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2024年10月に読んだ漫画まとめます。

『姫様”拷問”の時間です(16)』

ハンバーガーとセットのコーラなど様々な拷問を受ける囚われの姫を描いたコメディ。 
出オチのような設定ながらバリエーション豊かなアイディアで飽きさせない工夫に感心させられる。キャラクタ達が仲良さげに交流する様子も可愛らしい。


『放課後ひみつクラブ(6)』

エキセントリックな少女と冷静な少年が学園の秘密を探るコメディ。 
キャラクタ達が巻き起こす大騒動は自由奔放かつハイテンポでジェットコースターのような楽しさがある。オリジナリティ高いキャラクタデザインも多用かつフェチ要素強くて素敵。


『クニゲイ~大國大学藝術学部映画学科~(1)』

映画監督に憧れる青年と天才肌で破天荒なもう一人の青年を描く芸大映画学科が舞台の物語。
ライバルキャラの個性が強烈で主人公を喰う勢い。圧倒的な力の差を見せつけられながらも腐らずに彼に立ち向かっていく主人公の姿も力強い。


『暗黒デルタ(2)』

人間の負の感情からエネルギーを吸い取って生きる平行世界の住人達を描く物語。
オリジナリティの高い世界観と人間とは根本的な価値観が異なる異世界住人達の思考が本作の特異な雰囲気を演出している。第三極的な組織の作中における役割も面白い。


『どく・どく・もり・もり(3)』

真っ赤な食用キノコの少女が両親の仇である毒キノコへの復讐を試みる物語。
実在のキノコの個性をキャラクタに落とし込んだポップな世界観の下で繰り広げられるシビアでグロテスクなストーリーはギャップが激しくてインパクトが強い。


『女の園の星(4)』

生徒達に少々なめられている男性教員とその周囲の人々との交流を描く女子高コメディ。
静かな会話劇の中で混沌としたシチュエーションを作り出すセンスが秀逸。無自覚なボケと冷静なツッコミの応酬がテンポよく繰り広げられる雰囲気は唯一無二。


『かさねと昴(5)(完)』

女装が趣味な会社員男性と彼の同僚の女性との交流を描く物語。
女装を肯定的に捉えられるようになった男性と自分の好きなものを形にする喜びを再認識した女性、主人公二人の成長をしっかり描き切って綺麗に完結。随所に作者の拘りが感じ取れる良い作品でした。


『黒魔法寮の三悪人(2)』

荒ぶる若者の巣窟である黒魔法寮に配属された三人の少女達が主人公の魔法学園コメディ。
主人公達が三者三様のクズっぷりを遺憾なく発揮して巻き起こす騒動がハチャメチャで楽しい。ドブのようなメンタリティとそれにドン引きする周囲の人々の姿が癖になる。


『スクールバック(4)』

高校に勤める用務員の女性と悩める生徒達との交流を描く物語。
各キャラクタの家庭環境や友人関係、それをもとに形成された性格などの設定が綿密に作り込まれている。若者らしい悩みやどうしようもないことに折り合いをつけていく姿にリアリティがある。


『今日も吹部は!(1)』

野球部から吹奏楽部に転部した少年と全然まとまりのない部員たちとの交流を描くコメディ。
癖の強すぎる部員達の好き放題な主張に主人公が振り回される様子が滑稽。アクション強めなドタバタ感やギリギリアウトなヒロインの暴走なんかも楽しい。


『鍋に弾丸を受けながら(5)』

「治安の悪い場所の飯は上手い」をコンセプトに世界中を旅する美少女(?)を描く作品。
作者が現地の人々との交流の中で感じた異国の文化や考え方に関するロジカルな考察が非常に興味深い。勿論、登場する食事もどれも魅力的に描かれている。


『かまくらBAKE猫倶楽部(2)』

鎌倉の雑貨店で働く青年二人を主人公に猫に関する不思議な出来事が描かれる物語。
猫に関する不思議なエピソードは短ページながら不気味で気まぐれな雰囲気が素敵。日常生活のすぐ近くに超常現象があるような舞台の描き方も素晴らしい。


