
2025年6月読んだ漫画の中でオススメ作品のまとめです。
『チハヤリスタート!(2)』(たけうちホロウ)
足が速いだけでチヤホヤされていた少女とライバルとなるもう一人の少女を描く陸上物語。
それぞれの理由で陸上から距離を置いたキャラクタ達が過去を振り返りながら新たな一歩を踏み出していくストーリーが非常にドラマティックで素晴らしい。
『ふつうの軽音部(7)』(出内テツオ/クワハリ)
渋めの邦楽ロック好きの少女を中心に高校軽音部の交流を描く物語。
実在の楽曲の雰囲気や歌詞とキャラクタの心情がリンクするライブシーンの演出が巧みで各キャラのエピソードも強度が高い。新たな方向にこじれていきそうな人間関係の行方も気になる。
『大人大戦(1)』(かっぴー/都築真佐秋)
正しい大人になりたい青年が近未来の日本に組み込まれたある社会システムと戦う物語。
SNSによる監視や私刑がはびこる現代社会を風刺したようなディストピア設定でリアリティが演出されておりセンセーショナル。読者を驚かせるストーリー構成も面白い。
『僕の心のヤバイやつ(12)』(桜井のりお)
クラスの中心女子と陰キャラ男子との恋愛を描いたスクールカーストラブコメディ。
サブキャラクタのエピソードも織り交ぜながら主人公二人の関係性が着実に進展していくストーリー構成は丁寧。匂わせ的な何気ない描写の演出も本作ならでは。
『吉祥寺少年歌劇(3)』(町田粥)
「男役」と「娘役」に分かれて演じられる男性だけの劇団の養成学校を舞台にした物語。
時限付きかつ競争的な養成学校という特殊な空間だからこそ生まれる青春ドラマが晴れやかで素敵。世代を超えて受け継がれていく伝統や呪縛の描き方も良い。
『大悪党少年(1)』(藤近小梅)
超能力を駆使してヒーローと悪党が争う世界を舞台に孤高を気取る一般人少年を描く物語。
主人公を孤独へと向かわせる虚勢心と他人との交流を求める本当の願いとのギャップに揺れ動く彼の姿が本作独自の設定を活かしてコミカルかつドラマティックに描かれている。
『図書館の大魔術師(9)』(泉光)
司書となる夢を持った少年と仲間達を描いたハイファンタジー。
精緻な作画と凄まじく作り込まれた世界観は相変わらずクオリティ安定。主人公と仲間達が協力して本作のキーである「物語」に関する書物を作成していく今巻のストーリーも素晴らしい。
『平成敗残兵すみれちゃん(6)』(里見U)
元アイドルの31歳女性が従弟の男子高校生にプロデュースされて同人グラビアを出す物語。
ピンチの場面でビシッと決める最高の働きを魅せた後に、たった二話で評価を地の底まで落とす主人公の醜態が彼女らしくて素晴らしかった。
『隙間(4)(完)』(高妍)
沖縄に留学している台湾人の視点から台湾の政情やアイデンティティについて描く物語。
現代に生きる我々が沖縄や台湾の悲痛な歴史を振り返り未来を考えるための多くのヒントが込められた作品であり、力強いメッセージが感じ取れる画面表現も強烈だった。
『黒魔法寮の三悪人(5)(完)』(斎藤キミオ)
荒ぶる若者の巣窟である黒魔法寮に配属された三人の少女達が主人公の魔法学園コメディ。
終盤は騒動が壮大なスケールになりながら、主人公3人が最後までしっかりとしたゲスっぷりで暴れまわってくれて、ドタバタ感が楽しい作品でした。
『いやはや熱海くん(4)』(田沼朝)
顔が綺麗で男の人が好きな惚れっぽい男子高校生と周囲の人々を描く物語。
取り留めのない会話や劇的でなくても移ろっていく人間関係、ふと将来のことを考える瞬間など、描写されるキャラクタ達の日常に妙な現実感があって非常にユニーク。
『現象X 超常現象捜査録(1)』(温泉中也)
超常現象がかかわる事件を捜査する亜人女性と国家警察男性のコンビを描く物語。
主人公達が泥臭い捜査で犯人を追い詰めていき、事件の真相が判明、余韻の残る形で各話が閉じるストーリー構成が素晴らしい。バリエーション豊かな画面表現も素敵。
『げにかすり(1)』(迫稔雄)
元プロボクサーの男性がプロモーターとしてボクシング界で成り上がっていく物語。
凄まじい熱量で描かれる精緻な画面とエネルギッシュなキャラクタ達が反逆心を中核に置いたストーリーと合わさって非常に力強い。ボクシングシーンの躍動感も素晴らしい。
『レッドブルー(3)』(波切敦)
ある理由から総合格闘技を始めた元いじめられっ子の少年を主人公とした物語。
主人公が競技者として周囲の評価を上げながらステップアップしていくストーリーが気持ちいい。ライバルキャラ同士のマッチメイクでの試合展開の盛り上げ方も良い塩梅。
『邪神の弁当屋さん(2)』(イシコ)
戦争を起こした罪で人間として謹慎中の神が弁当屋として働きながら人々と交流する物語。
描線の太い特徴的な絵柄と物悲しいがじんわり温かいストーリーがしっかり嚙み合っている。巻末収録の読み切りも切ない読後感が素晴らしかった。
