2024年9月読んだ漫画をまとめます。
9月に読んだ漫画は54冊。あんまり読めませんでしたが50冊のノルマはクリア。
以下で読んだ中のオススメ作品をピックアップします。
『ゴーストフィクサーズ(2)』
GHOSTと呼ばれる非現実的現象を調査・管理する校正官達の戦いを描く物語。
超常現象の根源となるキーアイテムの存在や敵対する組織の登場など、少年心をくすぐられる作品世界の広げ方が素敵。キャラクタ背景の匂わせ方なども良い塩梅。
『氷の城壁(13)』
人と距離を取りがちな女子高生含む男女グループ4人組の交流を描く物語。
主人公4人が悩みすれ違いながらも、相手や自分の気持ちを再認識し収まるところに収まって一安心。次巻、最終巻。エピローグになりそうだが4人のどんな未来が描かれるか楽しみ。
『ふつうの軽音部(3)』
邦楽ロック好きの少女が高校入学を期にギターを買って軽音部に入部する物語。
紆余曲折ありながら主人公の個性や情熱をきっかけにバンドメンバーが集まっていくストーリー構成が素晴らしい。メイン4人の作中における役割分担も的確で良いバランス。
『超巡! 超条先輩(2)』
超能力で捜査を行う嫌われ者の警官と彼の相棒となった新米警官が主人公のコメディ。
灰汁は強いが愛すべきキャラクタ達やハイテンポなボケツッコミ、ルビ芸など、コメディのスタイルが安定しており読みやすい。シンプルな作画や画面構成もわかりやすい。
『サチ録~サチの黙示録~(3)』
日々の行いに対する採点結果に人類滅亡の命運が託されたクソガキが主人公のコメディ。
クソガキと天使と悪魔が入り乱れて毎回騒動を巻き起こしながらも、なんやかんや優しいオチがつく作品の雰囲気が素敵。メイン3人が家族になっていく姿も微笑ましい。
『推しをカタチにする仕事(1)』
アニメや漫画のコラボ商品やキャラクターグッズを企画、制作する会社を舞台にしたコメディ。
エキセントリックなキャラクタ達が繰り広げる掛け合いはハイテンポかつキレがよくて楽しい。グッズ業界のお仕事に関する内容も興味深い。
『SPY×FAMILY(14)』
スパイの父と殺し屋の母と超能力者の娘、正体を隠す3人を描く擬似家族コメディ。
基本的には能天気なドタバタコメディが主軸の作品ではあるが、戦争や徴兵などヘビーな背景も避けずにストーリーの中でしっかり描いてくれるあたり好感が持てる。
『深層のラプタ(1)』
ある目的で作られたAI少女がネットゲームで知り合った人間の少年に恋をする物語。
AIの欲望が暴走し人知を超える能力を獲得していく展開が主人公二人の関係と上手くリンクしておりストーリー構成が巧み。精緻な作画やエッジの利いた画面演出も強い。
『あのときのこどもさん(2)』
1990年代に小学生だった作者が平成初期のカルチャーなどの思い出を描くエッセイ風漫画。
駄菓子屋でひと工夫したり自作のカードを作るなど、お金のない中で楽しみを創造していく小学生らしい行動力が丁寧に描かれている。ノスタルジックな雰囲気も素敵。
『傲慢と善良(1)』
婚約直後に失踪した婚約者を探して彼女の過去と向き合う男性が主人公の物語。
親族や関係者への聞き込みの中で今まで見えていなかった婚約者の人間としての輪郭が見えていくストーリー展開が巧み。原作を尊重しながら漫画として活かした言葉の使い方や演出も素敵。
『大丈夫倶楽部(8)(完)』
精神的に安定した「大丈夫」を目指す会社員女性と周囲の人々を描く物語。
メンタルを健全に保つための生活の中のライフハックを面白おかしく描く日常回がありつつ、各キャラのエピソードも上手く畳んで綺麗に完結。ユニークな個性を持った面白い作品でした。
『レッドブルー(11)』
ある理由から総合格闘技を始めた元いじめられっ子の少年を主人公とした物語。
計量後のリカバリーなど、格闘技物として描写が詳細かつ丁寧で興味深い。歪んだ感情だけをモチベーションにしてきた主人公が挫折の末にどのような答えを出すかも楽しみ。
『ダイヤモンドの功罪(7)』
規格外の才能ゆえに野球を楽しむことが許されない少年が主人公の物語。
どんなに慎重に立ち回ろうとも周囲を狂わせてしまう主人公の苦悩する姿が悲劇的。多様で複雑なキャラクタ心理の描き分けやドラマティックなストーリー上の演出も素晴らしい。
『ハヴィラ戦記(1)』
男女関係の組み合わせまで人間に管理される人型の小さな生き物達の戦いを描く物語。
動植物保護に関する人間のエゴや傲慢さを具現化したような設定が秀逸。キャラクタの価値観や箱庭の中の環境など、唯一無二の世界観は細部まで作り込まれている。
『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ(4)(完)』
契約社員で働く青年が人生を成功に導くために恋をしようと奮闘する物語。
陰謀論に染まった主人公が出した結論やヒロインとの関係性、師匠キャラとの最後のやり取りなど、本作のテーマにしっかりオチをつけて綺麗に完結。
