に集う歴史の偉人達を描く物語。
幕末の混乱の最中、迷いとまどいながらも自身の信じる正義のために戦い散っていった若者達の姿が美しい。狂気もはらんだエネルギッシュなキャラクタ達は雨瀬シオリ作品らしい。


『ダンピアのおいしい冒険(6)(完)』

いわゆる海賊船に乗り込み太平洋を旅する好奇心旺盛な男を主人公にした物語。
作者の確かな歴史に関する知識をベースに17世紀当時の世界を旅する人々の姿が丁寧に描かれていた。最終話の主人公の決断も現代の価値観では残酷だが本作らしい。


『ウサギのプリンセス』

ウサギの国を統べる女王と周囲の動物達との交流を描いたコメディ。
キュートな絵柄にメルヘンで可愛い世界観ながら時々毒も漏れ出てくる独特の雰囲気が楽しい。キャラクタ達の掛け合いも軽快でストレスなく読めるのでコメディとしてクオリティが高い。


『ニセモノの錬金術師(1)』

チートスキルで錬金術師を演じる転生者の男性と彼が買った奴隷の少女を描くファンタジー。
独特のファンタジー設定はしっかり作り込まれており重厚な世界観が楽しめる。素直で誠実な主人公に毒気を抜かれていくヒロインのデレ具合も可愛い。


『バーナード嬢曰く。(7)』

似非読書家の女子高生とその読書家友人達との掛け合いを描いた読書あるあるコメディ。
好きなものに対する情熱が強すぎてめんどくさい読書家心理がロジカルかつ的確に描写されている。メイン二人のお互いを尊重し合う関係性も可愛くって尊い。


『シメジ シミュレーション(5)(完)』

2年間の引きこもり生活で頭からしめじが生えてきた少女を主人公にした作品。
ゆる日常4コマから全人類を巻き込んだ壮大なSFへと変貌していった構成には驚かされた。自己と他者の境界など哲学的な思考を果敢に描こうとした意欲的な作品でした。


『放課後帰宅びより(1)』

帰り道にロマンを求めるハイパー帰宅部の主催者女子と彼女に巻き込まれた少年を描く物語。
大きなイベントはなくても何となく楽しい帰宅部活動の雰囲気が作中から伝わってきて心地よい。メリハリ効いて時に激しいコメディ描写にも安定感がある。


『この復讐にギャルはいらない(3)』

人間不信の元殺し屋の少年と彼を慕う同じクラスのギャルとの交流を描いた作品。
コメディシーンでもシリアスシーンでも遠慮なくパロディネタをぶち込んでくるスタイルによって本作独特のシュールな雰囲気が形成されており興味深い。


『とくにある日々(4)』

女子高生二人とその周囲の人々のちょっとヘンテコなやり取りを描いた日常コメディ。
常人ではネタにしようと思わない題材を取り上げてお話に組み込むスタイルは非常にユニーク。ヘンテコへの許容度が高いキャラクタ達のノリの良さも妙な空気感で面白い。


『いっていっぱいいって』

性に対する認識が明後日の方向にずれた女子達の会話劇を描いた下ネタギャグオムニバス。
ずれた倫理観や貞操観念に関するネタのバリエーションが豊富で作者の発想力に毎度感心させられる。ヘンテコな女子に振り回される男子の姿が滑稽。


『ふたりで木々を』

木を抜くことを生業にしようとする娘など、奇妙な思考回路を備えた女子達を描くオムニバス。
独自のルールや価値観に従うキャラ達の言動は不条理ではあるが懸命な彼女らに妙な親しみも感じる。平方イコルスン作品でしか味わえないオンリーワンな雰囲気。


以上が1月に読んだ作品。以下はそれ以外。


『佐々田は友達(1)』

人づきあいが苦手な陰キャ少女とクラスの中心のパリピ少女、二人の少女の交流を描いた作品。
繊細な心理に対する描写が詳細で、主人公二人が互いが互いに抱いている感情への共感性が高い。対照的な二人の生き方や考え方を上手く描き分けている。