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 2024年6月読んだ漫画をまとめます。

 6月に読んだ漫画は60冊。ぼちぼち読めてます。

 以下で読んだ中のオススメ作品をピックアップします。


『放課後ひみつクラブ(5)』

エキセントリックな少女と冷静な少年が学園の秘密を探るコメディ。 
コミカルでハイテンポな掛け合いが繰り広げれるコメディスタイルは読んでいて気持ちいい。単話で完結しない続き物の話もでてきておりストーリーも動いていきそうな雰囲気。


『超巡! 超条先輩(1)』

超能力で捜査を行う嫌われ者の警官と彼の相棒となった新米警官が主人公のコメディ。
ひねくれたキャラクタ達や言語センス溢れる鋭いツッコミ、キュートなキャラ造形、まとまりのよいお話の構成など、コメディとして高クオリティで安定しており素晴らしい。


『ふつうの軽音部(2)』

邦楽ロック好きの少女が高校入学を期にギターを買って軽音部に入部する物語。 
挫折を経験してもひねくれず周囲からの嘲笑さえもエネルギーに変える主人公の前向きな姿勢が素敵で応援したくなる。男女のいざこざやなどの人間関係も何だかリアルで面白い。


『ゴーストフィクサーズ(1)』

GHOSTと呼ばれる非現実的現象を調査・管理する校正官達の戦いを描く物語。
拡張性が高そうな設定や行動力のあるキャラ達、スタイリッシュな戦闘シーンなど少年漫画らしくて魅力的。主人公二人がバディになっていく構成や謎めいた過去の見せ方も素敵。


『光が死んだ夏(5)』

姿形そのままに何者かと入れ替わった友人と今まで通りの生活を続ける少年を描く物語。
物語の全景が徐々に明らかにいなっていくにつれて主人公二人の奇妙な依存関係もありありと感じられて面白い。人間とは価値観が全く異なる人外側が思い悩む様子もユニーク。


『撮るに足らない(1)』

カップルチャンネルのエロ動画で稼ごうとする恋人未満の大学生二人を描いたラブコメディ。
男子側の性癖のクセが強く、それをグイグイ主張されて拒絶しつつもまんざらではない女子側、という構成が面白い。エッチなシーンがしっかりエッチなのも良い。


『ねずみの初恋(2)』

一般人の青年に恋をした殺し屋の少女が彼を生き残らせるために殺しの術を教える物語。 
恋に夢中な女子とターゲットに情もわかない冷酷な殺し屋が主人公の中で混在しているのが良い。青年側とともに彼女の考え方が変わっていく兆しがあるのも面白い。


『Artiste(10)』

腕はピカイチだけど気弱な料理人を中心に様々な職人達を描くパリが舞台の物語。
フランス各地の景色やそこに住む人々の中に根付く文化などがしっかり作中で描かれており素敵。キャラクタの感情の機微を繊細に描く心理描写も巧みで人間ドラマに臨場感がある。


『大丈夫倶楽部(7)』

精神的に安定した「大丈夫」を目指す会社員女性と周囲の人々を描く物語。
日々の生活の中での何となく調子が良い状態を言語化して分析したうえで「大丈夫」と定義する主人公の考え方が興味深い。多様なキャラクタ達の人生模様の行方も気になるところ。


『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ(3)』

契約社員で働く青年が人生を成功に導くために恋をしようと奮闘する物語。 
社会的弱者が言葉巧みに惑わされて陰謀論にハマり、そして少しの出来事でその信奉が脆く崩れ去っていく過程の描き方にリアリティがあって素晴らしい。


『星野くん、したがって!』

傍若無人に人を振り回す女子と彼女にを目つけられた中学生男子との交流を描いた物語。
芸人のコントを漫画に落とし込むという挑戦的なコンセプトの作品であり、コントの間合いと漫画表現がミックスされたような雰囲気が独特で面白い。


『忍者と極道(13)』

悪行を限り尽くす「極道」と彼らと敵対する「忍者」との戦いを描いたトンデモアクション。
味方側と敵側の過去エピソードを同等の密度で描かれ、それぞれにとっての正義を感じ取らせる構成が本作らしい。肉体改造の発想もぶっ飛んでいて強烈。


『ながたんと青と-いちかの料理帖-(12)』

客足の遠のいた料亭の跡取り女性とそこに婿養子に来た口の悪い青年が主人公の料亭物語。
料亭としても家族としてもステップアップして絆を深めていく主人公夫婦の姿が微笑ましい。徐々に変化していく人間関係の描き方も納得感がある。


『ホテル・メッツァペウラへようこそ(5)』

フィンランドのホテルで働くことになった訳あり日本人青年が主人公の物語。
雪国の過酷な環境ゆえに育まれる温かい人々の交流が描かれており癒される。サウナや食生活などフィンランドの文化をしっかり紹介してくれている点も良い。


『ポプテピピック SEASON EIGHT()』

クソ漫画の新境地を開拓し続けるクソ4コマ漫画。
基本的には思い付きの羅列の様な不条理ギャグが中心ながら、その中での創意工夫がありキレのあるネタも散見される。ニッチすぎるパロディネタが不意に刺さってしまうのも面白い。


『レッドブルー(10)』

いじめられっ子だった少年がある理由から総合格闘技を始める物語。 
塩漬けに特化した選手など、多様な戦略が魅力の総合格闘技という題材の面白さを上手く描いている印象。相変わらず性格がねじ曲がっている主人公の思考回路の特異性も面白い。


