
新年度も1か月が過ぎましたね皆さん、無理のない範囲で漫画を読みましょう。
5/2『であいもん(19)』(浅野りん)
のんきな青年としっかり者の少女が主人公の京都の和菓子屋を舞台にしたホームドラマ。
和菓子を軸にして描かれる様々な人間模様はじんわり温かくて安定感がある。
5/2『ヤッターラ(2)』(大山田)
人類を全て食すことを目論む怪物がある目的のために貧しい子供達と共同生活を始める物語。
一般的な人間の価値観から外れた怪物の思考回路がユニークで面白い。
5/2『超巡!超条先輩(5)』(沼駿)
超能力で捜査を行う嫌われ者の警官と彼の相棒となった新米警官が主人公のコメディ。
単話の中で起承転結をコンパクトにまとめる構成力やパワフルなキャラクタ達など魅力的。
5/2『サンキューピッチ(2)』(住吉九)
ある制約を抱えたピッチャーの少年を中心に曲者揃いの野球部を描く高校野球物。
ケレン味の強いキャラクタ達が独特の論理展開で野球を分析する雰囲気は非常に独特。
5/2『カグラバチ(7)』(外薗健)
父を殺された刀鍛冶の息子が特殊な力を持つ妖刀を携えて仇打ちの旅をする物語。
シビアな世界観とスタイリッシュなアクションシーンが魅力的。
5/2『姫様"拷問"の時間です(17)』(ひらけい/春原ロビンソン)
ハンバーガーとセットのコーラなど様々な拷問を受ける囚われの姫を描いたコメディ。
出オチ設定ながらバリエーション豊かなアイディアで飽きさせない工夫に感心させられる。
5/2『逃げ上手の若君(20)』(松井優征)
生きる英雄と殺す英雄、北条時行と足利尊氏の生死を賭けた鬼ごっこを描く物語。
長期連載でも山場となる展開をきっちり配置するストーリー構成力が素晴らしい。
5/2『このクラスにギャルはいない(2)』(時田時雨)
高校入学を期に真面目キャラからギャルとヤンキーにキャラ変した二人が主人公の物語。
外面はキャラ付けしても内面はピュアな良い子というギャップが可愛い。
5/2『ラブイズオーバーキル(1)』(アストラ芦魔)
死体処理を生業とする女性と死刑になった連続殺人犯の奇妙な関係を描くコメディ。
パワフルなキャラクタの偏愛行動がぶっ飛んでいて楽しい。
5/2『星交O者(1)』(一ノへ)
幼馴染の大親友との突然の別れが受け入れられない少年に訪れたある事象を描く物語。
トリッキーなストーリー構成や独特の世界観、強烈な画面表現などオリジナリティが高い。
5/2『ドラマクイン(2)』(市川苦楽)
宇宙人がのさばるようになった日本で彼らに不満を持つ二人がある活動を始める物語。
底辺に生きる主人公二人が自分の欲望をむき出しにして衝動的に動く姿はスリリング。
5/7『伍と碁(1)』(蓮尾トウト/仲里はるな)
何をやらせても上手くこなす神童だった少年が囲碁での挫折から這い上がっていく物語。
ドラマティックなストーリー構成と意思が強い主人公のキャラクタが魅力的。
5/7『ワレワレハ(2)』(松枝穂積)
メイクで地味な素顔を擬態する女子大生と人間に擬態する宇宙人との交流を描いたコメディ。
宇宙人設定を活かした妙に合わない二人のやり取りが滑稽で楽しい。
5/7『税金で買った本(15)』(ずいの/系山冏)
ひょんなことから図書館で働くことになったヤンキー少年が主人公の物語。
図書館に限らない普遍的な組織における問題がリアリティたっぷりに描かれている。
5/8『ウシミツガオ(1)』(板垣巴留)
夫との妊活が上手くいっていない女性が寝室で出会った幽霊とある行為に及ぼうとする物語。
板垣巴留先生新作。設定がヘンテコ過ぎてどんなストーリーが展開されるか予想がつかない。
5/8『タイカの理性(1)』(板垣巴留)
ペットを人化する技術が普及する世界を舞台に女子高生と飼い犬との奇妙な関係を描く物語。
板垣巴留先生新作。独創的な世界観と意外性に特化したようなストーリー構成は相変わらず。
5/9『ブレス(7)』(園山ゆきの)
メイクアップアーティストを目指す少年とモデル志望の少女が主人公の物語。
主人公二人が相互に触発され合いながら互いの道で高め合っていくストーリー構成が素敵。
5/9『バーサス(5)』(ONE/あずま京太郎/bose)
47体の魔王に支配される世界を救うために立ち上がった47人の勇者達を描くファンタジー。
