2024年4月読んだ漫画をまとめます。
4月に読んだ漫画は56冊。60冊弱のペースはキープ。
以下で読んだ中のオススメ作品をピックアップします。
『呪術廻戦(26)』
社会に潜んだ呪いを祓う呪術師と呪霊との戦いを描く物語。
本作における呪術の設定は相変わらず作者の独りよがり感が強いが、作中最重要キャラを退場させる思い切った展開は強烈。今後、この絶望的なシチュエーションをどのように活かしてくれるか楽しみ。
『続テルマエ・ロマエ(1)』
温泉を通じて古代ローマから現代日本にタイムスリップする浴場技師が主人公の物語。
古代ローマ人が日本の風呂文化に感銘を受けて自国に持ち帰り評価を得るという構成は相変わらず面白い。話間の舞台となった実在温泉の解説文も興味深い内容。
『チェンソーマン(17)』
チェンソーの悪魔と同化した欲望に素直な男とある悪魔に憑りつかれた少女を描く物語。
作画の荒れはやや気になるレベルではあるものの、キャラクタの心理をかき回した後にそれを一気に暴走させるストーリー構成などは相変わらずオンリーワンの魅力がある。
『ふつうの軽音部(1)』
邦楽ロック好きの少女が高校入学を期にギターを買って軽音部に入部する物語。
音楽への興味だけでなく友情や恋愛などそれぞれの理由で軽音部に所属するキャラクタ達の心理が等身大でリアリティがある。舞台は狭いが動きのあるストーリー構成も素晴らしい。
『サチ録~サチの黙示録~(2)』
日々の行いに対する採点結果に人類滅亡の命運が託されたクソガキが主人公のコメディ。
憎まれ口をたたき合いながらも互いを想い合うメインキャラ3人の関係性に癒される。キャラクタが好き放題暴れまわる賑やかなコメディの雰囲気も楽しい。
『Dr.STONE(27)』
全人類が石化した3000年後の世界を科学の力で復興しようとする人々を描いた物語。
前巻で完結した本作ながら正式な続編ストーリーであり、本作らしいテクノロジーへの敬意や少年漫画的ハッタリ、賑やかなキャラクタ達の掛け合いの魅力は健在で、綺麗に2度目の完結。
『ずっと青春ぽいですよ(2)』
アイドル研究部のオタク男子達が陰キャながらも青春を謳歌するために奮闘する物語。
時に空回り大失敗しつつも若さと情熱で突き進んでいくキャラクタ達がキラキラ眩しくって素敵。その情熱が周囲に伝播していくストーリーも気持ちいい。
『ひらやすみ(7)』
のんきなフリーター男性と大学進学で上京してきた女子との平屋での共同生活を描く物語。
キャラクタ達のスローでハッピーな交流をメインに描きながらも、各人のシビアな人生の転機もしっかり配置されているストーリー構成はメリハリが効いている。
『あのときのこどもさん(1)』
1990年代に小学生だった作者が平成初期のカルチャーなどの思い出を描くエッセイ風漫画。
作者の実体験をもとにした90年代のホビーやカルチャー描写はある時代の記録としても興味深い内容。当時の小学生達の思考も解像度高く詳細に描かれており面白い。
『星のラブドール(2)』
性知識が全くない小学生高学年男子と心を持ったラブドールとの交流を描く物語。
人間の少年とラブドール少女の決して叶わない悲恋がドラマティックなストーリーを通して描かれていた。全2巻で物語は美しくまとまっており読後の余韻が素晴らしい。
『すずめくんの声(2)』
元恋人のことが忘れられない女性のもとに彼そっくりの声を持つ男性が現れる物語。
めんどくさい思考回路を持ったキャラクタ達が皆人間味に溢れており、各人が自身に折り合いをつけていく描き方も素敵だった。コミカルな心理描写もキュートだった。
『地元最高!(5)』
イリーガルなアングラ世界を生きる女の子達のすさんだ日常を描く物語。
これまで舞台だった地域を飛び出し、隣町や警察組織における違った種類のならず者達が登場していくストーリー構成は物語の広げ方として上手い。特に倫理観ゼロの警察キャラの横暴っぷりは強烈。
『葬送のフリーレン(13)』