『ダイヤモンドの功罪(6)』

規格外の才能ゆえに野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
保守的で主人公を守ってくれない大人達や彼の立場に理解を示すがそれゆえに追い詰めていくチームメイト達、多方面から攻められるシチュエーションの作り方が見事ゆえに残酷。


『アフターゴッド(7)』

「神」により領土の半分が占拠された日本を舞台に神に復讐を誓う少女を描く物語。
人類にとって絶望的な存在だった神に対抗する手段が徐々に固められてきた一方で、各キャラクタ達の業や苦悩もそこに絡ませていく作品の構成が江野朱美らしい。


『女子高生除霊師アカネ!(2)』

失踪した父親の代わりにインチキ霊媒師として生計を立てる女子高生が主人公のコメディ。
後に引けなくなり倫理的に狂っていくキャラクタ達やそれにドン引く周囲の人々などの描写が滑稽で楽しい。主人公がもはや良心のかけらもなくなっているのも良い。


『スナックバス江(15)』

老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
掛け合いのテンポの良さやツッコミの鋭さ、題材選びのセンス、キャラクタの個性のつけ方など、どの要素も秀逸。会話劇のみのコメディ漫画として圧巻のクオリティ。


『それでも天使のままで』

エロ漫画を描く少年と彼の漫画に興味を持った少女との交流を描いた表題作含む作品集。
狭い視野や恵まれない境遇が原因で美しかったはずの恋愛感情が歪んでいき、眼をそむけたくなるほど悲惨な結末に行きつくストーリー構成は強烈。


『佐々田は友達(2)』

人づきあいが苦手な陰キャ少女とクラスの中心のパリピ少女、二人の少女の交流を描いた作品。
主人公二人に焦点を置いていた1巻から変わり2巻は多用な若者達の群像劇的な構成にシフトしている。繊細なキャラクタ心理の描き分けの上手さが光る。


『好きな子がめがねを忘れた(12)(完)』

眼鏡忘れてしかめっ面な少女とその娘が好きな純情男子との掛け合いを描くラブコメディ。
初心な様子で恥ずかしがりながらも一歩一歩歩み寄って関係を深めていく主人公二人のやり取りは最後まで甘々だった。良いラブコメディでした。


『うちのちいさな女中さん(5)』

昭和初期を舞台に翻訳家の女性と彼女の家で働く14歳の女中の少女を描いた作品。
西洋の文化や便利な道具が導入され始めた当時の雰囲気が上手く描かれており、それらを新鮮な気持ちで体験していく主人公のリアクションが可愛らしい。


『ヴィンランド・サガ(28)』

戦いのない楽園を目指す元ヴァイキングの男を描いた物語。
避けられない開拓者達と先住民の軋轢や科学が発達していない時代の人々の思考などが臨場感たっぷりに描かれつつ物語は最終盤へ。超長編となった本作がどのように幕を閉じるか楽しみ。


『ヒストリエ(12)』

アレクサンドロスの書記官を主人公に据えた古代ヨーロッパ歴史物。
5年ぶりの新刊で過去のストーリーがうろ覚えであっても作品世界に没入させてくる力強い漫画表現と演出力は圧巻。ここで作品が終わったとしても後世に語り継いでいきたい名作。


『望郷太郎(11)』

500年のコールドスリープから目覚めた男がイランから日本へ荒廃した世界を旅する物語。
腐敗した政治体制や操作される不正選挙、暗躍する各勢力の争いなど、科学などの土台は違えど人間が集団になれば同じ事象が起こるという風刺的なメッセージが感じ取れて興味深い。


『ひとりでしにたい(8)』

孤独死した叔母と同じ道を辿りたくない35歳の独身女性を描く物語。
同じ家族でも生じる姉弟間の格差や両親が病気の時の対応、それらの問題に対する男女差など、現実で起こりえる社会問題がリアリティたっぷりに描かれており読んでいて恐怖すら覚える。


『焼いてるふたり(15)』

BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。 
相手のちょっと変な部分も含めてまるっと愛する夫婦二人の関係性が非常に好ましく読んでいて癒される。登場する料理もどれも美味しそうで作ってみたくなる。


『令和のダラさん(4)』

山に住まう異形の妖怪と彼女と仲良くなった人間の姉弟との交流を描くコメディ。
各話冒頭のホラーパートが後半のコメディパートを徐々に侵食してきているがそれでも絶対なんとかなりそうなお気楽な雰囲気が独特。フェチ描写や作中作のディテールの凝り方も良い。


『1日2回(5)』
中学生の娘がいる未亡人と婿養子からの出戻り男性、幼馴染のアラフォー二人を描いた物語。
家族とも恋人とも親友とも違う不思議な距離感の主人公二人の関係性がユニーク。いなくなった人間との過去のエピソードを合間に挟む演出も上手く機能している。


『放課後帰宅びより(2)』
帰り道にロマンを求めるハイパー帰宅部の主催者女子とその部員である男子を描くラブコメディ。 
ラブ描写とコメディの緩急や惹かれ合っていく二人の関係性変化の描き方、破壊力の高いシチュエーション演出などラブコメとしてクオリティが高い。


『三拍子の娘(3)』
母親と死別し父親に捨てられたけど今を楽しく生きる三人姉妹の日常を描いた物語。
三者三様の個性を持った主人公達は皆魅力的で軽やかに逞しく生きる姿や彼女らの関係性も素敵。シンプルな描線の絵柄もユニークで最後までさわやかな印象の作品でした。