『うちのちいさな女中さん(6)』(長田佳奈)
昭和初期を舞台に翻訳家の女性と彼女の家で働く14歳の女中の少女を描いた作品。
現代よりもつつましい当時の人々の生活の様子がその場を見てきたかのような臨場感で丁寧に描かれており、題材に対する作者の並々ならぬ拘りが感じ取れる。
『傲慢と善良(2)』(鶴谷香央理/辻村深月)
婚約直後に失踪した婚約者を探して彼女の過去と向き合う男性が主人公の物語。
婚約者がいなくなった後に彼女の本性や欺瞞が他人からの伝聞を通して主人公が理解していくストーリー構成が巧み。情緒的な心理描写や感情表現も上手く漫画に落とし込まれている。
『望郷太郎(13)』(山田芳裕)
500年のコールドスリープから目覚めた男がイランから日本へ荒廃した世界を旅する物語。
故郷に帰ってきて家族の足跡に触れ、これまで以上に感情表現豊かな主人公のダイナミックな表情が印象的。旅の最終目的も見えてきて物語も最終盤に差し掛かっている。
『焼いてるふたり(20)』(ハナツカシオリ)
BBQ好きの男性としっかり者のようで抜けている女性との夫婦生活を描いた作品。
ほっこり温かい夫婦の交流からコタツとの三角関係という謎の展開まで、話のバリエーション豊か。登場する料理も再現しやすそうなレシピで味が想像しやすくてかつ美味しそう。
『波よ聞いてくれ(12)』(沙村広明)
口達者で豪胆な女性を主人公とした北海道のラジオ局が舞台の物語。
ヘンテコな人間模様や切れ味鋭い掛け合いを展開しながら、発信手段が多様な現代におけるオールドメディアであるラジオの立ち位置を真面目に論じておりバランス感覚が独特で面白い。
『メダリスト(13)』(つるまいかだ)
スケートに賭ける少女と熱血男性コーチがメダリストを目指すフィギュアスケート物語。
選手とコーチ、ライバル同士をつなぐ人間ドラマや氷上に賭ける想いがすさまじく圧巻の熱量。キャラクタ達の立ち位置や関係性を再定義するストーリー構成も秀逸。
『どくだみの花咲くころ(3)』(城戸志保)
奇行が目立つ小学生男子と彼の作る「作品」に執着する優等生男子との交流を描く物語。
登場する主人公二人以外の小学生達もそれぞれ多種多様なやっかい個性を持っており現実にいそうなリアリティがある。シュールかつエモーショナルな雰囲気が独特。
『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん(13)』(服部昇大)
邦画好きな女子高生が賛否両論ある邦画を紹介する映画コメディ。
メジャーなヒット作からマイナー作品まで、多種多様な映画を分け隔てなしに面白おかしくネタにしながら、しっかり興味もひかせるコメディスタイルに安定感がある。
『SAN値直葬!闇バイト(3)』(ムクロメ)
守銭奴少女とそのバイト仲間達が怪物のぬいぐるみを仕入れる怪しい仕事に勤しむコメディ。
美少女4コマコメディとクトゥルフ神話を組み合わせたコンセプトが引き続き斬新で非常にユニーク。何があっても死ななさそうな主人公のキャラクタも強烈。
『らーめん再遊記(13)』(久部緑郎/河合単)
かつてはラーメン界のカリスマと呼ばれた男の人生の次のステージを描く物語。
作り手と比較しての語り手の評価の低さという様々なジャンルで議論になる話題に対してロジカルかつ真摯に取り組んでおり、その対立にどのようなオチをつけてくれるか楽しみ。
『ありす、宇宙までも(4)』(売野機子)
言語が苦手な少女が苛烈な天才少年のサポートを受けて宇宙飛行士を目指す物語。
宇宙飛行士へのステップが進むのと並行して、少女が少年との学びを通して自身のアイデンティティを認識し成長していくストーリー構成が晴れやかで素晴らしい。
『劇光仮面(7)』(山口貴由)
大学時代に特撮研究会に所属していた男性とその仲間達を描く物語。
場合によってはシュールギャグのようにも捉えられるヘンテコなシチュエーションや画面においても、異常なキャラクタの熱量で手に汗握る雰囲気を感じさせる演出力は唯一無二。
『児玉まりあ文学集成(4)』(三島芳治)
文学的な少女と彼女に陶酔する少年との言葉遊びのような掛け合いを描いた物語。
文学というテーマで思考を深掘りしていき哲学じみたものの考え方を展開していくスタイルは唯一無二。シンプルながらユニークな絵柄と幻想的な画面の雰囲気も面白い。
『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~(9)』(江島絵理)
ゲーム禁止のお嬢様学校で格ゲーに勤しむ少女達を描く物語。
格ゲーの描写はマニアックでありながら、ゲーム配信やレスバトル、配信企画などエンタメ性の高い展開が上手く組み合わされており知識がなくても楽しい。













































