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 2024年7月読んだ漫画をまとめます。

 7月に読んだ漫画は55冊。ぼちぼち読めてます。

 以下で読んだ中のオススメ作品をピックアップします。


『呪術廻戦(27)』

社会に潜んだ呪いを祓う呪術師と呪霊との戦いを描く物語。
超人気作品のラスボス格との決戦において悪ふざけのような展開を持ってこれた作者の胆力すさまじい。前巻の展開からの落差もすごい。コントや漫才描写がしっかり高クオリティなのも良かった。


『グリーングリーングリーンズ(2)』

熱中できることのない空っぽな少年がゴルフのプロを目指す少女と出会い変わっていく物語。
主人公が試行錯誤しながら技能を向上させていく過程が丁寧に描かれている。上達することへの高揚感も上手く描写されておりスポーツ漫画として優秀。


『逃げ上手の若君(16)』

生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
現代人とは異なる価値観を誇張させながらキャラクタの個性に落とし込む手法は巧み。灰汁の強すぎるキャラクタ達が物語上で上手く配置されており松井先生の漫画の上手さが光る。


『氷の城壁(12)』

人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
相手への恋愛感情を自覚して積極的にアプローチをする様子など、付き合う前の楽しい期間がしっかり描かれており微笑ましい。本作の物語をどのように畳むかは気になるところ。


『暗黒デルタ(1)』

人間の負の感情からエネルギーを吸い取って生きる平行世界の住人達を描く物語。
死生観などが人類と異なるせいで緊迫した状況でも妙に緊張感のないキャラクタ達のやり取りが特徴的。ユニークな世界観の設定が今後どのように活かされていくか楽しみ。


『ワレワレハ(1)』

メイクで地味な素顔を擬態する女子大生と人間に擬態する宇宙人との交流を描いたコメディ。
宇宙人設定を活かした妙に合わない二人のやり取りが滑稽で楽しい。コロコロ変わるキャラクタの表情やコミカルなアクションなんかもテンポの良さに一役買っている。


『AIの遺電子 Blue Age(8)』

ヒューマノイドが人間に交じって生活する近未来の医療現場を描くSF。
感情を操作されていた戦場時代の記憶に苦しむヒューマノイドの話など、本作の世界観を活かした近未来SFストーリーはユニーク。話間に挟まる作者のSFコラムも興味深い。


『鬼ゴロシ(14)』

謎の暴漢集団に家族を殺され自身も頭部を損傷した男の復讐劇を描く物語。
矢継ぎ早に繰り出される暴力と狂気は胸焼けするような濃度。味のあるおっさんの大量投入と即時退場も本作らしくて良かった。地獄と化した舞台にどのような決着がつくか楽しみ。


『あくまでクジャクの話です。(2)』

恋愛に悩む男性教師と生物学を通して恋愛の悩みに答える変な女子高生との交流を描く物語。
生物学の知識に周囲の人間関係をこじつけてズカズカと持論を展開するヒロインのキャラクタが強烈。キャラ造形や恋する乙女な一面も素敵。


『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(25)』

陰気で口の悪い女子高生とその周りのクラスメイト達を描いた青春コメディ。
個性豊かなキャラクタ達の複雑な関係性に恋愛も加わり濃厚な人間模様が繰り広げられている。コメディ部分のキレも鋭く青春群像劇として秀逸。


『J⇔M ジェイエム(3)』

女子小学生と身体が入れ替わってしまった殺し屋の奮闘を描いたコメディ。
自分で始めた設定を演じ切るために後に引けなくなるキャラクタの姿が滑稽で誤解が誤解を生んでいく流れも面白い。大武先生の作風と今作の題材が上手くハマっている。


『いつか死ぬなら絵を売ってから(4)』

不遇な境遇ながら特異な絵を描く男性と彼の才能を見出した美術商の男性が主人公の物語。
メイン二人が絆を深め合っていっているようで美術商側の考え方が不穏で油断ならない雰囲気。アーティストやそれを買う側の人間の思考描写も興味深い。