魔王を倒した勇者パーティの一人であるエルフが魔王なき世界のその後を辿るファンタジー。
過去を振り返りながらノスタルジックに浸るエピソードを描きつつ現代に繋がる伏線を撒いていく本作らしい構成がスムーズ。まだまだ作品世界が広がりそうな雰囲気。
『霧尾ファンクラブ(4)』
クラスメイトの男子が好きすぎて奇行に走る女子二人を描いた片思いコメディ。
意中の男子との距離が近づいても相変わらず暴走し続ける主人公二人の掛け合いがコミカルで楽しい。その一方で二人の関係性も変わり始める演出もエモーショナルで素敵。
『一級建築士矩子の設計思考(3)』
一級建築士として独立したての女性を主人公に建築士の業務を描いた作品。
特徴的な建物や建設現場から設計ネタにつなげていくストーリーが建築士の職業病っぽくて面白い。設計ネタ自体も身近なようで知らないことも多くて興味深い。
『スイリ先生、はしたないっ!(2)』
推理を傲慢ではしたない行為とみなしている女性教員が学校で起こる事件を解決する探偵物。
軽めの推理要素をアクセントにしたストーリーは程よいサプライズが用意されており構成が上手い。個性豊かで癖の強いキャラクタ達も魅力的。
『大きくなったら女の子(1)』
生まれは皆男で体格に恵まれた人間が女へと変化する世界を舞台にした物語。
現実社会における男女それぞれに対する様々な偏見をミックスしたような設定は非常に独特。唯一無二の世界観であり今後どのような方面に広げていくかも楽しみ。
『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん(11)』
邦画好きな女子高生が賛否両論ある邦画を紹介する映画コメディ。
最新映画から過去の問題作まで邦画のネタ要素を面白おかしく紹介する手腕が巧みかつバリエーションも豊か。オタクあるあるネタも共感性が高いものが多い。
『H村へようこそ!(1)』
触れてはいけない因習の気配が漂う田舎に引っ越してきた都会の少女が主人公の物語。
キュートなキャラクタ達の平和な日常生活と不気味で排他的な村の因習描写が混在しておりバランスが絶妙。村の全様が少しずつ明らかになっていくストーリー構成も巧み。
『トリリオンゲーム(9)』
世界一ワガママな男とPCオタク、二人の青年が1兆ドル稼ぐことを目指す物語。
次々ステージがジャンプアップしてスケールが大きくなるストーリーに爽快感がある。宿敵との共闘や袂を分かつ主人公二人などの各キャラクタ描写も強度が高い。
『らーめん再遊記(10)』
かつてはラーメン界のカリスマと呼ばれた男の人生の次のステージを描く物語。
作中におけるトップクラスの強者である芹沢も一目置く男の登場は盛り上がる展開であり、かつ彼の致命的な弱点を匂わせる描写を単行本の引きにするのも上手い構成。
『劇光仮面(5)』
大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
己の信念を貫こうとするキャラクタ達の熱量や悲劇も含め濃厚な人間ドラマ、息をつく暇もないストーリー展開、緊迫感溢れる画面演出は圧巻。唯一無二の山口貴由ワールドは面白さ天井知らず。
以上が4月に発売の作品。以下はそれ以外。
『ドラゴン養ってください(1)』
一人暮らしの大学生男子とプライドの高いドラゴンとの奇妙な同居生活を描いたコメディ。
鋭いツッコミが特徴的な掛け合いは軽快なリズムで楽しい。妙に見栄っ張りなドラゴンが人間達の文化を小ばかにしながらも溶け込んでいく様子も滑稽で面白い。
『ONE PIECE(108)』
「ひとつなぎの大秘宝」を求めて大海原を旅する麦わら海賊団の冒険を描く物語。
これまで蓄積されてきたストーリーを活かしながら規模の大きいイベントが次々起こっており勢いは衰え知らず。ずっと謎だった設定の核心に迫る重要キャラの過去編も重厚な読み味。
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