
梅雨ですね皆さん、無理のない範囲で漫画を読みましょう。
6/2『チハヤリスタート!(2)』(たけうちホロウ)
足が速いだけでチヤホヤされていた少女とライバルとなるもう一人の少女を描く陸上物語。
主人公の挫折と再生を描くストーリー構成が非常にドラマティックで素晴らしい。
6/4『ふつうの軽音部(7)』(出内テツオ/クワハリ)
渋めの邦楽ロック好きの少女を中心に高校軽音部の交流を描く物語。
個性豊かなキャラクタ達は皆魅力的で絡み合った人間模様もよく練り込まれている。
6/4『大人大戦(1)』(かっぴー/都築真佐秋)
正しい大人になりたい青年が近未来の日本に組み込まれたある社会システムと戦う物語。
現代の監視社会やSNSによるネットリンチを拡張したような設定にリアリティがある。
6/6『僕の心のヤバイやつ(12)』(桜井のりお)
クラスの中心女子と陰キャラ男子との恋愛を描いたスクールカーストラブコメディ。
付き合い始めた主人公二人の変化が周囲にも派生していく様子が丁寧に描かれている。
6/6『吉祥寺少年歌劇(3)』(町田粥)
「男役」と「娘役」に分かれて演じられる男性だけの劇団の養成学校を舞台にした物語。
キャラクタ達の苦悩や葛藤に対する描写の強度が高く苦悩を乗り越える姿が美しい。
6/6『大悪党少年(1)』(藤近小梅)
超能力を駆使してヒーローと悪党が争う世界を舞台に孤高を気取る一般人少年を描く物語。
『隣のお姉さんが好き』の藤近小梅先生新作。別の角度から思春期男子を描いてくれそう。
6/6『図書館の大魔術師(9)』(泉光)
司書となる夢を持った少年と仲間達を描いたハイファンタジー。
独自性の高い世界観は細かい部分までしっかり作られており壮大なスケールを感じさせる。
6/6『平成敗残兵すみれちゃん(6)』(里見U)
元アイドルの31歳女性が従弟の男子高校生にプロデュースされて同人グラビアを出す物語。
ダメ人間ながら何故だか憎めないキャラクタの描き方が巧み。
6/6『妹は知っている(2)』(雁木万里)
無表情で周囲からの評価は低い会社員男性と彼の魅力を知っている妹との交流を描く物語。
一般受けしなくても一部の人間から支持を得ている人物を描くというコンセプトが面白い。
6/10『マロニエ王国の七人の騎士(10)』(岩本ナオ)
7人の個性豊かな騎士兄弟が自国周辺の国々に外交のために遠征する中世風ファンタジー。
新章開始時は新たな旅先に到着したような新鮮な気持ちになれて楽しい。
6/12『隙間(4)(完)』(高妍)
沖縄に留学している台湾人の視点から台湾の政情やアイデンティティについて描く物語。
二つの島での生活や人々との交流を通して主人公が自分を見つめ直すストーリー構成が巧み。
6/12『黒魔法寮の三悪人(5)(完)』(斎藤キミオ)
荒ぶる若者の巣窟である黒魔法寮に配属された三人の少女達が主人公の魔法学園コメディ。
主人公三人が徹底的に性根が腐っているように描かれているのがキャラクタとして強い。
6/13『いやはや熱海くん(4)』(田沼朝)
顔が綺麗で男の人が好きな惚れっぽい男子高校生と周囲の人々を描く物語。
現実感のある掛け合いの雰囲気で思春期らしい感情の機微が表現されており素晴らしい。
6/13『現象X 超常現象捜査録(1)』(温泉中也)
超常現象がかかわる事件を捜査する亜人女性と国家警察男性のコンビを描く物語。
陰影強めの絵柄と多様な構図、スタイリッシュなコマ割りを駆使した画面表現が美しい。
6/16『凪のお暇(12)(完)』(コナリミサト)
空気を読み過ぎる自分に嫌気がさして仕事を辞めたアラサー女性の無職生活を描いた作品。
人間の多面性や感情の振れに関する描写が巧み。人間関係がどのように決着するか楽しみ。
6/18『げにかすり(1)』(迫稔雄)
元プロボクサーの男性がプロモーターとしてボクシング界で成り上がっていく物語。
『嘘喰い』の迫稔雄先生新作。精緻な画面とキャラクタの熱量がすさまじい。
6/18『レッドブルー(14)』(波切敦)
ある理由から総合格闘技を始めた元いじめられっ子の少年を主人公とした物語。
各キャラクタの努力や練習が試合の中で発揮される描写が丁寧で説得力がある。
6/18『フランス人は靴下に穴が空いていても優雅に生きる』(しばひろ)
フランス人と結婚した日本人女性がフランス人の生態について描いたコミックエッセイ。