『ドッグスレッド(3)』

夢が潰えたフィギュアスケータの少年がアイスホッケーに舞台を移して戦う物語。 
エネルギッシュなキャラクタ達とストーリーの勢いで前時代的なスポコン描写が正当化されており腕力強い。一般になじみのないアイスホッケーに関する競技解説も丁寧で興味深い。


『みずぽろ(2)』

高身長でガタイもいいが泳げない男子と彼の陰に隠れがちなもう一人の男子を描く水球部コメディ。
主人公二人を筆頭に個性的なキャラクタ達がそろっており皆魅力的。ボケツッコミがしっかりしている掛け合いも軽快で楽しい。キャラ造形も素敵。


『青野くんに触りたいから死にたい(12)』

死んで幽霊になった恋人を一途に愛し続ける女子高生を描いた純愛ホラー。
ついに念願叶った主人公二人が残された時間の中で精一杯交流する姿は甘く切ない。随所に強いメッセージ性のあるセリフが散見し読んでいて心揺さぶられる。


『フラジャイル(28)』

性格と口と人相が極めて悪い、病気の原因過程を診断する病理医が主人公の病院ドラマ。
医療従事者達の信念が美しく、それを彩るストーリーや漫画演出も素晴らしい。キャラクタ達がそれぞれの道を歩いていくのは寂しいが、医療が広がる頼もしさを感じる。


『平和の国の島崎へ(6)』

国際テロ組織の工作員だった男性が一般人になり平和な日本で暮らす物語。
主人公が過去の罪に向き合う展開を過去編や境遇が似た少年との対話を通して描いていくストーリー構成は巧み。現在と過去の表情の変化など画面的な演出の上手さも光る。


『だんドーン(4)』

幕末を舞台に「日本警察の父」と呼ばれる男、川路利良の生涯を描く物語。
歴史の転機となった桜田門外の変はドラマティックな演出や人間ドラマも交えて上手く描かれていた。現代人と異なる当時の人々の価値観をコメディ交えながら描くスタイルも安定感がある。


『焼いてるふたり(16)』

BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。
登場する料理は美味しそうで再現したくなるしキャラクタ達の交流の様子も可愛くって癒される。主人公二人のライフステージの変化がしっかり描かれているのも良い。


『ただの飯フレです(3)』

マッチングアプリで出会ったご飯を食べるためだけに集まる男女を描く物語。
現代人が抱えがちなモヤモヤをお話に落とし込む手腕が巧み。現実の会話の雰囲気を上手く表現した掛け合いのセンスも素晴らしい。登場するご飯も美味しそう。


『突風とビート(1)』

とある能力を持った女子高生と不登校気味なクラスメイト男子との奇妙な関係を描いた物語。
かなりトリッキーな仕掛けを活かした入り組んだストーリー構成が大変ユニーク。性格は違えど双方お人好しで素直な主人公二人も好感が持てるキャラクタで素敵。


『クライマックスネクロマンス(1)』

死霊魔術師を滅することを目指す少年と異世界転生してきた少女を描くファンタジー。
原作の水上悟志先生らしいファンタジー世界や異世界転生へのひねくれた解釈が面白い。トリッキーなストーリーがどのように展開していくか先が読めなくてワクワク。


『神クズ☆アイドル(8)』

やる気ゼロな男性アイドルと女性トップアイドルの幽霊とのコンビを描いたコメディ。
人間活動全般に対して無気力だった主人公がわずかながらも前向きな姿勢でアイドル活動に向き合うようになった姿は感慨深い。賑やかなコメディの雰囲気も楽しい。


以上が7月発売の作品。以下はそれ以外。


『ONE PIECE(109)』

「ひとつなぎの大秘宝」を求めて大海原を旅する麦わら海賊団の冒険を描く物語。 
長期間謎だったくまの意図が明らかになった過去エピソードは読みごたえがあった。五老星の一斉投入など、ダイナミックな展開も激しさを増しており今後も目が離せない。


『恐竜とカッパのいる図書室』

多数のグループに属する少女と人間関係を拒むもう一人の少女との図書室での交流を描く物語。
 徐々に関係を深めていく主人公達の関係性が尊い。もう一つの二人組や作中作を絡ませたストーリー構成や創作物や本などのキーアイテムの使い方もお見事。