『琥珀の夢で酔いましょう(8)』

京都の客足の少ない小料理屋をクラフトビールで盛り上げようとする人々を描く物語。
実在のビール醸造所で働く人々へのインタビューが、漫画の中で作中キャラと実在の人とのやり取りに再構築されているようなお話のスタイルが興味深い。


『虚構推理(22)』

怪異たちから知恵の神として慕われる義眼義足の少女を主人公にした怪奇ミステリ。
主人公以外のキャラを探偵役に仕立て上げつつ、得意の二重解決をストーリーに織り込む構成力と情報の制御の手腕は流石。サブキャラクタも含めて各人物も魅力的で安定感がある。


『ビバリウムで朝食を(3)』

街の七不思議の秘密を探る仲良し小学生3人組の少し不思議な冒険を描いた作品。
エッジの利いた世界観に個性豊かなキャラクタ達、シニカルでハイテンポな掛け合い、細かいやり取りの中での小ネタの多さなど、道満晴明作品らしい雰囲気たっぷり。


『君と宇宙を歩くために(3)』

ヤンキーの少年と転校生のもう一人の少年、「普通」ができない二人を描く物語。
各人で異なる「できない」ことへの悩みを解像度高く描いており素晴らしい。他者との関係の中で彼らの悩みが少しずつ解消されていくストーリーも優しくて素敵。


『だんドーン(5)』

幕末を舞台に「日本警察の父」と呼ばれる男、川路利良の生涯を描く物語。
史実に独自の解釈を加えつつ、実在の人物やエピソードをドラマティックに演出するストーリー構成力が素晴らしい。親しみやすさと狂気が混じるキャラクタ達は魅力たっぷり。


『大きくなったら女の子(2)』

生まれは皆男で体格に恵まれた人間が女へと変化する世界を舞台にした物語。
現実世界の男女ジェンダー感がシャッフルされていることに加えて、女性の妊娠期間の短縮など独自設定もユニーク。演出過剰に感じる描写もあるが世界観は非常に魅力的。


『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~(8)』

ゲーム禁止のお嬢様学校で格ゲーに勤しむ少女達を描く物語。
格ゲー漫画なのにリアル格闘の話に単行本半分以上の尺を取っちゃう思い切りの良さには驚かされた。作者が好き放題描いている雰囲気がカオスで楽しい。


『放課後帰宅びより(3)』

帰り道にロマンを求めるハイパー帰宅部の主催者女子とその部員である男子を描く物語。 
気になる存在から恋心が芽生えていく過程が丁寧に描かれておりシチュエーション演出も含めて破壊力高い。軽快な掛け合いのコメディ描写も楽しい。


『青春爆走!(1)』

高校デビューに失敗し性欲を持て余す男子高校生がある目的のために活動を始める物語。
コンプレックスで歪み切った主人公達が次々道を踏み外していくストーリーはショッキングかつ疾走感がある。思惑が読めないキャラクタの今後の動きも気になるところ。


『異刻メモワール(3)(完)』

現実世界に絶望する少年が迷い込んだ異世界でもう一人の少年と暮らし始める物語。
現地に生きる者たちの日常生活の気配が感じ取れる精緻なキャラクタや背景描写は最後までクオリティが高かった。余韻の残る物語の畳み方も素敵だった。いい漫画でした。


『ドカ食いダイスキ! もちづきさん(1)』

食欲に抗えず異常なカロリーを摂取する女性の奇行めいた食事風景を描いたコメディ。
人並みの理性を持ちつつも食欲に負けて異常行動を繰り返す主人公の情緒が不安定で滑稽。グルメ漫画とは思えない勢いのある漫画表現も素晴らしい。


『劇光仮面(6)』

大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
じわじわと主人公サイドのキャラクタが追い詰められていく過程に緊迫感があり敵側の異常行動も強烈。不可解な展開であっても強引に納得させられてしまう作品の腕力すさまじい。