言動や価値観が日本人と異なるフランス人の姿が等身大に描かれており興味深い。
6/19『邪神の弁当屋さん(2)』(イシコ)
戦争を起こした罪で人間として謹慎中の神が弁当屋として働きながら人々と交流する物語。
描線が太くデフォルメ強めな作画がハートフルな漫画描写とマッチしており素晴らしい。
6/20『うちのちいさな女中さん(6)』(長田佳奈)
昭和初期を舞台に翻訳家の女性と彼女の家で働く14歳の女中の少女を描いた作品。
西洋の文化や便利な道具が導入され始めた当時の雰囲気が上手く描かれている。
6/20『傲慢と善良(2)』(鶴谷香央理/辻村深月)
婚約直後に失踪した婚約者を探して彼女の過去と向き合う男性が主人公の物語。
今まで見えていなかった婚約者の人間としての輪郭が見えていくストーリー展開が巧み。
6/23『望郷太郎(13)』(山田芳裕)
500年のコールドスリープから目覚めた男がイランから日本へ荒廃した世界を旅する物語。
通貨などの価値について再認識させる世界観や設定がよく作り込まれている。
6/23『焼いてるふたり(20)』(ハナツカシオリ)
BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。
日々の食卓や友人との団らんを楽しくする様々な創意工夫が描かれており生活模様が豊か。
6/23『スノウ』(吉田優希)
18世紀のロンドンを舞台にコレラの感染原因究明に死力を尽くした実在の医師を描く物語。
当時の衛生に関する常識に立ち向かった人間の戦いがドラマティックに描かれている。
6/23『令和のダラさん(6)』(ともつか治臣)
山に住まう異形の妖怪と彼女と仲良くなった人間の姉弟との交流を描くコメディ。
様々な要素がごちゃ混ぜになっているカオスな雰囲気は本作ならでは。
6/23『カッパのカーティと祟りどもの愛(1)』(宮崎夏次系)
不幸な境遇の少女と帰る場所のないカッパとの奇妙な共同生活を描く物語。
宮崎夏次系の新作。センチメンタルとシュールが共存した独特の雰囲気は相変わらず。
6/23『波よ聞いてくれ(12)』(沙村広明)
口達者で豪胆な女性を主人公とした北海道のラジオ局が舞台の物語。
会話だけのシーンながらセリフのテンポと多様な構図で読ませる演出が力強い。
6/23『メダリスト(13)』(つるまいかだ)
スケートに賭ける少女と熱血男性コーチがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
毎巻最高潮と感じさせる盛り上げ方や長期ストーリー構成力が秀逸。
6/23『どくだみの花咲くころ(3)』(城戸志保)
奇行が目立つ小学生男子と彼の作る「作品」に執着する優等生男子との交流を描く物語。
主人公達の衝動的であったり欲望に忠実な行動をとる際の表情に迫力がある。
6/25『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん(13)』(服部昇大)
邦画好きな女子高生が賛否両論ある邦画を紹介する映画コメディ。
実在の映画の変な要素を畳みかけるようにネタにしていくスタイルが本作らしくて面白い。
6/26『SAN値直葬!闇バイト(3)』(ムクロメ)
守銭奴少女とそのバイト仲間達が怪物のぬいぐるみを仕入れる怪しい仕事に勤しむコメディ。
並外れたがめつさでクトゥルフ神話の大いなる存在達さえも退ける主人公がとにかく強烈。
6/30『らーめん再遊記(13)』(久部緑郎/河合単)
かつてはラーメン界のカリスマと呼ばれた男の人生の次のステージを描く物語。
同族経営の後継者問題などビジネストピックのチョイスが鋭い。
6/30『ありす、宇宙までも(4)』(売野機子)
言語が苦手な少女が苛烈な天才少年のサポートを受けて宇宙飛行士を目指す物語。
主人公二人がお互いに支え合いながら夢に邁進していくストーリー構成が秀逸。
6/30『劇光仮面(7)』(山口貴由)
大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
主人公サイドのキャラクタが追い詰められていく過程に緊迫感があり敵側の異常行動も強烈。
6/30『児玉まりあ文学集成(4)』(三島芳治)
文学的な少女と彼女に陶酔する少年との言葉遊びのような掛け合いを描いた物語。
筆のような描線とカケアミが多用される陰影表現など独特過ぎる画面の雰囲気は新鮮。