『霧尾ファンクラブ(6)(完)』
クラスメイトの男子が好きすぎて奇行に走る女子二人を描いた片思いコメディ。
本作らしいトンチンカンなノリのコメディも交えながら、伏線めいた描写も回収して綺麗に物語は幕を閉じた。主人公が出した結論と最後の三人の関係性の描き方も素敵。
『焼いてるふたり(17)』
BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。
何気ない日常やちょっとしたイベントにも一喜一憂しながら楽しむ主人公夫婦二人の様子が可愛らしくて癒される。もはやあんまり焼いていない登場料理もどれも美味しそう。
『ザ・キンクス(2)』
小説家の父親と専業主婦の母親、娘と息子の4人家族の日常を描いた作品。
榎本俊二らしい日常生活に対する斬新な着眼点とシュールながらほっこりなホームドラマが合わさって独特の雰囲気。コミカルなアクションやダイナミックな見開き表現も楽しい。
『僕の妻は感情がない(8)』
料理用の家事ロボットと彼女を妻として扱う会社員男性との交流を描く物語。
不完全なロボットを教育する描写を通して実際の人間の子育てを連想させる構成が良くできている。フィクションを通して現実でも人間との接し方を考えさせられる。
『ニセモノの錬金術師(3)』
チートスキルで錬金術師を演じる転生者の男性と彼が買った奴隷の少女を描くファンタジー。
異世界転生の神と敵対する展開や他者による認知をベースにした魔法の概念など、ファンタジー世界観の解釈と物語への落とし込み方が非常に独特で興味深い。
『ローズ ローズィ ローズフル バッド (5)』
ゆるキャラ漫画が代表作のアラフォー女性漫画家が少女漫画を描くために奮闘する物語。
失恋した後の当事者達と周りの人々のやり取りや心理の機微にリアリティがある。漫画家のパクリ疑惑へのリアクションの描き方も生々しくて興味深い。
『まめとむぎ(1)』
人生どん底の無職女性と料理上手のもう一人の女性が発酵居酒屋を経営する物語。
人と人が出会い、料理をキーアイテムとしながら挫折から這い上がっていくストーリーの作り方が谷口作品らしい雰囲気で安定感がある。ポップでカラフルな料理の描き方も素敵。
『風呂屋のフーコ(1)』
80年代の大阪を舞台に風呂屋を営む家族と近隣住民との温かい交流を描く物語。
現代と違うステレオタイプな価値観や物が少ない時代であるからこそ成立する人情劇が描かれている。エネルギッシュな雰囲気を演出する表情豊かなキャラクタ達や背景描写が素敵。
『ぷにるはかわいいスライム(6)』
命が宿ったスライム少女と彼女を作った少年との交流を描いたコメディ。
パワフルなギャグが中心ながら少年やホビー少女に芽生える恋心のような感情の描写は繊細でメリハリが効いている。毎回姿を変える少女のデザインもバリエーション豊か。
『転がる姉弟(6)』
親の再婚により新しく家族となった姉と弟を中心に繰り広げられる物語。
楽しいことで頭がいっぱいな小学生と少しずつ悩みも増え始める高校生、子供達の思考の違いが上手く描かれており素晴らしい。姉弟の友人同士の交流も眺めていて微笑ましい。
『鬼ゴロシ(15)』
謎の暴漢集団に家族を殺され自身も頭部を損傷した男の復讐劇を描く物語。
暴力と復讐の連鎖をこれ以上なく残虐かつセンセーショナルに描いており作品全体にすさまじい熱量が込められている。次巻、完結。どのように物語が幕を閉じるか予想がつかないので楽しみ。
『フールナイト(9)』
死が迫る人々を植物に変える「転花」が普及した世界を舞台にした物語。
各キャラクタの性格や思考回路が作り込まれており、それぞれが自由に動いているように感じさせる人間描写が素晴らしい。オリジナリティ高い作品世界も丁寧に作り込まれている。
『イマジナリー(3)』
幼馴染で微妙な距離感の男女を中心に大学生達の交流を描く物語。
付き合う前や付き合った直後の大学生男女のやり取りが駆け引きも含めてリアリティたっぷりに描かれている。特に身体の関係を意識し合う二人の思考が生々しくって素晴らしい。
『主君と旅する幾つかの心得(1)』
個性豊かな三人(?)組の銀河を巡る様々な旅の様子を描いたファンタジー。
舞台となる星々のバリエーション豊かな文化が興味深いし、ドタバタ騒動が巻き起こりつつも何やかんやで上手くまとまる高密度でミニマムなお話の構成も良い塩梅。
『ヒッツ(8)』
殺し屋の少年と彼の前に現れた「もう一人の自分」の二人が主人公のアクション物。
ストーリーの本筋そっちのけで演劇編が始まったりフェチ要素だらけの新キャラを出して情報過多になったりと、脱線も含めて柴田ヨクサル作品らしさ満載でやりたい放題。
『この復讐にギャルはいらない(4)(完)』
人間不信の元殺し屋の少年と彼を慕う同じクラスのギャルとの交流を描いた作品。
早期完結で終盤ストーリーが駆け足になったのは残念だったが、斜め上の方向に外れたギャグの雰囲気は唯一無二で最後まで楽しかった。次回作にも期待したい。