大風呂敷の設定は天敵同士の相性や関係性が具体化されだいぶ整理されてきた。
5/9『ハナバス 苔石花江のバスケ論(2)』(三好宏平)
優秀なバスケ選手の妹を持つコミュ障の少女が高校のバスケ部に入部する高校部活物。
思春期らしい自我の強いキャラクタ達がぶつかり合う姿はパワフル。バスケ競技描写も丁寧。
5/9『推し殺す(3)』(タカノンノ)
漫画家の夢を諦めた男子が自身の作品のファンである漫画家志望女子の編集者となる物語。
感情表現豊かなキャラクタ達が大学生らしいエネルギッシュさで創作に勤しむ姿がパワフル。
5/9『酒蔵かもし婚(1)』(菅原じょにえる/増田晶文)
専業主夫志望の無職男性が婚活で出会った女性して婚約して酒蔵に婿養子に入る物語。
酒蔵の仕事の様子が興味深い。ヒロイン女性の造形やキャラクタも魅力的。
5/12『東京最低最悪最高!(2)』(鳥トマト)
東京の出版社を舞台に現実に絶望しつつも折り合いをつけながら生きる人々を描く群像劇。
現代日本の生き辛さを誇張して醜悪に描くスタイルは悪趣味ながらインパクトが強い。
5/12『フツーと化け物(3)(完)』(羽流木はない/篠月しのぶ)
普通のグループに属したい少女とある秘密を抱えたクラスメイトとの関係を描いた物語。
友情への憧れゆえに化け物を受け入れてしまう主人公の思考回路が独特でユニーク。
5/12『黒魔法寮の三悪人(4)』(斎藤キミオ)
荒ぶる若者の巣窟である黒魔法寮に配属された三人の少女達が主人公の魔法学園コメディ。
主人公三人が徹底的に性根が腐っているように描かれているのがキャラクタとして強い。
5/13『誰何Suika(5)』(つばな)
とある理由からアイドル部として活動することになった美少女とその仲間達を描く物語。
前巻の消えてしまっていた少女の復活シーンは前後のやり取りも含め素晴らしい演出だった。
5/14『忍者と極道(15)』(近藤信輔)
悪行を限り尽くす「極道」と彼らと敵対する「忍者」との戦いを描いたトンデモアクション。
互いの正義を認め合い死力を尽くして戦う両陣営のスタンスがエモーショナル。
5/14『はだかで恋を語る仲(2)』(鳩野マメ)
理想のセックスに至るために片想い相手と風呂場で性行為について語り合う男子を描く物語。
片想い相手のセックスに関するエピソードを聞かねばならないシチュエーションが斬新。
5/15『ミュージアムのふたり(1)』(山崎虔十)
悪評から逃れたくて博物館で働き始めた女性と先輩の学芸員女性が主人公の物語。
つらい境遇から立ち直っていく構成が素敵。作者が元学芸員とのことでお仕事描写も丁寧。
5/15『J⇔M ジェイエム(5)』(大武政夫)
女子小学生と身体が入れ替わってしまった殺し屋の奮闘を描いたコメディ。
トリッキーな新展開もお得意の勘違いネタのバリエーションを広げるのに一役買っている。
5/15『ウスズミの果て(4)』(岩宗治生)
人類がほぼ死滅した世界で生存者を探して旅をする女性と謎の生物を描く物語。
廃墟が続く世界とわずかに残った文明を表現する背景描写が精緻で細かく描き込まれている。謎だらけの世界観が少しずつ明らかになっていくストーリー構成も上手く制御されている印象。
5/16『無敗のふたり(3)』(遠藤浩輝)
組んだ人間を誰でも勝たせてしまう天才トレーナーと格闘技を愛する青年コンビを描く物語。
精緻な総合格闘技の描写とロジカルなキャラクタの思考が上手くかみ合っている。
5/16『虚構推理(23)』(片瀬茶柴/城平京)
怪異たちから知恵の神として慕われる義眼義足の少女を主人公にした怪奇ミステリ。
得意の二重解決をストーリーに織り込む構成力と情報の制御の手腕は流石。
5/16『パラショッパーズ(1)』(福地翼)
どんなものにでも良いところを見つける少年があるゲームに巻き込まれる物語。
能力バトルに特化したような設定とそれを活かしたストーリー展開が魅力的。
5/16『写らナイんです(4)』(コノシマルカ)
霊を引き寄せる体質に悩む少年と霊感ゼロだけど心霊写真を撮りたい少女が主人公の物語。
緩いやり取りで話が進みコミカルな方法で怪奇現象が退治されていく構成が面白い。
5/19『スナックバス江(17)』(フォビドゥン澁川)
老婆とチーママが切り盛りする場末のスナックを舞台にしたギャグ漫画。
ゲスながら憎めないキャラクタ達やワンアイディアから広げるネタの豊富さなど素晴らしい。
5/19『なさけないぜ毛利(2)』(上戸まえ)
高校のデザイン科を舞台に屁理屈こねがちな少年と周囲の人々の日常を描いたコメディ。
小市民ながら自意識過剰で妙にプライドが高い主人公の性格になんだかリアリティがある。
5/19『ミハルの戦場(1)』(濱田轟天/藤本ケンシ)
世界大戦後に分割統治される日本を舞台に狙撃手の少女と観測手の男性コンビを描く物語。
『平和の国の島崎へ』の濱田轟天先生原作。ハードな世界観と味のあるキャラクタが魅力的。
5/22『平和の国の島崎へ(9)』(濱田轟天/瀬下猛)
国際テロ組織の工作員だった男性が一般人になり平和な日本で暮らす物語。
戦場でしか生きてこなかった主人公の対人関係における欠落した感覚の描写に現実感がある。
5/22『8月31日のロングサマー(8)』(伊藤一角)
ループする8月31日を抜け出すために関係を深めようとする男女を描いたラブコメディ。
二人の関係を揺さぶったり進展させたりするためにループの仕掛けが上手く活かされている。
5/22『ひとりでしにたい(10)』(カレー沢薫/ドネリー美咲)
孤独死した叔母と同じ道を辿りたくない35歳の独身女性を描く物語。
現代日本における働き手世代のリアルな悩みを面白おかしく描いている。
5/22『織田ちゃんと明智くん(3)』(常盤ギヨ)
前世からのある因縁を持つクラスの人気者女子と不良男子が付き合い始めるラブコメディ。
前世の記憶と現在の状況が混在したカオスな雰囲気が楽しい。
5/22『FX戦士くるみちゃん(8)』(でむにゃん/炭酸だいすき)
FXが原因で自死した母親の無念を晴らすため自らもFXの世界に挑戦する女子大生の物語。
現実に起こった為替ショックによりキャラを奈落の底に突き落とすストーリー展開は強烈。
5/22『ブルーピリオド(17)』(山口つばさ)
高校2年時に絵を描く楽しさに目覚めた少年が芸術に打ち込む物語。
モノローグ含めて主人公のクリアに描写されており彼の悩みや葛藤に対して共感しやすい。
5/22『ダーウィン事変(9)』(うめざわしゅん)
人間とチンパンジーの間に生まれた「ヒューマンジー」の少年が主人公の物語。
現代社会への疑問符や警鐘は巧みな演出も合わさってメッセージとして力強い。
5/27『秘密法人デスメイカー(1)』(鰻田まあち)
ヒーローからの被虐願望がある怪人と彼女から生み出された仲間達との日常を描いたコメディ。
ネットミームなども交えながら繰り出される下ネタは倫理観が終わっていて強烈。
5/29『青春爆走!(3)』(研そうげん)
高校デビューに失敗し性欲を持て余す男子高校生がある目的のために活動を始める物語。
それぞれ目的の異なるメイン4人の人間関係が脆く瓦解していく描写にリアリティがある。
5/29『宙に参る(5)』(肋骨凹介)
夫(人間)を亡くした女性(人間)とその息子(ロボット)との宇宙旅行を描いたSF作品。
描写一つ一つの裏側に詳細まで作り込まれた設定が感じ取れ重厚なSF体験が味わえる。
5/30『あんじゅう(3)(完)』(幾花にいろ)
しっかり者とがさつ、タイプの違う二人の社会人女性のルームシェア生活を描いた作品。
造形だけでなくしぐさやファッションなど細部への拘りが強いキャラクタ達は魅力的。
5/30『劇光仮面(7)』(山口貴由)
大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
主人公サイドのキャラクタが追い詰められていく過程に緊迫感があり敵側の異常行動も強烈。
5/30『しすたれじすた(1)』(岡田麿里/オジロマコト)
アイドル達の衣装を繕うデザイナー女性とその家族との交流を描く物語。
原作:岡田麿里、作画:オジロマコトの強いタッグ。複雑な人間模様が鮮やかに描かれる。
5/30『そういう家の子の話(1)』(志村貴子)
宗教二世の28歳男女が仕事、結婚、独り立ちに思い悩む姿を描く群像劇。
志村貴子先生新作。ユニークな題材と心理の機微を描く作風が上手くマッチしていそう。